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第68回東京箱根間往復大学駅伝競走

1992年の箱根駅伝 ウィキペディアから

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第68回東京箱根間往復大学駅伝競走(だい68かいとうきょうはこねかんおうふくだいがくえきでんきょうそう)は、1992年平成4年)1月2日から1月3日までに開催された第68回目の東京箱根間往復大学駅伝競走である。

概要 試合日程, 出場校 ...

実施日程

大手町読売新聞東京本社前(スタート)~鶴見~戸塚~平塚~小田原~箱根町芦ノ湖駐車場入口(ゴール)
箱根町芦ノ湖駐車場入口(スタート)~小田原~平塚~戸塚~鶴見~大手町読売新聞東京本社前(ゴール)
大井埠頭周回コース

出場校(チーム)

神奈川大学が18年ぶり、亜細亜大学が2年ぶりに出場し、前回出場校のうち明治大学と44回連続出場中だった東洋大学が出場を逃した。

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概要

要約
視点

往路

1区

序盤こそスローペースであったが、8km手前からペースが上がりだし、11km以降は選手が一人ずつ振り落とされていくサバイバルレースとなった。

13kmを過ぎて、6人の先頭集団を引っ張っていた早大・武井隆次がロングスパート。最後まで食らいついた中大・佐藤信之を15.4kmで振り切ると独走態勢となり、佐藤に47秒差をつけトップでタスキリレー。武井は前回自身が出した区間記録をさらに4秒上回る1時間03分22秒の区間新記録を樹立した。

2区にジョセフ・オツオリを擁する山梨学大と3連覇を狙う大東大は、トップと1分06秒差の5位・6位で並んでタスキを繋ぐ。18年ぶりの出場となった神大は1分11秒差の7位と健闘。

2区

前人未到の4年連続2区区間賞を狙う山梨学大のオツオリは快調な走りを見せ、2.9kmで早くも2位に浮上する。しかしその後方から順大の2年生・本川一美がオツオリ以上のハイペースで猛追。トップと1分21秒差の9位でタスキを受けると、5.5kmで6人を抜き3位に浮上。さらに11.1kmでオツオリを捉えるとあっという間に抜き去り、12.4kmで早大の櫛部静二をかわし8人抜きでトップに立つ。本川は追いすがる櫛部を15km手前で突き放すと独走。2区歴代2位の記録となる1時間08分07秒の激走を見せた。

オツオリは18.8kmで櫛部をかわし、49秒差の2位でケネディ・イセナにタスキを繋ぐ。留学生同士のタスキリレーは史上唯一の事例。櫛部は区間9位と不本意な走りとなり、1分53秒差の3位でタスキを繋いだ。

この区間では、共に4年生の専大・井田茂宣と法大・井田芳宣による双子対決が実現。権太坂では3位から7位まで後退した兄の茂宣を、10位から追い上げてきた弟の芳宣が牽引するシーンも見られた。戸塚中継所では芳宣が10位、終盤失速した茂宣が12位でタスキリレー。タイムでは茂宣が芳宣を6秒上回り勝利したものの、区間順位では茂宣が10位・芳宣が11位と共に厳しい結果に終わった。

中位争いでは、前回8区区間賞の日体大・松井紀仁が区間3位の走りで11位から7位に浮上。東海大・東農大もそれぞれ4人抜きで8位・9位に浮上する。一方、前回7区で区間新記録をマークした駒大・大場康成は区間13位と苦戦し8位から11位に後退。1区7位と好スタートを切った神大は、小田典彦が区間最下位に沈み14位に急落した。1区で出遅れた亜大は繰り上げスタートまであと33秒のところで無事にタスキを繋いだ。

3区

山梨学大のイセナが9kmで順大・三好健治をかわしトップに立つとぐんぐん差を広げ、1分23秒の差をつけタスキリレー。イセナは第54回大会の日大・森近繁則の記録に並ぶ1時間03分45秒の区間タイ記録[1]。三好も区間2位の好走であったが、区間賞のイセナには2分12秒の大差をつけられた。

後方では、早大・中大・大東大の3校が激しい3位争いを展開。序盤は大東大の主将・横田芳則が積極的に飛ばし、6km手前で日大と中大、さらに7kmで早大をかわして3位に浮上するが、中大の1年生・菅陽一郎が中盤からペースを上げ、11.2kmで横田をかわして3位に浮上する。さらに、一旦5位に後退した早大・花田勝彦が12.4kmで横田と菅に追いつき集団を形成。この集団から最初に菅が遅れ、湘南大橋に入ったところで花田がスパートをかけて横田を引き離し、3位でタスキリレー。横田は終盤失速し、4位菅・5位横田の順でタスキリレー。花田は区間3位、菅・横田はともに区間5位タイと健闘した。

4区

先頭の山梨学大・飯島理彰は、順大・山本正樹の猛追を受けながらも19秒差で辛くも首位をキープする。上位争いでは日大の1年生・堀尾貴幸が積極的に飛ばし、二宮の定点では6位から3位に浮上。16.5kmで中大に抜き返されたものの、区間賞の走りで4位に順位を上げた。一方、大東大は松苗明が区間最下位に沈み5位から9位に転落。トップと7分42秒の大差がつき、往路3連覇が絶望的になった。

5区

山梨学大・下山一彦はハイペースで突っ込み順大との差を広げる。中盤以降は苦しい走りとなり区間8位に留まったものの、後続の順位がめまぐるしく変動したこともあり、2位に1分53秒の差をつけ初の往路優勝に輝いた。

