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伊藤潤二
日本の漫画家 (1963-) ウィキペディアから
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伊藤 潤二(いとう じゅんじ、1963年[2]7月31日 - )は、日本の漫画家。岐阜県生まれ[2]、千葉県在住[3]。ホラー漫画家として有名であり、代表作は『富江』シリーズ、『うずまき』など[4]。映像化された作品も多い。
来歴
生い立ち
保育園児(5歳)の頃から、楳図かずお、古賀新一らの怪奇マンガに熱中し、自らも怪奇マンガを描き始める。
岐阜県立中津高等学校卒業。1984年、歯科技工士専門学校卒業後、歯科技工士になる[2]。
愛読していた『ハロウィン』(朝日ソノラマ)により「楳図賞」が創設されたと知り、楳図かずおに自分をアピールしたいと考え、投稿を決意する[5]。1986年、投稿した「富江」が第1回楳図かずお賞にて佳作入選(第一席)しデビュー。当時の選考委員は楳図かずお、稲川淳二、菊地秀行など。
漫画デビュー後
その後しばらくは、歯科技工士と並行する形で、兼業漫画家として活動していたが[5]、1990年に歯科技工士を退職し、マンガに専念するようになった[2]。
また、古賀新一、御茶漬海苔とともに、それぞれ自身の作品を映画化するプロジェクト「古潤茶」を起ち上げ、実写映画『富江』の脚本、監督を務めた[5]。
2000年以降の活躍
2015年、WOWOWの連続ドラマW『闇の伴走者』の劇中漫画を担当[6]。さらに同年、台湾にて展覧会「伊藤潤二恐怖美学体験大展」が開催された[7]。
2018年、『伊藤潤二自選傑作集』が第30回アイズナー賞にノミネートされる[8]。2019年、『フランケンシュタイン』がアイズナー賞で最優秀コミカライズ作品賞を受賞[8]。今作が伊藤初のアイズナー賞受賞作である[8]。
2021年、第33回アイズナー賞で最優秀アジア作品賞に『地獄星レミナ』、Best Writer/Artist部門に同作と『伊藤潤二短編集 BEST OF BEST』の2作品が選ばれる[9]。Best Writer / Artist 部門を受賞した日本人作家は伊藤が初である[9]。
2021年8月、朝日新聞出版が開催する「朝日ホラーコミック大賞」にて、審査員長を務める[10]。同年12月、『センサー』がLibrary Journalのベストブックスに選出される[11]。漫画作品での日本人の選出は、伊藤と同時受賞した浦沢直樹が初となる[11]。
2022年、第34回アイズナー賞で最優秀アジア作品賞に『死びとの恋わずらい』の英語版が選出される[12]。伊藤の同賞受賞は4度目である[12]。
2023年、第50回アングレーム国際漫画祭で、特別栄誉賞を受賞[13]。同年、サンディエゴ・コミコンでインクポット賞を受賞[14]。
2024年4月27日から9月1日まで世田谷文学館にて「伊藤潤二展 誘惑」が開催された[15]。また、同年10月11日から12月22日まで市立伊丹ミュージアムにて、同展が開催された[16]。
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作風
アマチュア漫画家による盗作騒動
2006年4月上旬に『月刊ホラーM』に掲載された「第19回ホラーM新人まんが大賞期待賞受賞作」が伊藤潤二の作品『なめくじ少女』に酷似していることが指摘されたため、受賞が取り消された[19]。
家族・親族
2006年にイラストレーターの石黒亜矢子と結婚した[5]。しばらく母と石黒と暮らしていたが現在は千葉県に引っ越し、子供が二人いる。母と妻は非常に仲が良く、結婚前から同居していた。
猫の「よん」「むー」を飼っており、エッセイも出版したが、よんは心臓発作で死に、むーは妻の実家に預けたところ懐いてしまったため、現在は別の猫「てんまる」「とんいち」を飼っている[3]。
作品リスト
要約
視点
漫画作品
各作品の詳細などについてはリンク先の各記事を参照。
- 2023年2月現在。
- デフォルトでの表記は発表順。他列でのソート後に再度発表順でソートするには、最左列を利用する。
連載作品 | 読切作品 |
書籍
- ハロウィン少女コミック館 / 朝日ソノラマ
- 屋根裏の長い髪(1990年2月)
- 地下室(1990年2月)
