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震える舌
1975年発表の小説、及びこれを原作とした1980年の日本映画 ウィキペディアから
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『震える舌』(ふるえるした)は、三木卓が1975年に発表した小説。河出書房新社より刊行され、後に新潮文庫および講談社文芸文庫として刊行された。また、これを原作とした1980年公開の日本映画である。
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破傷風菌(テタノスパスミン)に侵された少女と、その両親を題材にした作品。三木が自分の娘が破傷風菌に感染した時のことをモチーフとして描いている。
あらすじ
ある日、マンションの近くで泥んこ遊びをしていた女の子・三好昌子が、落ちていた小さな釘で手にケガをした。よくあるケガだと思い自宅で一般的な消毒などをしたが、数日後に歩き方がおかしいことに気づいた父の昭と母の邦江が聞いてみると、昌子は「歩けるけど、歩きたくないの」と言い、話し方もどこかいつもと違う。昭と邦江は昌子を病院に連れていくが、「大したことはない」と診断され、取り合ってもらえない。やがて昌子は痙攣を起こし、自身の舌を噛み切って悶え始めた。大学病院での専門医による検査の結果、昌子は破傷風にかかっていることが判明し、隔離された病室に入院することになった。
数億年前から生き延びてきた破傷風菌は人間の中枢神経を毒素で侵し、潜伏期を経て発症した患者の生還率は極めて低い難病をもたらす。昭は有史以前の微生物が昌子に及ぼす理不尽な災厄に慟哭し、邦江は自責の念に錯乱状態となっていく。ちょっとした光や入院患者たちの笑い声などでも痙攣などの発作が起こってしまうため、防音されて真っ暗な部屋で昌子を献身的に世話をする昭と邦江は看病疲れにより精神的に追い込まれるが、昌子は主治医・能勢らの必死の治療や、昭と邦江の献身的な看護により助かる。
意識が戻った昌子に何が欲しいかと尋ねると「チョコパンが食べたい」と答え、身体は闘病で弱っているので、能勢が消化の良い別のものを告げるも、なお昌子は、「チョコパンだよー!」と叫ぶ。その声に、ようやく病室には笑い声が響くのだった。
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映画
映画は「八つ墓村」を手掛けた野村芳太郎を監督に据え、医療ドラマというよりも、オカルト・ホラー的趣向で製作された[1][2]。予告編での惹句も、「新しい恐怖映画」と銘打たれている。
破傷風に侵されてしまう少女・昌子を演じる若命真裕子の迫真の演技が話題となった[3][4]。
1985年にVHS版が発売されて以来、長らくソフト化の機会に恵まれなかったが、2011年11月23日にDVD版がリリースされた[3]。また、2014年12月3日には「あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション」シリーズの第3弾としてBD版が発売された[2]。
キャスト
スタッフ
製作
迫真の演技が話題を呼んだ昌子を演じる若命真裕子は、劇団若草の名子役で[4]、オーディションは著名子役劇団から推薦された50人の中から若命が選ばれた[4]。"可愛らしさ""病的""耐久力"すべての点で際立つ存在であったという[4]。
テレビ放映
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関連項目
- ここはグリーン・ウッド - 雑誌『花とゆめ』連載の少女漫画。作中で登場人物が「ホラー映画よりも怖い作品」として本作を挙げ、概要を解説するエピソードが存在する。[5]
脚注
外部リンク
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