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折笠富美子

日本の女性声優、歌手 (1974-) ウィキペディアから

折笠富美子
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折笠 富美子(おりかさ ふみこ、1974年12月27日[2][9][10] - )は、日本声優歌手舞台女優東京都江戸川区出身[2]アトミックモンキー所属[6]

概要 おりかさ ふみこ折笠 富美子, プロフィール ...
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略歴

要約
視点

生い立ち

1974年12月27日[2][9]東京都江戸川区で2人姉妹の次女として誕生。

3歳頃に子供音楽教室に通い始める[11]。ただし、順番に指名されて発表しなくてはいけないことがとにかく嫌で、注目されるのが苦手であったという[11]。小さい頃は音楽好きで、歌番組を見るのが好きだった[11]。クラシックから始まり、高校生の頃はDREAMS COME TRUEも聴いていた[12]。他に母が台所で料理をしながら聴いていたリチャード・クレイダーマンの演奏、姉のお下がりのビートルズのカセットテープも好きであった[12]。その頃は内気で人見知りな子供だった[13]。自分から「習い事をしたい」と言い出したところ通わせてくれたため、習字と英語教室、小学4、5年生の時にはそれに加えて水泳教室、さらに算数が苦手だったため塾といった具合に、習い事を多数していた[11]エレクトーンも習っており、音楽は得意だったが、子供の頃から人前が苦手だったため、リコーダーのテストなどは嫌いだったという[11]。その頃の将来の夢はテレビドラマの影響で学校教師やデザイナーになろうと考え、教師の真似をして自分で出席簿を作ってみたり、デザイナーの真似をしてドレスの絵を多数描いて親に見せたりするなど、影響を受けやすいタイプであった[11]。一方、当時は役者になりたいとは考えておらず、その役を役者が演じているところまで見えていなかったかもしれないという[11]。「声優」という仕事を意識せず、作品の世界として見ていたことからアニメに関しても同じであった[11]

中学時代はエレクトーン以外の習い事は辞めていた[11]。唯一音楽教室の延長線上で習っていたエレクトーンが続いていたこともあり、中学3年生の終わり頃、「鍵盤が弾ける」と友人に誘われて軽音楽部に所属していた[11][12][13]。練習が嫌いであり、エレクトーンでは先生がお手本で弾いたものを譜面もちゃんと確認せずにノリで弾いたりして、指使いを間違えて注意されていた[11]。バンドになると皆で演奏するため、ノリだけでは通用せず、軽音楽部では真面目に練習しており、皆との練習は楽しかったという[11]。軽音楽部ではほとんどが初心者であったため、1曲完成するのにとても時間がかかっていたことから、基本的にはコピーであった[11]。バンドではメンバーは全員が女の子で、当時人気のあった女性バンドのコピーは先輩がすでにしていたため、それと被らないように主に『ユニコーン』と『ビートルズ』の曲をコピーしていた[11]。中学3年生の時、学園祭で初めてバンド演奏を発表していた[11]。出演バンドは4組で、その時はたくさんの人物が見にきてくれたが、折笠は人に見られるのが苦手で、とても緊張していた[11]。入っていたバンドのボーカルが、ライヴ活動が好きであったため、色々な意味でバンドを引っ張っていてくれた[11]。バンド活動を通していずれはミュージシャンに、といった夢はそこまで考えていなかった[11]。家庭の事情も少し複雑で、「将来のことは高校へ行ってから考えても遅くはないだろう」と思っていた[11]。友人の中には明確な夢を持っている子もおり、バンドのボーカルなどは「将来歌手になる」と言っていたが、その頃の折笠は、役者になるとは思ったことすらなかった[11]。当時はバンドブームだったため、ボーカルと一緒に、学校外で他校の友人とバンドを組んだりもしていた[14]。そのバンド活動はリーダー的な人物がおり、その人物が「ライブをしよう」と声をかけると、友達ネットワークで30人くらい人物が集まった[14]。皆で少しずつお金を出し合えば、1日くらいはライブハウスを借りることができるといった具合であったという[14]。プロを目指す、というわけではなく、ただ楽しく続けていた[14]。演奏そのものが「楽しい」というのもあったが、演奏をすることで、自分もバンドのメンバーも客も、「みんな一緒に楽しんでいる」というライブの雰囲気が好きだった[14]。しかし、バンド活動をしている友人の中には、折笠よりはるかに演奏が上手い人物たちが多数おり、圧倒されてはいた[14]。音楽仲間の中には、留学した人物や、実家の寺を継ぐと言っていた人物、音楽系に進んだ人物もいたが、役者はいなかった[14]。しかし、大半の人物は大学進学を希望していたと語る[14]。このことを「あの時友達が軽音部に誘ってくれなかったら、今の私はなかったかもしれません」と回想している[13]

