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第73回東京箱根間往復大学駅伝競走
1997年の箱根駅伝 ウィキペディアから
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第73回東京箱根間往復大学駅伝競走(だい73かいとうきょうはこねかんおうふくだいがくえきでんきょうそう)は、1997年1月2日から1月3日までに開催された第73回目の東京箱根間往復大学駅伝競走である。
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実施日程
参加大学
前回大会で山梨学院大学と神奈川大学が共に途中棄権となったため予選会からの出場となった。前回まで47年連続出場を記録していた日本大学が予選会で敗退し、拓殖大学が13年ぶりに本戦出場を果たした。
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概要
要約
視点
大会前は中央大学・早稲田大学・山梨学院大学・神奈川大学が優勝候補として挙げられ、4強として注目された。
往路は例年にない高温と強い向かい風の影響でスローペースとなった一方、追い風となった復路では3区間で区間新記録が誕生した。
往路
1区
6km手前で山梨学大のソロモン・ワチーラが抜け出し、じわじわと2位集団との差を広げ蒲田の定点では16秒の差をつける。しかし15km過ぎから中大・久保田瑞穂が集団を引っ張り、16.7kmでワチーラを吸収。ワチーラは17.3kmで集団から離されてしまう。
残り500mで6人の先頭集団から早大の梅木蔵雄がスパートし区間賞を獲得した。ワチーラは轍に脚を取られ右足を痛めるというアクシデントもあり55秒差の9位。
ワチーラのスパートと同時に集団から離された拓大は4分08秒、法大は5分33秒の大差をつけられた。
2区
第64回大会以来9年ぶりに2区に留学生が出走しなかった。
中大・神大・東洋大・大東大・早大の5校が向かい風を避けるように縦一列になって先頭集団を形成した。
前回4区で途中棄権した山梨学大・中村祐二は体調不良が伝えられながらも順大・亜大・駒大をかわして13.1kmで先頭集団に追いつくと、17.6kmからロングスパート。区間2位に1分以上の差をつける区間賞の走りでトップでタスキを渡す。先述の5校による2位争いは、神大・市川大輔が20.8kmで単独2位に浮上。区間2位の走りで16秒差でタスキを繋いだ。
拓大と法大は1区の出遅れも響き、繰り上げスタートとなった。戸塚中継所での繰り上げスタートは5年連続。
3区
山梨学大の1年生・松下康二は神大・大川智裕に13kmで一旦5秒差にまで迫られたものの、16kmからロングスパートをかけトップでタスキリレー。2位神大との差を34秒に広げる好走で区間賞を獲得した。
3位争いは12kmを過ぎて早大・大東大・中大の3人の集団となったが、19.3kmから大東大・柳谷昭二がスパート。これに中大がついていけず、平塚中継所では2校に40秒の差をつけられた。
4区
2位の神大・藤本大輔は序盤こそゆったりとしたペースで入るも、徐々に先頭の山梨学大・森政辰巳との差を縮めていき、14.4kmで追いつくと16kmを過ぎてスパートし単独先頭に立つ。1分30秒ほど後方では、5位でタスキを受けた中大・榎木和貴が15km過ぎの酒匂橋で大東大・早大に追いつき、競り合いながら森政との差を詰める。
藤本は後続に1分21秒の差をつける快走で、神大が大学史上初めて小田原中継所をトップでタスキリレー。3位集団は中継所直前で森政を捉え、2位早大・3位大東大・4位山梨学大・5位中大の順になだれ込むようにタスキリレー。榎木は史上7人目となる4年連続の区間賞を獲得した。
最後尾の専大は繰り上げスタートまであと27秒のところで無事にタスキを繋いだ。
5区
4年連続の山登りとなった神大・近藤重勝は、向かい風をものともせず快調に山を登っていく。4人の2位集団は1.5kmで中大と大東大が抜け出し、さらに5kmを過ぎて中大・尾方拳志が大東大を突き放し単独2位に浮上する。
しかし近藤は区間賞の走りで尾方を寄せ付けず、2位中大に2分08秒差をつけ、神大が大学史上初の往路優勝を果たした。予選会通過校の往路優勝は史上初。3位には4分09秒差で大東大が入った。山梨学大は5位でゴールしたものの、5区の北川原一欽が区間13位と振るわず、トップと7分44秒の大差をつけられた。7位の東海大以下9校が復路一斉スタートとなった。
復路
往路終了後及び復路スタート前の監督会議にて、駒大・森本葵監督の提案で15kmでの給水ポイントが設置された。
6区
芦ノ湖では早大が予定より4秒早くスタートするハプニングがあった。
首位の神大は渡邉聰が快調な走りを見せる一方、2位の中大は前回6区で区間賞を獲得した工藤利寿が区間11位と振るわず、小田原中継所では3分55秒の差がついた。
