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シェルブールの雨傘

フランス、西ドイツの映画作品 ウィキペディアから

シェルブールの雨傘
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シェルブールの雨傘』(シェルブールのあまがさ、Les Parapluies de Cherbourg 英題:The Umbrellas of Cherbourg)は、ジャック・ドゥミが脚本・監督した1964年のフランス・西ドイツ合作の恋愛映画ミシェル・ルグランが音楽を担当したミュージカル映画である。この映画の会話は、何気ない会話も含めて完全にレチタティーヴォとして歌われている。第17回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した[1]

概要 シェルブールの雨傘, 監督 ...

スティーヴン・ジェイ・シュナイダーの『死ぬまでに観たい映画1001本』に掲載されている。

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概要

全編音楽のみで他の台詞が一切ないミュージカルであり、映画としては画期的な形式であった。ルグランによる音楽が大評判となり、特に主題曲は世界中で大ヒットした。のちに舞台化もされ、世界各国で上演されている。 ドヌーヴの出世作となった作品だが、出演者は歌の素人のため、すべて歌手による吹き替えである。

過去に何度かリマスターが行われている。2009年には製作45周年を記念し、日本において今作品初のデジタルリマスター版が世界に先駆けて公開された[2]。2013年にはデジタル修復完全版が作られ、第66回カンヌ国際映画祭カンヌ・クラシックスで上映された。

ストーリー

  • 第一部 旅立ち 1957年11月-
    アルジェリア戦争まっただ中のフランス。港町シェルブールに住む20歳の自動車整備工ギイと17歳のジュヌヴィエーヴは結婚を誓い合った恋人同士。ギイは病身の伯母エリーズと、ジュヌヴィエーヴはシェルブール雨傘店を営む母エムリ夫人と暮らしている。エムリ夫人は2人が若過ぎる事を理由に結婚に反対するが、2人は将来生まれて来る子供の名前(女の子だったらフランソワーズ)を考えたり、自分たちのガソリンスタンドを持つ夢を語り合ったりと、幸福な恋愛を謳歌していた。
    そんなある日、エムリ夫人に莫大な額の納税通知書が届く。切羽詰まっていたエムリ夫人は、娘に説得され、大切なネックレスを売る決心をして、娘を連れて宝石店へ行った。店主との交渉はうまく進まなかったが、たまたま居合わせた宝石商ローラン・カサールが、その場でネックレスを購入してくれた。
    やがてギイに召集令状が届き、アルジェリア戦争において2年間の兵役をつとめることになった。尽きる事無く別れを惜しむギイとジュヌヴィエーヴ。その夜、2人は結ばれた。ギイは幼馴染みのマドレーヌに伯母の世話を頼み、ジュヌヴィエーヴと永遠の愛を誓い合って、シェルブール駅で別れを告げ入営する。
  • 第二部 不在 1958年1月-
    ある日、エムリ夫人は町でカサールと出会い、食事に招待する。妊娠していることを知ったジュヌヴィエーヴは、ギイからほとんど手紙が来ないことを不安に感じていた。ジュヌヴィエーヴが気分が悪いと休んだ後、エムリ夫人に引き止められたカサールは、ジュヌヴィエーヴに結婚を申し込むつもりだったことを打ち明ける。ジュヌヴィエーヴに出会い、カサールは失っていた人生の目標を見つけることができたのだった。決めるのは本人なので、押しつけないように頼み、カサールはまた旅に出る。
    手紙で妊娠を知ったギイからは、2月に「男の子だったら名前はフランソワ」と喜びの返事が届く。だが、ギイを待ち続けていたジュヌヴィエーヴは、次第にカサールに心を開き、子どもを一緒に育てようという求婚を受け入れる。結婚からしばらくして、エムリ夫人も店を処分し、娘が住むパリへと移住する。
  • 第三部 帰還 1959年3月-
    足を負傷し除隊となって帰郷したギイはシェルブール雨傘店を訪れるが、店は所有者が変わっていた。ジュヌヴィエーヴの結婚と移住を聞かされたギイは自暴自棄となり、復職した整備工場も些細なトラブルで退職して酒と娼婦に溺れる。朝帰りした彼を待っていたのは伯母エリーズの死の報せだった。ギイは出て行こうとするマドレーヌに「僕の力になってほしい。行かないでくれ。」と頼み、マドレーヌはとりあえず出て行くのをやめる。ギイは、マドレーヌに「仕事をしない今のあなたは大嫌い」と言われて一念発起し、伯母の遺産でガソリンスタンドを始めることに決めた。立ち直ったギイに、マドレーヌも心を開き、結婚する。
  • エピローグ 1963年12月-
    ある雪の夜、妻マドレーヌと息子フランソワがクリスマスの買い物に出ていった後、一台の車がギイのガソリンスタンドに給油に訪れる。運転席にはジュヌヴィエーヴが、助手席には3,4才くらいの女の子が乗っている。入営の日、シェルブール駅で別れて以来の再会だった。事務所で短く言葉を交わす2人。金持ちそうな毛皮のコートに身を包むジュヌヴィエーヴ。娘の名はフランソワーズだと告げ、「会ってみる?」とギイに聞くが、彼は無言で首を振り、互いの幸せを確認し合うと「給油が終わったようだ」と言う。ジュヌヴィエーヴの車が去って行くのと入れ替わりにマドレーヌとフランソワが帰ってくる。すると、ギイは気持ちを切り替え、2人の帰りを大はしゃぎで迎える。ガラス窓のカーテンが家族3人で幸せに楽しく過ごす様子を映し出す。
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登場人物

音楽

日本での作品化

日本での舞台化

日本で初めて舞台化されたのは1983年。映画監督のジャック・ドゥミ氏と作曲家のミシェル・ルグラン氏が全面協力した[3]

さらに見る 1983年, 1983-1984年 ...

主題曲

スタンダード・ナンバーとして多くの歌手により歌われている。映画中ではダニエル・リカーリが歌い、同1964年にナナ・ムスクーリもフランス語と日本語で歌っている。日本での主な作品化を記す。

フランス語の原詞
別れを嘆き悲しみ、引き留めようとする内容。小野リサなど
英語の訳詞
I Will Wait for Youと題がつき、恋人の帰りをいつまでも待つ内容になっている。白鳥英美子など
日本語の訳詞
さまざまな訳があるが、英語の詞に沿った内容のものが多い。ナナ・ムスクーリ木之内みどり麻丘めぐみ岩崎宏美河合奈保子美川憲一など
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関連項目

出典

外部リンク

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