トップQs
タイムライン
チャット
視点
28日後...
ウィキペディアから
Remove ads
『28日後...』(にじゅうはちにちご、28 Days Later)は、2002年製作のイギリス映画。
Remove ads
解説
ダニー・ボイル監督、アレックス・ガーランド脚本によるSFホラー映画である。人間を凶暴化させるウイルスが蔓延し、感染者が人々を襲ったために壊滅状態になったロンドンを舞台に、生き残った人々のサバイバルを描く。PG-12指定。
アメリカSF・ファンタジー・ホラー映画アカデミーと呼ばれる第30回サターン賞(2003年度)のホラー映画賞を受賞した。
撮影は、当時革新的なデジタルビデオカメラとして知られたCanon XL-1(プロシューマー向けのMiniDV規格カメラ)を中心に撮影が行われた。監督のダニー・ボイルと撮影監督のアントニー・ドッド・マントルは、軽量で扱いやすいこのカメラを最大8台使用し、特にロンドンの廃墟のようなシーンでその低解像度(480p)の粗い映像が、ホラー映画のリアリティを高める効果を発揮。一部シーンではARRI製のフィルムカメラも併用されたが、全体の大部分はXL-1によるデジタル撮影によるもので独自の雰囲気を構築している。
2007年に続編の『28週後...』が公開され、2025年公開の3部作で構成される続編の第1弾として『28 Years Later』が公開された。この際には一部がiPhone 15 Proが使用されており、その点と本作が対比されることが多く、本シリーズの「低フィデリティ」な美学を象徴していると評されている。
Remove ads
ストーリー
動物愛護活動家たちが医療科学研究所を襲撃する。研究員はチンパンジーが危険な感染症にかかっていると警告するが、活動家たちは耳を貸さず、檻から放たれたチンパンジーは一人の活動家を襲い、噛まれたその人物は直ぐさま凶暴化し、仲間や研究員に襲いかかり、次々に感染が拡大していった。
その未知の感染症は、人間に感染すると数秒で脳を侵し、理性を失わせ凶暴性を増幅させる致死性のレイジウイルスであった。研究所から流出した新型のウイルスは瞬く間に広がり、ロンドンは人影のない街と化す。
感染拡大から28日後、郵便配達員のジムは、荒廃した病院で昏睡状態から目を覚ます。変わり果てたロンドンの光景に呆然としながらさまようジムは、教会でようやく生存者らしき人達を発見する。しかし、どうも様子がおかしいことに気付き、襲いかかって感染者たちから必死で逃げるジムは、生存者のセリーナとマークに助けられる。自分が眠っていた間に何が起こったのかを知ったジムは自身の家族の安否が気掛かりとなり、彼らと共に自宅へ向かう。そこには薬物自殺を図った両親の遺体があった。夜間、感染者の襲撃を受け、ジムを救おうとしたマークは感染してしまう。セリーナはやむを得ずマークを手にかけ、ジムと共に家を離れる。
2人はフランクとハンナ親子のアパートにたどり着き、4人はラジオ放送で繰り返し告げられる軍の生存者のキャンプを目指す。しかし、到着した基地は無人で、感染者の遺体の血が目に入ったフランクは感染してしまうが、森の中から現れた兵士によってフランクは射殺され、ジムたちはウェスト少佐が統率する残存兵の分隊に連行される。たどり着いた基地は生存者の収容キャンプなどではなく、少佐の命令に従わない兵士が処刑されるなど、暴力的な支配が行われている独裁者の砦であった。ジムは辛くも処刑を免れ、分隊を感染者の群れで混乱させ、セリーナとハンナを救出する。脱出の際、少佐に撃たれ重傷を負うが、セレーナの応急処置によりジムは生き延びることに成功する。
その後、セリーナの献身的な看病により回復し目覚めるジム。そこはどこか人里離れた安全な郊外の家であり、3人は定期的に飛来した偵察機にHELLOと書かれた大きな布を一面に広げて、手を振っている姿を発見されるところで幕を閉じる。
Remove ads
登場人物
- ジム
- 本作の主人公である自転車メッセンジャーの青年。物語が始まる直前に交通事故に遭い、昏睡状態のまま病院に搬送されていた為、外界では何が起こっていたのかを知らずに生存していた。バイオハザード発生から少なくとも28日後に病室で目を覚ますと既に社会は崩壊していた。人気の途絶えたロンドンの街で感染者に襲われながらもセリーナ、マーク、フランク、ハンナら生存者と行動を共にする。ラジオ放送の情報を頼りに、軍の基地があるとされるバリケードへ向かい、ウエスト少佐率いる部隊にセリーナ、ハンナとともに保護される。しかし、軍人たちの真の目的が女性を暴力の対象として扱うことにあると知り、二人とともに脱出を試みるが失敗。離反した軍曹とともに処刑されそうになるも、混乱の隙を突いて脱出する。その後、鎖で拘束されていた感染者メイラーを解き放ち、彼を利用して基地内に混乱を生じさせ、ウエストの部下たちを次々と倒していく。最終的にウエストに腹部を撃たれるものの生き延び、セリーナとハンナの救出に成功する。
- セリーナ
- 本作のヒロイン。薬剤師の女性で、物語開始時点ではマークと共に生き延びていた。感染者に対しては極めて冷徹で、感染の兆候を見せたマークを即座に殺害している。フランクとハンナの親子と合流した当初は、彼らを足手まといと見なし同行を快く思っていなかったが、過酷な環境の中でも希望を失わずに明るく振る舞う親子の姿に次第に心を開いていく。しかし、フランクが感染して死亡したことで深く絶望する。その後、ウエスト少佐率いる部隊に保護されるが、実際には部隊の目的が女性の暴行であることが明らかとなり、ハンナと共に危機に陥る。最終的にはジムの救出によって生き延び、終盤まで行動を共にする。