中学、高校は女子校で[11]、軽音楽部でキーボードを担当、また生徒会副会長を務めた[15]母子家庭で育ち、女手一つで姉妹を育てた母を見ていたため、大学への進学は考えていなかったという[14]。「エレクトーンのブライダルプレイヤーになろうかと思ったが、『音楽じゃない別の形の表現』を」と思っていた[16]

高校時代は、友人とたくさん話をしており、部活をしていない時は、学校の屋上にあった談話室で話をしていたと言ってもいいくらいであったという[14]

キャリア

女優として

音楽の道に進むか迷っていた時に、三宅裕司主催の劇団スーパー・エキセントリック・シアター(以下SET)の募集を見かけて、「表現を学べる場」に進もうと高校2年生の頃にオーディションを受けて合格する[14][17][18]。当時は親には内緒でオーディションに応募していたという[13]。役者の世界は未知の世界であったが、「怖い」という感覚は全くなく、そこに進んでいくことが楽しくて仕方なかった[14]。研究生として1年間学んだ後、卒業公演があり、そこで劇団員になれるかどうかの査定の時も「落ちても受かってもどちらでも」という気持ちであった[14]。「落ちたとしてもまだ若いし、まだまだ勉強しなさいということだ」と思っていたため、「先がない」とは感じていなかった[14]。家族に「劇団のオーディションを受ける」と伝えていた時は「人前が苦手なんじゃないの?」と驚かれていた[14]。しかし、自分自身で道を切り開こうとしている折笠を応援してくれたという[14]。研修生オーディションを受けた中では、折笠は最年少で周囲は大人ばかりであった上に、「体を動かせる服装で来てください」と言われて、「レオタードのお姉さん達がいる中で自分だけは学校指定のジャージのような状況だった」と振り返っている[17]。特技披露も切り札がなかったので、「とりあえず歌います」と学園祭ソロを披露した事もあった『星に願いを』を英語で歌ったという[17]。母は反対していた訳でなかったが、応援するというよりは無理だろうと思っていたようで、「こんなトロい子ができるわけない」と感じていたようで、何次にも渡るオーディションを受けて帰宅する度に、「ここまで来られたのだから、いいんじゃない」と慰められていたという[17]。しかし難関を突破してオーディションに合格、さらに研究生に昇格[17]。難関を通ったのは折笠が応募していた時期は、ちょうど三宅が「若い才能を見つけたい」と募集要項の年齢を下げたタイミングだったようで「偶然が好機になったからだ」と語り、オーディションに合格しても、自信はなかったが、逆に「何もないからこそ怖くなかった」という部分もあったかもしれないという[18]。当初は興味本位で応募していたオーディションであったが、一次、二次、三次と審査が進むにつれ、途中から自分がレールに乗ったような気持ちになり、「乗ったのなら走ろう!」と思っており、折笠は合格した時は、驚いていたという[18]。3年生からSETの第3期研究生として養成所に通う[18]。昼間は高校、夜は、友人が塾に行くような時に、折笠は養成所に通い、周囲が受験一色になっていく中、折笠は筋トレをしているような毎日であったという[18]。SET時代の同期に林希[19]那珂村たかこなどがいる[20][21][22][23]

