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あなたには帰る家がある
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『あなたには帰る家がある』(あなたにはかえるいえがある)は、直木賞作家・山本文緒による長編小説である。1994年8月10日に集英社から書き下ろし小説として単行本が刊行された。山本にとって20冊目となる作品である[1]。
1998年1月20日に集英社文庫版が、2013年6月21日に角川文庫版が発売された。
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あらすじ
結婚して1年半、来月には1歳になる娘・麗奈と年下の夫・秀明と暮らす佐藤真弓は、望み通りの生活を手に入れたと思っていたが、結婚退職したことを後悔し、保険外交員のパートを始める。秀明は結婚してから真弓の料理にはがっかりしていたが、言い争いになることが嫌でそれを口に出すことはなかった。しかし、真弓がパートに出るようになってから、家事を押し付け合って互いに不満をつのらせるようになる。
ある日、茄子田一家が秀明のモデルハウスに見学に来る。秀明は横柄な茄子田太郎に辟易するが、真弓とは正反対の家庭的な綾子に惹かれ、綾子もまた、優しい秀明に惹かれるのだった。そんな2人がふとしたことで関係を持ってしまう。
パートで自分の稼ぎを得てますます仕事に打ち込む真弓だったが、ある日、秀明の浮気に気がつく。お互いに不満がたまっていた2人は大げんかの末、3か月の期限を切った約束をする。秀明は、家族の意見がばらばらでいつになるかも分からない茄子田家の契約を取ることに必死になっていた。一方、真弓は保険の勧誘に訪れた中学校で太郎を知り、秀明の顧客だと気づいて、家の新築よりも保険をと勧めるのだった。
真弓は、太郎の妻・綾子が秀明の浮気相手であることを森永祐子から知らされ、また、綾子の置手紙によって、太郎も秀明と綾子の関係を知り、太郎から暴力を受けた秀明が大怪我をして入院するという大騒動になる。秀明は真弓に離婚を求めるが、結局、約束通りに会社を辞めて主夫になり、真弓はフルタイムで働くようになる。そして、真弓と秀明は、これからの生活がどうなるのかどうするのか、それぞれ思いを巡らせるのだった。
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登場人物
主要人物
- 佐藤真弓(さとう まゆみ)〈28〉
- 私立大学卒業後丸の内の商社に勤め、妊娠・結婚を機に専業主婦になった。
- 妊娠も、年下の夫も、会社を辞めたことも、どれも真弓自身が望んで手に入れたものだったが、育児にも家事にも興味が持てず結婚退職を後悔し、求人案内のチラシを見て「リーフ生命」の保険外交員のパートを始める。
- 結婚してから料理が苦手だったことを知る。真弓の母親も手を焼くほどのわがまま。
- 佐藤秀明(さとう ひであき)〈26〉
- 映画好きで、2流私立大学卒業後に映画配給会社でアルバイトをしている時に真弓と知り合う。
- 結婚を機に、真弓の父親の紹介で中堅の住宅販売会社に就職する。
- 気まずくなったりすると首をぽきぽきと鳴らす癖がある。
- 優柔不断なところがある。お酒は苦手。
- 茄子田太郎(なすだ たろう)〈33〉
- 私立中学の社会科教師。横柄な態度が周囲の顰蹙を買うことが多い。
- 両親と妻と息子2人を養う茄子田家の大黒柱だと自負していて、今の生活が幸せだと満足している。
- 父親の退職金を頭金に家を二世帯住宅に建て直そうと、秀明の会社のモデルハウスを訪れる。
- 茄子田綾子(なすだ あやこ)
- 料理上手でアイロンがけが好きな専業主婦。