- 屋敷(1990年10月)
- JUNJIの恐怖コレクション(1)脱走兵のいる家(1991年3月)
- JUNJIの恐怖コレクション(2)首のない彫刻(1991年10月)
- JUNJIの恐怖コレクション(3)楽しい夏休み(1992年3月)
- JUNJIの恐怖コレクション(4)路地裏(1992年12月)
- JUNJIの恐怖コレクション(5)布製教師(1993年8月)
- JUNJIの恐怖夜話(1)うめく排水管(1994年3月)
- JUNJIの恐怖夜話(2)首吊り気球(1994年9月)
- JUNJIの恐怖夜話(3)墓標の町(1994年11月)
- サイレンの村(1995年2月) - 下記の『サイレンの村』を再収録
- シリーズ恐怖の双一 棺桶(1995年9月)
- シリーズ富江の恐怖 画家(1996年2月)
- 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス / 朝日ソノラマ
- サイレンの村(1993年5月)
- 怪奇カンヅメ(1996年11月)
- 死びとの恋わずらい(1997年5月)
- トンネル奇譚(1997年11月)
- フランケンシュタイン(1994年12月)
- 伊藤潤二恐怖マンガCollection 全16巻 / 朝日ソノラマ - 上記全収録作品を再収録
- 第1巻 富江(1997年10月)
- 第2巻 富江 PART 2(1997年11月)
- 第3巻 肉色の怪(1997年12月)
- 第4巻 顔泥棒(1998年1月)
- 第5巻 双一の楽しい日記(1998年2月)
- 第6巻 双一の呪いの日記(1998年3月)
- 第7巻 なめくじ少女(1998年4月)
- 第8巻 血玉樹(1998年5月)
- 第9巻 首幻想(1998年6月)
- 第10巻 あやつり屋敷(1998年7月)
- 第11巻 道のない街(1998年8月)
- 第12巻 いじめっ娘(1998年9月) - 「土の中…」を新規収録
- 第13巻 サーカスが来た(1998年10月)
- 第14巻 トンネル奇譚(1998年11月)
- 第15巻 死びとの恋わずらい(1998年12月)
- 第16巻 フランケンシュタイン(1999年1月)
- 死びとの恋わずらい 完全版(2001年3月) / 朝日ソノラマ - 『死びとの恋わずらい』に「余話・白服の美少年」を加えて再収録
- 富江 <全> -The complete comics of Tomie-(2000年2月) / 朝日ソノラマ - 上記「富江」作品を再収録
- 富江 Again -富江 PART 3-(2001年3月) / 朝日ソノラマ
- 伊藤潤二恐怖博物館 - ソノラマコミック文庫 全10巻 / 朝日ソノラマ - 上記全収録作品を再収録
- 伊藤潤二恐怖博物館 新版 - ソノラマコミック文庫 全10巻(2007年11月) / 朝日新聞出版 - 『伊藤潤二恐怖博物館』と同一内容
- 伊藤潤二傑作集 - 朝日コミックス 全11巻 / 朝日新聞出版 - 『伊藤潤二恐怖博物館』をリサイズしたものに闇の声 <全>の内容を追加
- 第1巻 富江 上(2011年1月)
- 第2巻 富江 下(2011年1月)
- 第3巻 双一の勝手な呪い(2011年2月)
- 第4巻 死びとの恋わずらい(2011年2月)
- 第5巻 脱走兵のいる家(2011年3月)
- 第6巻 路地裏(2011年3月)
- 第7巻 首のない彫刻(2013年4月)
- 第8巻 うめく排水管(2013年4月)
- 第9巻 墓標の町(2013年6月)
- 第10巻 フランケンシュタイン(2013年6月)
- 第11巻 潰談(2013年8月)
- 伊藤潤二自選傑作集 - 朝日コミックス(2015年10月) / 朝日新聞出版 - 作者が自選した9編とその解説・執筆メモなどを収録。描き下ろし読切『ファッションモデル・呪われたフレーミング』収録
- 伊藤潤二自選傑作集 歪 - 朝日コミックス(2018年3月) / 朝日新聞出版 - 単行本未収録作品『魅入られた双一』収録
- うずまき
- ギョ
- ビッグスピリッツコミックス全2巻(2002年2月 - 2002年5月) / 小学館 - 短編『大黒柱悲話』『阿彌殻断層の怪』を収録
- 2012年にアニメ文庫(OVA)化。
- ミミの怪談 - MFコミックス(2003年3月)/ メディアファクトリー
- 闇の声