レッスンに行ってみたところ、「こんなに体育会系なの?」と驚き、体力にも自信がなく、周囲からも「自転車乗れるの?」と言われてしまうくらい何もない、ゼロからのスタートであった[17]。SET研究生時代はジャズダンス、バレエ、タップダンス、歌唱、演技のそれぞれの基礎、それとバク転などアクロバットと殺陣のレッスンなどを毎日こなす日々で、拳立て伏せもしていた[17]。アクロバットでは体中痣だらけになり、次の日が殺陣の練習だったりしていたところ、筋肉痛できつかったという[13]。年中痣を作っていたため、何も知らない人物たちは、折笠を見て「何やってんだコイツ」と思っていたかもしれないという[13]。女子のため、「ここまででいいです」と多少は手加減してくれたが、そのお陰で精神と身体能力が鍛えられ、体育の成績が8から10に上がった[17]。1年間、昼間は学校に行き、夕方からSETのレッスンを受けるという毎日を続けていた[17]。両立は大変だったが、一緒に学ぶ仲間たちにも恵まれ、地方から上京してきた人物、演劇経験者、会社員などの演技経験のある人もない人も多数おり、刺激をたくさん受けていた[13][17]。個性も年齢も皆バラバラであったが、とても仲が良かった[18]。その中で、折笠は最年少であった[17]。同期には、折笠のように何もかも初めてという人物は、あまりいなかった[18]。バレエであれ、ダンスであれ、歌であれ、何かしら経験していた人物がほとんどで、それこそ「3歳からやっています」ような人物も少なくなかった[18]。運動神経も並で、全て未経験な分、劣等生になってしまったが、一度も「それで辞めたい」と思ったことはなかった[18]。日々色々吸収できる環境でチビッ子扱いされながらも、大人に混じり目標に向かって頑張ることがすごく楽しくて充実していたという[17]。一番印象に残っていたのは自動販売機が喋るというコントの授業だった[13]。折笠はその自販機を演じており、その時は段ボールをくり抜いてそこから顔だけ出していたが、楽しかったという[13]

高校卒業と同時に養成所の卒業公演の査定に合格し、1993年[24]にSETの劇団員として所属する[18]。その時、折笠たちは、卒業公演で劇団の女優が脚本を書いてくれた作品を上演していたが、折笠がWキャストの主人公のうちのひとりに選ばれて思うようにできなく、いっぱいいっぱい泣いていた[18]。演出家の言っていることは理解できるが、表現できる術を持っていないことがジレンマであった[18]。少しでも吸収したく、Wキャストの自分と同じ役を演じている人物のことはもちろんだが、演じている他の人物のことをよく見るようにしていた[18]

高校の卒業式の次の日が卒業公演2日前だったため、卒業式は泣いてる暇もなく、慌ただしい状況で、式の余韻も、友人とのお別れもそこそこに、「また連絡するね!」という感じであった[18]。卒業公演で初めて『チケットぴあ』に折笠の名前が載っていたのを見て「私たちプロなんだ。お金をとるからには下手なことは出来ない」と今までにないくらいの身の引き締まる思いがしており、2003年のインタビューでもあの時の緊張感は忘れていないという[13]。その公演を無事に終えて、「やっと本当に卒業式を迎えた」という気がしていたという[18]。折笠は合格で、劇団員の合否発表が郵送で送られた時は驚いたものの、「ここからさらに高い階段が続いているのだろう」と覚悟はしていた[18]。母は折笠に「頑張らなきゃね」と気軽に言ってくれたが、内心は「うちの子にやっていけるかしら」ととても心配していたようであった[18]

入所した時には30名ほどいた同期も、1年間のレッスンを通して卒業時には25名まで減り、その中から折笠を含め4名が劇団員として合格した[18]。三宅と話をした時に「なぜ選んでいただけたのか」を聞いてみたところ、「キャラクター」がその理由であった[18]。折笠たち第3期は、わりと皆のんびりして、それぞれのキャラクターが濃く、折笠はその中にあっては目立たない、普通な感じであったが、「SETにいないキャラがやっと入ってきた」と言われたという[18]

