トップQs
タイムライン
チャット
視点

IBook

ウィキペディアから

IBook
Remove ads

iBook(アイブック)は、iMacの成功から約1年後の1999年10月に発売された、Apple(旧Apple Computer)の廉価版ノートパソコン

概要 開発元, 種別 ...

iMacと同じデザインコンセプトを踏襲し、半透明で丸みを帯びた筐体、ポップなカラーと、それまでのノートパソコンのイメージを払拭するものだった。初心者向けの入門機種という位置付けながら、当時としては珍しい無線LANカードの内蔵スロットが装備されるなど、1999年時点で現代に通じるWi-Fi時代を見据えた革新的なハード設計となっていた。

インテルアーキテクチャへの移行に伴い、MacBookに継承されることとなる。2006年5月に、PowerBookと共に販売終了となった。

Remove ads

iBook G3 クラムシェル

Thumb
G3 クラムシェル
Thumb
カラーバリエーション

iBookは1999年に「iMac to go」(「持ち運べるiMac」という意味)のコンセプトの下、「クラムシェル」と呼ばれる二枚貝に似せたボディデザインで誕生した。iBookはブルーベリータンジェリンの2色で、当時流行のiMacを彷彿させるものだった。その後、グラファイトキーライムインディゴブルーの3色を加えた。また、3 kgを越える為に実用的ではないが、デザイン上のアクセントとして細いハンドルが付けられている。

クラムシェルモデルはポリカーボネート製の筐体ラバー素材で覆った構造であり、低年齢ユーザーの乱暴な扱いにも耐えられる、頑丈なつくりであった。また、故障箇所となりやすい、液晶ディスプレイ上部から携帯時向けの固定ラッチを排除した。日本国内市場ではノートブックに携行性が求められるので、12インチ以下の液晶ディスプレイを搭載した製品は、バッテリー容量を犠牲にして重量を軽くした製品が多いが、iBookの場合、肉厚で頑丈なボディと公称6時間のバッテリー運用を確保するための大容量バッテリーを搭載したため、他社製品に比べ重量が重くなった。

Remove ads

iBook (Dual USB)

Thumb
iBook (Dual USB)
Thumb
Early 2003モデル

2001年にiBookはデザインを角の取れた直方体へと一変し大幅な軽量化と、透明のポリカーボネートの内側を塗装したホワイトボディにフルモデルチェンジした。途中素材そのものを白いものに変え、最終型までのiBookのデザインに引き継がれる。 正式な名称は iBook のままである。モデルを区別する必要がある場合、「iBook」に続けて「Dual USB」「Late 2001」のような特徴あるいは登場時期を示す言葉が括弧つきで示される。

以下はPowerPC G3時代の最終モデルである iBook (Early 2003, Opaque White)の仕様である。

スペック

12インチモデル
  • CPU:800MHz/900MHz PowerPC 750FX
  • メモリ:128MB SDRAM(最大640MB)
  • ハードディスク:30GB Ultra ATA/100
  • 光学ドライブ:スロットローディング式コンボドライブ(DVD-ROM/CD-RW両用)
  • ディスプレイ:12.1インチ(対角)TFT XGA 1,024×768ピクセル
  • GPUATI Mobility RADEON 7500 (32MB DDR, SDRAM)
  • 入出力ポート:FireWire 400ポート×1基、USB 1.1ポート×2基、mini-VGA出力、S-Videoおよびコンポジットビデオ出力、ヘッドフォン出力ミニジャック
  • ネットワーク:10/100BASE-T Ethernet、52K V.92モデム
  • ワイヤレス接続:AirMac(オプション)
  • バッテリー駆動:最長5時間
  • サイズ:285×230×34.2mm
  • 重量:2.2kg
14インチモデル
  • アクティブマトリックスTFTディスプレイ(解像度1024×768)
  • 800/900 MHz PowerPC 750FX
  • ATI Mobility Radeon 7500 32 MB VRAM
  • 30/40 GBハードディスク
  • Mac OS X v10.2
  • USB 1.1、FireWire、mini-VGA出力
  • ネットワーク:10/100BASE-T Ethernet、52K V.92モデム
  • AirMac(オプション)
  • バッテリー駆動:最長6時間
  • 重量:2.7kg
Remove ads

