秋田県立大学 (あきたけんりつだいがく、英語 : Akita Prefectural University )は、日本 の公立大学 である。秋田県 秋田市 下新城中野字街道端西241-438に本部を置く。2006年4月、公立大学法人 により設置運営される大学となった。
概要 秋田県立大学, 大学設置/創立 ...
閉じる
大学全体
秋田県立大学は、1999年 に秋田県 により設置された。秋田・大潟キャンパスは生物・農学系、本荘キャンパスは工学系である。各キャンパスは明るく、その清潔感と充実した先端設備から施設の充実度は高い。イギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション (The Times Higher Education)」から発表された、「THE世界大学ランキング日本版2021」では、国内の国公私立大学では91位タイ、東北の国公私立大学では東北大、国際教養大、会津大学、秋田大、山形大、弘前大学、岩手大に次いで8位にランクインされている[1] 。
建学の精神(校訓・理念・学是)
基本理念
21世紀を担う次代の人材育成 真理探究の精神と、未来を切り拓く幅広い視野・柔軟な発想や豊かな創造力を兼ね備えた、21世紀を担う次代の人材を育成すること。
開かれた大学として、秋田県の持続的発展に貢献 先端的な科学の研究及び技術の開発を行うことにより、地域産業の高度化を通じた本県の産業振興に寄与するとともに、県民に対して生涯にわたる高度な教育機会を提供することにより、本県の持続的発展に大きく貢献すること。
教育および研究
キャップストーンプロジェクト システム科学技術学部では、2023年 より3年生を対象に実践型の演習科目として「キャップストーンプロジェクト」を開講している。学生が企業や自治体、関係団体のみなさまと一緒にその企業や地域社会の問題発見や課題解決に取り組む。専門教育の総仕上げの一つに位置づけられ、実社会により近い課題に取り組み高い実践力を育むとともに学生が企業や技術者と接する機会を提供することもねらいとしている。
学生自主研究 入学したら直ぐに研究ができる独自の教育プログラム。学生自らが研究責任者となり、指導教員や先輩のアドバイスのもと、計画的に研究を進める。実験スペースや機材、そして研究資金を交付して、学生の研究をバックアップする制度。
クサビ型カリキュラム
少人数教育
日本酒醸造プロジェクト
2009年 より開始され、生物資源科学部醸造学 を専攻する学生を中心に、酒米の収穫から酒造りまでを行う。
2018年度には株式会社那波商店・銀鱗が酒造りの指導と製造販売を行い、秋田公立美術大学 の教員・学生も参画した。
2021年 3月23日、原料に大潟キャンパスで栽培された県オリジナル酒米「秋田酒こまち」と、秋田今野商店と共同開発したこうじ菌 「吟味(ぎんあじ)」を使用した日本酒 「究(きわむ)」を発売した。
略歴
秋田県立大学は、1999年に発足した大学である。同時に秋田県立農業短期大学 を短期大学部として併合。2006年4月から、設置者は秋田県 から「公立大学法人秋田県立大学」(公立大学法人 )に変更された。
年表
1998年 12月 - 文部大臣 が大学の設置を認可。
1999年 4月 - 秋田県立大学 開学(システム科学技術学部、生物資源科学部)
1999年 4月 - 秋田県立農業短期大学 を秋田県立大学短期大学部として併合
2002年 4月 - 秋田県立大学大学院システム科学技術研究科を設置
2003年 4月 - 秋田県立大学大学院生物資源科学研究科を設置
2006年 3月 - 短期大学部 学生募集停止(在校生卒業後に廃止)
2006年 4月 - 独立行政法人化により、設置者が秋田県 から「公立大学法人秋田県立大学 」に変更。生物資源科学部に「アグリビジネス学科」を新設
2009年 6月 - 開学10周年記念式典を開催[2]
2018年 4月 - システム科学技術学部を一部学科改組(機械知能システム学科,電子情報システム学科を廃止し,機械工学科,知能メカトロニクス学科,情報工学科を新設)[3]