初めての舞台公演は楽しく、一番最初のステージの時、本番前に舞台監督と、舞台袖で「初舞台なので、とても緊張しているんです」と話をしていた[18]。その時、「僕もね、この舞台は初めてだから緊張しているんだよ」と言ってくれた[18]。それで目が覚めて舞台は役者だけではなく、皆で作っているということを、肌で感じることができた瞬間であった[18]。劇団員だった頃、三宅裕司、小倉久寛岸谷五朗寺脇康文も在籍しており、第一線で活躍している俳優のすぐ近くにいられる、という恵まれた環境は財産だと感じていた[25]。1ヶ月公演があると、自分の出番以外はほとんど舞台袖におり、「何かを盗めてたら」と先輩の芝居を見ていた[25]。そういう人物たちに直接指導くれるということはほとんどなかったため、自分から吸収しようと思った[25]。目に見えないものだったことから、すぐにそれを活かして、というわけにはいかないが、「これは絶対に無駄なっことじゃない」と思っていた[25]。1ヶ月公演では、脚本は同じであったが、役者のテンション、体調で変化があるとそういうのを目の当たりにしていたことで、吸収できたものがあるように思った[25]。たとえば、役者が公演中に出演できなくなったらその代役が折笠ではなく先輩の女優だったとしても、そのセリフを覚えるということは「無駄にはならない」と思い、覚えたりしていた[25]。「この作品だったら自分はこの役だろう」という目線で脚本を読み、必ずチェックするようにしていたという[25]。テレビドラマの仕事もしたが、「もっと広いところで勝負してみよう」と3年間在籍したSETを退所[25]。当時は劇団員に昇格してすぐに役をくれるわけもなく、舞台、映像の仕事場で、その他大勢の役で雑に扱われるような、つらく苦しい経験もしており、「全然仕事がない、この先どうしよう?」とただ待つ日々に不安になっていた時期もあったという[17]。この3年間で、ただやみくもに緊張するのではなく、いい意味で緊張感に切り替えることができるようになった気がしていた[25]。その後は、研究生の時からだが、「芝居はみんなで作るものなのだ」と心から感じられるようになったことも、大きな成長であった[25]。劇団員になった時に、「その感覚をいつまでも忘れずに活かしていこう」と思い、とにかく、いつでも周囲をよく見るようにしていたという[25]

研究生時代は高校生であり、忙しくてほとんどできなかったが、劇団員になってから社会人としての生活もあることから、たくさんアルバイトしていた[18]。稽古が佳境に入ってくると、深夜まで稽古ということもあり、残って自主練習などをしていたかったため、だんだん家に帰る時間もなくなってしまった[25]。結局、アルバイトをしながら風呂なし・共同トイレのアパートで生活し、ほとんどジャージで過ごしていたと語っている[25]。「むいていないな」とは、しょっちゅう思っていたが、与えてくれたチャンスであったことから、「ここで吸収できるものは吸収しよう」と思っていた[25]。その頃、手紙のやり取りをしていた友人がおり、飲み会の話だとお洒落の話を書いてくれたが、折笠はお金がなく、電車賃もなく、アパートと稽古場をジャージで住復するような生活で成人式にも出席できなかった[25]。しかし、「自分のやりたいことにチャレンジしているのだ」という気持ちが強かったため、「嫌だ」と感じていたこともなかった[25]。三宅がキャラクターで拾ってくれたという話を聞いた時に「お前みたいなヤツが、実は私、こんなに凄いことができます!というモノを持っていたら、客はすごく感動するよ」と言われたため、必死にバク転の練習をしていた[25]。18、19、20歳ぐらいの時は、稽古が終わりアルバイトに行き、深夜1時ぐらいにアルバイトを終えてから稽古場に戻り、ひとりで練習していた[25]

フリーで小劇場、映像の仕事をしながらオーディションを受けていた[17][25]。そんな中、大河ドラマの『徳川慶喜』のゆき役で、1年間出演[25][26][27]。舞台は知り合いのツテでいい役も演じてたが、映像は仕事自体も少なく仕事をもらっても「女A」というセリフ一言の端役、エキストラであり、「セリフをもっとしゃべりたい!」という思いが強く声優の仕事にたどり着いた時はまっすぐな強い願いが届いた感じだったという[17]

劇団退団後もどのように仕事をつかめばよいか不安であった[17]。やりたいが、その行き場がない悲しさもあり、不安で、「このまま辞めるべきなのか」とも思ったという[28]。数が少くなくても、仕事で演技ができる場を与えられた時に、とても「楽しい」と感じていたことから辞めないで続けることができた[28]。演じることが好きなんだといい、仕事がない時代を経験していたからこそ、仕事のありがたみをより感じることができたのだと語る[28]。劇団を退団していなかったら、いつまでも芝居、芝居小屋の空気の中にいる状態だったため、そのありがたみを気付くことができなかったかもしれないという[28]

その頃は「この余裕ある時間は勉強の時間」と考えていたが、舞台を観に行くお金もなかったため、テレビを観ていた[17]。当時は映像演技にも興味があったため、その時流行していたドラマ、人気女優の芝居を録画して、何度も巻き戻したりしながらひたすら研究していた[17]

「もうダメだな」といったことは全く思わず、ダメも何も芽も出ていなかったことから、そのような発想にはならなかったという[17]。演じたい気持ちだけが強くあったため、怖いもの知らずだったと語る[17]

声優として

SETの研究生時代の卒業公演でダブルキャストだった女優が、劇団ヘロヘロQカムパニーの旗揚げメンバーだった縁で、座長の関智一長沢美樹と知り合った[17]。後に、関から当時、マネージャーを務めていた現・アトミックモンキーの社長の人物を紹介され、声の仕事を始める[17]。声の仕事は、最初に少しゲームに出演していたが、その時は「声優になる」という気持ちが固まっていなかった[17]

声優としてのデビューは1999年テレビアニメGTO』のヒロインの冬月あずさ役である[2]。その時はマネージャーから「とりあえず挑戦してみよう」と言われて、『GTO』のオーディションを受けたという[17]

制作スタッフ達は「折笠さんのもつ芝居の空気感が今までの声優とはちょっと違うことが面白いから」と選んでくれたという[8]。この役に抜擢された時に折笠はすでにドラマ版の『GTO』を見ていたので、ドラマ版『GTO』で冬月あずさ役を演じていた「松嶋菜々子みたいだ」と、姉がかなり喜んだという[27]

初めて声の仕事をした時はとても楽しかったが、1日に2本以上仕事が入ると、切り替えができなく大変であった[28]。映像にしろ舞台にしろ、1日で複数の作品に関わることはそうそうなかったため、「映像の仕事なら1日中、舞台だったら1ヶ月以上の芝居のことしか考えない」という世界にいたため、最初の頃は午前中の仕事の役に、午後の仕事が引きずられたりしていた[28]

声優デビューした頃は「アウェー感」が強かったといい、それまで前述のとおり、舞台、映像の仕事はしていたが、声優としては初心者だった[8]。当時は現場のことは無知で、アフレコ用に書かれていた台本すら初めて見るような状況だった[17]。カット割りを理解して絵をチェックするのも、アドリブの息だけで感情を表現するのも初めてであり、かなり戸惑っていた[8]

最初の収録日までに時間があったため、山寺宏一主演アニメの収録現場を見学して、学ばせており、『GTO』では、声優の道に入るきっかけをくれた関智一との共演もあり心強かった[8]。周囲のレギュラーの皆に、台本チェックの仕方など技術的なことを実践を通して教わり、支えてくれた[8]。そのおかげで、自分の進む先のほうが重要だったことから仕事に対し、役に対し、真っすぐに誠実でいるあり方をいつも考えていたという[8]。ビッグタイトルのヒロインでデビューしたということで、注目をされ、たくさんのチャンスをもらう機会に恵まれたり、役者仲間の励ましもあったが、ライバルからの妬みもそれなりにあったという[8]

その後、様々なアニメゲームに声を当てていった他、歌手としても活動している。

歌手として

歌の仕事を貰った時に、単純に「チャンスを頂けた」という嬉しさもあったが、バンドをしていた頃に「自分に音楽は無理だ」とちょっとしたプチ挫折をしていた[28]。ここまで色々なことにチャレンジしてきて、声優という仕事にたどり着いたうえでくれたチャンスのため、「演じることと切り離して考えたくない」という思いもあった[28]。2009年時点では「今の自分に音楽という場を与えられて、どんな表現ができるのだろう」といつも考えている[28]。「役」というキャラクターを「与えられたら、自分のエネルギーを注いでそのキャラクターを立たせてあげたい」という感じであった[28]。キャラクターソングを歌っている時の方が、迷いなく歌えるという[28]

