トップQs
タイムライン
チャット
視点
ブロードコム
アメリカの通信インフラ向けの半導体製品、ソフトウェアなどを製造販売するファブレス企業 ウィキペディアから
Remove ads
ブロードコム(英語: Broadcom Inc.)は、無線(ワイヤレス、ブロードバンド)および通信インフラ向けの半導体製品、ソフトウェアなどを製造販売するファブレス企業。本社はアメリカのカリフォルニア州サンノゼ。
Remove ads
買収される前のブロードコム(Broadcom Corporation)
→詳細は「en:Broadcom Corporation」を参照
UCLAの教授だったヘンリ・サミュエリとその教え子ヘンリ・ニコラスが、1991年にカリフォルニア州ロサンゼルスで創業。1995年、本社をアーバインに移転[1]。1998年、NASDAQに上場。世界各地の15カ国以上で事業を展開し、約1.1万人を雇用、2009年にフォーチュン500にランクインした。ブロードコムには、ARM CPU の命令セット設計で知られているソフィー・ウィルソンがいる。
現在のブロードコム(Broadcom Ltd.)
2016年2月、ヒューレット・パッカード、アジレント・テクノロジーの半導体部門を起源とするAvago Technologies(アバゴ・テクノロジー)による買収が完了、買収に伴いアバゴ・テクノロジーは、社名を「ブロードコム」(Broadcom Ltd.)に変更した(旧ブロードコムのティッカーシンボル「BRCM」は上場廃止となり、アバゴ・テクノロジーのティッカーシンボル「AVGO」が継続)[2]。2016年11月、通信機器製造のブロケード コミュニケーションズ システムズの買収を発表した[3]。2018年7月、ソフトウェア開発企業のCAテクノロジーズ買収を発表し子会社化した[4]。
また、2019年8月にウイルス対策ソフト大手のシマンテックの法人向け事業を107億ドルで買収したが[5]、5ヶ月後(2020年1月)に前記のうちサイバーセキュリティ事業をアクセンチュアに売却した[6]。
製品
要約
視点

ブロードコムの製品は、コンピュータネットワークおよび通信ネットワーク全般をカバーする。企業/都市向け高速ネットワーク、SOHOネットワーク向け製品、イーサネット向けと無線LANの送受信ICとマイクロプロセッサ、ケーブルモデム、DSL、サーバ、ホームネットワーク機器(ルーター、スイッチなど)、携帯電話(GSM/GPRS/EDGE/W-CDMA)などである。高速暗号コプロセッサでも知られている。これは、暗号化や復号をプロセッサ以外で行うことで主プロセッサの負荷を低減させるチップであり、電子商取引やPGPあるいはGPGを使ったセキュアな通信で役立っている。
他に通信事業者向けのIC製品、セットトップボックスやデジタルビデオレコーダ用プロセッサ、Bluetooth送受信機、無線LAN送受信機、衛星放送対応TV用チューナーなども手がけている。主な顧客としてApple、ヒューレット・パッカード、モトローラ、IBM、デル、レノボ、リンクシス、ロジテック、任天堂、ノキア、ノーテル(アバイア)、シスコシステムズ、ティーボが挙げられる。2011年9月19日、デジタルTV用チップ部門を廃止した[7]。
NICとネットワーク
ブロードコムのNICは主要ベンダーのワークステーションやサーバ製品に採用されている。マザーボード上にイーサネットNICが組み込まれている場合でもマーケティング上ブロードコムの名を出していることが多い。例えば、デルのブレードスイッチ M610 には2つのギガビット NetXtreme 5709 NIC が組み込まれている[8]。
もう1つの大きな市場はスイッチ用ハードウェアである。ブロードコムのハードウェアとファームウェアに基づくスイッチング装置がいくつかのベンダーから出ており(例えば、デルの Powerconnect classics)、ブロードコムのハードウェア(Tridentチップセット)を採用しつつファームウェアを独自開発している場合もある(例えば、シスコの Nexus の NX-OS[9]やデルの Force10 の FTOS[10])。
消費者向けコンポーネント設計
ブロードコムはまた、有名なコンシューマデバイスの部品も多数供給している。
AMDとの関係
2001年2月14日、ブロードコムはAMDの開発したHyperTransportの協力企業となり、同年7月14日には HyperTransport Technology Consortium に加入。2004年6月、AMDとのチップセット分野での提携発表し、2005年4月20日に ServerWorks ブランドとしてAMD K8(Opteron)用チップセット「HT-2000」を発表、2006年8月15日には AMD K8 用チップセット HT-2100 を発表し、同年10月に量産出荷を開始した。
2008年8月25日、AMDよりデジタルテレビ事業を1億4150万ドル(当初発表では1億9280万ドル)で買収。パネルプロセッサ Xilleon の製造権を取得した。
サイバーセキュリティ
2019年11月にSymantecを買収した。日本国内においては、エンドポイントセキュリティ製品やEメールセキュリティ、WEBセキュリティゲートウェイを展開している。ブロードコムのソフトウェア事業は、現在売上全体の3割ほどだが、5割を目標にエンタープライズソフトウェア事業の投資を拡大し続けている。
仮想化技術
2022年5月には、仮想化市場で世界一を誇るVMwareの買収を発表。VMware は、2019年にEDR(Endpoint Detection and Response)で世界シェアを保有するCarbon Blackを買収しておりこちらもあわせて事業ポートフォリオに組込まれることとなった。
