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第72回東京箱根間往復大学駅伝競走

1996年の箱根駅伝 ウィキペディアから

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第72回東京箱根間往復大学駅伝競走(だい72かいとうきょうはこねかんおうふくだいがくえきでんきょうそう)は、1996年1月2日から1月3日までに開催された第72回目の東京箱根間往復大学駅伝競走である。

概要 試合日程, 出場校 ...

実施日程

  • 往路:1996年1月2日
    大手町読売新聞東京本社前(スタート)〜鶴見〜戸塚〜平塚〜小田原〜箱根町芦ノ湖駐車場入口(ゴール)
  • 復路:1996年1月3日
    箱根町芦ノ湖駐車場入口(スタート)〜小田原〜平塚〜戸塚〜鶴見〜大手町読売新聞東京本社前(ゴール)

参加大学

前回出場校の中央学院大学が予選会で敗退し、法政大学が2年ぶりに本戦出場を果たした。

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概要

要約
視点

大会前は前哨戦となった前年の出雲駅伝全日本大学駅伝でいずれも上位を占めた中大・早大・山梨学大・神大が優勝候補に挙げられ、4強として注目された。

往路

1区

第66回大会以来久しぶりに大逃げがなく、混戦模様のまま終盤を迎える。六郷橋の下りで9人の先頭集団から駒大の1年生・藤田敦史が先頭に立つ意外な展開となったが、予選会史上最速タイムを叩き出した亜大のビズネ・ヤエ・トゥーラが残り600mで藤田をかわし、大学史上初めて鶴見中継所をトップでタスキリレー。2位は6秒差で藤田、3位は7秒差で順大の1年生・三代直樹が続いた。

一方優勝候補と目された4校は、早大・梅木蔵雄が37秒差の9位、中大の1年生・石本文人が1分06秒差の11位、神大・中野幹生が1分32秒差の14位、3連覇を目指す山梨学大は1年生の里内正幸が2分02秒差の最下位といずれも出遅れる。

2区

9位でタスキを受けた早大・渡辺康幸が一気に8人を抜いて2.45kmでトップに立つと、そのまま独走して区間賞を獲得。前回自身が出した区間記録の更新はならなかったものの、2年連続の1時間6分台を記録した。

11位でタスキを受けた中大・松田和宏が区間2位の快走で9人を抜き2分04秒差の2位に浮上。最下位でタスキを受けた山梨学大のステファン・マヤカは9人を抜いて16km地点で6位に浮上するが、終盤で急失速。最後の上り坂で駒大・山下秀人、専大・三瓶智に抜き返されると、戸塚中継所直前では3.6kmで抜いたはずの神大・市川大輔にもかわされ、3分57秒差の9位でタスキを渡した。

前回10区で途中棄権した順大・浜野健は区間13位と振るわず3位から12位に後退。また、7位でタスキを受けた日大・水田貴士が横浜駅付近から足首を痛め大きくペースダウン。16.4km、16.5km、19.65kmと三度立ち止まりながら10km以上の距離を最後まで走り切り、トップが通過してから19分23秒後に戸塚中継所に辿り着いた。トップと10分以上の差が付いてしまったため、日大は戸塚で早くも繰り上げスタートとなってしまったが、これはまだ波乱の序章に過ぎなかった。

3区

早大・中村英幸が2分のリードを守り、2年連続トップでタスキリレー。

後方では8位でタスキを受けた神大・高津智一と、9位でタスキを受けた山梨学大・中馬大輔が猛追。前半は中馬が積極的に飛ばし高津を突き放して5位まで浮上したが、中盤からペースを上げた高津が17.5kmで中馬に追いつくと、東農大・中大をかわして3位に浮上し、さらに中馬を突き放して19.6kmで法大を捉え単独2位に浮上。中馬も粘って一旦は高津に並ぶが、ラストスパートで競り勝った高津が2分03秒差の2位でタスキリレー。中馬は2分05秒差の3位。ともに6人抜きの快走を見せた。区間賞は1秒差で中馬を抑えた高津が獲得した。

