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ギア-GEAR-

京都市で公演される演劇作品 ウィキペディアから

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ギア-GEAR-』(ギア)は、日本で公演されている演劇作品である。京都府京都市のギア専用劇場(アートコンプレックス1928)で公演されている。

台詞が一切無いノンバーバル演劇作品であり、マイムブレイクダンスマジックジャグリングというパフォーマンスが取り入れられ、ギミックが多く取り入れられた舞台セット、レーザー光線を用いた光学的な演出などでストーリーを表現する[1][2]

あらすじ

忘れ去られた古いおもちゃ工場では人間がいなくなった今も人間型ロボット「ロボロイド」が働き続ける。そこへ、かつて工場の製品であったおもちゃの人形「ドール」が現れる。ロボロイドは異物に対する解析機能によりドールと交流し、そしてドールはロボロイドたちとの「遊び」を通じて、少しずつ人間に近づいていく。ところが楽しい時間もつかの間、工場では大暴走が起こってしまう。

概要

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専用劇場のアートコンプレックス1928がある1928ビル

大きさや形、色の異なる歯車が噛み合い、大きなうねりを生み出す日本独特の和の文化である調和を産み出すとの意味で「ギア」と命名された[1]。あえて人間役を登場させずにロボットと人形を描くことで、このAI時代に改めて「人間」とは何か?を問う作品になっている。

基本的には専用の劇場で公演が行われ、技巧の凝らされたセット、演者の動き、パフォーマンス、光学、音響、風までも使ったギミック[3]でストーリーを表現する、台詞の無いノンバーバル演劇で、公演時間は90分程度[4][5]。言語の壁がない[3]ため、外国人や子どもも楽しめる内容となっており、4歳未満の幼児が入場できるキッズデーも設けられている[6]

2010年1月にトライアウト公演開始(大阪・道頓堀studioZAZAなど5公演)。その後2012年4月からは、京都の1928ビル(旧:大阪毎日新聞社毎日新聞社京都支局)にある客席数100席(現在は72席)[7][4]の「アートコンプレックス1928」を『ギア-GEAR-』ロングラン公演の専用劇場とし[8][9][10]、2024年8月現在も公演を続けている[6]

ロングラン公演は、当初は振るわなかったものの、口コミやリピーターにより[3]2015年6月には1000回を達成、来場者数は小規模な劇場ながら同年10月、7万人を越える[11][4][2]、2022年4月に京都ロングラン10周年を迎え、2025年6月に公演回数4900回、観客動員数34万人を突破[12][13][14]

2012年以降、中国タイ等での海外イベントに参加し公演を行っているほか、2015年11月から2016年4月にかけて、ロシアモスクワで海外公演も行われた[8]

2017年12月22日から、関東進出のロングラン公演として、千葉県千葉市中央区千葉ポートスクエア内「千葉ポートシアター」で『ギア-GEAR- East Version』[15][16]を開始した(初日はこけら落とし公演)。主催・運営はラオックス、後援は千葉市、bayfm2019年9月29日に公演回数601回をもって終了した(再開時期未定[17]。2021年5月現在、施設内には本作品の一部看板が残っている)。

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特徴

本作品は、歌舞伎が「歌・舞・伎(芝居)・外連(けれん)」などが見事に融合して作られている複合芸術(=コンプレックスアート)であることをヒントに、それらの要素を現代アートに変換して創作されている。他にも歌舞伎の影響を受けている点が多くあり、並木正三によって作られた歌舞伎の「盆」(廻り舞台)に着想を得て舞台中央にはロータリングステージが設けられている。また同じ演目でも役者が異なることがある歌舞伎と同様、本作品でも総勢32人のキャストがおり、1万通り以上の組み合わせがある[18]プロデューサー小原啓渡が大学中退後、インド放浪の末に行き着いた思想が本作品のベースにもなっている[19]

舞台公演では珍しく、特定の演出家を置かず、「御客様」を音読みした「オン・キャクヨウ」という架空の人物の名前が、演出家としてクレジットされている。これはロングラン公演にあたり、観客からのフィードバックを重視し演出等を改善しているため[4]

技術面では、 2006年頃からプロジェクションマッピングを先駆的に実施するほか、最大1600万色のレーザー光線による演出や遠隔操作により色を変えるLEDドレス、強風を巻き起こす巨大な扇風機を用いた仕掛けなどが特徴である[20]

評価

台詞のない非言語の表現を特徴とした演劇作品であるため、外国人の観客も多く、 これまでに世界90カ国以上から観客が来場した[13]。TripAdvisorによる「外国人に人気の日本の観光スポットランキング 2015」19位にランクイン[4][2][21]

日本オリジナル作品・同一劇場でのロングラン上演としては初の14年目に突入し、これは現在公演中のブロードウェイ作品と比較すると『ウィキッド』『ブック・オブ・モルモン』に次ぐ記録に相当する[13]

国籍、人種関係なく子どもから大人まで幅広い層をターゲットとしており、客層は家族連れも多く、リピート率は2割ほど[19]。夜の観光コンテンツが少ないと言われる京都において、本作品は新たな体験型観光コンテンツとしても注目されており、デービッド・アトキンソン著『新・観光立国論』(東洋経済新報社、2015年)にて、日本で注目される新たな取り組みの事例として紹介されている。

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受賞歴

  • 京都創造者大賞2016(アート・文化部門)[2]

キャスト

公演によって、配役がその都度変わる。ここでは過去に出演したことのあるキャストを記す(順不同)

  • いいむろなおき
  • 岡村渉
  • 谷啓吾
  • 大熊隆太郎
  • ROBI
  • TAE
  • 達矢
  • YOPPY
  • たっちん
  • じゅんいち
  • Chibanasty
  • ユウタ
  • JO
  • 兵頭祐香
  • 佐々木ヤス子
  • 中村るみ
  • 安東利香
  • 山根明莉
  • 芳本紗良
  • 松田有生
  • やまさきそら
  • SHUMPEI
  • ユキ
  • せとな
  • 楓奏
  • 酒田しんご
  • Ren
  • 渡辺あきら
  • 深河晃
  • 宮田直人
  • Mal
  • 石水タヰキ

公演概要

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その他公演

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「East Version」公演劇場であった千葉ポートシアターが所在する千葉ポートスクエア
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脚注

外部リンク

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