2019年 6月 - 開学20周年記念式典を開催[4]
2021年 4月 - 生物資源科学部の附属施設であった「フィールド教育研究センター」を改編し、全学的な組織として「アグリイノベーション教育研究センター」を設置[5] 。
2022年 4月 - 秋田県立大学大学院総合システム工学専攻設置 秋田県立大学大学院共同サステナブル工学専攻設置
象徴
学章は秋田県立大学の欧文の頭文字「A」をデザイン化したもので、目標を設定し、未来に向かって限りなく学んでいく姿を表している。
学歌は入学第一期生の卒業に合わせて平成15年3月に制定。作詞新川和江 、作曲天野正道 。
組織
学部
システム科学技術学部(本荘キャンパス)
建築環境システム学科
構造学講座(建築構造学)
材料学講座(建築材料学)
環境学講座(環境計画学)
計画学講座(建築・都市アメニティグループ)
経営システム工学科
経営システム工学講座(経営情報、経営企画、プロセス管理)
機械知能システム学科(平成29年度入学生まで)
材料構造工学講座(強度・信頼性評価、材料創製・加工)
熱 ・流体工学 講座(熱科学、流体科学フロンティア)
生体知能工学講座(バイオリファイナリー、ロボット・メカノシステム、人間支援メカトロニクス)
電子情報システム学科(平成29年度入学生まで)
電子システム講座(計測通信制御システム)
電子材料デバイス講座(先進物性デバイス)
情報システム講座(情報ネットワーク基盤、メディア情報)
機械工学科 (平成30年度入学生から)
材料構造工学講座(応用材料力学、先端材料)
熱 ・流体工学 講座(熱科学、流体科学フロンティア)
設計生産工学(応用機械設計、先端加工計測)
知能メカトロニクス学科(平成30年度入学生から)
応用制御システム講座(計測通信制御システム)
知能電子材料デバイス講座(先進物性デバイス)
知能化機械システム講座(ロボット・メカノシステム、人間支援メカトロニクス)
情報工学科 (平成30年度入学生から)
基礎情報工学講座(情報システム)
人間支援情報工学講座(メディア情報処理)
生物資源科学部 (秋田キャンパス・大潟キャンパス)
応用生物科学科
微生物機能研究グループ - 生物化学放線菌、微生物学、キノコ研究など
分子細胞機能研究グループ - 海洋生物とイヌ、分子細胞生物機能、動物分子工学、分子生命科学分野
植物機能科学研究グループ - 生物有機化学、植物機能科学研究、バイオミネラリゼーション研究など
食品醸造研究グループ
生物生産科学科
植物生産基礎グループ - 植物栄養分野, 植物生態生理分野, 植物保護分野
植物遺伝・育種グループ - 植物遺伝・育種分野
植物分子生理グループ - 植物生理分野, 植物分子情報分野
生物活性物質グループ - 生物活性物質分野
植物資源創成システムグループ - 植物資源創成システム分野
生物環境科学科
自然科学系
森林科学研究室 - 森林の移り変わり、保全について考える〔生態学、人と自然のかかわり、遺伝解析〕
大気・水圏環境学研究室 - 人と生物をとりまく水、大気を科学する〔環境化学 (水質・微量化学物質)、気象学、生態毒性学〕
土壌環境学研究室 - 環境にやさしい農業をめざす〔作物生産、窒素固定菌、温室効果ガス〕
自然生態管理学研究室 - 生物のはたらきを理解し環境をきれいにする〔自然の浄化力評価、生物の土壌浄化、流域管理〕
生態工学研究室 - 生態系の機能を利用した環境改善技術の開発〔湖沼質改善、排水処理、資源循環技術〕
基礎生命科学研究室 - 環境浄化に有望な生物の機能を高める遺伝子技術を開発〔植物生理機能、遺伝子組み換え、ゲノム情報〕
社会科学系
地域計画学研究室 - 地域資源 を活用して持続可能な地域をつくる〔環境と経済の両立、地域活性化〕>
環境社会学研究室 - 人間と環境・食の関わりを研究
アグリビジネス学科 (平成18年度新設)