復路一斉スタートの専大は、4年連続の山下りとなる小栗一秀が59分07秒の区間新記録を樹立。大東大・島嵜貴之が第66回大会で出した区間記録を14秒更新する走りを見せ、6番目に小田原中継所に飛び込んできた。
7区
神大の1年生・小松直人は前半こそスローペースだったものの、中盤からペースを上げて区間4位にまとめ、トップでタスキリレー。
2位争いは大東大・渡辺篤志が中大・豊田雄樹との1分05秒差を11km過ぎに逆転。しかし渡辺は区間7位に留まり、神大との差は5分26秒まで広がった。豊田は区間14位と振るわず、平塚中継所ではトップと6分44秒の大差がついた。
これまで4区と5区で区間新記録を出しながら、今回は肝機能障害による体調不良で7区にまわった早大の小林雅幸は武井隆次の持つ区間記録に挑んだもののわずか20秒及ばず。それでも歴代2位の1時間03分13秒で3年連続の区間賞を獲得した。復路を5分04秒差の5位でスタートしていた早大は7区で優勝争いに加わる事を目論んだが、6区で区間14位と失速した事が影響し、平塚をトップから6分55秒差の4位で継走。小林の快走も大学を優勝争いに引き戻すに至らず、空砲に終わった。
8区
先頭の神大・岩原正樹は最初の1kmを3分26秒という超スローペースでスタートしたが、その後はペースを立て直し区間3位の堅実な走り。大東大との差をわずかに広げ、5分30秒差とした。
後方ではトップと7分59秒差の5位でタスキを受けた山梨学大のスーパールーキー・古田哲弘が激走。5.5kmで早大、7.5kmで中大をかわし3位に浮上すると、平塚中継所では2分33秒あった大東大との差をわずか5秒まで縮めた。古田は前回大会で中大・川波貴臣が出した区間記録を1分43秒も更新する区間新記録を樹立。古田の出した1時間04分05秒という記録は、第95回大会で東海大・小松陽平が1時間03分49秒を記録するまで22年間破られることはなかった。
9区
前回4区で途中棄権した神大・高嶋康司は終始安定した走りで区間3位でまとめ、後続との差は7分31秒まで広がった。
山梨学大と大東大による2位争いは権太坂以降併走が続いていたが、13.5kmで山梨学大・里内正幸がスパートし単独2位に浮上する。その後方では6番目にタスキを受けた駒大・山下秀人が快走を見せ、横浜駅手前で早大をかわすと、17.6kmで中大を捉え4番手に浮上。鶴見中継所では3位の大東大にその差6秒まで詰め寄った。
12番目・総合9位でタスキを受けた順大の浜野健が、第59回大会のコース変更時に早大・坂口泰が出した区間記録を14年ぶりに更新する1時間09分30秒の快走で8番目に浮上。順大は総合9位こそ変わらないものの、シード権を争う総合10位・日体大との差を2分08秒から4分47秒に大きく広げた。
鶴見中継所では東農大が繰り上げスタートとなった。
10区
神大はアンカーの今泉勝彦も区間賞を獲得する快走。復路でも一度もトップを譲ることなく出場29回目にして初の総合優勝を飾った。予選会通過校の総合優勝は史上初。8分18秒差の2位には山梨学大が入り、予選会から勝ち上がった2校が上位を占めた。
12km過ぎに大東大を突き放し3番目にフィニッシュした駒大は、復路の5人全員が区間2位と好走。大学史上初の復路優勝と、第64回大会で順大が記録した復路記録の更新を果たし、往路9位から総合6位に順位を上げた。
大東大と中大による3位争いは、14kmで中大・石本文人が大東大・川上大輔を逆転し、田町の定点では16秒の差をつけたものの、終盤に入ると石本のペースが落ち川上が再逆転。大東大は第67回大会の総合優勝以来、6年ぶりに総合3位以内に入った。
1区・2区で上位争いを展開した東洋大は、一度もシード圏外に転落することなく総合7位でゴール。第61回大会以来12年ぶりにシード権を獲得した。
なお、復路5区間を通じてシード権を争う9位と10位が入れ替わることはなく、往路で9位以内に入った大学がそのままシード権を獲得した。
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成績
要約
視点
総合成績
- ※9位以内の大学には次大会のシード権が与えられた。
往路成績
- '注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。
復路成績
- '注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。
区間賞
区間記録
- 太字は区間1位。色つきは区間新記録。
各区間順位
1区
2区
3区
4区
5区
6区
7区
8区
9区
10区
その他
この年は、往路で例年に無い向かい風の影響により、スローペースとなり、テレビでは8位以降のゴールシーンが時間の関係で映されないほどであった。逆に復路では、追い風になった影響により、3つの区間新記録が誕生するなど、ハイペースとなった。
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脚注
外部リンク
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