コード |
文字 |
文字名(英語) |
用例・説明 |
ラテン文字転写 |
サーマ・ヴェーダ用の朗唱記号(スヴァラ) |
U+A8E0 |
꣠ |
COMBINING DEVANAGARI DIGIT ZERO |
サーマ・ガーナ(英語版)(Sāma Gāna)のラーナーヤニーヤ(Rāṇāyanīya)伝統において、長母音がさらに伸長しないことを示す[2]。 |
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U+A8E1 |
꣡ |
COMBINING DEVANAGARI DIGIT ONE |
サーマ・ヴェーダ・サンヒター(Sāmaveda-Saṃhitā)において ウダーッタ(udātta; 高声調)を示す[2]。
サーマ・ガーナでは 第一音(prathama)または 第七音(kruṣṭa) を示す[2]。
テキスト内の数値の上付き記号として使用される場合は、その音が1モーラ分保持されることを示す[2]。 |
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U+A8E2 |
꣢ |
COMBINING DEVANAGARI DIGIT TWO |
独立したスヴァリタ(svarita; 下降声調)を示す、または 最初の 2 つのウダッタ母音の上に記され、後続のアヌダーッタ(anudātta; 低声調)を示す[2]。
サーマ・ヴェーダ・サンヒターでは2つのウダーッタ母音のうち最初の母音の上にU+0909 उ DEVANAGARI LETTER Uが続き、その後にアヌダーッタが続く[2]。
サーマ・ガーナでは第二音(dvitīya)を示す[2]。 |
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U+A8E3 |
꣣ |
COMBINING DEVANAGARI DIGIT THREE |
サーマ・ヴェーダ・サンヒターにおいてアヌダッタ(低声調)を示し、サーマ・ガーナでは第三音(tṛtīya)を示す。
上付きのU+0915 क DEVANAGARI LETTER KA(U+A8EC ꣬ COMBINING DEVANAGARI LETTER KA)が後続することがある[2]。 |
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U+A8E4 |
꣤ |
COMBINING DEVANAGARI DIGIT FOUR |
サーマ・ガーナにおいて第四音(caturtha)を示す[2]。 |
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U+A8E5 |
꣥ |
COMBINING DEVANAGARI DIGIT FIVE |
サーマ・ガーナにおいて第五音(mandra或いはpañcama)を示す[2]。 |
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U+A8E6 |
꣦ |
COMBINING DEVANAGARI DIGIT SIX |
サーマ・ガーナにおいてアティスヴァリャー音(atisvaryā)を示す[2]。 |
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U+A8E7 |
꣧ |
COMBINING DEVANAGARI DIGIT SEVEN |
サーマ・ガーナにおいて短い朗誦(abhigīta)を示す[2]。 |
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U+A8E8 |
꣨ |
COMBINING DEVANAGARI DIGIT EIGHT |
サーマ・ガーナでは見つかっていないが、論理的な体系を完成させるためにUnicodeに提案された[2]。 |
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U+A8E9 |
꣩ |
COMBINING DEVANAGARI DIGIT NINE |
サーマ・ガーナにおいて屈曲声調或いは沈み込む声調(namana)を示す[2]。 |
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U+A8EA |
꣪ |
COMBINING DEVANAGARI LETTER A |
サーマ・ガーナにおいて短い朗誦(abhigīta)を示す[2]。 |
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U+A8EB |
꣫ |
COMBINING DEVANAGARI LETTER U |
Böhtlingk及びRothの「サンクリット・英語辞典(St. Petersburg Sanskrit-English lexicon)」においてウダーッタ(高声調)を示す[2]。
また、上付きのU+0968 २ DEVANAGARI DIGIT TWO (U+A8E2 ꣢ COMBINING DEVANAGARI DIGIT TWO)に続いて サーマ・ヴェーダ・サンヒターにおいて、2 つの連続するウダーッタのうち最初のものを示す[2]。 |
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U+A8EC |
꣬ |
COMBINING DEVANAGARI LETTER KA |
上付きのU+0969 ३ DEVANAGARI DIGIT THREE (U+A8E3 ꣣ COMBINING DEVANAGARI DIGIT THREE)に続き、サーマ・ヴェーダ・サンヒターにおいて独立したスヴァリタ(下降声調)の前のアヌダーッタ(低声調)を示す[2]。 |
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U+A8ED |
꣭ |
COMBINING DEVANAGARI LETTER NA |
南インドの写本において、サーマ・ガーナにおける屈曲声調或いは沈み込む声調(namana)を示す[2]。 |
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U+A8EE |
꣮ |
COMBINING DEVANAGARI LETTER PA |
サーマ・ガーナでは、上付きのप्रे/prē/の代わりに使用される[2]。
テキスト内の数値の上付き記号として記され、振動(prenkha)を示す[2]。 |
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U+A8EF |
꣯ |
COMBINING DEVANAGARI LETTER RA |
サーマ・ヴェーダ・サンヒターにおいて上付きの2(U+A8E2 ꣢ COMBINING DEVANAGARI DIGIT TWO)に続き、独立したスヴァリタ(下降声調)を示す[2]。
また、サーマ・ガーナでは単独、または上付き数値 1-5 に続いて記され、長母音がさらに伸長しないことを示す[2]。 |
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U+A8F0 |
꣰ |
COMBINING DEVANAGARI LETTER VI |
サーマ・ガーナにおいて、ヴィナタ(vinata)と呼ばれる音楽的モチーフを示す[2]。 |
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U+A8F1 |
꣱ |
COMBINING DEVANAGARI SIGN AVAGRAHA |
サーマ・ガーナにおいて、下降音階において特定の部分を飛ばして読むことを意味するアティクラマ(atikrama)を表す[2]。
また、ヴィナタ(vinata)と呼ばれる音楽的モチーフ、或いは屈曲声調或いは沈み込む声調(namana)を示す[2]。 |
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鼻音化記号 |
U+A8F2 |
ꣲ |
DEVANAGARI SIGN SPACING CANDRABINDU |
アヌスヴァーラを表すための文字幅を持った記号であり、U+0901 ँ DEVANAGARI SIGN CANDRABINDUよりも低い位置に書かれるもの[2]。 |
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U+A8F3 |
ꣳ |
DEVANAGARI SIGN CANDRABINDU VIRAMA |
アヌスヴァーラを表す[2]。 |
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U+A8F4 |
ꣴ |
DEVANAGARI SIGN DOUBLE CANDRABINDU VIRAMA |
子音クラスタに含まれる摩擦音の前に現れるアヌスヴァーラを表す[2]。 |
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U+A8F5 |
ꣵ |
DEVANAGARI SIGN CANDRABINDU TWO |
2モーラ分の長さを持つ鼻母音を表す[2]。 |
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U+A8F6 |
ꣶ |
DEVANAGARI SIGN CANDRABINDU THREE |
3モーラ分の長さを持つ鼻母音を表す[2]。 |
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U+A8F7 |
ꣷ |
DEVANAGARI SIGN CANDRABINDU AVAGRAHA |
アヌスヴァーラを表す[2]。 |
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編集記号 |
U+A8F8 |
꣸ |
DEVANAGARI SIGN PUSHPIKA |
プレースホルダーまたは「フィラー」として使用される[3]。
多くの場合、二重ダンダ(U+0965 ॥ DEVANAGARI DOUBLE DANDA)が両側に並んでいる[3]。 |
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U+A8F9 |
꣹ |
DEVANAGARI GAP FILLER |
原稿やテキスト内の空白が欠落ではないことを示すために使用される[3][4]。 |
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U+A8FA |
꣺ |
DEVANAGARI CARET |
文字の挿入を表す[3]。
欧文などにおけるキャレット(U+2038 ‸ CARET)に相当する。
二つの正書法音節の間の点を中心とする文字幅を持たない記号[3]。 |
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U+A8FB |
ꣻ |
DEVANAGARI HEADSTROKE |
シローレーカー。デーヴァナーガリー文字の上部に書かれる、一単語をつなぐ線。
不確かな写本の読みを示すために使用され[3]、元の文書の消失や摩耗によって判読不能になった箇所を表す。そのため、通常の文字に含まれるシローレーカーとは異なり、この文字が連続しても欠落した文字数が分かるようにするため線は繋がらない[4][5]。 |
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記号 |
U+A8FC |
꣼ |
DEVANAGARI SIGN SIDDHAM |
テキストの冒頭で祈りの言葉(invocation)として用いられる[3]。
サンスクリットの सिद्धम् (siddham) 「成就した」という単語や、सिद्धिरस्तु (siddhirastu) 「成功がありますように」という言葉を表しており、स्वस्ति (svasti) 「吉祥あれ」という単語の前に置かれることが多い[6]。
テルグ文字のU+0C77 ౷、カンナダ文字のU+-C84 ಄、チベット文字の U+0F04 ༄、モンゴル文字のU+0800 ᠀、シャーラダー文字のU+111DB 𑇛も参照。 |
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U+A8FD |
ꣽ |
DEVANAGARI JAIN OM |
ジャイナ教において聖音のオームを表す記号。
ヒンドゥー教などではU+0950 ॐ DEVANAGARI OMが用いられる。 |
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追加の母音字及び母音記号 |
U+A8FE |
ꣾ |
DEVANAGARI LETTER AY |
短母音[ɛ]を表す[7]。
ヒンディー語の東部方言の音韻を表記するために言語学者の間で用いられた[7]。 |
aĭ[7] |
U+A8FF |
ꣿ |
DEVANAGARI VOWEL SIGN AY |