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ぐんまちゃん (アニメ)

日本のアニメ作品 ウィキペディアから

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ぐんまちゃん』は、同名のゆるキャラぐんまちゃん」を主人公にしたテレビアニメ[1]群馬県自らが製作・著作を担当した。

概要 ぐんまちゃん, アニメ ...

シーズン1は2021年10月3日から12月26日までテレビ神奈川(放送幹事局)や群馬テレビほかにて、シーズン2は2023年4月8日から7月1日までBSフジや群馬テレビほかにて放送された[1]。いずれも全13回で、各回は約7分のエピソード3本からなる[2][3]

また、エピソードごとに分けたもの(以下、単話版)も製作され、群馬県が公式YouTubeチャンネル[注釈 1]やイベントなどで配信・上映している[4][5][6][7][8][9]

このほか、2022年4月4日から6月25日までNHK前橋放送局にて、一部のエピソードで再構成したもの(以下、NHK版)が放送された[10]。全15回。

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概要

要約
視点

舞台は実在する「群馬(県)」(漢字)ではなく、どこかにある不思議な架空の世界である、ひらがなの「ぐんま」[注釈 2][1]。ぐんまちゃんが家族や仲間たちと過ごす日常が描かれ、「ぐんまちゃんはいつだってともだち」をテーマに、「思いやり」と「チャレンジ」をキーワードにした物語が展開される[2][3]。群馬県内の観光地などをモチーフにした場面や、群馬県の特産品も作中に数多く登場する[11][12]

ぐんまちゃん以外の主要キャラクターである、あおま、みーみは、本作のオリジナルキャラクターである[2][3]。また、県の広報誌「ぐんま広報」で連載の4コマ漫画『ぐんまちゃん異世界ぐんま物語 名もなきハニワ』のキャラクターも登場する[13]

制作

群馬県が計上した本作のアニメ化の予算は約2億3000万円[12]。群馬県知事の山本一太は2021年7月の記者会見で、「(アニメ化は)十分に国内外にアピールする潜在力がある」と述べ、本作の人気を通じた群馬県の特産品の消費拡大に期待を寄せた[3][14]

制作は東京の会社「アセンション」に委託されている[1][14]。監督・脚本と音響演出は本郷みつるが起用された[1][3]

キャスティング

ぐんまちゃん役には、テープオーディションとスタジオオーディションによって高橋花林が選ばれた。テープオーディションの資料に「愛される声でありつつも個性的で、ぐんまちゃんだ!と思えるような声」と記載があり、個性的な声を得意とする高橋は自信を感じたが、スタジオオーディションの際に「より普通の声で演技してほしい」という指示があったため戸惑い、受かったときには驚いたという[15][16]。インタビュアーの一人であるアニメイトタイムズの塚越淳一は「たぶんスタッフが求めていた“個性的”の想像を超える“個性的”が来てしまったから、それを少し戻すための“普通”だったのかもしれないですね(笑)」と推察し、高橋は「そうかもしれない」と答えた[15]

演技にあたり高橋は、スタジオオーディションに同席していたぐんまちゃんの原作者・中嶋史子から、キャラクターの設定などについての説明を聞き、キャラクターのイメージを固めた[15]。また、監督から「フラットに演技してほしい」と指示があったため、楽しんだり悲しんだりする場面でもテンションを上下させ過ぎないようにし、ぐんまちゃんの「裏がなくすべてを真っ直ぐ受け入れる」性格を表現することに注力しているという[16]

ぐんまちゃんが持つ癒やしの力「ぐんまパワー」にもこだわりがあり、本作のオリジナルであるため方向性を決めるのに苦労したが、穏やかで緩やかなイメージに落ち着いたという。各エピソードの最後はぐんまちゃんの「◯◯パワー 100%」という決めセリフで締めくくられるが、高橋はこのセリフをエピソードごとに変えることを発案し、アドリブでその話にちなんだワードを入れていた[15]

ぐんまちゃん以外の主要キャラクターのキャストには群馬県出身者が起用されており、あおま役は太田市出身の内田彩が、みーみ役はみどり市出身の小倉唯がそれぞれ担当している[16]。また、エンディング曲『Happy』を歌う今村麻莉愛、作詞・作曲の多胡邦夫、編曲の米田浩徳もそれぞれ群馬県出身である[17]

広報・海外展開

シーズン1の放送開始に先立って2021年7月30日から、群馬県は本作のポスターを無料配布する「ぐんまちゃんHELLOキャンペーン」を展開した。「HELLO」と「張ろう」をかけたキャンペーンで、同年12月31日まで県関係機関や県内の各市町村役場などで配布され、各地にポスターが張り出された[17][18]