4区で5位に後退した早大は、中富肇が12.5kmで中大をかわすと、下りに入って失速した順大を捉え、19.3kmで日大もかわし2位でゴール。中富は区間2位の好走を見せた。日大が2分07秒差の3位で続いた。

9位でタスキを受けた大東大・奈良修は、序盤から苦しい表情を見せながらも着実に前との差を縮め、早大・木下哲彦の持つ区間記録を45秒も上回る1時間11分13秒の区間新記録を樹立。5人を抜きトップと3分27秒差の4位まで巻き返した。一方2位でスタートした順大・高橋健一は下りに入っても全くペースが上がらず、区間最下位のブレーキで8位に転落した。

シード権を争う9位専大と10位東農大の差はわずか15秒。法大・国士大・亜大・神大の4校が復路一斉スタートとなった。

復路

6区

先頭の山梨学大・廣瀬諭史が快調なペースで山を下り、後続を寄せ付けない。3連覇を狙う大東大は、区間記録を持つ島嵜貴之がどれだけトップとの差を詰めるか注目されたが、6秒後方からスタートした中大の太田善之に10.3kmでかわされる意外な展開となる。それでも島嵜は13km過ぎに早大をかわすと、14kmで太田を抜き返し3位に浮上、さらに30秒の差をつける。しかし廣瀬は島嵜との差をキープしたままトップでタスキリレー。59分51秒の好タイムで島嵜を2秒抑え区間賞を獲得した。2位の日大とは3分11秒の差がつき、3分29秒差で島嵜がタスキを渡した。

2位でスタートした早大・小林修は小田原中継所の直前で脚が動かない状態となってしまい、最後は這うようにタスキを渡したもののトップと7分33秒差の6位に後退した。駒大・日体大・順大による6位争いは、小涌谷踏切を過ぎて順大・村松明彦がペースを上げてまず駒大が脱落、さらに村松は17.4kmで日体大を突き放し、中継所直前で早大もかわし8位から5位に浮上する。村松に引き離された日体大・倉村修一は中継所手前から小林と同様に膝に力が入らない状態となり、専大・駒大・東農大にかわされシード圏外の10位に後退する。

7区

山梨学大・高野和彦が区間2位の好走を見せたものの、2位の日大は1年生・川崎光年が区間賞の走りを見せトップとの差を2分37秒に縮める。

3位争いは中大・板橋弘行が10kmで大東大・田島励をかわして差を広げるも、イーブンペースを刻んだ田島が17kmで再逆転。しかし板橋が19kmで再び追いつき、競り合いながらタスキリレー。しかし板橋は区間7位・田島は区間10位とタイムが伸びず、トップと4分30秒以上の差がついた。

シード権争いは日体大・橋本和人が東農大との43秒差を逆転し再び9位に浮上。東農大は4秒差の10位でタスキリレー。

8区

最初で最後の箱根となる山梨学大・下山保之が区間賞の快走。追う日大・林博志は5kmで20秒程度差を縮めたものの、戸塚中継所でその差は3分21秒まで広がった。

3位争いは中大の1年生で、早大・武井隆次の弟である武井康真が5.7kmで大東大・山中正明を突き放し、39秒の差をつけてタスキリレー。

シード権争いは9位の日体大が10位東農大との差を49秒に広げる。

戸塚中継所では国士大がわずか13秒届かず繰り上げスタートとなった。

9区

先頭の山梨学大・比嘉正樹は落ち着いたペースで入ったのに対し、日大・岡嶋由明は8区の林と同様5kmで20秒程度差を縮めたものの、その後失速。16km手前で中大・深川竜太が岡嶋を捉えたが、17km手前で岡嶋が再び深川を引き離す。

比嘉は区間8位に留まったものの、追いかける日大・中大・大東大が揃って区間10位以下に沈み、2位日大との差は5分27秒まで広がった。順大は新藤信之が17.9kmで大東大をかわすと、終盤失速した中大も捉え5位から3位に浮上。区間賞は6位の早大・豊福知徳が獲得した。

シード権争いは10位の東農大・鈴木博が区間2位の快走で再び日体大を逆転し、1分02秒の差をつける。

鶴見中継所では神大・国士大・亜大の3校が繰り上げスタートとなった。

10区

武田菱の鉢巻を締めた山梨学大のアンカー・野溝幸弘は区間3位の安定した走りでフィニッシュ。山梨学大が創部7年目で初の総合優勝を飾った。初出場から6年目での総合優勝は戦後最短記録。日大は尾座本崇が区間賞の走りで3分47秒差の2位。4分31秒差の3位に入った順大は2年連続の復路優勝。3連覇を目指した大東大は8分54秒差の5位に終わった。

シード権争いは日体大の益田道法がブレーキとなり11位に後退。東農大が9位を守りシード権を確保した。日体大はシード制が導入された第33回大会以降36年に渡ってシード権を守ってきたが、初めてシード権を失うことになった。

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成績

要約
視点

総合成績

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9位以内の大学には次大会のシード権が与えられた。
  • 総合優勝:山梨学院大学
    • 往路優勝:山梨学院大学
    • 復路優勝:順天堂大学

往路成績

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'注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。

復路成績

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'注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。

区間賞

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区間記録

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  • 太字は区間1位。色つきは区間新記録。


各区間順位

1区

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2区

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3区

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4区

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5区

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6区

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7区

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8区

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9区

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10区

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エピソード

今大会より繰り上げタスキの色が変更され、それまでの茶色から黄色と白のストライプのタスキとなった。

脚注

外部リンク

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