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船舶司令部(せんぱくしれいぶ)は、戦時における軍隊・物資等の船舶輸送を指揮統率した大日本帝国陸軍の組織。帝国陸軍における軍隊符号は「SeC」。
平時における陸軍の船舶および鉄道による輸送を担当する官衙たる陸軍運輸部は、1904年(明治37年)4月に台湾陸軍補給廠を改編して設置された[1]。
日中戦争(支那事変)開戦に伴い1937年(昭和12年)8月、第1船舶輸送司令部が動員され、司令部を広島県宇品に置いた。同司令官を運輸部長が兼務し、運輸部が平時の業務を、第1船舶輸送司令部が戦時の業務を担当した。
1940年(昭和15年)6月、第1船舶輸送司令部が復員し、船舶輸送司令部を臨時編成し[2]、支部を大泊・小樽・東京・新潟・敦賀・大阪・神戸・門司・釜山・羅津・大連・高雄の12箇所に設置。同司令官は引き続き運輸部長が兼務した。
太平洋戦争(大東亜戦争)突入後の1942年(昭和17年)7月、船舶輸送司令部を軍司令部と同格の組織である船舶司令部に改編した。また、船舶部隊の改編も行われ、第1船舶輸送司令部(大本営直轄船舶の輸送、内地・台湾・朝鮮方面)、第2船舶輸送司令部(中国方面)、第3船舶輸送司令部(南方方面)、および上陸作戦部隊を統一した組織として船舶兵団を新たに編成した[3]。同年11月、ソロモン諸島・ニューギニア島方面の戦況に対応するため第4船舶輸送司令部を編成。
1943年(昭和18年)12月、アメリカ軍のニューギニア・オーストラリア方面への進出に対応するため第5船舶輸送司令部が編成されたが、半年後にはアリューシャン列島方面の戦況悪化のため北海道に転用され、第3船舶輸送司令部がその後の任務を継承した。さらに1945年(昭和20年)1月、台湾・沖縄方面を対応する第7船舶輸送司令部を編成[4]。
大戦末期の1945年(昭和20年)5月には、新設された大本営海運総監部が全船舶を国家船舶として一括管理することになり、陸軍・海軍、軍需省、運輸通信省海運総局、船舶運営会の実務者が宇品に集められた。これに伴い陸海軍の徴用船は6月に原則として徴用解除され、100トン以上の全ての汽船が国家指定船となった。制度としては野村直邦海運総監が国家指定船の運用について指示権を持っていたが、実務的には船舶司令官の指揮下で国家指定船の統一運用が行われた[5]。終戦時にはアメリカ軍の飢餓作戦などにより日本の海運は壊滅状態であった。
陸軍船舶部隊における、ラテン文字からなる軍隊符号中の略字は「船舶」を示す「Se」を冠し、船舶司令部が「SeC」、船舶輸送司令部が「SeU」、船舶兵団司令部が「SeH」、船舶団司令部が「SeD」、揚陸隊が「SeY」、船舶工兵連隊が「SeP」、船舶通信連隊が「SeTL」、船舶砲兵連隊が「SeA」、船舶衛生隊本部が「SeE」等[6]。
1945年(昭和20年)8月6日の広島市への原子爆弾投下に際し、爆心地から至近距離にあった広島城周辺に駐屯する、中国軍管区司令部を初めとする陸軍部隊は直撃を受けて壊滅、藤井洋治司令官は被爆死した。広島駅北側の東練兵場に駐屯していた第2総軍司令部は壊滅は免れたが大きな被害を受け、ほとんど機能停止に陥った。また地方官庁たる中国地方総監府・広島県庁・広島市役所も大きな被害を受け(特に爆心地近くの水主町に所在(当時)していた県庁は完全に壊滅した)、大塚惟精地方総監・粟屋仙吉市長が被爆死したため、行政機能もほとんど停止した。6日夕刻になって市外への出張で難を免れていた高野源進知事のもとで比治山麓の多聞院に臨時県防空本部が発足した。
この結果、爆心地から4キロメートル前後離れていた宇品に駐屯し大きな被害を受けなかった船舶司令官(佐伯文郎陸軍中将)が、翌7日以降「広島警備本部」として市内の救援活動や警備活動の指揮をとることとなり県庁・県防空本部を指揮下に入れた。麾下の暁部隊は市内での活動に総動員され、これに従事した部隊員の中から多くの二次被爆者を出すことになった。
歴代司令官は陸軍運輸部長を兼務。
第1船舶輸送司令官
船舶輸送司令官
船舶司令官
なお、秘密兵器である特種船「神州丸」には複数の秘匿船名が与えられており、初期のその一つである「MT(M.T.)」は命名当時の第1船舶輸送司令官松田巻平(初代)・田尻昌次(二代)両陸軍中将の姓のイニシャル「Matsuda・Tajiri」から取られたものであった[8][9]。
船舶輸送司令部(宇品)
船舶司令部(宇品)
※最終
当初所属部隊
最終所属部隊
所属部隊
最終所属部隊
最終所属部隊
最終所属部隊
所属部隊
最終所属部隊
所属部隊
所属部隊
所属部隊
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