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カリフォルニア大学サンタバーバラ校
アメリカの州立大学 ウィキペディアから
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カリフォルニア大学サンタバーバラ校(カリフォルニアだいがくサンタバーバラこう、英語: University of California, Santa Barbara)は、カリフォルニア州サンタバーバラに本部を置くアメリカ合衆国の州立大学。1891年創立、1944年大学設置。大学の略称はUC Santa Barbara(UCサンタバーバラ)またはUCSB。

材料学(Materials Science)分野では世界ランキング1位をはじめ、物理学(Physics)分野でも世界10位にランクインするなど、多くの分野でトップクラスの研究業績を誇る[10]。UCサンタバーバラにおける研究で8人の教員がノーベル賞を受賞しており、卒業生・関係者を含めると11人のノーベル賞受賞者を輩出した[11]。
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概要
要約
視点
カリフォルニア大学サンタバーバラ校(以下、UCSBとする)はパブリック・アイビー(Public Ivy)のひとつに数えられ、米国の名門公立大学として認識されている[12]。公立の研究型大学でカリフォルニア大学システムを構成する10校のうちの1つである[13]。サンタバーバラから13 km、ロサンゼルスから160 km北西に位置するゴリータ近郊に1,127エーカー (4.56 km2)の広さを持つキャンパスを構えている。キャンパスの近くにはサンタバーバラ空港(Santa Barbara Airport, SBA)が位置する。UCSBの起源は1891年の教員養成学校の独立に遡り、バークレー校(UCB)、ロサンゼルス校(UCLA)に次ぐ3番目の総合州立大学として1944年にカリフォルニア大学システムに参加した[14]。校是は "Fiat lux"(そこに光あれ/Let There Be Light)。
2025年の時点で、90の学部学位と55の大学院学位を提供している3つのカレッジと2つのスクールから構成されており[15]、23,181人の学部生と2,952人の大学院生が在籍している[16]。UCSBの卒業生、教員、および研究者の中には、ノーベル賞受賞者11名、フィールズ賞受賞者1名、全米科学アカデミー会員50名[17]、全米工学アカデミー会員34名、アメリカ芸術科学アカデミー会員56名が含まれ、また90社以上の企業創業者を輩出している[18]。また、カブリ理論物理学研究所(Kavli Institute for Theoretical Physics)[19]、材料科学研究所(Material Research Laboratory)[20]などの12の国立研究所を有している。1995年には世界的な有名大学や研究型大学を中心に構成されるアメリカ大学協会(AAU)に選出され加盟した。2005年から2009年にかけて、UCSBはトムソン・ロイターの分析による論文被引用影響度(相対被引用インパクト)で、米国内第4位(MIT、カリフォルニア工科大学、プリンストン大学に次ぐ)にランク付けされた[21]。2012年には、Times Higher Education World University Rankings[22]では世界で35位、Academic Ranking of World Universities in 2012[23][24]では世界で34位(工学分野では世界で6位)にランキングした。2017年には、U.S. News: Best Global University Rankings において世界で24位、同出版社のランキング U.S. National Public University Rankings では全米7位となっている。また、2000年から2017年においての各大学ノーベル賞受賞者数は世界で9位を記録した[25]。
UCSBのスポーツチームはガウチョ(Gauchos)と呼ばれており、NCAAディビジョンIのビッグウェストカンファレンスに所属している[26]。ガウチョは男子サッカーと男子水球でNCAA全国大会で優勝したことがある[27]。
リベラルな学風から、ベトナム戦争が行われていた時代には反戦運動が盛んに行われていた。1975年2月26日には学生デモが暴徒化し、サンタバーバラ市内の商店などへの投石やバンク・オブ・アメリカの支店に放火する出来事も起きた[28]。
UCSBは、米国内でも数少ないキャンパス内に専用のビーチを有する大学のひとつである。カリフォルニア屈指の美しいビーチと自然の山々に囲まれた高級リゾート地に位置するUCSBは、「最も天国に近いキャンパス」と称され、学術的な評価だけでなく「美しいキャンパスランキング」や「人気度ランキング」の上位常連となっている[29]。「死ぬまでに一度は行きたい場所25選」に選ばれる世界一のトイレがあったり、パーティーが盛んだったりと、学業とは関係のない部分でも人気が高い[30]。
UCSBは全米でも有数の自転車交通システムを備えた大学として知られており、2013年の調査では学生の約53%が自転車で移動していると報告されている[31]。
