トップQs
タイムライン
チャット
視点
第70回東京箱根間往復大学駅伝競走
1994年の箱根駅伝 ウィキペディアから
Remove ads
第70回東京箱根間往復大学駅伝競走(だい70かいとうきょうはこねかんおうふくだいがくえきでんきょうそう)は、1994年1月2日から1月3日までに開催された第70回目の東京箱根間往復大学駅伝競走である。
実施日程
参加大学
70回記念大会として出場枠を拡大し、予選会では「10人の合計タイムが10時間50分00秒以内でゴールした上位11校」に出場権が与えられた。今大会が初出場となる中央学院大学と関東学院大学を含む9校が出場権を獲得し、後日予選会10位の慶應義塾大学と11位の筑波大学の出場も認められた。
Remove ads
概要
要約
視点
前回大会に引き続き、早大と山梨学大による「早山対決」となった。
連覇を狙う早大は全日本大学駅伝を大会新記録で優勝。一方、2年ぶりの優勝を狙う山梨学大は出雲ロードリレーを3連覇して本大会に臨んだ。
往路
1区
スタートと同時に早大・渡辺康幸が先頭に立つと、山梨学大・井幡政等がピタリと後ろにつき、その後ろに縦一列に集団が形成される展開となった。区間新記録ペースで引っ張る渡辺についていけず集団から脱落する選手が続出したほか、中央学大・関学院大・慶大の3校はスタート直後から集団にはつかず17位グループを形成した。
5kmを過ぎて渡辺と井幡が抜け出す。9km手前で順大・高橋健一が一度は追いつくも、12km過ぎから再びマッチレースとなった。川崎市に入って19kmで渡辺がスパートし、井幡に27秒の差をつけトップでタスキリレー。渡辺は櫛部静二が前年出した区間記録を56秒も上回る1時間01分13秒の区間新記録をマークした。井幡も1時間01分40秒の区間新記録。高橋が1分41秒差の3位で続いた。
集団につかなかった前述の3校と、3km手前で集団から脱落した大東大は大きく引き離され、鶴見中継所では6分以上の大差がついた。
2区
先頭を行く早大・花田勝彦に山梨学大のステファン・マヤカが9kmで追いつき並走。その後ろでは前回大会2区で疲労骨折を起こし大ブレーキとなってしまった順大・本川一美がマヤカと遜色ないタイムで追い上げる。
先頭争いは13km手前で花田が脇腹を抑えながら後退し、マヤカが単独先頭に立った。マヤカは1時間07分34秒の区間タイ記録で走り切りトップでタスキリレー。花田は一時40秒近く離されたが、終盤盛り返し13秒差でタスキを繋ぐ。マヤカとともに区間新記録が期待された本川は終盤やや伸び悩み1時間08分04秒の区間2位。1分45秒差でタスキを繋いだ。
中大の1年生・松田和宏が区間4位と健闘し5位から4位に浮上。1区で大きく出遅れた関学院大・中央学大・慶大・大東大の4校が戸塚中継所で繰り上げスタートとなった。
3区
山梨学大・中村祐二は15kmまで区間記録を大きく上回るペースで独走。1km3分のイーブンペースを刻む早大・小林雅幸との差を一時1分近く広げる。終盤失速し区間記録には37秒及ばなかったものの、区間賞の走りで早大との差を32秒とした。中位争いでは駒大・高田昌徳が中村と5秒差の区間2位と好走し、5人抜きで10位に浮上する。
4区
山梨学大は4区の飯島理彰も10kmまで区間記録を上回るペースで突っ込む。追う早大・武井隆次は4年連続の区間新記録という偉業がかかっていたが、故障を抱えていたこともありペースが上がらず、二宮の定点では59秒の差がついてしまう。それでも中盤から武井が少しづつ差を詰め、22秒差でタスキリレー。武井は区間新記録こそならなかったものの、飯島を10秒抑え4年連続の区間賞を獲得した。
5区
3年連続の山登りとなる山梨学大・下山一彦が順調に後続との差を広げ、区間賞の走りで2年ぶりに往路優勝のテープを切った。山梨学大は5時間30分22秒の往路新記録を樹立。2位は2分13秒差で早大、3位には4分14秒差で順大が入った。4位の中大までが時差スタート、5位の東農大以下16校が復路一斉スタートとなった。これは一斉スタートが10分差となった第60回大会以降最多の校数である。
シード権争いは、11位でタスキを受けた神大・近藤重勝が区間2位と好走しシード圏内の9位に浮上。しかし5位東農大から9位神大までわずか1分差、10位東海大とも19秒差しかないという混戦で往路を終えた。大東大は1区・2区に続き5区でもブレーキとなり、山梨学大から30分以上離される最下位に終わった。
復路
6区
早大陣営は「9区に控える櫛部静二までに3分差以内でタスキを繋げば逆転も可能」と話していた。しかし山梨学大・藤脇友介が快調に山を下る一方、早大・小倉圭介は序盤からペースが上がらず、15.7kmで両脇腹を押さえさらにペースダウン。18.1kmで順大・泉亘にかわされ3位に後退する。藤脇は区間2位の好走で首位を堅持。4分15秒差で2位に順大、3位早大は4分33秒の大差をつけられた。
16人による一斉スタートの集団から真っ先に山を駆け下りた亜大・北口学が、藤脇を8秒抑え大学史上初の区間賞を獲得した。シード権争いは東海大が10位から7位に浮上し、東農大が5位から9位、日体大が6位から10位に後退。
7区
早大・小林正幹が序盤から突っ込み2.5km手前で順大をかわすと、山梨学大・高見武司との差を5kmで30秒以上縮める。その後はほぼ同じペースで推移するが、16km過ぎから高見が太股を叩く仕草を見せるようになり大きくペースダウン。高見は区間2位の走りを見せるも、小林が区間賞を獲得する快走でトップとの差を大きく縮め、2分43秒差とした。順大は早大から3分以上離され5分49秒差となった。
