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二十歳の原点

高野悦子による日記 ウィキペディアから

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二十歳の原点』(にじゅっさいのげんてん[注 1])は、1971年昭和46年)に新潮社から発行された高野悦子による日記。およびそれを原作とした映画。2009年平成21年)4月カンゼンから「新装版」が発行された。

概要

1969年1月2日(大学2年)から同年6月22日(大学3年)までの、立命館大学での学生生活を中心に書かれている。理想の自己像と現実の自分の姿とのギャップ、青年期特有の悩みや、生と死の間で揺れ動く心、鋭い感性によって書かれた自作のなどが綴られている。

学生運動が盛んだった1960年代末期を代表する作品であり、現在でも取り上げられることが多い。

出版までの経緯

高野の自殺後、彼女の下宿先を訪れた遺族が、十数冊の大学ノートに書かれた日記を発見した。日記は父親の手によりまとめられ、同人誌『那須文学』に掲載。後に新潮社より発売されベストセラーになった。その後、より若い頃の日記をまとめた『二十歳の原点序章』『二十歳の原点ノート』も刊行された。

タイトルの由来

当時の成人の日である1月15日に書いた、「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」という一節から取られている。

内容

日記は高野が20歳の誕生日を迎えた1969年1月2日から始まっている。学生運動・失恋・人間関係での葛藤と挫折が記され、自殺2日前の6月22日まで続いている。

「旅に出よう」

6月22日の最後の日記の最後に、「旅に出よう」で始まる詩が書かれている。運命を暗示するかのような象徴的な内容、高い完成度などから、作品中でも特に印象に残る静謐な一篇とされている。

出版

※巻末に、新潮社版の単行初版に収録された、著者の父親による解説・後書きとも言うべき「失格者の弁」を再録
  • 『コミック版 二十歳の原点』(作画:岡田鯛、双葉社2019年6月)
2018年の女子大生が1969年にタイムスリップし、高野と出会うという設定。

映画

東京映画(現・東宝)により制作され、配給は東宝。原作をモチーフにしているが、登場人物・事実関係は脚色している。1973年10月27日公開。DVDやビデオは発売されていない。

スタッフ

出演

高野の家族には仮名が用いられている(原作では実名)。友人・アルバイト先の人々は、原作の仮名そのままである。

サウンドトラック

  • 四人囃子『ある青春/二十歳の原点』(オリジナルLP盤は1973年、2002年に『二十歳の原点(+2)』というタイトルでCD盤再発)
『夜』というタイトルで、当時19歳のTHE ALFEE高見沢俊彦が作詞で参加している。クレジットはアルフィーに改名前のバンド名「コンフィデンス」になっている。
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他作品での引用・影響

  • チェーン・ポイズン」(本多孝好)- 自殺志願者が同書を手に取る描写がある。
  • ハタチの原点―仕事、恋愛、家族のこれから」(阿部真大)- 特に本文中での引用は無いが、タイトルの元ネタが本作である。
  • ブロガーのちきりんが大きな影響を受けたと述べており、11歳の時に本作をきっかけに日記をつけ始めた。ブログ「Chikirinの日記」はこの延長であり、そのためタイトルに「日記」とついている[2]
  • 舞台「アカシアの雨が降る時」(作・演出:鴻上尚史) - 作中で重要なモチーフとして扱われ、本書から複数の引用がなされている

脚注

関連項目

外部リンク

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