2021年8月8日には初回放送の先行試写会が予定されていたが、新型コロナウイルスの蔓延に伴い中止となった[19][20]

群馬県の魅力発信や経済効果を狙い、本作は群馬県の群馬テレビのほか、県外の放送局・配信サイトでも放送・配信された。放送開始当初、シーズン1は県外7局の地上波でも放送し、全国の全世帯の48%をカバー[3]。シーズン2では、地上波は県外はTOKYO MXのみに減った一方、新たにBSフジアニメシアターXでも放送し全国をカバーしたとしている[21][22]

また、海外展開も見据え、アニメ化決定当初から英語などの各字幕版の制作費用も予算に組み込まれた[11]。2023年2月にシーズン1が、2024年6月にシーズン2が、アメリカストリーミングサービス「Crunchyroll」で配信され、英語、スペイン語ポルトガル語フランス語ドイツ語ロシア語イタリア語アラビア語の8言語の字幕に対応した[23][24][25]

2023年7月1日から4日、ぐんまちゃんはアメリカのロサンゼルスで開催されたアニメ・エキスポに初めて参加。アニメの各場面を写したパネルを使って群馬県の魅力をアピールした[26]

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登場キャラクター

ぐんまちゃん
声 - 高橋花林[27]
主人公。一人称は「ぐんまちゃん」。本来の設定と同様に性別は明言されていないが、妹のゆうみから「お兄ちゃん」と呼ばれることがある[28]
みんなが怒ったり困ったりしている時に「ぐんまパワー」でみんなを笑顔にするが、その力は自分自身には使えない。
ナレーションの存在を認識しており、話しかけることもある。
あおま
声 - 内田彩[27]
ぐんまちゃんの友達。青色の体で、見た目がぐんまちゃんに似ている、元気でやんちゃ、素直な男の子。
みーみ
声 - 小倉唯[27]
ぐんまちゃんの友達。ピンク色の体で、大きな耳が付いている、ちょっとおませな女の子。時折大胆な発言をする。
おとうさん
声 - 北沢力[27]
ぐんまちゃんの父親。キャンプが趣味。
おかあさん
声 - 中尾衣里[27]
ぐんまちゃんの母親。セレクトショップを経営している。
ゆうみ
声 - 指出毬亜[27]
ぐんまちゃんの妹。ぐんまちゃんとは双子の兄妹。
おじさん
声 - 北沢力[27]
ぐんまちゃんのおじさん(ぐんまちゃんの父親の弟で、叔父)。ぐんまちゃんの父親とは双子の兄弟。名前は「あきお」。
童心を忘れない子供っぽい性格をしていると言われ、兄には「子供っぽさが長所」と言われる。
競埴輪(競輪の埴輪版)、ハニワボートレース(競艇の埴輪版)、ハニワオートレース(オートレースの埴輪版)などの公営競技が趣味で、ぐんまちゃんを競技場に連れて行ってくれる。
古墳様
声 - 森田順平[27]
ハニワ族の王様。ダジャレが好き。
かーん
声 - 吉川七瀬AKB48 チーム8 千葉県代表)[27]
ハニワ族のアイドル「三人童女」のメンバー。
のーん
声 - 清水麻璃亜(AKB48 チーム8 群馬県代表)[27]
ハニワ族のアイドル「三人童女」のメンバー。
まーや
声 - 小田えりな(AKB48 チーム8 神奈川県代表)[27]
ハニワ族のアイドル「三人童女」のメンバー。
ヤヨイヒメ
声 - 山岡ゆり[27]
イチゴ族のお姫様。従者たちを連れてぐんまのイチゴ「やよいひめ」のPRをして回る。お城には魔法の鏡「ミラー族」がいる。みーみとは仲が悪い。
キリュウさん
声 - 山本希望[27]
ファッションデザイナー。トミオーカ工場で生産されたを使った服をデザインする。
フランソワーズ
声 - 清都ありさ[27]
紡績工場「トミオーカ工場」の工場長。従業員の「ありんコージョ」たちを束ねる。
タマ
声 - 田村睦心[27]
ネコの人気ロックバンド「ニャーズ」のボーカル担当。
ノラ
声 - 本田貴子
「ニャーズ」のギター担当。
トラ
声 - 中尾衣里
「ニャーズ」のベース担当。
ブチ
声 - 北沢力
「ニャーズ」のドラム担当。
ものしり博士
声 - 速水奨[27]
いろいろなことを知っている老人。
猫忍
声 - 鈴木柚里絵[27]
忍者姉妹の姉。
チュー忍
声 - 折笠富美子[27]
忍者姉妹の妹。
あおまのお父さん
声 - 森田順平[27]
あおまの父親。
あおまのお母さん
声 - 折笠富美子[27]
あおまの母親。
みーみのパパ
声 - 小山剛志[27]
みーみの父親。
みーみのママ
声 - 富沢美智恵[27]
みーみの母親。
ダルマ大王
声 - 小山剛志[27]
ダルマ族の王様。
ダイバ・クハツ
声 - 小山剛志[27]
有名芸術家。
コンニャラップ
声 - 野津山幸宏[27]
自由人のラッパー。
トム・シサク
声 - 東地宏樹[27]
不思議なひと。
ナレーション
声 - 本田貴子[27]
お話を説明してくれるひと。ぐんまちゃんと会話したり、「ぐんまちゃんのイマジナリーフレンド」と称して小さなハニワ族のような姿で登場することもある。
オバケ
声 - 矢島晶子[27]
ちいさなオバケ。
マリア・ナナス
声 - 高垣彩陽[27]
歌が大好きなひと。
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スタッフ