一方で中大は2位から6位、亜大は3位から8位、駒大は6位から13位とそれぞれ大きく後退。前回2区で大ブレーキとなった大東大・田中康秀は区間6位と本来の走りを見せ、10位から9位に浮上した。

4区

2年連続8区区間賞前回は区間新記録を樹立した中大・榎木和貴と、世界陸上マラソン代表の山梨学大・中村祐二という2人の3年生が鎬を削ることが期待されたが、中村はわずか2kmで左足を引き摺るような痛々しい走りになり失速。さらにレース前から左足を痛めていた神大・高嶋康司も5km付近で走れなくなってしまう。

高嶋は左足脛骨疲労骨折により6.3kmで大後栄治コーチに抱きかかえられ医務車に収容、まず神大が途中棄権となった。中村はその後も上田誠仁監督の制止を振り切り、涙を拭いながら走り続けたが、12.4kmで遂に上田監督が制止し山梨学大も途中棄権。山梨学大の3連覇は成らなかった。1大会で複数の大学が棄権したのは史上初であり、山梨学大は前年優勝校としては大会史上初のシード落ちとなった。

なお、当然ながら1つの区間で複数の大学が途中棄権となったのも史上初であり、同様の事例は第89回大会の5区のみである(城西大と中大が途中棄権、しかもこの時は季節外れの強い南風が吹き、温度差が10℃以上あるという悪条件だった)。大会前4強と評された山梨学大・神大が揃って途中棄権となる波乱の4区となった。

2.5kmで中村・高嶋をかわした榎木は2.8kmで法大・有隅剛志もかわして2位に浮上。3年連続の区間賞となる力走で、トップの早大との差を32秒まで詰めた。法大が1分43秒差の3位。大東大・池谷寛之が9位から4位にジャンプアップした。

小田原中継所では、13番手の東洋大がタスキリレーを終えてから1分後に、神大と山梨学大がスタートを切った。当時は途中棄権校も後続の走者・及び往路で途中棄権となった場合の復路の大学記録は、それぞれ公式のものとして記録が残る扱いが取られていた(その後、途中棄権校の棄権以降の記録はオープン参加校と同様、参考記録と扱われ公式記録には算定されないよう変更されている)。

5区

前回4区で区間新記録を樹立した早大・小林雅幸が、奈良修の持つ区間記録を47秒更新する区間新記録を樹立。2年連続12回目の往路優勝を果たした。なお、小林の区間新記録により往路の区間記録は全て早大の選手で独占されることとなった。2位の中大・尾方拳志も区間3位と健闘したが、早大とは2分15秒の差がついた。

3区を終わって11位だった東海大が4区・5区でそれぞれ4つずつ順位を上げ3位に食い込む大健闘。2年ぶり出場の法大も4位と健闘した。

途中棄権した神大は、前回5区区間賞の近藤重勝が区間2位で走り意地を見せた。10位の駒大以下4校と、途中棄権した神大・山梨学大の計6校が復路一斉スタートとなった。

復路

6区

中大・工藤利寿が早大との2分15秒差をぐんぐん詰めると、中継所まで残り1.3kmで早大を逆転し、15秒差をつけトップでタスキリレー。工藤はただ一人1時間を切るタイムで区間賞を獲得した。

前回6区区間賞の山梨学大・藤脇友介は復路一斉スタートから積極的に前を追うも、5kmで神大・友納由博に逆転を許すと右足にマメができたこともあり失速。区間13位に終わる。一方の友納は中盤ややペースを落とすも終盤巻き返し、区間2位の力走で8番目にタスキリレー。

7区

中大・前田敬樹と早大・山崎慎治による白石高校の先輩後輩対決となった。山崎が2.9kmで前田との15秒差を追いつくと7.2kmで引き離し、二宮の定点では逆に15秒の差をつける。しかしじわじわと差を詰めた前田が19.1kmでスパートし再逆転。山崎もなんとか食らいつくが、前田が19.8kmで再スパートし、山崎に5秒差をつけて8区にタスキを繋いだ。

区間賞は神大・渡邉聰が獲得し、8番手から5番手に浮上。総合9位の専大は6区終了時点で10位駒大と3分近い差があったが、1年生の今井秀和が区間最下位に沈み11番手から最後尾に後退、平塚中継所では総合10位の東洋大にわずか6秒差、総合11位の駒大にも14秒差まで迫られる。

