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ケイシーの定理

ユーグリット幾何学の定理 ウィキペディアから

ケイシーの定理
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数学におけるケイシーの定理(ケイシーのていり、: Casey's theorem)または一般化トレミーの定理は、アイルランドの数学者ジョン・ケイシーにちなむユークリッド幾何学の定理である。

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和算においてはケイシーによる発表の約30年前ごろに発見されていたと言われる[1]

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主張

要約
視点

を半径 の円とし、 をこの順に に内接する、互いに交わらない4つの円とする。円 に外側の共通接線を引いたときの2接点の距離を とすると、次の等式が成り立つ[2]

4つの円がみな1点にまで退化した場合、これはちょうどトレミーの定理になる[3]

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証明

要約
視点

以下の証明は Zacharias に帰せられる[4][5]。円 の半径を と表し、円 との内接点を とする。各円の中心を同じ記号 で表すことにする。 ピタゴラスの定理より、

この長さを点 を用いて表したい。余弦定理を三角形 に用いると

が得られる。円 が接していることから

を円 の周上の点とする。正弦定理を三角形 に用いると

が得られる。これより、

以上を余弦定理の式に代入すると

よって

が得られる。円に内接する四角形 にトレミーの定理を用いて変形すると

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さらなる一般化

4つの円が最大の円に内側から接していなくともよい。実際、これらが外側から接している場合も考えることができて、その場合は以下のように定めればよい[6]

が円 の同じ側(いずれも内側か、または外側)から接しているならば、 は2円に対し外側から共通接線を引いたときの接点間の距離とする。
が円 の異なる側(一方が内側で他方が外側)から接しているならば、 は2円に対し内側から共通接線を引いたときの(共通接線に対し2円が反対側に位置するようなときの)接点間の距離とする。

ケイシーの定理の逆もまた成り立つ[6]。つまり、この等式が成り立っているならば、4つの円はある1つの円に共通して接する。

応用

ケイシーの定理およびその逆は、ユークリッド幾何学の種々の命題の証明に用いることができる。例えば、フォイエルバッハの定理の最も短い証明はケイシーの定理の逆を利用するものである[2]:411

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パーサーの定理

ケイシーの定理のにはトレミーの定理の他、ファン・スコーテンの定理パーサーの定理(パーサーのていり、: Purser's theorem)がある。ジョン・パーサーにより発見された[7]。パーサーの定理の主張は次の通り[8][9][10]

ABCとその外接円Oについて、円O'におけるA,B,Cの接線長をそれぞれAA',BB',CC'とすれば、Oに円O'が接することと、が成立することは同値である。

ケイシーの定理で4円のうち、3円を点にすることで得られる。

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脚注

外部リンク

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