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喪服のランデヴー

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喪服のランデヴー』(もふくのランデヴー、Rendezvous in Black)は、コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)作のミステリサスペンス小説である。アメリカ合衆国および日本テレビドラマ化された。

小説

原書は1948年刊。

  • 1957年 早川書房 世界探偵小説全集
  • 1976年 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫 ISBN 4150706018

あらすじ

別れ
ジョニー・マーと恋人のドロシーは毎晩8時にドラッグストアの前で待ち合わせをし、深夜に別れるデートを数年繰り返していた。ついに結婚の約束をしたある年の5月31日。ジョニーは待ち合わせの時間に数分遅れてしまう。上空を通過する飛行機の乗客が飲み終わった酒瓶を下に放り投げ、その瓶に当たってドロシーは死亡した。
最初のランデヴー
グレアム・ギャリソンは上院議員であった。
愛する夫人はドアにささっていた釘が元で破傷風になって死ぬ。その後、「どんな気持ちかわかったろう」と書かれた手紙を受け取る。
第二のランデヴー
ストリックランド・ヒューが愛人のエスター・ホリデー宅を訪問すると、エスターが殺されていた。ないがしろにしていた妻・フローレンスの裏切りにあい、エスター殺しの犯人としてストリックランドは死刑になる。現場にギャリソン同様の手紙があったがフローレンスが処分している。
第三のランデヴー
バッキィ・ペイジと妻のシャロンと間には何の問題もなかった。バッキィは兵役に就き出征する。
シャロンからの愛を綴った手紙と同時にシャロンの浮気を告げる匿名の手紙を受け取ったバッキィは、心配の末、脱走してシャロンの元へ戻るがシャロンは殺されていた。バッキィもまた銃弾に倒れ、バッキィとシャロンは心中として処理された。
第四のランデヴー
刑事のマックレイン・カメロンは一連の事件の共通点に気付き、次はリチャード・ドリューの娘・マダリンを警戒する。
しかし、マダリンはジョニーによって殺害され、同じ手紙が残される。
第五のランデヴー
アレン・ウォードの恋人マーティンは5月31日を恐れて、船で横浜へ脱出を試みる。5月31日が開けたと喜ぶ翌日に殺されてしまう。日付変更線を通過したため5月31日のままであった。
再会
カメロン刑事は、囮として警察見習い生にドロシーの扮装をさせ、ドラッグストアの前で待ち伏せる。
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テレビドラマ (アメリカ合衆国)

プレイハウス90英語版』の1編として1956年10月18日に『Rendezvous in Black』のタイトルでCBSにて放映された。

スタッフ
キャスト
参考

テレビドラマ

要約
視点
概要 喪服のランデヴー, ジャンル ...

2000年8月15日より9月12日まで毎週火曜日23:00 - 23:45に、NHK総合テレビジョンの「ドラマDモード」で放送された[1]。主演は藤木直人

2002年1月8日から2月5日に同枠で再放送された。

最終話「告別」は、本放送時には洪水情報で25分遅れでの放送、再放送時には時間短縮による重要部分のカットがされてしまった。

野沢尚は『青い鳥』(1997年、TBS系)の企画を出す際に、『喪服のランデヴー』をA案として出し、『青い鳥』はB案であったが、この時点でシナリオの骨格はできあがっていた[2]

小説は1940年代であるので、これを現代日本に翻案すると共に、団塊の世代と団塊の世代ジュニアとの世代間抗争をテーマとして盛り込んでいる[2]。飯田聖美殺害犯となる4人には全共闘運動に関わり、現在は社会的な地位を獲得して保身ばかり考えているという設定になっているが、中間世代の野沢としては現在の日本が病んでいるのは団塊の世代、全共闘世代が自分たちがいきてきた時代を総括せずに来たからではないかとの考えがあってのことである[2]

本作は主人公が殺人者であり、直接復讐するわけではなく、何の罪もない関係者を手に下すという視聴者の感情移入を難しくする存在となっている[2]。そこで主人公を追跡する若い刑事視点で描くことで視聴者の気持ちを引き付けるようにしている[2]

キャスト

主要人物
  • 路木悟史〈24 → 28〉 - 藤木直人
    雑貨店で働く青年。
  • 飯田聖美〈25〉(悟史の恋人) - 麻生久美子
    薬学部の大学院生。
警察・宝良署
  • 大柴総太〈24 → 28〉(宝良署刑事) - 吉岡秀隆
    父親は風俗担当の刑事だったが収賄を行って、辞職と一方的な離婚をした。そのため不正などには敏感。
    第1話の時点では配属されたばかりの新人刑事。飯田聖美遺体発見現場にも召集され、その時に路木とも会っている。飯田聖美の遺体発見から3週間で、植村署長からの指示で、捜査本部は挽地と大柴の2人に縮小された。
  • 挽地圭一郎〈60〉(定年間近の刑事) - 坂本長利
    第2話と第3話の間で定年退職。植村から紹介されて警備会社の主任に再就職する。また、尾花の遺書を植村に渡している。第4話までには孫を事故で亡くし(路木は無関係)、警備会社も退職している。第5話で、大柴は全てが終わったら公務執行妨害証拠隠滅の罪で逮捕する旨を伝えている。
植村家
  • 植村昇平〈46〉(警察署長) - 寺田農
    第3話から第4話の間に退職して肝硬変で入院する。入院したまま第5話の5月31日午後8時過ぎに死亡。
  • 植村祥子 - 根岸季衣
    植村の妻。かつての上司の娘で出世のために見合い結婚している。息子もいるが、第3話中に一方的に植村から離婚を切り出される。
辰岡家
  • 辰岡季里子〈46〉(弁護士) - 吉田日出子
    夫は弁護士で既婚者であり、辰岡が略奪婚したが、10年もたずに離婚している。
  • 辰岡由海〈25〉(季里子の娘) - 麻生久美子(二役)
長谷部家
尾花家
  • 尾花初男〈46〉(県会議員) - 岸部一徳
  • 尾花苑子 - 山口美也子
    苑子の家系は代々政治家で、尾花はその地盤を受け継いだから当選できた。また住居や選挙資金も苑子が用立てている。
    原作と同じく愛人を殺したのが尾花ではなかったため、尾花を裏切る決意をする。原作と違い、その背景には路木の暗躍もあった。
その他
  • 青木千夏 - 山本未來
  • 佐々木和彦 - 石丸謙二郎
  • 松木敏夫 - 松重豊
  • 大柴美佐子 - 銀粉蝶
    大柴総太の母親
  • 小杉弘 - 田中哲司
  • 宮本比呂子 - 小林麻子
    辰岡由海の同僚。
  • 倉石映一 - 長塚圭史
  • 蓑田新吉 - 沼田爆
    第1話以前に路木悟史が務めていた雑貨店の店主。
  • 松原日奈子 - 宮崎優子
    宝良市内在住の盲学校教師。盲目。路木はタカハシと名乗ってその盲学校にボランティアとして働いている。松原(および生徒)にGPS付PHSを持たせるのもタカハシの発案。
  • 松原ひとみ - 宮崎優子(二役)
    日奈子の母親。4人の学生運動仲間だったが、運動中に機動隊に殴られたことが原因で第1話の27年前の5月31日に日奈子を産んで死亡。4人は毎年5月31日に集まっている。
  • 福山喜一 - 森富士夫
  • 福山陽子 - 松本じゅん
  • 立花隆行 - 津嘉山正種

スタッフ

ロケ地協力

  • セントマーガレット病院[3]

放送日程

さらに見る 各話, 放送日 ...
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出典

関連項目

外部リンク

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