8区

中大・川波貴臣は序盤からオーバーペース気味に突っ込み、早大を一気に突き放す。川波は中盤以降も崩れることなくハイペースを維持し、前回榎木和貴が出した区間記録を15秒上回る1時間05分48秒の区間新記録を樹立。早大に2分21秒の大差をつけた。

シード権争いは総合9位の専大・福永勝彦が区間2位と快走し13番手に浮上、総合10位の東洋大との差を2分05秒まで広げる。

9区

中大・綱崎真二は区間4位の安定した走りでトップをキープ。2位の早大・荒川誠は権太坂の定点で2分06秒差まで追い上げたが、その後は差を詰めることができず鶴見中継所では2分21秒差に戻ってしまった。

3位争いは8.5kmから東海大・鈴木和成と法大・立川剛士の併走が続いていたが、5番手でタスキを受けた神大・重田真孝が12.3kmで2人を逆転。重田は食らいつく立川を振り切り3番手でタスキリレー。区間賞を獲得する快走であった。

鶴見中継所では3位法大・4位東海大・5位大東大が33秒の間にひしめく混戦。さらに1分遅れて6位順大が続く。

シード権争いは専大が総合9位をキープし、2分32秒差の総合10位に日体大が浮上。鶴見中継所では13番手に日体大、3秒後に専大の順でタスキリレー。15番手の駒大は繰り上げスタートまで残り38秒というところで無事にタスキを渡した。

10区

中大・大成貴之が危なげなくトップを守り、32年ぶりの総合優勝を飾った。早大は4分37秒差で3年連続の準優勝。3年ぶりの総合優勝は果たせなかった。

往路で途中棄権した神大は復路で2つの区間賞を獲得し、復路2位の成績で3番目にゴール。山梨学大も10区で渡辺高志が区間賞を獲得し、復路3位の成績で4番目にゴールした。

総合3位争いは法大・東海大・大東大・順大の4校が最後まで激しく争ったが、順大・内山孝之が区間3位の好走で3人を抜き総合3位に食い込んだ。順大の3位は予選会通過校としては過去最高順位。東海大はゴールまで残り400mで順大に突き放されベスト3入りとはならなかったが、過去最高の総合4位と躍進した。

前回まで3年連続のシード落ちに苦しんでいた大東大は5位に入り、4年ぶりのシード権獲得。2年ぶり出場の法大は9区まで過去最高タイの3位につけていたが、アンカーのブレーキが響き総合6位に終わった。1区の区間賞で波に乗った亜大は7位でゴールし、第52回大会以来20年ぶりのシード権獲得となった。

シード権争いは9区終了時点で専大が日体大を総合タイムでは2分32秒上回り、見た目では3秒遅れていたが、日体大・宇野淳が区間4位の走りで専大・鈴木利弘を一気に突き放し11番目にゴールした。日体大は復路一斉スタートであるため、専大・鈴木のゴールタイムが注目されたが、鈴木は区間最下位と大きく失速し14番目にゴール。最終的には24秒差で日体大がシード権を獲得。専大は5年ぶりにシード権を失った。

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成績

要約
視点

総合成績

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9位以内の大学には次大会のシード権が与えられた。

往路成績

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'注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。

復路成績

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'注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。

区間賞

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区間記録

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  • 太字は区間1位。色つきは区間新記録。

各区間順位

1区

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2区

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3区

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4区

さらに見る 順位, 選手名(学年) ...

5区

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6区

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7区

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8区

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9区

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10区

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その他

往路4区でそれぞれ有力校だった山梨学院大学神奈川大学が途中棄権した。1大会で複数の大学が棄権したのは初めてであった。また、山梨学大は前年優勝校としては大会史上初のシード落ちとなり(完走しての前年優勝校のシード落ちは、第85回大会駒澤大学が初)、逆に神大は翌年の第73回大会で初の予選会出場校としての優勝を達成している(完走してのシード落ちからの予選会出場校としての優勝は、第89回大会日本体育大学が初)。

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外部リンク

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