  • 監督・脚本・音響演出 - 本郷みつる[1]
  • キャラクター原案 - 中嶋史子[1]
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 栗尾昌宏[1]
  • 美術監督 - 奥村優子(第1回 - 第4回)→谷岡善王(第5回 - )
  • 色彩設計 - 髙橋枝里
  • 撮影監督 - 島朋子(第1回 - 第4回)→河合有紀子(第5回 - )
  • 編集 - 長坂智樹
  • 効果 - 倉橋裕崇
  • 音響制作 - プロセンスタジオ、ビートリック(第1期)
  • 音楽 - 多田彰文[1]
  • アニメーションプロデューサー - 茂木仁史
  • アニメーション制作 - アセンション[1]
  • 製作 - 群馬県[1]

主題歌

「SWITCH!」[1][29]
オープニングテーマ。シーズン1では頭サビと1番が[30]、シーズン2では頭サビと2番が使用される[31]
作詞 - meg rock / 作曲・編曲 - 宮野弦士 / 歌 - ぐんまちゃん(高橋花林)、あおま(内田彩)、みーみ(小倉唯)
オープニングテーマ[1]
単話版、NHK版のオープニングテーマ。10秒ほどのインスト曲。
作曲 - 多胡邦夫 / 編曲 - 米田浩徳
「Happy」[1][32]
エンディングテーマ(シーズン2第5回を除く)。シーズン1では1番と2番とラスサビが[33]、シーズン2では2番とCメロとラスサビが使用される[34]。また、単話版では1番が使用される[5]
作詞・作曲 - 多胡邦夫 / 編曲 - 米田浩徳 / 歌 - 今村麻莉愛
「バンビーナ」[35]
シーズン2第5回のエンディングテーマ。布袋寅泰の『バンビーナ』のカバー。
作詞 - 森雪之丞 / 作曲 - 布袋寅泰 / 歌 - タマ(田村睦心)
「ぐんまちゃん えかきうた」[36]
エンディングコーナー「ぐんまちゃん えかきうた」のテーマ曲。
作詞・作曲 - 宮嶋淳子、hisakuni / 編曲 - hisakuni / 歌 - 内田彩
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各回リスト

要約
視点

各回は、オープニング→本編(エピソード3本)→エンディング[注釈 3]→次回予告→「ぐんまちゃん えかきうた」の順で構成される。「ぐんまちゃん えかきうた」では、ぐんまちゃんの絵描き歌の映像と、最後に視聴者が応募したぐんまちゃんら登場キャラクターのイラストが紹介される[37][38]

なお、2024年10月から群馬テレビで行われた“再放送”は、「スペシャルトーク」→オープニング→本編(エピソード3本)→エンディング[注釈 3]→次回予告の順で構成される。「スペシャルトーク」では、ぐんまちゃん役の高橋花林と、あおま役の内田彩またはみーみ役の小倉唯が出演し、本編への振りがなされる[39][40][41][42]

下表では、単話版の話数も併記する。

さらに見る 回数, 単話版 ...

