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投影 (松本清張)

松本清張の短編小説 ウィキペディアから

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投影』(とうえい)は、松本清張短編小説。『講談倶楽部1957年7月号に掲載され、1959年2月に短編集『危険な斜面』収録の1編として、東京創元社より刊行された。

概要 投影, 作者 ...

1959年1960年にテレビドラマ化されている。

あらすじ

田村太市は、今まで勤めていた東京の新聞社を、部長と喧嘩して辞めてしまった。退職金のある間に、頼子と、瀬戸内海のSという都市に移ってきた。前に学校の先輩がこの市の地方新聞社で羽振りがよいことを知っていたので来たところ、その先輩はその社をやめてここにいないことが分った。

物価の安いこの土地にいて職も捜し、そのうち何とかなると思ったが、無収入で釣りにばかり行き、三カ月たつと行き詰りが眼の前に来た。頼子はこの土地のキャバレー「銀座」で働くことになった。太市は毎晩、頼子の帰りを迎えに行ったが、そうしているうちに、こんなことではいけないと思った。すると、ある朝、地方紙の案内欄の隅の三行広告が眼に入った。ごみごみした露地の「陽道新報社」を訪れ、社長の畠中嘉吉の眼にかなった太市は採用ときまる。

陽道新報社は社長一人に、社員は同僚の湯浅新六と太市の二名であった。近代的な大新聞社の賑やかさとは天地の違い、 太市は不覚の泪を流すが、一流の新聞社に書いていた魂と地方の小新聞に書く魂と、本質に変りがあろうかと自分の心を説得した。

ふた月ばかり過ぎた或る日、太市は取材場所の市役所で、市会議員の石井円吉が、土木課長の南に怒声を浴びせているのに遭遇する。石井が出て行ったあとで、港湾係長の山下がさり気ない様子で椅子を立った。その夜、太市は新六をおでん屋にひっぱり出して話すと、新六はこれは何かある、少しほじくって見ようかと声をひくめた。 太市と新六はその背景を調べ、有力市会議員の石井が無届建築で補償金をせしめようとしていたことを知るが、そんな中、南課長の死体が岸壁からあがる。

畠中社長は南課長が過失死ではなく他殺と断定、太市と新六は事件調査に着手し、殺人事件のからくりを明らかにする。

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エピソード

  • 日本近代文学研究者の綾目広治は「清張は新聞記者に対して必ずしも高い評価をしていなかったと言える」が「それでは清張が思っているあり得べき新聞記者像とはどのようなものだったのだろうか。おそらく、それを語っているのが小説『投影』である」と述べている[1]

テレビドラマ

1959年版

1959年7月18日フジテレビ系列(FNS)の「東芝土曜劇場」枠(20:00-21:00)にて放送。

キャスト

1960年版

1960年4月20日4月27日NHKの「灰色のシリーズ」枠(20:30-21:00)にて2回にわたり放映[2]

キャスト
スタッフ
  • 脚色:西島大
  • 音楽:斎藤一郎
  • 監督:宮川孝至

朗読

脚注

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