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『ゴッド・オブ・ウォー』 (God of War) とはソニー・コンピュータエンタテインメントのSCEサンタモニカスタジオが開発したPlayStation 2用3Dアクションアドベンチャーゲームである。アメリカでは2005年3月22日に発売され、ストーリー・グラフィック・サウンドなどの高い完成度や、ギリシア神話を題材にした暴力描写が話題となり、一躍SCEを代表する人気タイトルとなった。
ジャンル |
アクションアドベンチャー ハック&スラッシュ |
---|---|
対応機種 |
PlayStation 2 PlayStation 3 PlayStation Vita |
開発元 | SCEサンタモニカスタジオ |
発売元 |
SCE カプコン(PS2) SCE(PS3) SCE(PS Vita) |
ディレクター | デイビッド・ジャッフェ |
人数 | 1人 |
メディア |
DVD-ROM(PS2) ダウンロード販売(PS3) |
発売日 |
2005年3月22日 2005年11月17日(PS2) 2010年3月18日(PS3) 2014年5月15日(PS Vita) |
対象年齢 |
ESRB: Mature CERO: D USK: 18+ PEGI: 18+ OFLC: MA15+ |
デバイス |
デュアルショック2(PS2) SIXAXIS/デュアルショック3(PS3) |
売上本数 | 461万本[1] |
日本では2005年11月17日にカプコンから発売され、その後、カプコレ・BestPrice!と二度にわたって廉価版が発売された。BestPrice! 版には購入特典として『ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲』の体験版が店頭配布された。
通常版の発売後、CEROのレーティング制度が改定されたため通常版とカプコレ版以後ではレーティング内容が異なっている。通常版は18歳以上対象だが廉価版では17歳以上対象のD区分となった。
2010年3月18日にはPlayStation 3向けに、2014年5月15日にはPlayStation Vita向けに本作と『ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲』がセットになった『ゴッド・オブ・ウォーコレクション』が発売された。HDリマスターが施され、新たにトロフィー機能に対応している。
プレイヤーは神の僕・クレイトスとなって様々な謎や怪物が潜む古代ギリシャの世界を冒険する。CS アタックと呼ばれる独自のシステムがあり、戦闘中に画面に表示されるアイコンの指示通りにボタンを押すと怪物の喉に武器を突き立てたりアクロバティックなスタントをこなすなどの激しいアクションが展開される。視点には固定カメラが採用されプレイヤーは視点を自由に動かすことはできないものの、カメラは常にプレイヤーにとって最適な位置になるように自動で動くためプレイヤーは視点を意識することなくゲームを遊べるようになっている。またプレイ中に逐次データを読み込んでいるためロード時間にゲームを遮られることが少ない。ミスをしてゲームオーバーになっても自動で記録される直前のチェックポイントからすぐにやり直しができるのも特徴である。
アメリカでは記録的な売り上げを樹立し、en:Academy of Interactive Arts & Sciencesの2005年度のゲーム・オブ・ザ・イヤーに選ばれるなど数多くの賞を受賞したが、日本での知名度は低かった。しかしながらハードウェアの限界に挑んだ映像面や画面に収まりきらないほどの巨大な怪物が襲い掛かるボス戦、それまでの洋ゲーに対する定説を覆す爽快なゲーム性などがコアなゲーマーの間で評判となり、発売以後徐々に日本でも知られるようになった。
『鬼武者』や『デビルメイクライシリーズ』(いずれもカプコン)、『NINJA GAIDEN』シリーズ(テクモ)などの日本のゲームとよく比べられ本作のディレクターであるデイビッド・ジャッフェも『ICO』(ソニー・コンピュータエンタテインメント)に強い影響を受けたことをインタビューなどの場で語っている[2]。ゲームの他に『インディ・ジョーンズ』からも影響を受けており[3]、ゲーム中に訪れるパンドラの神殿にそれを確認できる。
古代ギリシア時代、無敵の強さを誇るスパルタの戦士クレイトスは、ある蛮族との戦いにおいて完敗を喫してしまう。今まさにクレイトスの首が切り落とされようという時、彼は最後の手段に出た。それは軍神アレスに魂を売り、神にも及ぶ強さを手に入れることであった。巨大な姿を現したアレスは蛮族を一掃すると共に、クレイトスに神をも傷つけられる武器「ブレイズ・オブ・カオス」を与えた。
それ以降、彼はその恐るべき力を武器に残虐非道の限りを尽くした。人々から恐れられたクレイトスであったが、唯一心許せるのが妻と子であった。だがある時、彼は平定するために虐殺を行なっていた村に、いるはずのないその2人がおり、あろうことか自らの手で殺めてしまう。悲しみに暮れるクレイトスの元にアレスが再び現れ、真相を告げる。「妻と子をこの村に連れてきたのは私だ。そして、さらに強くなれ」。全てはアレスの策略だった。クレイトスのただ一つの拠り所であり、彼の弱さとなり得る家族をクレイトス自身に殺させたのである。軍神の奸計を知ったクレイトスは怒り、復讐の旅を開始する。