- 闇の声 - 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス(2003年9月) / 朝日ソノラマ
- 新・闇の声 潰談 - 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス(2006年11月) / 朝日ソノラマ
- 闇の声 <全> - ソノラマコミック文庫(2009年3月)/ 朝日新聞出版 - 上記2作品を文庫化して再収録
- 地獄星レミナ - ビッグスピリッツコミックス(2005年8月) / 小学館 - 短編『億万ぼっち』を収録
- 伊藤潤二の猫日記よん&むー - ワイドKC(2009年3月) / 講談社
- ブラックパラドクス - ビッグスピリッツコミックススペシャル(2009年3月) / 小学館
- 怪、刺す (原作:木原浩勝) - 少年サンデーコミックススペシャル(2010年8月) / 小学館
- 猫マンガだニャン! - 未単行本化(『YOMBAN』にて連載中のリレー漫画の第1話を担当)
- 憂国のラスプーチン - 全6巻(原作:佐藤優、脚本:長崎尚志)/ 小学館
- 魔の断片(まのかけら) - Nemuki+コミックス(2014年7月) / 朝日新聞出版
- 布団(『Nemuki+』2013年5月号)
- 木造の怪(『Nemuki+』2013年7月号)
- 富夫・赤いハイネック(『Nemuki+』2013年9月号)
- 緩やかな別れ(『Nemuki+』2013年11月号)
- 解剖ちゃん(『Nemuki+』2014年1月号)
- 黒い鳥(『Nemuki+』2014年3月号)
- 七癖曲美(『Nemuki+』2014年5月号)
- 耳擦りする女(アンソロジー『シンカン』Vol.1、2009年11月6日発売)
- 溶解教室 - 少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!(2014年12月) / 秋田書店 - 短編『再会』『大地の子』を収録
- 人間失格 - 太宰治作品のコミカライズ、『ビッグコミックオリジナル』2017年第10号[28] - 2018年第9号連載。ビッグコミックス 全3巻(2017年10月 - 2018年7月) / 小学館
- 漫画エッセイ『伊藤潤二のねこ日記 よん&むー』(ワイドKC 週刊少年マガジン)
- 伊藤潤二研究 ホラーの深淵から - Nemuki+コミックス(2017年12月) / 朝日新聞出版 - 単行本未収録作品『よん&むーの幽霊物件』『首吊り気球・再来』『恐怖の重層』『魔声』を収録
- 伊藤潤二大研究 増補新版 - Nemuki+コミックス(2024年3月) / 朝日新聞出版 - 『伊藤潤二研究』から100ページ以上の増補新版
- 伊藤潤二短編集 BEST OF BEST - ビッグコミックススペシャル(2019年2月) / 小学館 - 単行本未収録作品『伊藤潤二の怪奇漫画館』『楳図先生と私』『忘れ形見』 を収録
- 伊藤潤二画集 異形世界 - Nemuki+コミックス(2019年3月) / 朝日新聞出版
- センサー - Nemuki+コミックス(2019年11月) / 朝日新聞出版 - シリーズ『夢魔の紀行』を改題して単行本化
- 幻怪地帯 - ソノラマ+コミックス(2021年3月) / 朝日新聞出版(『LINEマンガ』連載)
- 幻怪地帯 Season2 エーテルの村 - ソノラマ+コミックス(2022年12月) / 朝日新聞出版(『AERA dot.』連載)
- 不気味の穴 恐怖が生まれ出るところ(2023年2月) / 朝日新聞出版
- 伊藤潤二展 誘惑 Illustrations(2024年7月) / 朝日新聞出版 - 展覧会公式のイラスト集。単行本未収録作品『富江・乗っ取り』を収録
その他
- マジック・ザ・ギャザリング / 米ウィザーズ・オブ・ザ・コースト
- 《機械の母、エリシュ・ノーン》漫画版アート / 「ファイレクシア 完全なる統一」収録(2023年2月)
- 全世界で60個限定となる特製フレーム入り直筆サイン入りカードのプレゼントキャンペーンが行われた[29]。
- こっちをみてる。(2024年2月) / 岩崎書店 「怪談えほん」シリーズ (9)
- 文:となりそうしち、編集:東雅夫。絵を担当。
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映像化作品
