トップQs
タイムライン
チャット
視点

小田章

日本の経営学者 ウィキペディアから

Remove ads

小田 章(おだ あきら、1943年昭和18年〉4月21日[1] - 2022年令和4年〉7月19日[2])は、日本経営学者。第14代和歌山大学長で同名誉教授。日本維新の会所属の参議院議員高木佳保里の父[3]位階勲等従三位瑞宝中綬章[2][4][5]

概要 生誕, 死没 ...

略歴

要約
視点

大阪府大阪市出身。1961年(昭和36年)、大阪府立清水谷高等学校卒業。1970年神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了。経営学修士、専門はドイツ経営学1971年、和歌山大学経済学部助手に。助教授などを経て1985年(昭和60年)から教授。経済学部長、副学長を務め、2002年平成14年)8月、第14代学長に就任した[6]

国公立初「観光学部」戦略

学長として、国立大学法人化の指揮を取りながら、独自の教育・研究を目指す改革路線を掲げ、2008年(平成20年)国公立大学で初の観光学部を新設した[7]

背景には、2003年小泉純一郎総理大臣(当時)が、訪日外国人旅行者(インバウンド)を倍増(2010年で1000万人)させる「観光立国」を宣言し、ビジット・ジャパン・キャンペーン本部を発足させたことがある。

小田は経営学者として「観光に携わる人材が不足する」と分析。和歌山県の熊野古道など「紀伊山地の霊場と参詣道」が2004年世界遺産に指定され、自然と歴史が再び注目を浴びる一方で、和歌山県人口100万人割れの人口減少社会を踏まえ、学長就任時から「地域社会にこたえる大学」を掲げ行政と定期的な連絡会を開き、「イメージアップを大学が率先して図る」役割を推進。大学の法人化後の基盤強化として「オンリーワン分野の構築、大学の個性化・ブランド化させる」必要も踏まえ、「他大学と同じではだめ。二番煎じ、三番煎じにならないものを目指」す戦略として観光学部を考えた、と開設の理由を産経新聞に語っている[8]

当初の計画では、商業施設の相次ぐ撤退で空洞化の進む和歌山市を活性化するため、観光学部の講義室・研究室を市中心部の空きビルなどに設ける方針だった。かつて大学キャンパスのあった市中心部を1980年代のように学生が行き交い、賑わいを復活させる構想として、市も基本計画の目玉事業として推進。文部科学省にも報告済みだったが、一転し大橋建一市長(当時)らが消極的となり計画が進まなくなり、現キャンパスでの開設となった[9][10]

人のやらないことをやる

小田の教育者として持論は「人のやらないことをやる」「大学はサービス産業」。学生にアンケート調査を行い満足度を把握しつつ、「まず、正しい日本語を話させる」教育を行い、「茶道論、華道論や狂言歌舞伎などの伝統芸能論も勉強」させる方針で、「(日本文化を説明する)きちんとした日本語ができなくて、外国人に、どうやって日本を案内できますか」[11]

2003年4月には、「学生の健康を守る」として大学キャンパス内の全面禁煙化を推進。受動喫煙防止について、教職員や学生へのアンケートで6割超が賛成。健康増進法の改正を15年も先駆けた内容だったが、一部の教授の反対で先送りされた[12]。なお、キャンパス全面禁煙は、小田の構想から16年遅れて2019年令和元年)7月から実施される。

まちづくり・地域おこし実践

学長以外にも、いわゆるまちづくり地域おこしの視点での活動も続け、和歌山県出資のシンクタンク財団法人和歌山社会経済研究所」理事長、2006年設立の「泉北ニュータウン学会」会長を務めた。学会では、同じく泉北ニュータウンに住む関西学院大学教授の村田治(現・学長)や、造園学者大阪府立大学教授の増田昇小股憲明(現・名誉教授)、天理大学教授(当時)今西幸蔵作家難波利三らと、ニュータウン活性化を模索した[13]

退官の翌2010年、和歌山市が「再生不能に陥り、朽ちていくのを傍観しているのは耐えられない」として、和歌山市長選挙に立候補[14]。大学のシンボルマークと同じオレンジ色を陣営の統一カラーに使い、「知的で活気あふれる和歌山」をアピール[15]。情報公開の徹底や地場産業の振興なども有権者に訴えたが、市長選(8月1日に投開票)直前に参議院議員選挙があり投票率が上がらず、3選を目指し組織票を固めた現職の大橋建一に敗れた。

一線を退いたが第二の故郷・和歌山への思いは熱く、特に観光の視点から「産官学民が一体となってIR(カジノを含む統合型リゾート)を誘致することが和歌山の発展につながる」と強調している[16]

2018年(平成30年)、秋の叙勲瑞宝中綬章を受章[4][5]

2022年令和4年)7月19日、死去。79歳没。死没日付で従三位に叙された[2]

Remove ads

人物

口のまわりにをたっぷり蓄えた風貌[11]で、中学から大学まで硬式野球部で活躍し、プロ野球阪神タイガースの大ファン。現在一般財団法人アジア太平洋研究所の研究員も務めている[17]

栄典

著書

共著編

翻訳

  • カール・ハックス『西独における企業の人事・労務政策』(1985年、千倉書房 ISBN 978-4805105009 )
  • ギュンター・シャンツ『西ドイツ経営学の新潮流』渡辺朗,岡部政昭共訳、1989年、千倉書房 ISBN 978-4805106013 )
  • E.グロッホラ『組織理論入門』(清水敏允共訳、1989年、文眞堂

脚注

関連項目

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads