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フェルメールの作品

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本項ではフェルメールの作品(フェルメールのさくひん)について述べる。

ネーデルラントオランダ#国名)にて活動した画家、ヨハネス・フェルメール1632年10月30日- 1675年12月15日[1])の現存作品は、真作か贋作かが疑わしいものも含め、37点ある。全て油彩画である。

本項では、彼の作品を包括的に理解するため、作品データと解説を、表にまとめる。

作品総数

フェルメールは寡作な作家であった。1663年、フランスの国王顧問官で、リヨンの警視総監である、バルタザル・ド・モンコニ―英語版は、デルフトにあるアトリエを訪れたものの、在庫作品は一切無く、作品が有ると聞いたパン屋に足を伸ばした[2][3][注釈 1]

1653年、画家職能組合である聖ルカ組合に加入して以降、どれだけの作品を残したかであるが、メトロポリタン美術館キャサリン・ベッジャー(Katharine Baetjer)は、50点弱とみている[4]。 19世紀後半、フェルメール没後に再評価のきっかけとされる美術研究家、トレ・ビュルガーフランス語版は、現存していた74点以上を真作とみなした[5][注釈 2]。1970年代以降の研究では、現存真作数を32から37点と見なしている[6][7][8]

作品一覧

要約
視点

凡例

  • 真作でない可能性がある6点については、他と区別しやすいよう、淡黄色で網かけをした。
  • 制作年代は、「年」を省略する。
  • 支持体は、C:キャンバス、W:板である。
  • 「サイズ」は、「縦×横」で、単位はセンチメートル、1/10センチ単位は四捨五入した。
  • 「特徴」での左右の表記は、原則として鑑賞者から見た側とするが、手など人体については、モデルの立場からとする。
さらに見る 番号, タイトル ...
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収蔵館以外における展示

要約
視点

真作であるとされるフェルメールの作品は、ヨーロッパとアメリカの美術館のみに所蔵されている。フェルメールの作品は数が少なく所蔵館にとっては貴重なものとなっているため大規模な企画展は困難であるという見方があった[154]。しかし、他美術館からの貸し出しを受けて実現した企画展として、

  • 「フェルメール展」1995-1996年、ワシントン・ナショナル・ギャラリー/オランダ・マウリッツハイス美術館
    • 22点(マウリッツハイス美術館では23点[155])が展示され、これだけの数が集まるのは1696年の競売以来300年ぶりとされる。この企画展によりフェルメールブームのきっかけになったという見解がある[156]
  • 「フェルメールとデルフト展」2001年、ニューヨーク・メトロポリタン美術館[157]/ロンドン・ナショナル・ギャラリー[158]
  • 「フェルメールとオランダ室内装飾展」2003年、プラド美術館[159]

があげられる。

他に個別の貸し出し展示として、

  • 「ディアナとニンフたち」2010年、ドレスデン国立絵画館/スコットランド・ナショナル・ギャラリー[160]
  • 「恋文」2008年、ヴァン・ゴッホ美術館[161]
  • 「取り持ち女」2010年、ハーグ美術館/マウリッツハイス美術館/スコットランド・ナショナル・ギャラリー[162]
  • 「真珠の首飾りの少女」2008年、ローマ・コルソ美術館[163]
  • 「手紙を書く女」2008-2009年、ロサンゼルス・ノートン・サイモン美術館[164]
  • 「マルタとマリアの家のキリスト」2010年、ドレスデン国立絵画館/マウリッツハイス美術館[165]

などがある。(非真作を含む。日本を除く)

なお、他美術館へ貸し出しをしないとされる作品に

  • 「ギターを弾く女」ケンウッド・ハウス[166]
  • 「女と召使い」「兵士と笑う女」「稽古の中断」フリック・コレクション[167]

がある。

日本における展示

日本には真作であるとされるフェルメールの作品は無い。したがって、国外の美術館から借りて展示される。

作品単品を借り受けた展示は1968年から行われた。フェルメールをタイトルとした企画展は1995年の「フェルメール展」(ワシントン・ナショナル・ギャラリー他)からのブームを受けた2000年の「日蘭交流400周年記念特別展覧会 フェルメールとその時代」が初となり、それまでの最多である5作品が展示された。のち、2008年「フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち-」の7作品、2018-2019年「フェルメール展」の10作品(通期にて)の大規模企画展も開催された。