所属歴

アイビィーカンパニー[10]東京俳優生活協同組合1999年[24] - 2007年2月28日[29])を経て、アトミックモンキー(2007年3月1日[29] - )に所属。

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人物

要約
視点

前述の通り当初は何もわからずただ純粋に「セリフがしゃべりたい」という気持ちから始まったため、この世界で長く続ける秘訣があるなら「こっちが聞きたい!」と語る[30]。前述の通り声優として活動するようになった経緯も特殊であり、色々なご縁が運んでくれたといい、2017年時点では「ここまで来られた」と感謝しているという[30]

ご縁に恵まれた時に、自分がそのご縁にすべて応えられてきたかどうかはわからないが、常にその時の自分の精一杯を出してやってきたという[30]。そのおかげで、一緒に仕事をしていた監督やスタッフから「また一緒に仕事したいので頑張ります」と言われたり、過去の作品を観て「一緒にお仕事したかったんです」と言ってくれる若いスタッフに出会えたり、演技を信頼してくれる人物がいてくれて、2017年時点の折笠があると思っているという[30]

声優デビューした頃と比べると、2017年時点でははやりの移り変わりのスピードが速く、芝居以外の部分で声優に求められることがすごく多くなっていると感じていた[30]。もし折笠が2017年時点の今の時代に20代でデビューすることになっていたら、「埋もれてしまうかもしれないくらい、後輩の子たちは本当に器用ですごい」といい、そんななかで続く人物というのは「これが大事」というものを「しっかりもっている人なのではないか」と語る[30]

「役者として表現すること」が一番大事であると考えており、20代の頃はアイドルやタレント的なことを求められた時期もあったが、周囲のスタッフには「そういう活動をするより、その時間で1本でも多く演じてたいです」としつこいほど訴えていたという[30]。逆にタレント的な活動をしていたらもっと知名度が上がっていたかもしれないが、折笠の生き方だという[30]。たとえば若手声優でタレント的な活動もしているなか、「合間にアフレコやります」というスタンスをとる人物を怒る人物もいるが、その本人が「いちばんやりたいこと」をきっちり貫くのであれば、「今の時代、いろんな声優がいていいのでは」と語る[30]

先輩を見ていると、頭で作りあげる技術以上の役作りを感じている[30]。その人物の生き方が役の声に乗っているような気がしており、日々の生活の中で自身の心を育むことも、「とても大事なのではないか」と語る[30]

通ってた渋谷区の小学校は2005年時点では廃校となり、看護学校になっている[31]

2006年11月08日付けのブログによると、折笠の学生時代の同級生は学校の教師をしており、その同級生の教え子だった声優と折笠は、ある作品で共演していたこともある[32]。その声優がその同級生のことを教えてくれたことから、その同級生に再会できたという[32]

[33][34][35][36][37]も女子校に通っていた[14]

趣味・嗜好

特技はエレクトーンタップジャズダンス[4]

劇団時代は先輩方についていくため、必死に身体を鍛えており、2009年06月15日付けのブログによると、マッサージをしてもらった時、「内側に筋肉がしっかりありますね。以前運動されてたんですか?」と聞かれたことがあったという[38]

好きな言葉は「言葉で正義を語るより笑ってみる」[39]

特色

声種ソプラノ[24]

少女、大人の女性役などさまざまなタイプのキャラクターの声を演じている[26]

声の仕事は、演じる上では、絵に自分が入り込んでしまう感覚でしている[28]。スタジオでは、いつも視界に端に隣で芝居をしている人物の空気を感じながら演じるようにしているという[28]

2017年時点では「こんな役がやりたい」というよりも、「託された役に対してどれだけ高いクオリティで応えられるか」が折笠のテーマだという[30]。「予想以上!」と言われるくらいのレベルに上がっていきたく、役者にとっては永遠のテーマで、デビューの時から変わらない課題だが、そこに「量より質」という思いがさらに強くなっているという[30]

出演作について

『ヴァンドレッド』のメイア・ギズボーン役を演じていた時は、髪の色が青いキャラクターを演じるのも初めてで、アニメイベントに初めて出演したのがこの作品であった[8]。アニメファンがどういう雰囲気なのかもわからなかったことから、「クールなキャラクターと自分のギャップに驚かれてしまうかも」とドキドキしていた[8]。イベントではトークや生アフレコをしていたが、共演者の皆が盛り上げてくれたり、初めてファンの皆に直接感謝を伝えることがとても嬉しかったという[8]