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キャンパス
要約
視点




キャンパス内施設
UCSBは太平洋沿岸に位置しており、数マイルに及ぶ海岸および独自のビーチやラグーンを有している。UCSBのキャンパスは、他のカリフォルニア大学のキャンパスと同様に大学の自治のために地元政府から完全に自立しており、住所はサンタバーバラであるがサンタバーバラ市やゴリータ市の一部ではない。キャンパスは、すべての学術施設および学部住宅を収容するメイン(東)キャンパスおよびストークキャンパス、西キャンパス、北キャンパスの4つ区画に分かれており、アイラビスタ(Isla Vista)のコミュニティーを取囲んでいる[32]。
キャンパスの初期の建造物の多くは、有名な建築家のウィリアム・ペレイラ(William Pereira)とチャールズ・ラックマン(Charles Luckman)によって設計され、薄く着色されパターン化されたコンクリートブロックが多用された[33]。このデザイン様式はその後のキャンパスの建造物の多くに引き継がれている。
UCSBには、ライティングセンター、オープンコンピュータラボ、マシンショップ(機械工作室)[34]、キャリア・カウンセリングセンター、学習アドバイジングなど、さまざまな学術支援施設が整備されている。また、UCSBリクリエーションセンター(Recreation Center)では、学生や教職員向けに多様なクラスや運動施設を提供しており、プール、ラケットボールコート、クライミングウォール、トレーニングマシンなどを備える[35]。ユニバーシティセンター(University Center)には会議やプレゼンテーション用施設のほか、書店、レストラン、会計窓口などが併設されている[36]。キャンパス内には健康クリニックがあり、学生は体調不良や医療相談の際に医師の診察を受けることができる[37]。
UCSB図書館は、デビッドソン図書館(Davidson Library)と芸術図書館から構成されており、300万以上の蔵書、数百万のマイクロ資料 、政府文書、原稿、地図、衛星や航空写真、録音などを収蔵している[38]。キャンベルホールは、862席の大学最大の講堂で、キャンパスや地域社会のための特別な公演、映画、講義を提供するメイン会場となっている。ストークタワー(Storke Tower)は、1969年に建設され、サンタバーバラ群で最も高い建物である[39]。キャンパスのほとんどの場所から眺めることができ、ストーク広場を見渡すことができる。61個のベルで5オクターブの音階を奏でるカリヨンが収容されているほか、タワーの下にはKCSB 91.9 Santa Barbara(教育系ラジオ局)およびDaily Nexus(キャンパスの学生新聞)の本部が設置されている[40][41]。
UCSBには8つの学生寮があり、そのうち7棟はメインキャンパス内に位置する[42]。残る1棟のサンタカタリナ寮(Santa Catalina)は、アイラビスタ北側の西キャンパス入口付近にある。メインキャンパス内の寮は2つのエリアに分かれており、東側にはチャネル諸島にちなんで名付けられたサンタローザ(Santa Rosa)、サンタクルーズ(Santa Cruz)、アナカパ(Anacapa)、サンミゲル(San Miguel)、サンニコラス(San Nicolas)の5棟が並ぶ。これらの寮の近くには、オルテガ(Ortega)およびデ・ラ・ゲーラ(De La Guerra)の2つのダイニングコモンズがある[43]。残りの2つの学生寮であるサンラファエル寮(San Rafael)とマンザニータ・ビレッジ(Manzanita Village)はキャンパス西側に位置し、主に在学生および編入生が入居している。
2016年には、バークシャー・ハサウェイの副会長チャーリー・マンガー自身が設計した11階建て寮「Munger Hall」(入居者4,536人、個室の94%が採光なし)建設を条件に2億ドルの寄付を提示したが[44]、UCSBが2021年10月に受諾すると建築家デニス・マクファデン(Dennis McFadden)が委員を辞任し[45]、学生やアメリカ建築家協会などの抗議が続出した。計画は2022年10月に2フロア削減(定員3,500人)へ修正後[46]、2023年8月に中止された[47]。
- 物理棟
- 化学棟
- 生命科学棟
- 海洋科学棟
学部・研究科
UCSBには3つの学部があり、それぞれリベラルアーツ&サイエンス学部(College of Letters & Science)、工学部(College of Engineering)、クリエイティブ・スタディーズ学部(College of Creative Studies)で構成されている[48]。クリエイティブ・スタディーズ学部は、芸術、数学、科学の分野で高度かつ自主的な学修を支援し、独自の教育アプローチを提供している[49]。また、キャンパスには2つの専門大学院として、ブレン環境科学・経営大学院(Bren School of Environmental Science & Management)とギバーツ教育大学院(Gevirtz Graduate School of Education)がある[50]。
