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台湾の地理

台湾島の地理 ウィキペディアから

台湾の地理
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台湾の地理(たいわんのちり)では台湾における地理を概説する。「台湾」の定義としては主に、台湾本島(台湾島)に限定する場合や、中華民国実効支配する地域(台湾地区)の全域(台湾本島、澎湖諸島金門群島馬祖列島)を示す場合などがあるが、ここでは後者に関して説明する。

概要 地域, 座標 ...
台湾
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台湾の地形
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位置と面積

要約
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台湾島地図

緯度及び経度は22°N - 25°N, 120°E - 122°E。相対位置はユーラシア大陸の東南沿海、太平洋西岸、フィリピンの北方、琉球諸島の西南に位置する。タイムゾーンはGMT+8:00 Taipei。

太平洋西部に位置し、東海岸はフィリピン海に面している。日本与那国島から約107kmの距離である。西海岸は台湾海峡を隔てて中国大陸を臨み、その距離は約150kmである。南はバシー海峡を隔てフィリピンまで約300km、北海岸は東シナ海に接している。全島面積は35,915平方km、南北に長く東西が狭い形状となっている。地勢は東高西低であり、地形は山地丘陵地盆地台地平野により構成されるが、山地、丘陵地が全島面積の2/3を占めている山岳中心の地形である。

台湾の総陸地面積は36,197平方キロメートル (13,976 sq mi)[1]であり、ベルギーよりわずかに大きく、海岸線の長さは1,566.3キロメートル (973.3 mi)[2]である。中華民国は、200海里 (370.4 km; 230.2 mi)の海域を含む83,231平方キロメートル (32,136 sq mi)排他的経済水域を主張しており、領海範囲は12海里 (22.2 km; 13.8 mi)[3]である。

台湾本島はこの群島で最大の島であり、第二次世界大戦後まで、西洋世界ではポルトガル語で「Ilha Formosa」(「美しい島」を意味する「フォルモサ」)と呼ばれていた[4]。台湾島の長さは394キロメートル (245 mi)、幅は144キロメートル (89 mi)[5]、面積は35,808平方キロメートル (13,826 sq mi)[6]である。この島の最北端は新北市石門区富貴角に位置し、中心点は南投県埔里鎮、最南端は屏東県恒春鎮鵝鑾鼻である。

台湾島と中国大陸の南東海岸との間には台湾海峡が隔たっており、海峡の最も広い部分は約220キロメートル (140 mi)、最も狭い部分は約130キロメートル (81 mi)である。台湾海峡は大陸棚の一部であり、水深は100メートル (330 ft)を超えず、氷河時代には陸橋を形成していた[7]福建省福州市平潭県海壇街道南頼村の牛山島は、中華人民共和国が管轄する島の中で台湾島に最も近い島である[8]

台湾島の南方では、フィリピンルソン島との間に幅約250キロメートル (155 mi)バシー海峡が隔たっている。台湾の南西は南シナ海、北は東シナ海、東はフィリピン海に面している[9]

この群島に含まれる小さな島々には、台湾島の西方50キロメートル (31 mi)に位置し、総面積が127平方キロメートル (49 sq mi)澎湖諸島、南西海岸沖の小琉球、そして南東の蘭嶼緑島があり、これらの島々はバシー海峡を隔ててフィリピン北部の島々と向かい合っている。台湾海峡を渡って、福建省沿岸に近い金門馬祖群島は、総面積が180平方キロメートル (69 sq mi)[10]である。加えて、南シナ海の東沙群島太平島も中華民国の管轄下にあるが、台湾群島の一部ではない[11][12]

ユーラシアプレートフィリピン海プレートが交差する地点に位置し、地層の隆起活動により山脈が形成され、南北に台湾島を縦断している中央山脈を中心に山脈が形成され、その東西両端に比較的平緩な丘陵地、台地、そして河川の沖積により形成された平野が分布している。平坦な地勢の大部分は西部地区に集中している。

