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Mac OS 9
Classic Mac OSの9番目のバージョン ウィキペディアから
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Mac OS 9(マック オーエス ナイン)は、AppleのClassic Mac OSの9番目にして最後にメジャーリリースされたオペレーションシステム。1999年10月23日に発表され、Appleによって「これまでで最高のインターネット・オペレーティング・システム」として売り出され[1]、Sherlock 2のインターネット検索機能、Appleの無料オンラインサービスiTools、OpenTransportの、改良が含まれている。 しかし、Mac OS 9ではメモリ保護やプリエンプティブ・マルチタスクを欠いたままであり[2]、自動ソフトウェア更新とマルチユーザーへの擬似対応などの従来からの改良に留まる。また利用可能な最大メモリは1.5GBのままである。
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Appleは予定通りMac OS 9を2001年に開発終了し、全ての開発をMac OS Xへ移行した。よって、最後のMac OS 9.2.2アップデートリリース以降の更新はない。 最終更新では、Classic環境とCarbonアプリケーションの互換性改善が行われた。 2002年のWWDCでは、スティーブ・ジョブズによる基調講演でMac OS 9の葬儀パフォーマンスが行われた[3]。
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機能
Appleは、Mac OS 9に「50の新機能」を追加、QuickTimeのようなメタリックな外観を導入し様々なオンラインリソースを検索するための「チャネル」機能を導入したSherlock 2を中心に紹介した。 Mac OS 9はiTools(後に.Mac、iCloudに置き換えられたMobileMe)として知られるインターネットサービススイートを統合的にサポートし、Open Transport 2.5でTCP/IP機能を改善した。
Mac OS 9のその他の新機能 [4]
- At Easeの使用なしでの複数のユーザーアカウントを統合サポート
- VoicePrintパスワードによる音声ログインのサポート
- Keychain 保護されたキーチェーンで暗号化されたパスワードとテキストデータを保存できる機能
- Appleシステムソフトウェアのアップデートを自動的にダウンロードしてインストールするためのソフトウェアアップデートコントロールパネル
- サウンドコントロールパネルの再設計とUSBオーディオのサポート。
- AppleScriptとの統合に伴い音声合成と認識が改善されたPlainTalkとも呼ばれるSpeakable Items 2.0[5]
- 音声認識によるログイン(マルチユーザ機能を使う場合に可能)
- FontSyncによるフォント管理の改善
- PPPによるTCP/IPクライアントのサポートを含むRemote Access Personal Server 3.5
- TCP/IPをサポートをサポートするAppleScriptのアップデート
- TCP/IPを介した個人用ファイル共有
- 特定のUSBプリンタをTCP/IPネットワーク上で共有できるようにするコントロールパネルのUSBプリンタ共有
- Finderでの128ビットファイル暗号化
- 2GBを超えるファイルのサポート
- Unixボリュームのサポート
- FinderでのCD書き込み(Mac OS 9.1から)
- Finderへの「ウィンドウ」メニューの追加(Mac OS 9.1から)
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Mac OS 9とクラシック環境
→詳細は「Classic (ソフトウェア)」を参照
10.5より前のMac OS XのPowerPCバージョンにはMac OS XからMac OS 9を必要とするアプリケーションとハードウェアを実行できるクラシックと呼ばれる互換レイヤー(シェル)が含まれている。
クラシック環境はMac OS X上でMac OS 9を実行することで実現されている。これにはクラシック環境を実行できるMac本体がMac OS 9で起動できることを必要としないが、Mac本体へのMac OS 9のインストールが必須である。一部のMac OS 9アプリケーションはクラシック環境ではうまく動作しない。また、画面再描画の問題やパフォーマンスの低下がある。さらに、ハードウェアと直接作用するドライバや、その他のソフトウェアは正しく機能しない。