- 数枚の見合い写真の中から、一番女性に縁がなさそうな太郎を選んで結婚した。
主要人物の周辺人物
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書籍情報
- 単行本:集英社、1994年8月10日、ISBN 978-4-08-775176-5
- 集英社文庫:1998年1月20日、ISBN 978-4-08-748738-1[2]
- 角川文庫:2013年6月21日、ISBN 978-4-04-100872-0[3]
テレビドラマ
要約
視点
2003年版
2003年12月3日20時 - 21時45分にBSフジで放送された。主演は斉藤由貴[4]。
キャスト(2003年版)
スタッフ(2003年版)
2018年版
2018年4月13日から6月22日までTBSテレビ系の「金曜ドラマ」にて毎週金曜日22時 - 22時54分に放送された。主演は中谷美紀[5]。
企画・制作
制作にあたって、リアルな夫婦像を描くため、仕事と家事の両立や子育てや夫との生活について100人以上の女性の意見を調査した[6]。子どもの年齢や家族設定などを変え、また、離婚せずにやり直す原作とは違い、離婚した真弓と秀明と麗奈の話や、麗奈と慎吾の話、秀明が退院した後の茄子田夫妻の話などをオリジナルストーリーで、「夫婦の絆」を描く[6][7]。
あらすじ
4月13日の金曜日に13回目の結婚記念日を迎える佐藤真弓は、子育てが一段落したこともあり元の職場に再就職する。夫・秀明は元々家事に非協力的だったが真弓が働き出しても家事を手伝うことはなく、秀明の方はさらに家事を手抜きする真弓にうんざりし、三浦圭介の店でそれぞれ不満を吐き出す2人だった。そんなある日、秀明のモデルハウスに茄子田夫妻が訪れる。家庭的な綾子に惹かれた秀明と、優しそうな秀明に惹かれた茄子田綾子は、真弓が秀明の帰りを待つ結婚記念日に関係を持ってしまう。
真弓なら浮気に気づかないと高を括っていた秀明だったが、担当が変わって茄子田夫妻を知った真弓に浮気相手が綾子だと知られそうになり慌てふためく。秀明の浮気に気がついた真弓は相手が森永桃だと思い落ち込んでいたが、年上の綾子が相手だと知って衝撃を受ける。離婚という方法もあると考える真弓だったが、麗奈にだけは知られたくなくて、猛省して必死に謝る秀明と、麗奈の前だけでは今までのように夫婦を演じる。しかし、浮気が発覚しても悪びれた風もなく真弓に挑戦的な綾子に、真弓と秀明は苦慮する。
一方、真弓を裏切った秀明を諭していた太郎だったが、自分の妻・綾子が秀明の浮気相手だと知って途方に暮れる。秀明から拒絶された綾子は、真弓が悪いからだと思い詰めて佐藤家に乗り込んで来る。そこに、綾子の置き手紙を読んだ太郎までもがやって来て、太郎に殴り倒された秀明が入院する事態になる。
退院し家に帰ってきた秀明に、真弓は「別れよう」と告げるのだった。浮気を後悔し離婚回避を試みる秀明だったが、真弓の意志は固く結局2人は離婚する。太郎は、綾子からの離婚の求めを拒むが、家出して働き口を見つけ、どこまでも太郎を拒絶する綾子に、ついに「自由になれ」と印鑑を押した離婚届を渡す。しかし、太郎の綾子への不器用な愛情を知った真弓は綾子を太郎の元に帰そうと図るが、真弓を敵視し意地を張る綾子と対立する。
真弓と綾子、秀明と太郎の4人は、故障で閉じ停められたエレベーターの中で本音を言い合う。太郎は、常識外れの行動を真弓と秀明から非難される綾子を庇い、今までの反省とこれからを語る太郎の説得で、綾子は茄子田家の家に帰る。
真弓は、茄子田夫妻に出会う前から実はすでに夫婦関係は壊れていたと考えていて、夫婦で向き合って話し合ってこなかった後悔を語り合う真弓と秀明だった。復縁を乞う秀明に、それでも真弓は離婚を翻すことはなく、一定の距離を置いた元夫婦の関係のままで真弓と秀明はそれぞれ帰って行く。
