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運輸政策審議会の答申 ウィキペディアから
運輸政策審議会答申第7号(うんゆせいさくしんぎかいとうしんだい7ごう)は、東京圏の交通網整備に関する政府諮問に対し運輸政策審議会が1985年(昭和60年)に行った答申である。答申名は東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について(とうきょうけんにおけるこうそくてつどうをちゅうしんとするこうつうもうのせいびにかんするきほんけいかくについて)。2000年(平成12年)を目標年次とする東京圏における鉄道路線の整備計画を示しており、その2000年(平成12年)には本答申の更新版である運輸政策審議会答申第18号が提示されている。
東京圏においては、高度経済成長期に人口集中が進み、通勤混雑・長時間通勤・交通渋滞等の交通問題が深刻化した。当時、東京圏における鉄道整備は旧都市交通審議会により作成された都市交通審議会答申第9号(1966年〈昭和41年〉7月)及び都市交通審議会答申第15号(1972年〈昭和47年〉3月)に基づき、1985年(昭和60年)を目標年次として進められてきた。これにより、混雑は改善の方向に向かっていたが、答申以降、東京圏では次のような変化が生じた。
このような情勢変化に対応した交通網の整備計画を策定するため、1982年(昭和57年)9月、小坂徳三郎運輸大臣は、都市交通審議会の事務を引き継いだ運輸政策審議会に対し、東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備について諮問を行った。これを受けて運輸政策審議会は、1985年(昭和60年)7月11日、答申第7号において、2000年(平成12年)を目標年次とする東京圏における鉄道路線の整備計画をとりまとめた。
答申は、東京都心部を中心とする概ね半径50キロメートルの範囲を対象とし、最混雑時間の混雑率が200パーセントを超える路線について、新線建設、複々線化により混雑を緩和する事に重点を置き、この他副都心機能の強化、空港アクセスの改善などに資する路線も設定された。この結果、目標年次までに整備する事が適当とされた路線は29路線、総延長は532キロメートル(新設402キロ・複々線化78キロ・改良11キロ・旅客線化41キロ)に達した。また、地下鉄車両の小型化、新交通システムの活用などにより、鉄道建設費の低減を図るものとされた。
これらの整備により、整備対象各路線の最混雑1時間における平均混雑率は、1985年の220パーセントから、2000年には180パーセント以内にまで低下し、また郊外の住宅地の大部分から都心部の業務集積地へ90分以内で到達可能となると見込まれた。
答申では29路線の整備が盛り込まれた。うち主要なものは以下の通りである。2023年(令和5年)時点での状況についても併記する。
目標年次であった2000年(平成12年)の時点で、本答申に盛り込まれた整備計画路線(567km)のうち約44%が営業を開始し、約31%が整備中となった。東京圏の主要31区間の最混雑1時間における平均混雑率は、1985年(昭和60年)当時の212%から1998年(平成10年)には183%にまで改善されたが、第7号答申における目標である180%には達することはできなかった。一方で、本答申には記載のなかった路線の整備も行われた。こうした路線にはゆりかもめ東京臨海新交通臨海線と東京臨海高速鉄道りんかい線がある。2000年には運輸政策審議会によって新たに運輸政策審議会答申第18号が提示され、東京圏における鉄道路線の推奨整備計画を引き継いだ。
先代 1972年: 都市交通審議会答申第15号(東京周辺) 1966年: 都市交通審議会答申第9号(横浜周辺) |
東京圏の鉄道整備基本計画 1985年: 運輸政策審議会答申第7号 |
次代 2000年: 運輸政策審議会答申第18号 |
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