  • 1968-1969年(昭和43-44年) 「レンブラントとオランダ絵画巨匠展」 国立西洋美術館京都市美術館[168]
    • 『ディアナとニンフたち』
  • 1974年(昭和49年) 「ドレスデン国立美術館所蔵 ヨーロッパ絵画名作展」 国立西洋美術館、京都国立博物館[168]
    • 『窓辺で手紙を読む女』
  • 1984年(昭和59年) 「マウリッツハイス王立美術館展」 北海道立近代美術館、国立西洋美術館、愛知県美術館[168]
  • 1987年(昭和62年) 「西洋の美術 その空間表現の流れ展」 国立西洋美術館[168]
    • 『手紙を書く女』
  • 1999年(平成11年) 「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」 京都市美術館、東京都美術館[168]
    • 『手紙を書く女』
  • 2000年(平成12年) 「日蘭交流400周年記念特別展覧会 フェルメールとその時代」 大阪市立美術館[168]
    • 『聖プラクセディス』
    • 『天秤を持つ女』
    • 『リュートを調弦する女』
    • 『真珠の耳飾りの少女』
    • 『地理学者』
  • 2000年(平成12年) 「アムステルダム国立美術館所蔵 17世紀オランダ美術展 レンブラント、フェルメールとその時代展」 愛知県美術館、国立西洋美術館[168]
    • 『恋文』
  • 2004年(平成16年) 「フェルメール「画家のアトリエ」 栄光のオランダ・フランドル絵画展 ウィーン美術史美術館所蔵」 東京都美術館、神戸市立博物館[168]
    • 『絵画芸術』
  • 2005年(平成17年) 「震災復興10周年記念 ドレスデン美術館展 世界を映す鏡」 兵庫県立美術館、国立西洋美術館[168]
    • 『窓辺で手紙を読む女』
  • 2005-2006年(平成17-18年) 「オランダ絵画の黄金時代 アムステルダム国立美術館展」 兵庫県立美術館[169][168]
    • 『恋文』
  • 2007年(平成19年) 「フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展」 国立新美術館[170][168]
    • 『牛乳を注ぐ女』(日本初公開)
  • 2008年(平成20年) 「フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち-」 東京都美術館 [171]
    • 『マリアとマルタの家のキリスト』(日本初公開)
    • 『ディアナとニンフたち』
    • 『小路』(日本初公開)
    • 『ワイングラスを持つ娘』(日本初公開)
    • 『リュートを調弦する女』
    • 『手紙を書く婦人と召使』(日本初公開)
    • 『ヴァージナルの前に座る若い女』(個人蔵)(日本初公開)
  • 2009年(平成21年) 「ルーブル美術館展 -17世紀ヨーロッパ絵画-」 国立西洋美術館、京都市美術館 [172][173]
    • 『レースを編む女』
  • 2011年(平成23年) 「シュテーデル美術館所蔵 フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」 Bunkamuraザ・ミュージアム [174]豊田市美術館
    • 『地理学者』
  • 2011年(平成23年) 「フェルメールからのラブレター展」 京都市美術館、宮城県美術館、Bunkamuraザ・ミュージアム [175]
    • 『青衣の女』(日本初公開)
    • 『手紙を書く女』
    • 『手紙を書く婦人と召使』
  • 2012年(平成24年) 「ベルリン国立美術館展」国立西洋美術館、九州国立博物館[176]
    • 『真珠の首飾りの少女』
  • 2012-2013年(平成24-25年) 「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」 東京都美術館、神戸市立博物館[177]
    • 『真珠の耳飾りの少女』
    • 『ディアナとニンフたち』
  • 2015年(平成27年) 「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」 国立新美術館、京都市美術館[178]
    • 『天文学者』(日本初公開)
  • 2016年(平成28年) 「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」 森アーツセンターギャラリー福島県立美術館、京都市美術館[179]
    • 『水差しを持つ女』(日本初公開)
  • 2018年-2019年(平成30年-令和元年)「フェルメール展 Making the Difference: Vermeer and Dutch Art」 上野の森美術館、大阪市立美術館[180]
    • 『牛乳を注ぐ女』(東京会場のみ)
    • 『マルタとマリアの家のキリスト』
    • 『手紙を書く婦人と召使』
    • 『紳士とワインを飲む女』(東京会場のみ)(日本初公開)
    • 『手紙を書く女』
    • 『赤い帽子の女』(東京会場前期のみ)(日本初公開)
    • 『リュートを調弦する女』
    • 『真珠の首飾りの女』(東京会場のみ)
    • 『取り持ち女』(東京会場後期・大阪会場のみ)(日本初公開)
    • 『恋文』(大阪会場のみ)
  • 2020年(令和2年) 「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」 国立西洋美術館、国立国際美術館[181]
    • 『ヴァージナルの前に座る女』(日本初公開)
  • 2022年(令和4年) 「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」東京都美術館[182]、北海道立近代美術館、大阪市立美術館、宮城県美術館
    • 『窓辺で手紙を読む女』(大規模修復後初公開)
  • 2022年(令和4年) 「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」大阪市立美術館、国立新美術館[183]
    • 『信仰の寓意』(日本初公開)
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脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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