主要な学部・大学院は以下のとおりである。
- College of Creative Studies
- College of Engineering(正式名称:Robert Mehrabian College of Engineering[51])
- College of Letters & Science
- Bren School of Environmental Science & Management
- Gevirtz Graduate School of Education
国立研究所・機関
米国国立科学財団 (National Science Foundation)
- カブリ理論物理学研究所, Kavli Institute for Theoretical Physics (KITP)
- 材料科学研究所, Materials Research Laboratory (MRL)
- 国立生態系分析・統合センター, National Center for Ecological Analysis & Synthesis (NCEAS)
- 南カリフォルニア地震センター, Southern California Earthquake Center (SCEC)
- Nanotech, a part of National Nanotechnology Infrastructure Network
- Center for Nanotechnology in Society
- International Center for Materials Research
- UC Center for Environmental Implications of Nanotechnology
米国国立衛生研究所 (National Institutes of Health)
- Pacific-Southwest Regional Center for Excellence for Biodefense and Emerging Infectious Disease Research
米国エネルギー省 (Department of Energy)
- Center for Energy Efficient Materials
米国陸軍科学研究局 (Army Research Office)
- Institute for Collaborative Biotechnologies
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ランキング
- THE世界大学ランキング (2025年):第67位[52]
- USニューズ世界大学ランキング(2025年):第40位[53]
- ARWU世界大学ランキング (2025年):第70位[54]
- QS世界大学ランキング(2025年):第179位[55]
主な著名人
教員・卒業生は幅広い分野で活躍しており、以下一部を紹介する。
著名教員 (過去の在籍者も含む)

これまでにUCSBの教員は8つのノーベル賞[56]、1つのフィールズ賞[57]を含む数々の栄誉ある賞を受賞してきた。
- デイビッド・グロス (2004年ノーベル物理学賞受賞/カブリ理論物理学研究所所長)
- フィン・キドランド (2004年ノーベル経済学賞(アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞)受賞)
- アラン・ヒーガー (2000年ノーベル化学賞受賞)
- ハーバート・クレーマー (2000年ノーベル物理学賞受賞)
- ウォルター・コーン (1998年ノーベル化学賞受賞/カブリ理論物理学研究所初代所長)
- マイケル・フリードマン (1986年フィールズ賞受賞/Microsoft Station Q所長)
- デビッド・オーシャロム (2005年バックリー賞受賞/California NanoSystems Institute所長)
- マイケル・フランク・グッドチャイルド (2007年ヴォートラン・ルッド国際地理学賞受賞)
- ウィリアム・マードック (1990年ロバート・H・マッカーサー賞受賞)[58]
- 中村修二 (2014年ノーベル物理学賞受賞/GaN系の青色LED等の発明者)
- ジョン・M・マーティニス (2025年ノーベル物理学賞受賞)
- ミシェル・デヴォレ (2025年ノーベル物理学賞受賞)
- マイケル・フリードマン:フィールズ賞(1986年)
- ウォルター・コーン:ノーベル化学賞(1998年)
- ハーバート・クレーマー:ノーベル物理学賞(2000年)
- アラン・ヒーガー:ノーベル化学賞(2000年)
- フィン・キドランド:ノーベル経済学賞(2004年)
- デイビッド・グロス:ノーベル物理学賞(2004年)
- 中村修二:ノーベル物理学賞(2014年)
- ジョン・M・マーティニス:ノーベル物理学賞(2025年)
- ミシェル・デヴォレ:ノーベル物理学賞(2025年)
日本の出身者
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脚注
外部リンク
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