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第69回東京箱根間往復大学駅伝競走
1993年の箱根駅伝 ウィキペディアから
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第69回東京箱根間往復大学駅伝競走(だい69かいとうきょうはこねかんおうふくだいがくえきでんきょうそう)は、1993年1月2日から1月3日までに開催された第69回目の東京箱根間往復大学駅伝競走である。
実施日程
大井埠頭周回コース
出場校(チーム)
東洋大学が2年ぶりの出場を果たした。国士舘大学は法政大学に2分18秒及ばず7位に終わり、初出場からの連続出場が36で途絶えた。
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概要
要約
視点
大会前は、前哨戦となった前年の全日本大学駅伝を初めて制し、8年ぶりの総合優勝を狙う早大と、前年の出雲くにびきロードリレーで2連覇を達成し、箱根でも連覇を狙う山梨学大が優勝候補に挙げられ、『早山対決』として注目された。
往路
1区
スタートと同時に早大・櫛部静二がハイペースで先頭を引っ張り、3kmを前にして集団から脱落する選手が続出するサバイバルレースとなった。
先頭集団は8.5kmで早くも5人に絞られたが、櫛部は10.2kmからさらにペースアップ。最後まで食らいついた日大・川内勝弘を13.3kmで振り切ると圧倒的なスピードで後続を突き放し、2位に45秒の差をつけタスキリレー。櫛部は前回武井隆次が樹立した区間記録を1分13秒も更新する、1時間02分09秒の区間新記録を叩き出した。早大は3年連続トップでタスキを渡す。
11.3kmで集団から遅れた中大のルーキー・前田了二が後半巻き返し2位でタスキリレー。前田も1時間02分54秒の区間新記録。川内は途中で脚に痙攣を起こし、17kmで一旦立ち止まり屈伸するアクシデントがありながらも前田と激しく2位を争い、52秒差の3位でタスキリレー。川内も1時間03分01秒の区間新記録であった。山梨学大は飯島理彰が粘って1分15秒差の4位でステファン・マヤカにタスキを繋いだ。
2区
1区終盤から雨が降り始める中、2区では早大の注目ルーキー渡辺康幸、山梨学大のマヤカ、前回2区でジョセフ・オツオリを抑え区間賞を獲得した順大・本川一美による区間賞争いが注目された。
渡辺は区間2位の好走でトップを守ったが、マヤカは中大・佐藤信之や日大・堀尾貴幸との激しい2位争いを20km手前で制すと終盤一気にペースを上げ、区間賞の走りで早大との差を53秒まで縮める。
一方、トップと2分48秒差の12位でタスキを受けた本川は序盤から全くペースが上がらず大ブレーキとなり[1]最下位に転落。右脚を引きずるような走りで1km4分以上かかりながらなんとか走り切ったものの、トップとは13分16秒の大差がつき戸塚中継所で繰り上げスタートとなってしまう。
3区
中盤から雨が止み徐々に天候が回復する中、早大・小林正幹が区間記録にあと28秒と迫る快走で区間賞を獲得、後続との差を広げる。中大の武井康真が14.6kmで山梨学大をかわし、1分37秒差の2位に浮上する。
2区を終えて10位と苦戦していた大東大は、新井智幸が区間最下位の大ブレーキで14位に転落する。
4区
トップと2分14秒差の3位でタスキを受けた山梨学大・井幡政等がハイペースで突っ込み、5.8kmで中大・高梨信介をかわして再び2位に浮上しトップとの差を詰める。しかし早大・花田勝彦は快調なペースで独走を続け、順大・山田和人の持つ区間記録を38秒も更新する1時間02分07秒の区間新記録を樹立。後半ペースダウンした井幡に3分25秒の大差をつけた。
前回4区区間2位だった高梨は、体調不良から区間13位と失速。日大にもかわされ4位に後退する。
前回5区で区間新記録を樹立し、更なる記録更新を狙う大東大・奈良修は、トップと14分57秒差の14番手でスタートを切った。
5区