映画
- 富江
- 富江(1999年)
- 富江 replay(2000年)
- 富江 re-birth(2001年)
- 富江 最終章 ―禁断の果実―(2002年)
- 富江 BEGINNING(2005年)
- 富江 REVENGE(2005年)
- 富江VS富江(2007年)
- 富江 アンリミテッド(2011年)
- 恐怖コレクション[30]
- 伊藤潤二 恐怖collection 「屋根裏の長い髪」(2000年)
- 伊藤潤二 恐怖collection 「首吊り気球」(2000年)
- 伊藤潤二 恐怖collection 「悪魔の理論」(2000年)
- 押切 OSHIKIRI(2000年)
- うずまき(2000年)
- 死びとの恋わずらい(2001年)
- 案山子 KAKASHI(2001年)
- うめく排水管(2004年)
- 富夫(2011年)
テレビドラマ
- 戦慄の旋律(1991年)
2005年発売のDVD 「DRAMADAS 伊藤潤二+山上たつひこの謎さがし 戦慄の旋律 / おろし金に白い指」に収録
- 富江 恐怖の美少女(1999年)
VHS/DVDリリース時に「富江 アナザフェイス」に改題
- 伊藤潤二恐怖コレクション
- 伊藤潤二恐怖コレクション 「長い夢」(2000年)
- 伊藤潤二恐怖コレクション 「顔泥棒」(2000年)
- 伊藤潤二恐怖コレクション 「押切」(2000年)
- 伊藤潤二恐怖コレクション 「墓標の町」(2000年)
- 世にも奇妙な物語(25周年スペシャル・春 〜人気マンガ家競演編〜)「地縛者」(2015年)
アニメーション
- ギョ(2011年) - OVA
- 伊藤潤二『コレクション』(2018年)
- 伊藤潤二『マニアック』(2023年)/ Netflix アニメーションシリーズ[31][32]
- UZUMAKI: Animated TV Series(2024年)
BeeTV
- うずまき(2014年) / Beeマンガ 全19話
ゲーム
- DEATH STRANDING(2019年) - ゲーム中に登場するプレッパーズのうちの一人は伊藤本人をモデルとしている[33]。
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メディア出演等
- テレビ
-
- トゥナイト2(2001年3月27日、テレビ朝日) - 北野誠を自分の仕事場や中津川のトンネルなどに案内した。
- BSマンガ夜話『富江』(2004年12月1日、NHK BS2) - 本人出演なし。ゲストは夢枕獏。伊藤のギャグ表現について論じ合った。
- 浦沢直樹の漫勉『伊藤潤二』(2017年3月9日、NHK Eテレ) - 『恐怖の重層』の製作過程を収録した画像を見ながら浦沢と対談した。
- 漫道コバヤシ(2022年11月28日、フジテレビONE) - ネタの発想方法や制作秘話などを披露した。
- 川島・山内のマンガ沼(2023年1月8日・1月15日、読売テレビ ) - 2週にわたり出演。伊藤へのアンケート、作品誕生秘話、仕事場潜入レポートなど。
- NHKアカデミア 伊藤潤二(2023年10月25日・11月1日、NHK Eテレ) - これまでの半生や自身の創作について語る[34][35]。
- ラジオ
-
- 松原タニシの恐味津々(2021年6月14日・6月21日、MBSラジオ) - 2週にわたり出演。来歴、子供の頃の体験、アイディア、ギャグなどについて話した。なお、松原はアニメ版『コレクション』に声優として参加した。
- 松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD(2024年7月19日、ニッポン放送)- 松任谷由実が「伊藤潤二展」に足を運んだことをきっかけでゲストに招かれた[36]。
- その他
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関連人物
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脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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