地政学的には台湾はアジア島弧の中央に位置し、また台湾海峡が国際的に重要な航路であることより戦略的に重要な価値を有している。

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地質

台湾島は約400万〜500万年前に形成されたものであり、フィリピン海プレートユーラシアプレートとの間の複雑な収束境界上に位置している。この境界線は台湾島に沿って南へ伸び、呂宋火山弧(緑島および蘭嶼を含む)に入り込んでいる。そこではユーラシアプレートがフィリピン海プレートの下に沈み込んでいる。

台湾の大部分は、西に傾斜した大規模な断層ブロックによって構成されている[13]。島の西部および中央山脈の多くの地域は、主にユーラシアプレートの沈み込み縁から削り取られた堆積物から構成されている。島の北東部では、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込み、琉球火山弧へと伸びている[14][15][16]

この断層は現在も活動しており、台湾では年間約15,000回から18,000回の地震が発生し、そのうち有感地震は約800回から1,000回である。近年で最も壊滅的な地震は、1999年9月21日に台湾中部で発生したマグニチュード7.3の集集地震であり、2,400人以上の死者を出した[17]

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地形

要約
視点

台湾島は白亜紀から暁新世にかけて形成され、その中央部に5つの山脈を有しており、海岸山脈雪山山脈中央山脈玉山山脈阿里山山脈とそれぞれ称されている。台湾の山地は険峻であり、標高3,000mを越える高山も数多く存在している。その中で蘇澳より鵝鑾鼻を貫く中央山脈は台湾の背骨と称され、東西を流れる河川の分水嶺となっている。玉山山脈の玉山日本統治時代の名称は新高山)は標高3,952mであり、台湾の最高峰となっている。

丘陵地は山地と平原の中間に位置し、及び恒春半島に多くが分布している。平野は西南海岸及び東部山脈谷地に位置し、これらの地形が占める割合は約30%となっている。西南部に位置する嘉南平野は台湾最大の平野であり、これ以外に彰化平原蘭陽平原屏東平野台東(花東)縦谷ユーラシアプレートフィリピンプレートの境界)などがある。その他台地として林口台地桃園台地大肚台地八卦台地等が、盆地として台北盆地台中盆地埔里盆地などが存在している。

台湾は環太平洋火山帯に位置し、一部火山も存在している。主要なものを挙げれば台湾北部の基隆大屯火山群、東部の海岸山脈火山群緑島蘭嶼を含む)、離島地区の澎湖火山群が存在しているが、現在は目立った火山活動はない。

台湾の地形は二つの部分に分けられる。西部は平坦から緩やかな起伏のある平原であり、人口の90%がここに居住している。一方、東部の3分の2の地域は、森林に覆われた険しい山地が多い。

台湾東部は5つの主要な山脈によって構成されており、これらの山脈は概ね北北東から南南西に伸び、東海岸とほぼ平行になっている。全体として、これらの山脈は北から南まで約330キロメートル (210 mi)にわたり伸びており、東西方向の平均幅は約80キロメートル (50 mi)である。このうち、標高が3,000メートル (9,800 ft)を超える山頂は200以上存在する[6]

玉山山脈は中央山脈の南西側に沿って伸びており、その中には台湾の最高峰である標高3,952メートル (12,966 ft)玉山が含まれている[2][18][19]。これにより台湾は世界で4番目に標高の高い島となっている。

竹東丘陵苗栗丘陵などの西側の山麓には、林口台地桃園台地大肚台地など、山脈の侵食物質が堆積してできた台地がある。台湾の国土の約23%は肥沃な沖積平野盆地で構成されており、これらの地域は東部の山脈からの河川によって灌漑されている。その半分以上は台湾南西部の嘉南平野に位置し、より小さな地域としては屏東平野台中盆地台北盆地に分散している。東海岸で唯一比較的大きな平野は、北東部の宜蘭平野である[20]

海抜:

河川・湖沼

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日月潭

台湾には大小あわせて129本の河川が存在し、100kmを越える河川も濁水渓高屏渓淡水河大甲渓曽文渓大肚渓の6本が存在している。中部に位置する濁水渓は台湾最長の河川であり、南部の高屏渓は台湾最大の流域面積となっている。その他の主要河川に基隆河鳳山渓大安渓八掌渓秀姑巒渓蘭陽渓などを挙げることができる。

