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Power Architecture
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Power Architecture(パワーアーキテクチャ)は、IBMなどによるRISCマイクロプロセッサ(CPU)用のアーキテクチャ名である。
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当初は32ビットであったが、後に64ビット化された。Power Architectureの普及団体はPower.orgで40を超える企業や組織が参加している。Power Architectureをベースにしたプロセッサには、POWER、PowerPC、PowerQUICC、Cellなどがある。
「Power Architecture」は、IBMの以前の世代の用語である「POWER architectures」とは異なる。「POWER architectures」は、IBMのPOWER、PowerPC、Cellなどの全製品の各アーキテクチャを幅広く含んだ、過去の用語である。「Power Architecture」は、プロセッサーアーキテクチャ、ソフトウェア、ツールチェーン、コミュニティ、エンドユーザー用アプライアンスなどを含んだファミリーネーム(総称)であり、製品や技術の仕様を記述した厳密な用語ではない。
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用語
混同し易い用語を以下に簡単に記載する。
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歴史
要約
視点
→「POWER (マイクロプロセッサ) § 歴史」、および「PowerPC § 歴史」も参照
RISC的なコンピュータは古くからあるが、一般にはパターソンのバークレーRISC(en:Berkeley RISC)とヘネシーのMIPS(R2000)からRISCの歴史は始まるものとされる。しかし、それに先行するIBMの801が、彼らに大きな影響を与えている。IBMは801からの派生であるROMPを完成させ、IBM RT-PCに使った。そして、RS/6000のCPUに向けて開発されたのが、Power Architectureであり、最初のPOWERであるPOWER1である。POWER1のシングルチップ向け機能削減版がRISC Single Chip(RSC)である。
1992年にはApple・IBM・モトローラが「AIM連合」を形成し、POWERプロセッサの幅広い市場向けバージョンを開発した。その結果はPOWERアーキテクチャの修正されたバージョンである、PowerPCアーキテクチャとなった。PowerPCの最初の実装は1993年のPowerPC 601で、RSCをベースとし、アップルのPower MacintoshやIBMのRS/6000システムで使用された。
IBMはPOWERアーキテクチャをRS/6000システム用に拡張し、1993年には8チップのPOWER2プロセッサが、更に1996年にはシングルチップバージョンの "POWER2 Super Chip"(P2SC)が登場した。
1990年代の初期にIBMはCISCベースのAS/400コンピュータの、RISCアーキテクチャへの移行を検討した。この新アーキテクチャ開発はコードネーム "Amazon" と呼ばれ、PowerPC-ASが生まれた(このプロジェクトで働くエンジニアの中では "Advanced Series" または "Amazon Series" とも呼ばれた)。PowerPC-ASは、RSCベースのマルチプロセッサのサーバープラットフォームとなった。IBMリサーチ研究所での開発は続けられ、64プロセッサ内部接続のサポートのためのRSCの拡張や、POWER2機能に対するAS/400やRS/6000機能の追加などが行われた。開発は終了して64ビットのA10およびA30プロセッサとなり1995年に発表され、1997年にはRS64系列となりAS/400およびRS/6000で使用された。
平行してAIM連合は1995年から1997年にかけてPowerPCの開発を進め、以下の第2世代PowerPCプロセッサをリリースした。
- PowerPC 602 - セットトップボックスやゲーム機用
- PowerPC 603 - 組み込み市場や携帯コンピュータ用
- PowerPC 604 - ワークステーション用
- PowerPC 620 - サーバー用の64ビットの高性能プロセッサ
602と620は広く普及しなかったが、603と604およびその後継は、それぞれの市場で非常に普及した。モトローラとIBMはまた、組み込み用の実装で使われたPowerPC拡張の "Book E" を作成した [1] 。この実装にはモトローラのPowerQUICCプロセッサや、IBMのPowerPC 400ファミリーがある。
AIM連合の最後の努力は第3世代PowerPC(G3)で、1997年のPowerPC 750である。その後はモトローラとIBMはPowerPCアーキテクチャの開発で別の道に分かれた。このG3プロセッサは、コンピュータと組み込みの両方の市場で広く使われ、IBMはその後の数年、750 ファミリーの進化を続行した。しかしモトローラはPowerPCのSoC とPowerPC 7400で組み込み市場にフォーカスし、それを第4世代PowerPC(G4)と呼んだ。このプロセッサはAltiVecとSIMDユニットを取り入れた。この "PowerPC G4" は1999年に登場し、AppleのMacintoshや、通信市場の色々な企業に使用された。