劇場版アニメ『千年女優』の主人公、少女時代の藤原千代子役は深く印象に残っていた[8]。オーディションの前に見せてくれた映像が物凄く綺麗で、作品の世界観に思わず見入ってしまった[27]。アフレコしていた時期は、声優の仕事を始めて1年もたっていない頃での大抜擢で、周囲も大御所ばかりで、必死で演じていた[8]。千代子役は特に、ひたむきに駆け抜けるようなキャラクターのため、演じる自分と役がシンクロしており、かつての折笠が持っていた映画に出演してみたい夢を役の上で色々映画で演じており、「夢が叶った」という喜びもあったという[8]

新人の頃、『ポケットモンスター』に出演していた際、初めて大谷育江ピカチュウの演技を間近で観ていた時、その表現力の数々に「鳴き声だけで怒ったり喜んだりしていることがきちんと伝わるのはすごいな」と感動していた[30]。「いつかあんな役をやってみたい」と思っていたところ、Webアニメ『ポケモンジェネレーションズ』でピカチュウ役を演じることとなった[30]。大谷のピカチュウとは全く違うピカチュウを求められて、「私が別のピカチュウの表現を作るんですか!?」とプレッシャーで胃がキリキリし前日は眠れなかった[30]。関係者からは好評価だったが、自身はまだまだ反省ばかりであると語っている[30]。歴史があるタイトルに呼ばれるとプレッシャーが大きいが、「折笠にやらせてみよう」と信頼して託してくれることが新しいチャレンジになり、結果的に引き出しが増えて、2017年時点で色々な役を受けることに繋がっている気がしていたという[30]

プリキュアシリーズ』は、初代の頃から何度となくオーディションに参加しているが、年齢とキャリアを重ねてきて「もう難しいのかもしれない」と心の中では希望と諦めが混ざり合っていた[30]。その時に『スイートプリキュア♪』の南野奏 / キュアリズム役[17]に抜擢され、喜びは大きかったという[30]

交友・対人関係

かかずゆみを部長[40]とする「着物部」に所属しており、イベントには連れだって和装で参加する事がある[41]。なお、かかずゆみ・豊口めぐみとは演劇ユニット「R*L(ラフラフ)」を結成している[42]

テレビアニメ『苺ましまろ』のメインキャラクターを演じた5人(本人・生天目仁美川澄綾子千葉紗子能登麻美子)とで「ましまろ会」なる親睦会をしている。

憧れている先輩は、『ヴァンドレッド』、『明日のナージャ』などで共演していた京田尚子を挙げている[30]

歌舞伎役者、俳優の中村勘三郎を尊敬している[43][44]。あまり芸能人にミーハーにならないが、舞台の上の役者を観て、人の「色気」に、目がハートになるほど魅了されて、ドキドキしたのは中村が初めてだった[43][44]。「好みの芸能人のタイプは?」と時々聞かれていると中村と答えては「息子さんじゃなくて?へぇ渋好みだね」と言われたりしているという[44]

劇場版アニメ『千年女優』の監督だった今敏[45][46]を尊敬している[47]。折笠が最後に今に会った時は、楽しそうに次回作の話をしており、「また一緒にお仕事しようね」とも言っていた[47]。折笠は今の作品が好きなため、「成長してまたスタジオでお会いしたい」と、今の作品にまた出演することが人知れず目標でもあった[47]。2010年に今が死去[48]した時は、悲しく淋しい気持ちになったという[47]

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出演

要約
視点

太字はメインキャラクター。

テレビアニメ

1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
2021年
2022年
2023年
2024年
2025年

劇場アニメ

2001年
2002年
2003年
2004年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2021年
2022年
2023年
2024年

OVA

2000年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2015年
2016年
2018年
2020年