2002年5月、カリフォルニア州サンノゼで開かれたAppleのWorldwide Developers Conference初日の基調講演で、スティーブ・ジョブズは棺桶とともに模擬葬儀を開催し[3]、AppleがMac OS 9の開発を終了したことを発表した。2001年12月に発表されたMac OS 9.2.2が、System 7から改良と拡張が続いたクラシックMac OSの最後のバージョンとなった。2005年6月、ジョブズはMacのプラットフォームをIntel x86マイクロプロセッサに移行すると発表し、クラッシック環境も終焉となった。PowerPCエミュレーション層Rosettaの開発者文書でx86ベースのMacではMac OS 8および9向けに作られたアプリケーションが実行できないことが明らかにされた。Mac OS X v.10.4 TigerのPowerPC版にはクラシック環境があるが、x86版ではクラシック環境はサポートされていない。
IntelベースのMacでの回避策として、PowerPCエミュレータのSheepShaverを使用してバージョン9.0.4までのMac OS 9をエミュレートすることができる。SheepShaverがメモリ管理ユニットをエミュレートしていないため、9.0.4より後のバージョンをエミュレートすることはできない。PowerPCエミュレーターのPearPCはMac OS 9をエミュレートしていない[6]。ただし、2024年時点でのQEMUにはMac OS 9およびOS XのPowerPCバージョンのエミュレートが追加されている。
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可用性
Mac OS 9はAppleからはサポートされていないが、まだいくつかのインターネット業者からさまざまな価格でリテイル版を入手することができる。
開発が終了しているため現在はアバンダンウェアに分類されているが、ハードウェアの制限でOS XにアップグレードできないユーザやOS Xよりも好むユーザに使用されている。Mac OS 9は古いコンピュータを楽しむ人々にも人気のある選択となっている。MacゲーマーもOS Xでサポートされてない Bugdom、Nanosaur、『オレゴン・トレイル』、Civilization II、『Marathon』などのゲームをプレイするために(多くの場合はエミュレーション経由の)クラシックやネイティブのMac OS 9に戻ることもある。
その他の用途
→詳細は「en:Classic Mac OS § PowerPC emulation」、および「en:List of computer system emulators § Apple Macintosh with PowerPC CPU」を参照
Mac OS 9は現在も保守運用されているApple製ハードウェア以外にも、WindowsやUnixなどの他の環境でも運用可能である[7]。例えば、前述のSheepShaverソフトウェアはx86プラットフォームでも使用できる。PowerPCプロセッサのサポートを提供するが、メモリ管理ユニットをエミュレートしていないためにMac OS 9.0.4までしか実行できない。QEMUではその制限がない。
バージョン履歴
Mac OS 9でのアップデートとしては9.0.4, 9.1, 9.2.1, 9.2.2がある。Mac OS 9.0.4は主にUSBおよびFireWireに関連するバグ修正の集大成だった。 Mac OS 9.1では、MacintoshのFinderに統合されたCD書き込みサポートが追加され、開いているウィンドウを切り替えるためのFinderの新しいウィンドウメニューが追加された。 Mac OS 9.2では、パフォーマンスが大幅に向上し、クラシック環境のサポートが改善された。
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互換性
- 1一部の最新のG3およびほとんどのG4 Mac はMac OS 9.1以上でしか動作しないものと、Mac OS 9.2以上でしか動作しないものがある。これはG3 Macの開発後期およびG4 Macの開発中期がMac OS 9の開発期間と重なっており、G4 MacをサポートしているバージョンのみがそれらのG4 Macと互換性があるように設計されているからである。
- 1一部のPower Mac G4, PowerBook G4, および全てのiBook G4, Power Mac G5, iMac G5はMac OS Xでのみ動作し、互換性のあるバージョンのMac OS 9.2.2がMac OS X上のクラシック環境でのみ動作するのは、Mac OS X時代に開発されたそれらのMacで直接起動できるようにMac OS 9.2.2の“Mac OS ROM”をAppleが更新しなかったからである。
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参考資料
脚注
外部リンク
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