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笠森寺

千葉県長生郡長南町笠森にある天台宗別格大本山の寺院 ウィキペディアから

笠森寺map
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笠森寺(かさもりじ)は、千葉県長生郡長南町笠森にある天台宗別格大本山の寺院。本尊は十一面観世音菩薩であり、坂東三十三観音第31番札所となっている。

概要 笠森寺, 所在地 ...

本尊真言:おん ろけいじんばら きりく そわか

ご詠歌:日はくるる雨はふる野の道すがら かかる旅路をたのむかさもり

概要

寺伝によれば784年延暦3年)に最澄(伝教大師)がの霊木で十一面観音菩薩を刻み安置し開基されたとされる古刹で、古来より巡礼霊場として知られており、十一面観音像が本尊であることから「笠森観音」と通称される。

大岩の上にそびえる観音堂は、61本の柱で支えられた四方懸造と呼ばれる構造で、日本で唯一の特異な建築様式であり重要文化財である。1028年長元元年)に後一条天皇勅願で建立されたと伝えられているがその後焼失し、現在の建物は解体修理の際発見された墨書銘から1579年天正7年)から1597年慶長2年)の間の再建とされている。観音堂の 75段の階段を上がった回廊からは、四季それぞれに美しい房総の山々が眼下に眺められ、その景観は一見に価する。他にも重要文化財の鋳銅唐草文釣燈籠など多くの文化財も残されている。

また、笠森寺周辺の森林は、延暦年間の笠森寺草創当時より禁伐林として保護されてきたと伝えられる暖帯林の残存林であり「笠森寺自然林」として国の天然記念物に指定されている。高木層スダジイを主体とし、多くのシダ類なども見られ、自然が保たれていることからニホンイタチニホンアナグマニホンリスなどの獣類、フクロウコノハズクアカゲラハイタカなどの鳥類ヒメハルゼミなどの昆虫も生息し、関東地方の残存林として特徴的である。

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蓑作りの翁の乙女

むかし平安時代の中ごろ、冷泉天皇の皇子五条の宮が上総守として赴任したとき、その従者として蔵人清光とその妹も東国へ下向した。「少将の君」と呼ばれ美貌の上にまた美しく琴を奏で、たちまち宮の寵愛を受けるやうになった。あるとき都から天皇の重病が知らされ、宮は都へ戻って行った。残された少将の君はすでに宮の子を宿してをりやがて姫が生まれた。少将の君はひたすら宮との再会を十一面観音に祈願したが、その甲斐もなく病にかかり帰らぬ人となった。兄の清光夫婦は幼い姫をひきとり市原郡尾野上の里で蓑や笠などを作りながらひっそりと暮らしたといふ。姫は「蓑作りの翁の乙女」と呼ばれた。

十数年後、後一条天皇が妃をなくされ東国に美しい妃を求められたとき使者の嵯峨の中将によって姫に白羽の矢が立った。清光夫婦とともに都へのぼり妃となった姫は故郷の尾野上の里に一寺を建立し、笠森寺と名づけ本尊として母のゆかりの十一面観音を安置したといふ。笠森寺は奇岩の上に高い柱を組んで建てられている。

  • 五月雨やこの笠森にさしもくさ 芭蕉
  • 袖に添ふ涙の雨に濡れじとて、今日笠森をたづね来にけり 日蓮
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文化財

重要文化財

天然記念物(国指定)

  • 笠森寺自然林 - 1970年(昭和45年)1月23日指定。

芸術

歌川広重 (2代目)が観音堂を題材にし、諸国名所百景の一作品として発表した[2][3]

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諸国名所百景・上総笠盛寺岩作り観音

交通アクセス

鉄道・バス
  • 外房線JR東日本茂原駅南口より 小湊鉄道バス「笠森霊園」行にて「笠森」下車 徒歩5分
  • 茂原駅南口または小湊鉄道 上総牛久駅より 小湊鉄道バス(茂原駅 - 循環器病センター - 牛久駅線)にて「深沢切割」下車 徒歩20分 ※平日のみ
自動車

拝観料・拝観時間

  • 拝観料: 大人300円 小人100円
  • 拝観時間: 4月〜9月 8:00〜16:30、10月〜3月 8:00〜16:00(雨天は閉堂)

前後の札所

坂東三十三観音
30 高蔵寺 - 31 笠森寺 - 32 清水寺

脚注

参考文献

外部リンク

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