iBook G4

Thumb
iBook G4

いずれも最終モデルのもの。

スペック

12インチモデル
  • CPU:1.33GHz PowerPC 7447A
  • メモリ:512MB DDR SDRAM(最大1.5GB)
  • ハードディスク:40GB Ultra ATA/100
  • 光学ドライブ:スロットローディング式コンボドライブ(DVD-ROM/CD-RW両用)
  • ディスプレイ:12.1インチ(対角)TFT XGA 1,024×768ピクセル
  • GPUATI Mobility RADEON 9550(32MB DDR SDRAM)
  • 入出力ポート:FireWire 400ポート×1基、USB 2.0ポート×2基、mini-VGA出力、S-Videoおよびコンポジットビデオ出力、ヘッドフォン出力ミニジャック
  • ネットワーク:10/100BASE-T Ethernet、52K V.92モデム
  • ワイヤレス接続:AirMac Extreme、Bluetooth 2.0+EDRを標準装備
  • バッテリー駆動:最長6時間
  • サイズ:285×230×34.2mm
  • 重量:2.23kg
14インチモデル
  • CPU:1.42GHz PowerPC 7447A
  • メモリ:512MB DDR SDRAM(最大1.5GB)
  • ハードディスク:60GB Ultra ATA/100
  • 光学ドライブ:スロットローディング式SuperDrive(DVD±RW/CD-RW両用)
  • ディスプレイ:14.1インチ(対角)TFT XGA 1,024×768ピクセル
  • GPU:ATI Mobility Radeon 9550(32MB DDR SDRAM)
  • 入出力ポート:FireWire 400ポート×1基、USB 2.0ポート×2基、mini-VGA出力、S-Videoおよびコンポジットビデオ出力、ヘッドフォン出力ミニジャック
  • ネットワーク:10/100BASE-T Ethernet、52K V.92モデム
  • ワイヤレス接続:AirMac Extreme、Bluetooth 2.0+EDRを標準装備
  • バッテリー駆動:最長6時間
  • サイズ:323×259×34.2mm
  • 重量:2.7kg

歴史

  • 1999年7月20日CPUPowerPC G3 300MHzを搭載した、クラムシェル(帆立貝に似た形)の初代iBook(ブルーベリー、タンジェリン)発表。
  • 2000年
    • 2月16日、グラファイトカラーのiBook Special Edition (FireWire)発表。
    • 11月1日、キーライムのiBook (FireWire) 店頭販売開始。
  • 2001年
    • 5月2日、iBook (Dual USB) 発表。トランスルーセントの白一色で小さくなった、CPUは500MHz(PowerPC 750CX)、グラフィックは8MB VRAMのRage Mobility 128、Mac OS Xを標準搭載。
    • 10月16日、iBook (Late 2001)発表。CPUが最高600MHzにマイナーチェンジ。
  • 2002年
    • 1月8日、iBook 14"発表。ディスプレイが14インチになった以外の基本スペックはiBook (Late 2001)に準ずる。
    • 5月21日、iBook (16 VRAM) 発表。CPUが最高700MHzに、GPUがMobility Radeon(16MB)にマイナーチェンジ。
    • 11月7日、iBook (32 VRAM) 発表。CPUが最高800MHzに、GPUがMobility Radeon 7500にマイナーチェンジ。700MHzの最下位機種はVRAMが16MBのままであり、不透明で真っ白な筐体のでiBook (Opaque 16 VRAM)。
  • 2003年
    • 4月22日、iBook (Opaque White) 発表。CPUが最高900MHz(PowerPC 750FX)に、全機種の筐体が不透明で真っ白なものにマイナーチェンジ、最後のMac OS 9.2.2稼動機種。
    • 10月22日、iBook G4発表。CPUに最高1GHzのPowerPC G4 (L2キャッシュ256KBのPowerPC 7445)、GPUにMobility Radeon 9200(32MB)、オンボードRAM 128MBを搭載。
  • 2004年
    • 4月20日、iBook G4 (Early 2004) 発表。CPUが最高1.2GHz、オンボードRAM 256MBにマイナーチェンジ。
    • 10月19日、iBook G4 (Late 2004) 発表。CPUが最高1.33GHz、全機種AirMac Extreme内蔵にマイナーチェンジ。
  • 2005年
    • 春、為替レートに合わせた価格の改訂で値下げ。
    • 7月22日、スクロールトラックパッドと緊急モーションセンサーを搭載し、CPUが最高1.42GHz(L2キャッシュ512KBのPowerPC 7447)、GPUがMobility Radeon 9550、オンボードRAMが512MBへと比較的大きなマイナーチェンジ。
  • 2006年5月16日、後継機種MacBook発売により、在庫限りで販売終了となる。
Remove ads

スペック一覧

要約
視点

iBook (G3 クラムシェル)

さらに見る 構成, PowerPC G3 ...

iBook (G3 Dual USB)

さらに見る 構成, PowerPC G3 ...

iBook G4

さらに見る 構成, PowerPC G4 ...
Remove ads

自主回収・無償交換

2005年と2006年に、PowerBook G4シリーズとiBook G4シリーズの一部で、LG Chem製と、ソニー製のリチウムイオンバッテリーに不具合が見つかり、Appleはそれらのバッテリーを自主回収・無償交換している。このうちソニー製バッテリーは、素材に紛れ込んだ細かな金属粉が、稀にセルをショートさせることで、動作不良、異常過熱、発火などの危険性があるとされており、数件であるが実際に発火事故が起きている。Appleとソニーはこの件で損害賠償を求める訴訟を起こされている[1]

さらに見る 機種名, バッテリーのモデル ...
さらに見る 機種名, バッテリーのモデル ...

iBookロジックボードリペアエクステンションプログラム

2004年1月28日(12月17日に追加情報)にAppleにより発表された。2001年5月から2003年10月までの期間に製造されたiBookの対象機種で下記の不具合

  • 映像が乱れていたり、歪んでいる
  • 画面上に予期せぬラインが表示される
  • ビデオイメージが途切れる
  • 映像がフリーズする
  • コンピュータが起動しても画面に何も映らない

が起きた場合のリペアエクステンションプログラム。対象シリアル番号は「UV117XXXXXX 〜 UV342XXXXXX」である。 2007年現在このプログラムは終了済み。

Remove ads

参考書籍

関連項目

脚注

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads