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パウ・チン・ハウ文字 (Unicodeのブロック)
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パウ・チン・ハウ文字(パウ・チン・ハウもじ、英語: Pau Cin Hau)は、Unicodeのブロックの一つ。
解説
ミャンマーのチン州などでチン族によって話される、シナ・チベット語族チベット・ビルマ語派クキ・チン諸語に属するテディム・チン語(ティディム語)におけるライピアン(テディム・チン語で『文字に基づく宗教』を意味する)の宗教的伝統における典礼用文字として、チン族の宗教指導者であるパウ・チン・ハウにより1902年ごろに考案されたパウ・チン・ハウ文字を収録している[1]。ただし、ライピアンの宗教伝統の衰退とキリスト教宣教活動の活発化に伴いこの文字の使用は限定的となっており、現在のテディム・チン語は主にラテン文字やポラード文字で書かれている[1]。
この文字はテディム・チン語を表記するために開発されたが、いくつかの文字と声調記号は、テディム語には存在しないものの、他のチン諸語には存在する音を表しており、このアルファベットがチン諸語のための普遍的な文字として作られた可能性を示唆している[1]。
一部の文字の字形はビルマ文字やラテン文字に類似しているが直接の遺伝的関係は存在せず、これらの類似性は、ビルマ人コミュニティとの接触、および西洋の宣教師によってこの地域に広められたラテンアルファベットの影響によるものと考えられている[1]。
パウ・チン・ハウ文字は音素文字のうち子音と母音とに独立した文字が割り当てられているアルファベットに分類される。ラテン文字などと同様に左から右への横書き(左横書き)であり、単語毎に分かち書きをする[1]。声調記号は約物(句読点)としての機能も兼ねており、声調記号が文末にある場合は終止符を表すための、2つ記号を並べたような派生字形のものが用いられる[1]。
独自の数字体系は存在せず、ラテン文字用の算用数字が用いられる[1]。
Unicodeのバージョン7.0において初めて追加された。
なお、パウ・チン・ハウはこのアルファベットの文字体系のほかに、同言語用の音節文字(或いは表語文字)も考案しているがこちらはUnicodeに提案中であり、現在未収録である[2]。音節文字は2025年現在、RoadmapとしてU+19E00-1A2FFの範囲への収録が検討されている[3]。本ブロックに含まれるアルファベットはこの音節文字を由来としている[1]。
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収録文字
要約
視点
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小分類
このブロックの小分類は「子音字」(Consonants)、「母音字」(Vowels)、「末子音字」(Final consonants)、「声調記号」(Tone marks)の4つとなっている[4]。
子音字(Consonants)
この小分類にはパウ・チン・ハウ文字のうち、基本的な子音字が収録されている。
母音字(Vowels)
この小分類にはパウ・チン・ハウ文字のうち、基本的な母音字が収録されている。
末子音字(Final consonants)
この小分類にはパウ・チン・ハウ文字のうち、末子音を表す字母が収録されている。
声調記号(Tone marks)
文字コード
パウ・チン・ハウ文字(Pau Cin Hau)[1] Official Unicode Consortium code chart (PDF) | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+11ACx | 𑫀 | 𑫁 | 𑫂 | 𑫃 | 𑫄 | 𑫅 | 𑫆 | 𑫇 | 𑫈 | 𑫉 | 𑫊 | 𑫋 | 𑫌 | 𑫍 | 𑫎 | 𑫏 |
U+11ADx | 𑫐 | 𑫑 | 𑫒 | 𑫓 | 𑫔 | 𑫕 | 𑫖 | 𑫗 | 𑫘 | 𑫙 | 𑫚 | 𑫛 | 𑫜 | 𑫝 | 𑫞 | 𑫟 |
U+11AEx | 𑫠 | 𑫡 | 𑫢 | 𑫣 | 𑫤 | 𑫥 | 𑫦 | 𑫧 | 𑫨 | 𑫩 | 𑫪 | 𑫫 | 𑫬 | 𑫭 | 𑫮 | 𑫯 |
U+11AFx | 𑫰 | 𑫱 | 𑫲 | 𑫳 | 𑫴 | 𑫵 | 𑫶 | 𑫷 | 𑫸 | |||||||
注釈
|
履歴
以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
出典
関連項目
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