台湾の平均年間降水量は2,500mmと豊かな降水量に恵まれた反面その降水は夏季に集中するため、夏季には河川は増水、冬季には河床が露出する情況であり河川の交通が発展しない原因となっている。例外として台北市周辺の淡水河大漢渓基隆河などは年間を通して水量が安定している河川では清朝統治時代の重要な輸送手段として使用されていた。

台湾の天然の湖沼は多くはない。最大なものには日月潭であるが、面積は僅か4平方kmである。これに対しダムなどの建設を通じて形成された人工湖は多く存在し、代表的なものとして虎頭埤中国語版曽文ダム烏山頭ダム石門ダム中国語版などがある。

島嶼

台湾の付属島嶼としては蘭嶼、小蘭嶼、綠島小琉球亀山島、亀卵嶼、七星岩及び基隆東北方の棉花嶼彭佳嶼花瓶嶼基隆嶼和平島、中山仔嶼、桶盤嶼の14個存在している。

本島付属以外の島嶼としては澎湖群島に90、金門群島に12、馬祖列島に36の島嶼が存在し、それ以外に領有権係争中の東沙諸島及び南沙諸島なども存在している。

海岸

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台湾島の衛星写真。東部に山岳部が広がり、西部に平野が広がっているのが分かる
  • 西部海岸(砂岸): 砂灘砂洲潟湖は多く、遠浅の単調な海岸線である。
  • 東部海岸(岩岸): 切り立った地勢であり平地が少ない。
  • 北部海岸(岩岸): 彎曲した海岸線で構成される。
  • 南部海岸(岩岸): 珊瑚礁により形成された海岸線である。
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気候

要約
視点
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台湾のケッペンの気候区分

台湾の気候は中南部の嘉義を通過する北回帰線を境界として、北は亜熱帯気候、南は熱帯モンスーン気候に分類することができる。最南端の恒春は最寒月(北半球中緯度では1月または2月)の平均気温が20度を上回る。山岳部をのぞいて高雄から台東の南部がケッペンの気候区分で熱帯モンスーンの地域となる[21]。北部地域の冬の降水量に比べて、南部地域は遙かに少ない。そのため、石垣島西表島などの熱帯雨林気候と違った特徴がある。

さらに見る 台北市(台湾北部), 雨温図(説明) ...

台風は7月から10月の間に最も頻繁に襲来し、台湾は毎年平均して約4回の台風の直撃を受けている。台風がもたらす大雨は、しばしば壊滅的な土石流を引き起こす[21]。 過去100年間で、気候変動により台湾の気温は1.4上昇している[22]。台湾周辺の海域では、海面上昇速度は世界の海面上昇速度の2倍になるとされる[23]。政府は、2030年までに温室効果ガス排出量を20%削減し、2050年までに50%削減(2005年を基準とする)することを目標としている。

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動植物

大規模な人類の定住以前は、台湾の植生は標高に応じて変化し、低地の熱帯雨林から温帯雨林針葉樹林高山植物へと移行していた[24]。17世紀および18世紀以降、中国からの移民が西部および北部の大部分の平原と低い丘陵を農業用地として開墾した。しかし、山地の森林は依然として非常に多様であり、その中には、例えばタイワンヒノキタイワンモミ中国語版など、様々な固有の植物が含まれている。また、クスノキはかつて低標高地域に広く分布していた。

国が工業化される以前、山岳地域にはサンケイヤマムスメタイワンジカ中国語版タイワンマスなど、多様な固有の動物や亜種が存在した。これらの種の一部はすでに絶滅しており、他の多くの種が絶滅危惧種として挙げられている。 台湾には65種のホタルが生息しており、その種密度はジャマイカコスタリカに次いで世界第3位である。ホタルは保護されており、その数は増加しているが、長期的には依然として気候変動の脅威に晒されている[25]。 台湾の肉食動物は比較的少なく、わずか11種であり、そのうちタイワンウンピョウは絶滅した可能性が高く、ユーラシアカワウソ金門島にのみ生息する[26]。最大の肉食動物はタイワンツキノワグマであり、これは希少な絶滅危惧種である[27]