ゲームの世界の即死トラップにかかるとゲームオーバーになる。また随所に謎解き要素があり、それらを解いていくことでゲームを進められる。ゲームの進行の記録はマップに点在しているセーブポイントを使って行う。ゲーム中には多様なシステムが用意されているが、以下ではこのゲームにおける代表的なものを解説する。
通常攻撃には□ボタンで繰り出すノーマルアタック(弱攻撃)と△ボタンで繰り出すヘビーアタック(強攻撃)、および○ボタンで繰り出す投げ・特殊技が用意されている。□/△攻撃は決められた通りに連続入力するなどして様々なコンボを繰り出すことができる。また○ボタンは相手が相応に弱っている時に入力すると、敵の状況によって「一撃殺傷」、「捕らえて他の敵に投げつける」、「大きなダメージを与える」、「敵の肉体の一部を破壊」のいずれかの攻撃を行う。ただし一部の敵は無傷の状態では、掴もうとすると失敗して大きな隙が出来てしまう。その場合はある程度ダメージを与える事により敵の頭上に○ボタンアイコンが出るので、その時初めて投げ技が使用可能になる。また敵が空中に投げだされている時は体力関係無く特殊な投げを決める事が出来る。投げ攻撃は基本的に無敵時間の発生する半リアルタイムムービー状態になるものもあり、使いどころによっては通常攻撃で止めを刺すよりも有効となる場合もある。また、場合によっては下記のCSアタックがスタートする事もある。
正式名称はコンテキスト・センシティブ・アタック (Context-Sensitive Attack) である。Context-Sensitiveとは文脈依存のことで、前後の関係から内容を判断するという意味で使われる。このゲームでは以下の一連の行動の流れのことを指している。敵に一定のダメージを与えると敵の頭上にコントローラのボタンのピクトグラムが示されたアイコンが表示される。その状態で敵に近寄って示されたボタンを押すと、状況に応じた動作で敵を攻撃するリアルタイム・デモに移行する。デモ中も画面には次々とアイコンが表示され、アイコンの指示通りにボタンを押していくことで CSアタックを成功させることができる。成功すると大抵の敵に対してとどめを刺すことができ、ライフオーブやパワーオーブなどのボーナスを得られることもある。ボタンの入力が遅れたり間違えたりすると失敗となり、敵に反撃されてダメージを受け、CS アタックも中断させられてしまう。
デモの内容は押し倒したミノタウロスにまたがりその喉に刃を突き立てる、ゴルゴンの頭部を力ずくでもぎ取る、サイクロップスの目玉をえぐり出すなど過激なものが多い。序盤ではクレイトスの二人の娼婦を相手に CS アタックの練習をすることもできる。
通常の敵をCSアタックで倒した場合「パワーオーブが多めに出る・ライフオーブが確実に出る」等ボーナスを得られるものの、必ずCSアタックを使わねばならないということはない。しかし、体力ゲージのついたいわゆるボスクラスの敵に対しては、CSアタックを成功させないと直前の段階からやり直しとなり、倒すまでの段階へ移行できない(通常攻撃だけでは倒せない)。
ゲームを進めていくとプレイヤーは魔法や新しい武器を使えるようになる。それらは敵や宝箱などから入手できるパワーオーブと呼ばれるリソースを用いてレベルアップすることができる。レベルアップには大量のパワーオーブを必要とするが、レベルアップすると武器や魔法は性能が向上し、新しい技を覚えていく。以下はレベルアップできる武器と魔法の概要である。
タイトル画面のメニューから選べるエキストラには映画の DVD さながらの特典が用意されている。それらの多くは一定の条件をクリアすることでアンロックされ、選択が可能となる。その中でも以下のものは本作以降シリーズの定番要素となった。
日本版では北米版で採用されていた暴力や性的な表現が修正されている。以下は北米版と日本版の主な違いである。
一部のPlayStation 2ではゲームが起動しなかったりゲーム中にフリーズするなどの読込不具合が報告されている。メーカーの公式発表がないため原因は特定されておらず、正常に動作するかどうかは本体の使用状況などから判断するしかない。
本作のサウンドトラックは日本では流通していない。北米ではゲームを購入した人に対してインターネットを通じてファイルをダウンロードできるようになっていた。また、ソニーが運営するダウンロードサービス CONNECTによる音楽配信の形態のみの対応となっていた。しかし現在ではCONNECTはサービス終了となり、本作のサウンドトラックを手に入れるのは正規では不可能となっている。なお、続編『ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲』のサウンドトラックはCDが発売になったが、現在廃盤。
据え置き機で展開されている本編以外にも携帯機などで外伝的な派生作品が製作されている。それらのストーリーは本編と密接に絡んでいる。
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