キャスト(2018年版)
佐藤家
- 佐藤真弓(さとう まゆみ) → 尾野真弓(おの まゆみ)〈41 → 42〉
- 演 - 中谷美紀
- 誕生日は6月10日。旅行代理店「ラクタビドットコム」に勤めていたが、妊娠・結婚を機に退職して結婚13年目の専業主婦。
- 家事は適当で大雑把な性格だが、弱音は吐かないなど強気なところがある。
- 娘が中学校に入学して子育てが一段落し、元同僚の愛川に勧められて元の職場に再就職する。
- セクハラを受けた小島に代わって早瀬中学校の担当になり、茄子田太郎と出会う。
- 7話で秀明と離婚し、旧姓に戻る。
- 佐藤秀明(さとう ひであき)〈39〉
- 演 - 玉木宏
- 真弓の元夫。住宅販売会社「渚ホームズ」勤務。
- 几帳面で細かいことを気にする性格。映画とメンチカツが好き。
- 真弓が再就職しても家事に非協力的だったが、浮気が発覚してからは態度を改める。
- 離婚して一人でアパートを借りるが綾子に付き纏われる。
- 最終話で森永の告発によって、鎌倉展示場から石川町の本社資料室へ左遷される。
- 佐藤麗奈(さとう れいな)〈12〉
- 演 - 桜田ひより[8](幼少期:阿部久令亜)
- 真弓と秀明の一人娘。私立友聖学院中等部1年生で陸上部。
- 家族キャンプで知り合った茄子田慎吾に好意を持っている。
- 綾子が家に乗り込んで来たことで、秀明と綾子の関係を知ってショックを受けるが、親子3人でいるのがいいと願う。
茄子田家
- 茄子田太郎(なすだ たろう)〈47〉
- 演 - ユースケ・サンタマリア
- 茄子田家の家長で綾子の夫。早瀬中学校の国語科の教師[9]。
- 二世帯住宅に建て直そうと、夫婦で秀明の会社のモデルハウスを訪れる。
- 浮気が発覚した綾子から離婚を切り出されるが拒否する。
- 最終話で綾子を説得して連れ帰るが、茄子田家の主導権は綾子に渡る。
- 茄子田綾子(なすだ あやこ)〈43〉
- 演 - 木村多江
- 太郎の妻。家庭的で料理上手な美人。旧姓:白石。栃木県出身。
- 「家庭を壊すつもりはない」と言いながら、秀明の携帯に頻繁に電話をしてくる。
- 秀明が自分を拒絶するのは真弓のせいだと思っていて、秀明にしつこく付き纏う。
- 太郎に離婚を申し出るが拒否され、太郎の隙を見て家出し食堂で働く。
- 最終話で太郎の説得に応じ、茄子田家に帰る。
- 茄子田慎吾(なすだ しんご)〈16〉
- 演 - 萩原利久
- 太郎と綾子の息子。高校2年生。
- 強圧的な父に絶対服従な母や自分の家族を、「自分の家は普通じゃない」と思っている。
- 綾子と咲子の夫との不義の子だが、 太郎が「大事な一人息子」と宣言したことで、茄子田家に居場所を得る。
- 茄子田千恵
- 演 - 梅沢昌代
- 太郎の母。綾子や慎吾を疎ましいと思っている。
- 茄子田四郎
- 演 - 田村泰二郎
- 太郎の父。
- 最終話で綾子についていくと宣言する。
ラクタビドットコム
渚ホームズ 鎌倉展示場
カレーショップ こまち
その他
ゲスト
登場する映画
秀明が映画好きとの設定で映画のエピソードが登場する。
スタッフ(2018年版)
ロケ地ギャラリー
放送日程(2018年版)
関連商品
- CD
- TBS系 金曜ドラマ「あなたには帰る家がある」オリジナル・サウンドトラック(2018年6月6日発売、ソニー・ミュージックマーケティング、UZCL-2135)[27]
- DVD-BOX
- 2018年9月28日発売、TCエンタテインメント、JAN 4562474196352[28]
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舞台
脚注
外部リンク
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