- ハンナ
- 本作のもう一人のヒロインで、フランクの幼い娘。父と共にロンドン郊外で生き延びていたが、ジムとセリーナに出会い、行動を共にするようになる。ラジオ放送を頼りに軍の基地があるというバリケード付近へ向かう途中、父・フランクが感染し、直後にウエスト少佐率いる部隊に殺害され、3人は保護される。しかし、部隊の真の目的が女性への暴行であることが判明し、セリーナと共に危険な状況に陥る。最終的にはジムの救出によって助け出され、生き延びる。
- フランク
- ハンナの父親。崩壊したロンドンで娘と共に構想マンションの上層階の部屋で生き延びていた。生存を知らせる部屋の外のイルミネーションに導かれてやってきたジムとセリーナを迎え入れ、行動を共にするようになる。ラジオ放送の情報を頼りに、軍の基地があるというバリケードを目指して車で移動するが、到着直後、感染者の死体から滴った血液が目に入り感染してしまう。自身の感染を悟ったフランクは娘に「愛している」と告げ、近づくハンナを遠ざけた後、凶暴化してしまうが、直後に駆け付けたウエスト少佐率いる部隊に射殺される。
- ヘンリー・ウエスト少佐
- 英国陸軍の少佐。部下たちと共に郊外の館を要塞化し、籠城生活を送っている。ラジオ放送を通じて生存者を集めようとしていたが、その真の目的は、部下に「女性を与える」と約束し、彼らに強姦を容認することで「人類再建」を図ろうとするものであった。やがてジムによって感染者メイラーが解き放たれ、部下たちは次々と殺害される。ウエストは復讐のためにジムを銃撃し、車で逃走を図るが、運転していたハンナによりメイラーのもとへ誘導され、最期はメイラーに撲殺された(感染はしていない)。
- マーク
- セリーナと共に生き延びていた男性。バイオハザードの発生当時、ロンドンからの脱出を試みていたが、その混乱の中で家族を失い、崩壊したロンドンでセリーナと共に籠城生活を送っていた。感染者に襲われたジムを救出し、行動を共にするようになる。ジムの自宅を襲撃した感染者からジムを守ろうとした際、その際に自らも感染してしまい、直後にセリーナによって殺害される。
- メイラー(感染者)
- ウエストの部下の一人である黒人兵士。感染直後、ミッチェルに気絶させられ、館の庭で研究材料として鎖に繋がれていた。ジムによって解放され、クリフトンに奇襲を仕掛けて感染させる。その後、感染したクリフトンやジムと共にウエストの部下達を次々と殺害していく。最後はハンナに連れ去られたウエスト少佐を車から引きずり出して殺した。
- デイビス
- ウエストの部下の一人。ジムが鳴らしたサイレンを調査するため、ウエストと共に出動する。バリケードの梯子を登っている最中にジムにナイフで切り殺された。
- ジョーンズ
- ウエストの部下の一人。料理を担当しているが、腐った卵でオムレツを作るなど、基本的な所からできていない。ミッチェルがファレルを痛め付けて処刑しようとしたため、代わりに自らがファレルを射殺した。その後、ミッチェル、クリフトンと共にセリーナとハンナを監視していた。感染者メイラーの奇襲を受けたクリフトンを助けるため発砲するがジャミング(弾づまり)を起こしてしまい、暴れ回るメイラーに怯えて隠れていた。メイラーがいなくなり、逃げ出した所をジムに銃剣で刺殺された。
- ファレル軍曹
- ウエストの部下の一人。ウエストのやり方に反対し、ジムと共に処刑されることになったが、ジムにウィルスの蔓延や、バイオハザードはイギリス全土のみに留まっており、海を渡って拡散はしていない事を告げた上で、自分を先に殺すよう懇願することでジムが逃走する時間稼ぎをしただけでなく、脱出への糸口をもたらす事になる。
- ミッチェル伍長
- ウエストの部下の一人。態度が粗暴な男。セリーナを自分のものにしようとするが、ジムと解き放たれたメイラーによって部隊が壊滅したため混乱し、屋敷の奥にセリーナと共に籠城しようとするが、ジムに奇襲されて目を潰されて死亡。
- クリフトン
- ウエストの部下の一人。帽子を被っている。ジョーンズ、ミッチェルと共にセリーナとハンナを監視していたが、解き放たれた感染者メイラーに奇襲されて感染した。その後はメイラーやジムと共に軍人達を次々と殺害した。
- ベッドフォード(白人)
- 暴れるメイラーを発見して射殺しようとしたが、死角から感染したクリフトンに襲われ死亡。
- ベルニ(黒人)
- 銃弾を使いきって小部屋に籠城していたが、ジムを追ってきた感染者であるメイラーとクリフトンに襲われ死亡。
Remove ads
キャスト
スタッフ
- 視覚効果:ムービング・ピクチャー・カンパニー
続編
2007年5月11日に続編の『28週後...』が公開された。監督は『10億分の1の男』のファン・カルロス・フレナディージョが起用され、ダニー・ボイルは制作総指揮に回った。今作から6ヶ月後のロンドンが舞台。
2025年には第3作『28年後...』が公開された。本作と同じダニー・ボイルが監督、アレックス・ガーランドが脚本を担当する。
脚注
外部リンク
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Remove ads