2位でタスキを受けた山梨学大・下山一彦が、トップの早大・小林修との差を15kmで1分19秒まで縮める。しかし山下りに入ると小林修がペースを上げて逃げ切り、早大が8年ぶりの往路優勝を果たした。下山は区間2位の好走を見せるも1分58秒差の2位。3位には5分48秒差で日大が入った。
14番手でタスキを受けた大東大・奈良は発熱による体調不良の影響で序盤から全くペースが上がらず、16.5kmでようやく亜大をかわすに留まり13番目にゴール。前回の自身の記録より6分以上遅い区間12位に終わった。
9位でタスキを受けた神大・小田典彦が大学史上初の区間賞を獲得し、6位に浮上した。シード権を争う9位駒大と10位東農大の差は2分36秒。8位の日体大以下8校が復路一斉スタートとなった[2]。
復路
6区
トップと1分58秒差でスタートした山梨学大・廣瀬諭史が前回区間賞の勢いそのままに山を駆け下り、中継所まで残り700m地点で早大・大塚毅を逆転しトップでタスキリレー。区間記録にあと7秒と迫る59分28秒の激走であった。1区からトップを守っていた早大は、初めて9秒差の2位に後退した。
往路5位の専大は長野正芳が歴代4人目となる59分台をマークする好走。4位中大との差を1分半以上縮めた。
シード権争いでは、一斉スタート組から真っ先に山を駆け下った日体大・永山稔朗が8位から6位に浮上。一方、神大は中野剛が見た目で8人にかわされる苦しい走りで、総合順位も6位から8位に後退する。東農大は藤野英之が区間4位でまとめ、9位駒大との差を1分40秒まで縮める。
7区
2年連続で1区の区間記録を更新している早大・武井隆次が、わずか900mで山梨学大の1年生・平田雅人を再逆転してトップに立つとあっという間にその差を広げる。武井は駒大・大場康成の持つ区間記録を1分51秒も更新する1時間02分53秒の区間新記録を叩き出し、3年連続の区間賞・区間新記録を樹立した。平田は区間3位と健闘したが、早大と3分10秒の大差をつけられた。
中大は1年生の川波貴臣が区間2位の好走で日大をかわし3位に浮上する。
シード権争いでは、駒大・吉本輝夫が10番手・総合9位から3人をかわし7番手・総合7位に浮上。一方往路7位の法大は、立川剛士が区間13位と振るわず14番手・総合9位に後退。6番手・総合10位を走る東農大との差は50秒まで縮まった。
順大は前回7区で好走した広松尚記を起用したが、序盤からペースが全く上がらず大苦戦。8番手から13番手まで後退し、9位法大とは6分55秒の大差がついた。
大東大は6区・7区がともに大ブレーキとなり、平塚中継所で繰り上げスタートとなった。平塚での繰り上げは第64回大会以来5年ぶり。
8区
山梨学大・小椋誠が前半こそ差を詰めるものの、トップの早大・高瀬豪史が中盤からペースを上げ、区間賞の走りで山梨学大との差を4分01秒に広げた。
シード権争いは、14番手を走る法大・竹内一晴が区間13位と振るわず総合10位に後退。8番手を走る東農大が総合9位に浮上した。9位と10位の差は29秒。
戸塚中継所では法大と大東大が繰り上げスタート。法大はわずか30秒届かなかった。
9区
トップの早大・豊福知徳は1km3分05秒程度の落ち着いたペースで走る一方、2位の山梨学大・黒木純は1km3分のイーブンペースでじわじわと差を詰める。中盤からペースを上げたい豊福であったが、陽射しが厳しくなる中で15kmから大きくペースを落とし、黒木が一気に差を詰める。
豊福はトップを守ったままタスキを繋いだが、終盤までイーブンペースを守り切った黒木が猛烈なラストスパートを見せ、1分45秒差でタスキリレー。黒木は区間記録にあと29秒と迫る区間賞の激走で、早大との差を2分16秒も縮めた。
鶴見中継所では東海大・神大・大東大の3校が繰り上げスタート。東洋大は繰り上げスタートとほぼ同時[3]にタスキを渡すことができたが、東海大はわずか9秒届かなかった。一方、戸塚中継所で繰り上げスタートとなっていた法大は、9区の斎藤茂が区間2位の快走でトップの豊福よりも早いタイムで走ったため、繰り上げスタートを回避した[4]。
10区
山梨学大のアンカー・奥川修義が前半から飛ばし、蒲田の定点で早大との差を1分03秒まで縮める。しかし早大・富田雄也が中盤からペースを上げて奥川を突き放し、8年ぶりの総合優勝を飾った。早大は往路・復路・総合をいずれも制す完全優勝。さらに第64回大会で順大が記録した総合タイムを37秒更新する11時間03分34秒の総合新記録を樹立した。