1998年に登場したPOWER3は、PowerPCとPOWER2のアーキテクチャを統合したが、IBMのRS/6000サーバーでしか使われなかった。
2000年にはPowerPC-ASアーキテクチャの最後の実装であるRS64-IVが登場し、AS/400とRS/6000で使用された。(これらのサーバーは、その後 eServer iSeries と eServer pSeries と改名され、更に Power Systemsに統合された。)IBMはまた、任天堂のゲーム機であるニンテンドー ゲームキューブ用に、PowerPC 750CXeベースのGekkoを提供した。またIBMは実験的な64ビットPowerPCプロセッサであるRivinaを開発し、1GHzを超える最初のマイクロプロセッサとなった。
2001年にIBMは、PowerPC-ASとPOWER3を統合し置き換えるPOWER4を発表した。
2002年にアップルは新しいハイエンドのPowerPCを強く要望し、IBMに64ビットのPowerPC 970を開発させた。アップルはこれを第5世代PowerPC(G5)と呼んだ。PowerPC 970はPOWER4から派生し、いくつかのサーバー用機能が外されたが、AltiVecと互換性のあるIBM独自のVMX拡張命令ユニット持っていた。PowerPC 970とその後継は、アップルやIBMやいくつかのハイエンドの組み込みアプリケーションで使われた。
2003年にはTundraがモトローラから、マイクロコントローラのPowerPC 100ファミリーを買収した。また2003年には、CulturecomがIBMから、V-Dragon プロセッサに関するPowerPCテクノロジーのライセンスを取得した。2004年にはモトローラが半導体部門を、新会社であるフリースケール・セミコンダクタに分離した。
2004年にIBMから発表されたPOWER5は、POWER4の進化版であった。2005年には改良版のPOWER5+が登場し、PowerPC仕様書はv.2.01に更新され[2]、更に v.2.02 に更新された[3]。また2004年には、AMCCがIBMから、PowerPC 400ファミリーに関する知的財産権のライセンスとスタッフを取得した[4]。モトローラはフリースケールとなったが、PowerPCファミリーのe200、e300、e500、e600、そして将来の64ビットのe700を発表した。同年には、IBMと15の他の会社により、Powerアーキテクチャに関する製品開発を推進する使命を持った組織である、Power.orgが設立された。その目的はPowerアーキテクチャテクノロジーの開発、実現、および推進である[5]。
2005年には、IBM、ソニー、東芝の共同開発4年目にてCellプロセッサの仕様書がリリースされた[6]。この第一の用途はPlayStation 3である。Cellは1つの64ビットのPowerアーキテクチャコアと、SPEsと呼ばれる8つの独立したSIMDを持つ。IBMはまた、マイクロソフトのXbox 360用に3コアの64ビットプロセッサであるXenon-processorを提供した。任天堂も前世代に引き続き32ビットのPowerPCベースとなるBroadwayプロセッサをWiiに採用したため、奇しくも第7世代のゲーム機の3つ全てがIBMのPowerアーキテクチャプロセッサを採用することになった。なお、PlayStationシリーズおよびXboxシリーズは次の第8世代、任天堂も第9世代には他アーキテクチャへ移行しており、現代ではPowerアーキテクチャを採用したゲーム機は存在しない。
2007年3月にIBMは、ハイエンドのマイクロプロセッサで5.0GHzまでスピードアップでき、POWER5より倍の性能を持つPOWER6を発表した。POWER6はPOWERシリーズにVMX(Vector Multimedia Extension)拡張命令ユニットと、DFU(10進数演算をサポートするFPU)を追加した[7]。
2010年2月8日に POWER7 を発表。 Vector Scalar Extension (VSX)拡張命令ユニット追加[8]、プロセスルール45nm[9]。
2012年10月に POWER7+ を発表。プロセスルール32nm。
2014年4月に POWER8 を発表。プロセスルール22nm。
2017年12月にPOWER9を発表。プロセスルール14nm。FinFET SOI
2019年8月にPOWER9 Advanced I/Oを発表[10]。
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実装例
プロセッサ
システム
- スーパーコンピュータ
- メインフレーム
- 日立 AP7000(OSはVOS1/LS、VOSK/LS)
- サーバー
- パーソナルコンピュータ
- Apple Power Macintosh、Power Mac、インテル以前のiMac・iBook・PowerBook
- Genesi Pegasos、Open Desktop Workstation、EFIKA(PowerPCベース)
- ゲーム機
- ピピンアットマーク(ハードウェアとOSの設計はアップル)
- 任天堂 ゲームキューブ、Wii、Wii U
- マイクロソフト Xbox 360
- ソニー・コンピュータエンタテインメント PlayStation 3
- その他
オペレーティングシステム
Power Architecture版が現在存在する、あるいは過去に存在したオペレーティングシステムには以下がある。
脚注
外部リンク
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