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Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャ
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Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャ(サンディブリッジ マイクロアーキテクチャ)とは、インテルによって開発されたマイクロプロセッサのマイクロアーキテクチャである。2011年1月6日に正式発表され[1]、第2世代Intel Coreプロセッサとして製品化された。第2世代Intel Coreプロセッサという言葉は、IntelがSandy Bridgeマイクロアーキテクチャで初めて用いた言葉であり、CoreマイクロアーキテクチャとNehalemマイクロアーキテクチャのCoreブランドのプロセッサは、前世代Intel Coreプロセッサと定義している。このことから、AVX命令セットの追加が第2世代Intel Coreプロセッサの定義だと推定される。特にCore ixプロセッサの世代を区別する場合は、Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャを第2世代Intel Core ixプロセッサ、Nehalemマイクロアーキテクチャを前世代Intel Core ixプロセッサと区別している。
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概要
イスラエルのハイファを拠点とする開発チームが開発を担当している。2007年のIDFでは、「Gesher」(ヘブライ語で橋を意味する)という名前で触れられたが、諸事情により現在の名前に変更された。2009年秋のIDFで2GHzで動作する試作品が公開された。ソケットは、サーバおよびハイエンド向けにLGA2011、普及帯にLGA1155がある[2]。32nmプロセスルールにて製造される。ラスベガスで開催されるCES2011にて米国時間2011年1月5日に発表され[1][3]、1月9日に発売解禁となった。しかし、2011年1月下旬に対応チップセットのシリアルATA周りに設計上の不具合が発見されたため、対応マザーボードの出荷が一時停止となり、修正版マザーボードの顧客向け出荷を2011年2月下旬に、量産を2011年4月から再開する見通しとなった。
特徴
要約
視点
- 新SIMD拡張命令セットIntel AVX
- 従来のSSEでは128bit幅だったSIMDレジスタが、256ビット幅に拡張される。FPUも同時に拡張され、1クロックで256ビットの演算が可能となる。これにより並列化のしやすい処理で最大2倍のパフォーマンスを発揮する。
- GPUの改良とネイティブな統合
- Clarkdaleとの比較で、GPU部は32nmプロセスで製造され、最高ターボ時1350MHzと高クロックであり、各種改良が加えられている。また、オンダイに統合され、L3キャッシュ(Last Levelキャッシュ)に接続している。
- 動画のハードウェアエンコード(Intel Quick Sync Video)を行うメディアエンジンを統合。
- PCIeコントローラーとDMIコントローラーのネイティブ統合。
- フロントエンド及び実行ユニットの改良
- 新しくデコード済み命令キャッシュを搭載、これによる実効命令フェッチ帯域の拡大と、分岐予測ミスペナルティの軽減。
- 分岐予測ユニットの実装強化、効率化。
- マクロフュージョンの追加サポート (CMP、TEST、ADD、SUB、AND、INC、DEC)。
- ダイナミック・エグゼキューション範囲の拡大。
- 多倍長演算の効率的な実装をサポートする拡張命令(w:Intel ADXを参照。ただし「ADX」および英語版にある「Multi-Precision Add-Carry Instruction Extensions」という表現のどちらも、インテルの公式資料等には見られないようである)
- 一般的な実行ストール(読み出しポート、ライトバック競合、バイパス・レイテンシー、パーシャル・ストール)の削減。
- XSAVE/XRSTORE 命令のパフォーマンスの向上、および新しいXSAVEOPT 命令の追加。
- 物理レジスタファイルの採用により、ユニット間のデータ移動&コピーを不要とし電力効率を改善。
- メモリ操作の改善
- メモリロードポートが2つに拡張され、ロード帯域幅が256ビットに倍増。
- バッファ増加によって、より多くのインフライトのロードおよびストアを同時に実行する。
- データプリフェッチの改善。
- コア間のインターコネクトをL3キャッシュ内に設けたリングバスとし、コア間の帯域幅の確保、電力効率の改善とともにコア数の増加に柔軟に対応する。
- 第2世代インテル ターボ・ブースト・テクノロジー
- CPUだけでなくGPUを含めた全てのコアに対してもターボ・ブーストが有効になり、発熱に余裕があればTDP枠を超え、よりダイナミックにクロックが上昇する。
Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャは、4μOPs/クロックのデコード・リタイア、6つの命令発行ポートという命令レベルの並列度はNehalemマイクロアーキテクチャから変化していない。しかしながら、アウト・オブ・オーダー実行の機構が完全に再設計されている。
Pentium Proに端を発するP6マイクロアーキテクチャは、Nehalemに至るまでリオーダ・バッファとリザベーション・ステーションを用いたTomasuloのアルゴリズムに近い方式でアウト・オブ・オーダー実行を行っていた。この方式ではデータがレジスタファイル、リオーダ・バッファ、リザベーション・ステーションの3ヶ所に保持されるため、命令のデコード後(RFとROBからRS)、実行後(演算器からROBとRS)、リタイア時(ROBからRF)といったタイミングで逐一必要な場所へのデータの移動が発生する。一方Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャでは、データの格納場所が物理レジスタファイルに一元化され、リオーダ・バッファとリザベーション・ステーションはレジスタファイルへの参照のみを保持し、データは保持しない (データを保持しないリザベーション・ステーションは、単にスケジューラと呼ばれるのが普通である)。このため、データの移動に伴うエネルギー消費が削減され、プロセッサの消費電力の低減に貢献している。
この物理レジスタファイルによるアウト・オブ・オーダー実行とデコード済み命令キャッシュの搭載は、Pentium 4のNetBurstマイクロアーキテクチャで既に行われたものである。これらはCoreマイクロアーキテクチャには反映されなかったが、Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャで同時に復活したことになる。
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製品一覧
要約
視点
プロセッサー・ナンバーの末尾にアルファベットが付いている製品があり、それぞれの意味は、
- K:オーバークロックができるようにTurbo Boost動作時の倍率のロックが解除されている。なお、ビジネス向け機能のTXT、vPro、SIPPや仮想化技術のVT-dに非対応。
- S:省電力モデル。
- T:超省電力モデルで、このモデル向けにMini-ITX規格対応のマザーボードもリリースされる見込み[4]。
- M:モバイル向けデュアルコアモデルで、数字の末尾が0は通常電圧版、9は低電圧版、7は超低電圧版。
- XM・QM:モバイル向けクアッドコアモデルで、XMは内部倍率のロックが解除されている。
デスクトップ向け
- Sandy Bridge-E
- 対応ソケット: LGA2011
- Sandy Bridge-DT
- 対応ソケット: LGA1155
サーバー向け
- Sandy Bridge-EP
- 対応ソケット: LGA2011
- Sandy Bridge-EN
- 対応ソケット: LGA1356
- Sandy Bridge-DT
- 対応ソケット: LGA1155
モバイル向け
- Sandy Bridge
組み込み向け
- Gladden
- Sandy Bridge
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後継
後継は22nmにシュリンクされたIvy Bridgeマイクロアーキテクチャ。
脚注
関連項目
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