単話版

単話版の各話は、単話版オープニング→本編(エピソード1本)→エンディング(シーズン1の短縮版)の順で構成される。

各エピソードの内容自体は同じ[注釈 4][5][6][7]。各話リストについては上記の表を参照。

NHK版

NHK版の各回は、アバンタイトル→単話版オープニング→本編(エピソード1~3本)→エンドクレジット[注釈 5]の順で構成される。アバンタイトルでは、ぐんまちゃんとNHK前橋放送局の原口雅臣アナウンサーが実写で出演し、本編への振りがなされる。

各エピソードの内容自体は同じだが、放送順は異なるほか、シーズン1のエピソード全39話のうち23話分のみが放送された。下表では、放送上などでは触れられていないが、当該の単話版の話数も併記する。

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放送局

要約
視点
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さらに見る 配信開始日, 配信時間 ...
さらに見る 放送期間, 放送時間 ...
さらに見る 配信開始日, 配信時間 ...
さらに見る 配信開始日, 配信時間 ...
単話版
さらに見る 配信期間, 配信時間 ...

このほか、群馬県主催のイベントなどでも上映されている[9]

NHK版
さらに見る 放送期間, 放送時間 ...

公営競技をテーマにした放送回の扱いについて

シーズン1のうち第11回について、群馬テレビは放送を見送ることを、放送予定日の前日である2021年12月11日までに決定。第11回の放送が予定されていた12月12日は、第1回の再放送がなされた[45][59]。第11回ではBパートに公営競技競艇を取り扱う内容があり、群馬テレビは「日本民間放送連盟(民放連)が規定する放送基準第91条『青少年の射幸心への影響』に抵触することなどを考慮した」と説明している[60]

本作を巡っては、第4回でもAパートに公営競技の競輪を取り扱う内容があり、放送後に群馬テレビの視聴者から「子ども向けアニメなのに公営ギャンブルを扱うのは不適切」との意見が放送倫理・番組向上機構(BPO)に寄せられ、青少年委員会で採り上げられていた[61][62]。群馬テレビは、BPOからこれらの問題について連絡を受けていたという経緯がある[45][60]。BPOは、群馬テレビからの第11回放送見送りについての報告を受け、「これ以上検討する必要はない」と結論付け、事実上不問とした[63][64]

群馬テレビの対応について、群馬県知事の山本一太や、前橋競輪場がある前橋市桐生競艇場があるみどり市伊勢崎オートレース場がある伊勢崎市の各市長からは、「いろいろな考えがあると思う」などと理解も示す一方、「放送見送りには違和感がある」「これらの公営競技に従事して雇用を得ている人に、自分の仕事は子どもに見せてはいけないものかのような印象を与えたら残念だ」などの意見が挙げられた[65][66]

なお、群馬テレビ以外の放送局・配信サイトでは、内容を精査した上で問題ないとして通常通り放送・配信が行われた[45][59]。そのため結果的には、ぐんまちゃんの地元である群馬県の群馬テレビのみが放送見送りとなった[62]。本作を放送する局で群馬県を対象地域とする局は他になく、当時、群馬県内から第11回を視聴するには有料の各配信サイトを利用するしかなくなった[67]。群馬県は、2022年1月27日にニコニコチャンネルにて無料での一挙放映を行い、第11回についても放映[68]。公式YouTubeチャンネル「tsulunos」でも2022年9月9日までに、第11回のエピソードにあたる単話版第31~33話を無料配信した[注釈 13]。また、NHK前橋放送局では2022年4月7日、第11回CパートにあたるエピソードがNHK版第4回Aパートとして放送された。

シーズン2では第7回において、Aパートに公営競技のオートレースを取り扱う内容があり、BSフジでは、おじさんが「射幸心について思いを巡らせちまうなあ」とつぶやく終盤の15秒程度をカットして放送した[71]。BSフジは「視聴者ターゲットに対して不適切だと判断し、変更した」と説明している[72]

なお、BSフジ以外の放送局・配信サイトでは、群馬テレビも含め通常通り放送・配信が行われた[72]。同パートにあたる単話版第58話についても、群馬県公式YouTubeチャンネル「tsulunos」にて通常通り無料配信された[73]

群馬テレビはその後、2024年10月5日よりシーズン1、2の“再放送”を行うと発表。12月14日、シーズン1第11回が群馬県内の地上波として初めて放送された。また、2025年2月15日にはシーズン2第7回のノーカット版も放送され、TVerを介しBSフジの対象地域である日本全域に配信された[39][40][74]

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書籍

  • 『アニメ ぐんまちゃん オフィシャルファンブック ぐんまちゃんといっしょなら、ちょっとしあわせ』(講談社、2024年2月19日発行)ISBN 978-4-06-534749-2[78]

バーチャルフィギュア

エイベックス・グループECショップ「ARSHOP」にて2022年11月18日よりバーチャルフィギュア「ぐんまちゃん」「あおま」「みーみ」の3体が発売された[79]エイベックス・ピクチャーズスマホアプリ「ARSTAGE」に対応している。

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脚注

外部リンク

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