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アウトサイド・ツアー

デヴィッド・ボウイが1995年から1996年にかけて行ったコンサート・ツアー ウィキペディアから

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アウトサイド・ツアー英語: Outside Tour)は、イギリスのミュージシャンであるデヴィッド・ボウイ1995年から1996年にかけて行った、アルバムアウトサイド』のリリースに伴うコンサート・ツアー

概要 関連アルバム, 初日 ...

1995年9月から1996年2月にかけて北米とヨーロッパを周り、2月20日パリ公演で一度ツアーは終了したが、同年の6月4日アウトサイド・サマー・フェスティバル・ツアー英語: Outside Summer Festivals Tour)と名称を変えて再開し、9月14日までに日本、ヨーロッパ、中東、北米を周った。

北米レグでは、ナイン・インチ・ネイルズが共同ヘッドライナーとしてツアーを行い、ボウイのセットリストと連続して公演を行った。モリッシーはヨーロッパ公演の全日程でオープニングアクトを務める予定だったが、9公演で降板した。

1995年10月13日ダラス公演と12月13日バーミンガム公演は録音され、前者は『ウーヴレ・ル・シアン (ライヴ・ダラス '95)』、後者は『ノー・トレンディ・レショフェ (ライヴ・バーミンガム '95)』として2020年にリリースされた[1][2]

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背景

このツアーは、1990年サウンド+ヴィジョン・ツアーでヒット曲を封印して以来初のボウイのソロでのツアーであり、1992年フレディ・マーキュリー追悼コンサート以来のステージ出演であった[3]。ツアーの最初のリハーサルはニューヨークのコンプリート・ミュージック・スタジオで行われた後、マリンズ・センターに移動し、NINもリハーサルに参加した[4]

このツアーのセットリストについてボウイは、「確かに古い曲も演奏するつもりだが、決してあからさまではない。ツアーのリハーサルをしていて、何年も演奏していなかった古い曲が、突然この新しい曲とうまく調和することに気づいたんだ。『ライオンのジョー英語版』とか。だから、とても気に入っているんだ。」と語った[5]。 その他にも、ボウイのバック・カタログから「スケアリー・モンスターズ (アンド・スーパー・クリープス)英語版」「怒りを込めてふり返れ英語版」「アンディ・ウォーホル英語版」「壊れた鏡英語版」などの曲がセットリストに入った[6]

NINとの共演を選んだ理由について、ボウイは「個人的にはNINと僕の組み合わせは気に入っていたけど、ファンはそうじゃなかった。運が悪かったよ!しかも、12歳から17歳くらいの非常に若い観客だった。出発点は、冒険的なアルバムを作ったんだから、コンサートも冒険的にするにはどうしたらいいか、という単純なものだった。そう考えると、NINの観客と向き合うのは理にかなっているように思えた。彼らが聴いたことのない音楽、名前しか知らないアーティストの音楽で彼らを魅了するのは難しいだろうと思った」と語っている[7]

トレント・レズナーは、ボウイから多大な影響を受けていることを何度も公言しており[8]、さらにボウイとは「ハーツ・フィルシー・レッスン英語版」のリミックスや、1997年のシングル「アイム・アフレイド・オブ・アメリカンズ英語版」のミュージック・ビデオでコラボレーションしている。1995年、『アウトサイド』はナイン・インチ・ネイルズの影響を受けているかと尋ねられたボウイは、「実際にかなり気に入ったバンドは、ヤング・ゴッズと呼ばれるスイス出身の3人組だった。ナイン・インチ・ネイルズを知る前から彼らのことは知っていた」と答えた[9]

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演出

このツアーでボウイは控えめなステージデザインを採用し、1987年グラス・スパイダー・ツアーのような演劇的な演出を避けた[6]。ステージはペンキが飛び散ったしわくちゃのシートが掛けられた建築現場のようで、隅には古風なテーブルと椅子があり、ボウイは公演中に時折その上に登っていた[4]。 ステージの上にはネオンサインがあり、「Ouvrez le Chien」と記されていた。これはボウイの1970年の曲「オール・ザ・マッドメン英語版」の歌詞に登場したフレーズで、1993年の曲「郊外のブッダ英語版」にも登場した[10]。ツアー序盤の北米レグでは、ステージの上に吊るされたネオンサインに「Strange Ko」「Noise Angel」「Man Made」「Street Volva」といったフレーズが日替わりで表示された[4]

ボウイはこのツアーで数着の衣装(北米レグとヨーロッパレグで異なる)を着用していたが、その中にはアレキサンダー・マックイーンがデザインした3着のジャケットも含まれていた[4][11]

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ツアーの経過

要約
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デヴィッド・ボウイ(1995年)

ボウイはツアー初日の1995年9月14日USAトゥデイのインタビューの冒頭で「どうやったら商業的な自殺ができるんだい?まだリリースされていないアルバムの曲を演奏し、ステージでやったことのない過去の無名の曲で補完するんだ」と語った[12]