生産体制
ブロードコムはファブレス半導体企業として知られている。半導体素子の製造は全て以下のようなアジアのファウンドリに任せている。
- Semiconductor Manufacturing Corporation (TSMC、台湾)
- GLOBALFOUNDRIES(旧:Chartered Semiconductor Manufacturing)(ドイツ、シンガポール)
- Semiconductor Manufacturing International Corporation (SMIC)(中国)
- Silterra Malaysia Sdn. Bhd.(マレーシア)
- United Microelectronics Corporation(UMC/臺灣、台湾)
機器組み立てなどは、以下の提携先に任せている。
- NEC
- ASAT Ltd(香港)
- ST Assembly Test Services(シンガポール)
- Siliconware Precision(臺灣)
- United Test and Assembly Center(シンガポール)
- ChipPac and Signetics(韓国)
本社は2007年からカリフォルニア州アーバインのカリフォルニア大学アーバイン校キャンパス内の University Research Park にある。研究開発拠点は、ケンブリッジ(イギリス)、バンガロール及びハイデラバード(インド)、リッチモンド(カナダ、バンクーバー近郊)、マーカム(カナダ、トロント近郊)、 ソフィア・アンティポリス(フランス)などにある。
Remove ads
ブロードコムとオープンソース
ブロードコム製無線LANチップ向けのオープンソースのドライバがいくつかLinuxカーネルのソースツリーに含まれている[11]。Linuxカーネル 2.6.26 以降、ブロードコムチップのいくつかはカーネルでサポートされているが、ビルド時に外部ファームウェアを必要とする。
2003年、ブロードコムが同社の無線LANルーター用チップセットのドライバにGPLコードを使っていながらコードを公開しておらず、GNU General Public License に違反しているとして、フリーソフトウェア財団がブロードコムを非難した。そのチップセットはリンクシスが採用し、リンクシスは後にシスコに買収された。するとシスコは Linksys WRT54G シリーズ無線ブロードバンドルーターのファームウェアのソースコードを公開した[12][13]。
2002年、ブロードコムは独自のVoIPコーデックを開発し、2009年にLGPLライセンスでオープンソースとしてリリースした[14]。
- BroadVoice 16 - ビットレート 16 kbit/s、サンプリング周波数 8 kHz
- BroadVoice 32 - ビットレート 32 kbit/s、サンプリング周波数 16 kHz(ただし、X-Lite SIP フォンのメニューにはビットレート 80000 bit/s とある)
Remove ads
ストックオプション問題
2006年7月14日、ブロードコムはストックオプションの処理の是正にかかった費用7億5000万ドルを追加計上することを発表した。2006年9月8日、その額は15億ドルに倍増。また、同社は追徴課税されることとなった[15]。2007年1月24日、1998年から2005年までの会計処理すべき金額は22億2000万ドルに増大した[16]。
2008年5月15日、証券取引委員会(SEC)への申し立てで名前を出された後、サミュエリは会長職を辞任し、CTOとして休職した。
2008年6月5日、共同創業者で元CEOのヘンリ・ニコラスと元CFOの William Ruehle は、ストックオプションの不正な日付改竄で起訴された。ニコラスは麻薬取締法違反でも起訴されている[17]。しかし2009年12月、検察官が弁護側証人3人の証言を不適切に妨げたとして、連邦判事コーマック・J・カーニーはストックオプションの日付改竄に関する告発を退けた[18]。
Remove ads
クアルコムとの裁判
2007年6月、ブロードコムはサンディエゴに本社を置く半導体企業クアルコムが同社の特許を侵害したとして訴え、アメリカ国際貿易委員会はクアルコム製チップを搭載した携帯電話の輸入禁止を命じた。ブロードコムはこの問題を裁判でも訴えていたが、2009年4月26日、4年に及ぶ法廷闘争が終結した[19]。和解の条件として、クアルコムは2013年4月までにブロードコムに現金8億9100万ドルを支払うことになっている。
企業買収
要約
視点
2011年9月、ブロードコムは NetLogic Microsystems を現金37億ドルで買収し、NetLogic従業員の持つ自社株4億5000万ドル分はブロードコム株と交換した[20]。
他にもブロードコムは多数の企業を買収しており、それによって新市場にすばやく参入している[21]。
2016年2月、Avago Technologies によって買収されたが、社名は買収された側の「ブロードコム」が採用され、その後もブロケード コミュニケーションズ システムズの買収を発表している。
2019年、GINを含めたSymantecの法人事業をBroadcomが買収。
2022年5月、VMware を約610億ドルで買収。
Remove ads
脚注
外部リンク
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Remove ads