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タイワンカモシカ中国語版

台湾には9つの国立公園があり、列島の多様な地形、動植物の生態系を示している。台湾最南端の墾丁国家公園は、サンゴ礁熱帯季節風林および海洋生態系を有している。玉山国家公園は高山地形、山岳生態系を有しており、森林の種類は標高によって変化し、園内には古道の遺跡もある。陽明山国家公園は火山地質、温泉森林を特徴としている。太魯閣国家公園大理石峡谷褶曲山脈を有している。雪覇国家公園は高山生態系、地質地形、渓谷河川を有している。金門国家公園湿地海岸地形および豊かな動植物を有している。東沙環礁国家公園は完全な東沙環礁を有しており、独自の海洋生態系を持ち、南シナ海台湾海峡の海洋生物にとって重要な生息地である[28]

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天然資源

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タイワンモミ中国語版

台湾の天然資源には、少量の[29]石炭天然ガス石灰石大理石、および石綿が含まれている[2]。島全体の55%は森林および林地(主に山岳地帯に分布)、24%は耕作地(主に平野)、15%はその他の用途、5%は恒久的な牧場、1%は永続的な作物地である。

台湾は前近代および近代の歴史において、資源が大量に採掘された結果、島の鉱物資源(石炭、金、大理石など)および野生動物資源(シカなど)はほぼ枯渇している。さらに、多くの森林資源、特にタイワンモミは、日本統治時代神社建設のために大量に伐採され、今日に至るまでわずかしか回復していない。現在、森林は主に生産コストと環境法規制から、重要な木材資源とはなっていない。

農業

台湾に残る数少ない経済的価値のある天然資源は、主に農業に関連している。17世紀以来、サトウキビコメが台湾西部で栽培され始めた。樟脳の採取と製糖業は、19世紀末から20世紀前半にかけて、台湾の輸出における重要な産業であった[30]。しかしながら、これらの産業の重要性は、その後衰退した。これは、関連する天然資源の枯渇ではなく、主に国際的な需要の減少が原因である[31]

台湾の農業(コメを主要作物とする)と漁業は依然として一定の重要性を持っているが、2002年に台湾が世界貿易機関に加入して以来、これらの産業は輸入品による大きな課題に直面している。したがって、自給農業の衰退に伴い、台湾の農業は現在、バナナグアバレイシレンブ高山茶などの特色ある作物のマーケティングと輸出に主に依存している[32]

エネルギー

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台中市風力発電機

台湾は豊富な石炭の埋蔵量を持っているが、石油天然ガスの埋蔵量は比較的限られている。2010年時点で、石油は台湾の総エネルギー消費量の49.0%を占めており、次いで石炭が32.1%、原子力が8.3%、天然ガス(国産および液化天然ガスを含む)が10.2%であり、再生可能エネルギーはわずか0.5%を占めるにすぎない。台湾の輸送および発電に必要な石油と天然ガスは、ほぼ完全に輸入に依存しており、そのため台湾はエネルギー価格の変動に対して特に敏感である。台湾は豊富な風力資源を有しており、陸上および洋上に風力発電所があるが、土地面積が限られているため、洋上風力資源がより優位性を持っている[33]

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各地勢

山脈

丘陵

盆地

平野

台地

河川

湖沼

海域

火山島

珊瑚礁島

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面積

  • 総面積:35,980km2
  • 陸地面積:32,260km2
  • 水域面積:3,720 km2

海岸線長

  • 1,566.3km

生態保護区

台湾の自然生態保護区は自然の保護を目的として創設され、「国家公園」、「自然保留区」、「野生動物保護区及野生動物重要棲息環境」、「国有林自然保護区」の4種類が存在する。

さらに見る 類別, 国家公園 ...

脚注

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