山梨学大は2分05秒差の2位に終わり、初の連覇はならなかった。8区以降独り旅状態となっていた中大は11分02秒差の総合3位でゴール。9区の7.3kmで日大をかわした専大は、第38回大会以来となる総合4位に躍進した。往路3位の日大はチーム内に風邪が蔓延していたこともあり、8区以降3区間連続のブレーキで復路14位・総合5位に終わった。
一方、シード権争いは大混戦となる。往路7位の法大は6区から8区のブレーキが響き戸塚中継所で繰り上げスタート、総合順位も一旦10位まで下げてしまうが、9区斎藤の快走で再び総合7位に浮上し15年ぶりのシード権を獲得。
また往路6位ながら、6区と9区のブレーキが響き鶴見中継所で繰り上げスタートとなった神大も、往路の貯金で9区まで総合9位を維持し、さらに10区の斎藤哲也が区間3位の力走を見せたことで総合8位となり、初のシード権を獲得した。
そして、残る1枠は見た目でもわからない大混戦となる。
2区本川の大ブレーキで往路13位と大幅に出遅れた順大は、7区の広松もブレーキを起こすなど復路も苦戦。9区で畠中重一が区間3位の力走を見せて繰り上げスタートは回避したものの、9区終了時点で総合12位。9位の神大とは3分53秒の大差があり、シード権は絶望的と思われた。しかし8番目にタスキを受けたアンカーの1年生・安永淳一が区間賞の快走を見せ5番目にゴール。時差スタートの関係でシード権獲得は他校のタイムに委ねられることになった。
そして、その対象となったのは日体大であった。日体大は8区終了時点で総合6位だったが、9区の服部清人が区間14位のブレーキで総合8位に順位を落としてしまう。それでも9区終了時点で順大とは5分30秒の大差があり、シード権は安泰と思われた。しかしアンカーの前田定之が序盤から全くペースが上がらず、区間最下位のブレーキで見た目の順番も最後尾に後退。順大との総合タイムの差が徐々に縮まっていき、シード権争いは混沌としていく。
フラフラになってしまった前田が15番目にゴールテープを切った時、順大が日体大の総合タイムをわずか4秒上回り、順大は第39回大会から獲得し続けてきたシード権を最後の最後で勝ち取った。逆に日体大は8区終了時点で順大を9分39秒もリードしていたにもかかわらず、9区・10区の連続ブレーキが大きく影響し、2年ぶりのシード権獲得を最後の最後で逃してしまった。
また、大東大は奈良を含め8人が区間11位以下、そのうち4人が区間最下位に沈むなど大不振。総合成績も最下位に終わり、2回目の出場となった第45回大会以来守り続けてきたシード権を25年ぶりに失った。
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成績
要約
視点
総合成績
- ※9位以内の大学には次大会のシード権が与えられた。
- 総合優勝 早稲田大学
- 往路優勝 早稲田大学
- 復路優勝 早稲田大学
往路成績
- '注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。
復路成績
- '注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。
区間賞
7区で武井隆次が作った区間新記録(1時間02分53秒)は、第84回大会で東海大の佐藤悠基に破られるまで長らく区間記録であった。
区間記録
- 太字は区間1位。色つきは区間新記録。
各区間順位
1区
2区
3区
4区
5区
6区
7区
8区
9区
10区
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予選会
成績(上位20校)
個人順位(上位10名)
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脚注
外部リンク
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