シード権争いは8位東農大・9位東海大・10位日体大が33秒の間にひしめく大混戦。さらに11位の法大も結城和彦が区間4位と好走し、9位との差を48秒まで縮めた。見た目の順番は法大が7番手・東海大が11番手・東農大が13番手・日体大が16番手。平塚中継所では筑波大が繰り上げスタートとなった。
8区
山梨学大・小椋誠と早大・大関篤史が20kmまでほぼ同じペースを刻むも、ラストスパートで大関が差を詰め、両者の差は2分28秒。早大連覇の夢は9区の櫛部に託されることとなった。4位の中大は、1年生の榎木和貴が大塚正美の持つ区間記録にあと11秒と迫る快走で区間賞を獲得。トップとの差を1分以上詰める。
シード権争いは日体大が8位に浮上し、19秒差で9位東農大、さらに2秒差で10位東海大と続く。6区北口の区間賞で波に乗った亜大が往路15位から11位まで浮上。法大は9位と2分18秒差の12位に後退した。見た目の順番は亜大が6番手・法大が11番手・東海大が12番手・日体大が13番手・東農大が14番手。
戸塚中継所では東洋大と筑波大が繰り上げスタート。関学院大は金子寿雄が号砲が鳴る寸前にタスキを渡し、間一髪繰り上げスタートを免れた。
9区
前回も9区で区間賞を獲得している山梨学大・黒木純は1km3分のイーブンペースを刻む。一方逆転優勝を狙う早大・櫛部静二は区間記録を大幅に上回るペースで猛追。権太坂では1分37秒差、横浜駅前でついにその差は1分を切り59秒差まで詰め寄る。しかし15kmを過ぎてから櫛部がペースダウン、終盤は1km3分30秒以上かかってしまう。最後までイーブンペースを貫いた黒木が猛烈なラストスパートをかけ、トップでタスキリレー。前回出した自身の記録を4秒上回る好走であった。櫛部は最後は疲労困憊という走りでタスキリレー。山梨学大との差は2分50秒にまで開いてしまい、逆転優勝は絶望的となった。
前回10区で区間賞を獲得した順大・安永淳一が黒木のタイムを1秒上回り2年連続の区間賞。4位中大はエースの佐藤信之を起用したが、左膝の故障明けということもあり区間10位に終わった。
シード権争いは東海大・鈴木和成が区間4位の好走で10位から6位にジャンプアップ。一方で東農大は主将の田代尚樹が区間19位のブレーキで9位から13位に転落。5番手を走る11位亜大も9位との差が2分38秒に開き、シード権獲得は厳しくなった。6位東海大から7位日大・8位神大を挟んで9位の日体大まではわずか40秒という僅差だが、日体大と10位法大との差は2分04秒あり、法大が前をどれだけ追い上げられるかに焦点は絞られた。見た目の順番では東海大が7番手・法大が8番手・神大が9番手・日大が10番手・日体大が13番手でタスキを渡した。
鶴見中継所では大東大・中央学大・東農大・東洋大・慶大・筑波大・関学院大の7校が繰り上げスタートとなった。
10区
山梨学大のアンカー・尾方剛は快調なペースを刻み続け後続を大きく突き放す。1時間05分45秒以内で走れば史上初の総合タイム10時間台を記録するが、尾方はそれを上回る1時間04分58秒で区間賞を獲得。総合記録10時間59分13秒(大会新記録)で2年ぶり2回目の総合優勝を飾った。早大は高瀬豪史が区間2位と健闘するも4分29秒差の2位。3位は8分53秒差で順大、4位は14分05秒差で中大であった。東海大は主将の日高真吾が区間3位の快走。5番目にゴールし往路10位から総合5位まで順位を上げた。
9区を終わって総合10位の法大は、アンカーの竹内一晴が区間5位の好走。19.8kmで専大、20.8kmで亜大をかわして6番目にゴールし、シード権を争う後続の選手の到着を待つことになった。8番目にゴールした神大は上条敦史が区間6位にまとめ総合7位を確保。日体大・神場忠勝は竹内に少しずつタイム差を縮められながらも、安定した走りでゴール直前で日大を抜いて11番目にフィニッシュ。総合8位に滑り込み前回わずか4秒差で失ったシード権を取り返した。神場にかわされた日大の前田重信は最後フラフラになりながらも12番目にゴール。日大はなんとか総合9位に踏みとどまりシード権を獲得。法大は復路成績6位と健闘するも、日大にわずか23秒届かず2年連続のシード獲得はならなかった。
Remove ads
成績
要約
視点
総合成績
- ※9位以内の大学には次大会のシード権が与えられた。
- 往路優勝:山梨学院大学(5時間30分22秒)
- 復路優勝:山梨学院大学(5時間28分51秒)
往路成績
- '注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。
復路成績
- '注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。
区間賞
区間記録
- 太字は区間1位。色つきは区間新記録。
各区間順位
1区
2区
3区
4区
5区
6区
7区
8区
9区
10区
Remove ads
その他
- 当時はレース優先ではなかったため、5区小涌谷踏切では移動中継車や白バイ、大会関係車両が電車の通過待ちをするハプニングがあった。
予選会
成績(上位20校)
- 10人の合計タイムが10時間50分00秒以内でゴールした上位11校に本大会出場権が与えられた。
- 10位の慶應義塾大学、11位の筑波大学は後日本大会出場承認。
個人順位(上位10名)
Remove ads
外部リンク
- 第70回大会(箱根駅伝公式サイト)
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Remove ads