アメリカインダストリアル・ロック・バンド、プリック英語版が北米レグのオープニングアクトを務めた[4][13]。 プリックの後NINが演奏を終えるとボウイのバンドが登場して一緒に「サブテラニアンズ英語版」「ハロー・スペースボーイ英語版」「スケアリー・モンスターズ (アンド・スーパー・クリープス)」を演奏し、その後NINの2曲「レプタイル」「ハート」が演奏された[8]。ツアー初日のレビューでは「NINからボウイへの移行シーンは、カンザスからオズに飛ばされるような感じだった。真っ白な照明がサーチライトのように降り注ぐ代わりに、ステージは色彩と質感で溢れかえっていた」と評された[14]。このレビューは他にも「音楽の変化に戸惑う観客もいたが、全体としては印象的な新曲の数々が見事に披露されていた。」と評している。一方、9月16日にマンスフィールドで行われた次の公演のレビューでは、「ボウイはNINと共演するのは向かないことを証明しながらも、恥ずかしくなるほど冗長なパフォーマンスを延々と続けることにこだわっていた」と酷評された[4]

ツアーの序盤、「観客のほぼ100%がNIN目当てに来た」事はボウイにとって大きな試練であった。ボウイは「最初の数週間は、観客がショーに何を求めて来ているのかに応えるために、毎晩挑もななければならないという事実を受け入れる必要があった。でも、そのうちに、自分がやっていることを楽しんだほうがいいと思うようになった。すると、観客にも伝わるようになった。そうやって、良いツアーになったんだ」と語った[15]

ボウイは9月26日ニューヨーク滞在中に地元のレコード店でアルバムにサインをした[4]

モリッシーはヨーロッパレグのオープニングアクトを務める予定だったが、11月29日のアバディーン・エキシビション・センター公演の直前に突然降板した[16]。その後の日程では、ザ・ジャイアズwikidataエコーベリープラシーボエレクトラフィクションなどの様々な地元のバンドがサポートの枠を埋めた。

1996年2月20日パリ公演の後バンドは休養に入ったが、「アウトサイド・サマー・フェスティバル・ツアー」として再開したツアーには、ジョージ・シムズ、ピート・シュワルツ、カルロス・アロマー英語版は参加しなかった[4]。このツアーでは、制作中のアルバム『アースリング』からの未発表の新曲が数曲演奏された[4]

6月18日モスクワ公演は録画され、後に50分のダイジェストがロシアのテレビで放映された。他にも6月22日のローレライ・フェスティバルでの全編の映像がドイツのテレビ(ロックパラスト英語版で、7月18日のフェニックス・フェスティバルの公演のダイジェストがイギリスのテレビとBBCラジオで放送された。この公演での「ハーツ・フィルシー・レッスンは、1999年ライブ・アルバムLIVEANDWELL.COM英語版』に収録された。

セットリスト

これは1995年12月13日にイングランドバーミンガムで行われたライブのセットリストであり、ツアー期間中の全てのセットリストを表すものではない[17]

  1. 怒りをこめてふり返れ英語版
  2. スケアリー・モンスターズ(アンド・スーパー・クリープス)英語版
  3. 性倒錯者の完全なる破滅 (美しき者の死)
  4. 世界を売った男
  5. ハロー・スペースボーイ英語版
  6. アイ・ハヴ・ノット・ビーン・トゥ・オックスフォード・タウン
  7. ストレンジャーズ・ホエン・ウィ・ミート英語版
  8. 壊れた鏡英語版
  9. ザ・モーテル
  10. ジャンプ・ゼイ・セイ英語版
  11. ティーンエイジ・ワイルドライフ英語版
  12. アンダー・プレッシャー
    アンコール
  13. 月世界の白昼夢英語版
  14. ウィ・プリック・ユー
  15. ハロー・スペースボーイ

演奏された曲

世界を売った男』から

ハンキー・ドリー』から

  • アンディ・ウォーホル英語版

ジギー・スターダスト』から

ダイアモンドの犬』から

ロウ』から

ヒーローズ

ロジャー』より

スケアリー・モンスターズ』より

  • スケアリー・モンスターズ (アンド・スーパー・クリープス)英語版
  • ティーンエイジ・ワイルドライフ英語版

ティン・マシーンII』より

  • ベイビー・ユニヴァーサル英語版

ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ』より

アウトサイド』より

  • アウトサイド
  • ハーツ・フィルシー・レッスン英語版
  • 一片の土地
  • ハロー・スペースボーイ英語版
  • ザ・モーテル
  • アイ・ハヴ・ノット・ビーン・トゥ・オックスフォード・タウン
  • 性倒錯者の完全なる破滅 (美しき者の死)
  • ウィ・プリック・ユー
  • アイム・ディレンジュド英語版
  • 建築家たちの視線
  • ストレンジャーズ・ホエン・ウィ・ミート英語版

アースリング』より

  • リトル・ワンダー英語版
  • セヴン・イヤーズ・イン・チベット英語版
  • テリング・ライズ英語版

その他の曲

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参加ミュージシャン

ツアー日程

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脚注

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