農業生産技術系「アグリテクノロジーグループ」(プロジェクト:先進作物生産技術開発プロジェクト、先進園芸技術開発プロジェクト、家畜資源利用推進プロジェクト)
農業農村基盤・環境系「ルーラルエンジニアリンググループ」(プロジェクト:次世代農業基盤創成プロジェクト)
マーケティング系(農業と農村の活性化や政策、流通)「アグリビジネスマネジメントグループ」(プロジェクト:地域ビジネス革新プロジェクト、政策・経営マネジメントプロジェクト)
大学院
システム科学技術研究科
博士前期課程
機械知能システム学専攻
電子情報システム学専攻
建築環境システム学専攻
経営システム工学専攻
共同ライフサイクルデザイン工学専攻(秋田大学 との共同大学院)
博士後期課程
生物資源科学研究科
(平成23年度まで)博士前期課程・博士後期課程
(平成23年度から)博士前期課程・博士後期課程
附属機関
総合科学教育研究センター
アグリイノベーション教育研究センター
バイオテクノロジーセンター
地域連携・研究推進センター
図書館
就職情報センター
木材高度加工研究所
木材高度加工研究所
木材高度加工研究所
木材高度加工研究所は、秋田県北部にある能代市 に設置されている。大学に属する機関としては唯一「木材」を冠する専門教育・研究機関(林産業を単独に扱う公設試験研究機関 としては北海道立林産試験場 がある)であり、「森林資源を活用した持続的な資源循環型社会の形成」という目標のもと、最先端の研究および教育を行っている。
教育
新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム(学生支援GP)
部活動・クラブ活動・サークル活動
サークルに加え、同好会制度が始まり同好会も増えてきている。
特徴的なものは、竿燈 会・かまくら 部・角館木匠塾 など。
学園祭
秋田キャンパスで開催。
2009年度の松風祭では、M-1グランプリで優勝したパンクブーブーが出演した。
女装した男子学生による裏ミスコンテストというイベントも毎年催されている。
本荘キャンパスで開催。
いずれも2日間開催し、オープンキャンパス や研究発表会などを同時開催している。
キャンパス
本荘キャンパス
本荘キャンパス(由利本荘市)
その他:キャンパス内に秋田銀行 のATMが設置されているほか、売店、カフェテリアが併設されている。
秋田キャンパス
使用学部:生物資源科学部
使用研究科:大学院生物資源科学研究科
使用附属施設:バイオテクノロジーセンター
交通アクセス:奥羽本線 、男鹿線 (JR東日本)追分駅 より徒歩約20分
その他:キャンパス内に秋田銀行 のATMが設置されているほか、売店、カフェテリアが併設されている。
大潟キャンパス
大潟キャンパス(大潟村)
使用学部:生物資源科学部アグリビジネス学科(3、4年次)
使用附属施設:アグリイノベーション教育研究センター、学生寮
交通アクセス:奥羽本線(JR東日本)八郎潟駅 より車で約20分
学生寮
大潟キャンパスの敷地内にある学生寮「清新寮」は、鉄骨鉄筋コンクリート造り地上7階建て、200台収容の駐車場、厚生会館などが完備されている。
学生の居室は全館個室となっており、男子(2階~4階で計120室)、女子(5階~7階で120室)別に居住階が分かれている。
セミナーハウス
車で秋田キャンパスから約60分、本荘キャンパスから約80分。協和スキー場 のすぐ側に格安の料金で利用できるセミナーハウスがある。学生および教職員がゼミナール、課外活動などで利用できる。
〈研修棟〉研修室、談話室、食堂、浴室、事務室、管理人室
〈宿泊棟〉和室6畳6室、8畳1室、12畳1室 ※宿泊収容人員43人
学生および教職員が、正課の授業や合宿研修、学生団体の合宿で使用する場合の施設利用料は無料(ただし、食事代の実費負担はあり)。
公開講演会
学外者も聴講できる公開講演会を開催している。
過去に開催された公開講演会
早坂良 - 岩手大学准教授
泉谷赳馬 - 2014年システム科学技術学研究科修了。由利本市議会議員。
ウィキメディア・コモンズには、
秋田県立大学 に関連するカテゴリがあります。