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両唇軟口蓋鼻音
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両唇軟口蓋鼻音(りょうしん なんこうがい びおん)は、両唇鼻音[m]と軟口蓋鼻音[ŋ]の二重調音で、国際音声記号では[ŋ͡m]と書かれる。
両唇軟口蓋鼻音は、西アフリカおよび中央アフリカ、さらにニューギニア東部に見られ、またベトナム語の特定の環境にも現れる[1][2]。
概要
両唇音と軟口蓋音の子音結合では単一の子音の1.5倍の時間がかかるが、両唇軟口蓋音は両唇音より25-30ミリ秒長いだけである[3]。
特徴
有声両唇・軟口蓋鼻音の特徴は以下のとおりである:
- 調音方法は閉鎖であり、これは声道内の気流を閉塞して生じることを意味する。子音が鼻音であるため、閉塞された気流は鼻へ迂回される。
- 調音部位は両唇・軟口蓋であり、唇と、舌背(舌の後部)を軟口蓋に同時に接近させて調音される。舌背の閉鎖は唇の閉鎖よりやや早く作られ、やや早く解放されるが、両者はその持続の大部分で重なっている。
- その発声は有声であり、調音中に声帯が振動する。
- それは鼻音であり、鼻音閉鎖においては空気は鼻からのみ流出する(それ以外の子音では口からも流出する)。
- それは中線音であり、気流が舌の中央に沿って導かれ、側面には導かれない。
- その気流機構は呼気音であり、肋間筋と腹筋によってのみ空気を押し出して調音され、多くの音と同様である。
存在
破裂音[k͡p ɡ͡b]にくらべると、鼻音[ŋ͡m]の出現する言語は限られている。
円唇化変種
いくつかの言語、とくにバヌアツの言語では、この両唇・軟口蓋鼻音に両唇・軟口蓋接近音解放を伴わせ、したがって [ŋ͡mʷ] となる。
これをもつバンクス諸島の言語では、音素 /ŋ͡mʷ/ は現地の正書法では対応する両唇子音に長音符(マクロン)を付けた⟨m̄⟩で表記される。バヌアツのさらに南方の諸言語(南エファテ語や Lenakel語など)では、同じ音は結合チルダを付けた⟨m̃⟩で綴られる。
脚注
参考文献
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