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正多角形
全ての辺の長さが等しく、全ての内角の大きさが等しい多角形 ウィキペディアから
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幾何学やそれに関係する数学の諸分野における正多角形(せいたかくけい、英: Regular polygon)とは、全ての辺の長さが等しく、全ての内角の大きさが等しい多角形のことを指す。
以下、本記事では「正多角形」を説明の都合上、「正 n 角形」と表すこがある、このとき、 n は2以上の有理数である。また、正多角形の一辺の長さを a とする。
正 n 角形の n の値をに飛ばしたとき、つまり、正角形は、周長・面積が一定の場合は円に、一辺の長さが一定の場合は直線に近似する。
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定義
正多角形とは、多角形の内、すべての辺の長さが等しく、すべての内角の大きさが等しいもののことを言う。
→詳細は「多角形」を参照
ユークリッド幾何学
要約
視点

n が自然数の場合
性質
図形の対称性
正 n 角形は、 n の取る値がどのような値でも、常に線対称で対称軸は n 本であり、 n 次対称性を持つ、また、 n の取る値が偶数のときは点対称でもある。
辺の平行
図形の相似性
n の取る値が同一の正多角形同士は全て互いに相似である。
内接円と外接円
正多角形の全ての頂点は同一円周上にある。つまり、正多角形は円に内接する。また、すべての辺の中点も同一円周上にある。つまり、正多角形は円に外接する。
内心・外心・重心
その他
角の数が最小であるのは正三角形である。三角形では、辺の長さが全て等しいか、または角の大きさが全て等しい三角形は正三角形になる。しかし他の多角形では辺の長さが全て等しく、かつ角の大きさも全て等しくなければ正多角形とはならない。例えば四角形では辺の長さがすべて等しいものは菱形、角の大きさがすべて等しいものは長方形であり、正四角形(正方形)とは限らない。菱形かつ長方形である四角形が正方形となる。
内角の大きさ
内角の大きさを表す公式
となる。また、正多角形だけでなく 多角形でも成り立つ。
公式の証明
上記の式が成り立つことを証明する。
証明1
「多角形の外角の和がである」という外角の和の定理を利用する、正 n 角形は n 個の等しい大きさの外角を持つため、正 n 角形の一つの外角の大きさは、よって、一つの正 n 角形の内角の大きさは
となる。
証明2
まず、三角形の内角の和がであることを示す。
△ABCにおいて頂点Aを通り、辺BCと平行な直線PQを引く、そして、錯角からとが分かる。これにより、が分かり、、なため、と分かる。
正 n 角形はn−2個の三角形に分割でき、一つの三角形の内角の和はのため、正 n 角形の内角の和は、となる、正 n 角形は n 個の等しい大きさの内角を持つため、正 n 角形の一つの内角の大きさは
となる。
→詳細は「多角形の三角形分割」を参照
面積
面積を表す公式
正 n 角形の面積を表すと
である。
公式の証明
まず、正 n 角形の外心と各頂点を線分で結び、合同な n 個の二等辺三角形に分割する。できた二等辺三角形は、中心角の大きさがラジアンで、底辺の長さが a である。また、高さ h とする。分割した後、正 n 角形の外心から、各辺に向かって垂直二等分線を引く、すると、辺と角が二等分され、合同な2n個の直角三角形が分割する。できた直角三角形は、中心角の大きさがラジアンで、底辺の長さがである。三角比のを用いると、の定義「対辺隣辺」より、はラジアンで対辺の長さは、隣辺の長さは高さ h のため、
という関係式が成り立ちます。ここから、高さ h を求めると、
より、
内接・外接
多角形 F に対して、頂点が F の辺上にあり、なおかつ F の内部にあるとき、多角形は多角形 F に内接するという。また、F の頂点が辺上にあり、Fの外部にある多角形は多角形 F に外接するという。
- (例):⬡ABCDEFにおいて、辺AB,CD,EFの中点を頂点とする△PQRは⬡ABCDEFに内接する図形である。
以上のことを踏まえた上で、一辺の長さが a である正n角形 F において、F に内接する正n角形で、面積が最小であるものの面積 s、F に外接する正n角形で、面積が最大であるものの面積 S はそれぞれ、
と表される[疑問点]。
半径が一定の円に内接する正n角形は、n → ∞ とするとその円に近づくので、十分大きい n について「周長÷外接円の直径」を計算すると円周率の近似値が得られる。これは、初期の円周率の求め方で、円周率の歴史上の始まりに位置する。これはいわば「正∞角形は円である」ということである。
対角線の長さ
正n角形の対角線の長さの種類は
だけある(⌊x⌋ はガウス記号)。一辺の長さを a とすると、m番目に短い対角線の長さは
である。m = 0 のとき辺の長さ、m = 1 のとき最短の対角線の長さを表す。
コンパスと定規を用いて描けるもの
→詳細は「定規とコンパスによる作図」を参照
p を素数とする。正p角形のうち、作図可能なものは、頂点の個数 p がフェルマー素数 (3, 5, 17, 257, 65537) である場合のみであり、それぞれ正三角形、正五角形、正十七角形、正二百五十七角形、正六万五千五百三十七角形である。頂点の個数が素数でないものについては、その数を素因数分解した時に奇数の因数がフェルマー素数のみでかつ、同じものが存在しない場合、または奇数の因数が存在しない(2の冪)場合のみ作図することが可能である。
- 例:正方形は、奇数の因数がないので (4=2×2) 作図することができる。正六角形や正十五角形は、奇数の因数がフェルマー素数のみなので (6=2×3, 15=3×5) 作図することができる。正九角形は、奇数の因数はフェルマー素数のみだが同じ数の重複があるので (9=3×3) 作図できない。
正十七角形の作図可能性は、1796年3月30日にカール・フリードリヒ・ガウスが発見した。さらにガウスは1801年に出版したDisquisitiones Arithmeticae(『ガウス整数論』)の第365条、第366条において、作図できる正多角形の必要十分条件も示している。
作図可能性の比較
正多角形(正四十角形まで)が作図可能かどうかを以下に示す。なお、○は作図可能、×は作図不可能を示す。
正p角形(p は3以上の素数)、正(2n + 1)角形の作図に必要な値 cos(2π/2n+1) は、n次方程式の解として求められる[4]。
→詳細は「ユークリッド幾何学」を参照
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楕円幾何学
この節の正確性に疑問が呈されています。 |
→詳細は「楕円幾何学」を参照
最も角が少ないのは正二角形である。二角形は必ず正二角形になる。
この幾何学上の正三角形は、内角の和は180°より大きく、ユークリッド幾何学上のルーローの三角形と同じ図形である。
双曲幾何学
この節の正確性に疑問が呈されています。 |
→詳細は「双曲幾何学」を参照
最も角が少ないのは正三角形であり、内角の和は180°より小さい。
脚注
関連項目
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