Webアニメ

ゲーム

1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
  • 共闘ことばRPG コトダマン(2020年 - 2022年、柳生九兵衛、シェリー・ベルモンド、リザ・ホークアイ[172]
  • ぷよぷよ!!クエスト(女神アテナ / 城戸沙織[173]
  • 聖闘士星矢 ライジングコスモ(沙織[174]
  • BLEACH Soul Rising(朽木ルキア[175]
  • リトルウィッチアカデミア VR ほうき星に願いを(ロッテ・ヤンソン[176]
  • デモンズソウル(乙女アストラエア[177]
2021年
2022年
2023年
2024年
2025年

ドラマCD

吹き替え

担当女優

チョ・ヨジョン
ヴァネッサ・ハジェンズ

映画

ドラマ

アニメ

特撮

人形劇

テレビ番組

実写

舞台

  • D・Nプロデュース 「夏唄日記」
  • スイートプリキュア♪ ミュージカルショー(南野奏 / キュアリズム 役〈声の出演〉)
  • 作者をせかす六人の主人公たち(キャンディ 役)
  • AMUSE×PEOPLE PURPLE「ORANGE」(木村優子 役)
  • DC×激富「法螺〜a packof lies〜」(霞姫 役、お局 桔梗 役)
  • パパ・アイラブユー!(2015)

ラジオ

ナレーション・音声ガイド

その他コンテンツ

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ディスコグラフィ

シングル

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キャラクターソング等

2000年
2001年
2002年
2003年
  • ぷちぷり*ユーシィ オリジナル・サウンドトラック(ベス、1月24日、PICA-1262)
  • ストラトス・フォー キャラクターソングアルバム beyond the stratosphere(菊原香鈴、3月21日、COCX-32152)
    • 淋しいままで
  • ぷちぷり*ユーシィ Magic Square 2(ベス、11月7日、PICA-0023)
    • BY MYSELF
    • ともだちでライバル(ぷちぷりーず〈山本麻里安、松岡由貴、福井裕佳梨、川澄綾子、折笠富美子〉)
  • World's end キャラクターミニアルバム Never Ending Fantasia(セレス・アクエリアス、[6月6日]、MMCC-4042)
    • つぼみ
    • 魔法の風景(ルナ・パトラクシェ〈野川さくら〉、カーマイン・ロードナイト〈千葉紗子〉、ネロ・ベルーティノ〈清水愛〉、セレス・アクエリアス〈折笠富美子〉)
  • 金色のガッシュベル!! キャラクターソングシリーズ LEVEL.2シェリー&ブラゴ(シェリー、6月25日、NECA-13037)
    • Destiny 〜あの日に帰ろう〜
    • 黒い叫び(シェリー〈折笠富美子〉&ブラゴ〈小嶋一成〉)
  • True Love Story Summer Days, and yet...プレキャラクターシリーズ Vol.6 向井弥子(向井弥子、7月2日、SCDC-00270)
    • Just a girl
  • 最終兵器彼女 Special Edition 地球(ほし)の果て(ちせ、7月2日、TOCX-2407)
    • 地球(ほし)の果て-Vocal Version
  • 宇宙のステルヴィア キャラクターソングアルバム 宇宙学園ステルヴィア校 大歌謡祭(藤沢やよい、7月24日、KICA-610)
    • 宇宙学園ステルヴィア校 校歌[予科生のみなさん(片瀬志麻〈野中藍〉、音山光太〈水島大宙〉、アリサ・グレンノース〈松岡由貴〉、藤沢やよい〈折笠富美子〉、栢山晶〈田中理恵〉、ピエール・タキダ〈上田祐司〉、ジョイ・ジョーンズ〈陶山章央〉、小田原大〈斎賀みつき〉、風祭りんな〈広橋涼〉)]
    • 君にめぐりあえたから(藤沢やよい〈折笠富美子〉&栢山晶〈田中理恵〉)
  • 明日のナージャ Music Boxシリーズ the Song arround the world(シルヴィー、7月24日、MJCG-80129)
  • 明日のナージャ 音的挿話シリーズその(1)「勝手にナージャ」(シルヴィー、10月22日、MJCG-80136)
    • ダンデライオンのテーマ(さようならver.)(ナージャ〈小清水亜美〉&ダンデライオン一座〈木内レイコ、折笠富美子、岸尾大輔、山崎たくみ、京田尚子、一条和矢〉)
  • True Love Story Summer Days, and yet... ボーカルコレクション(向井弥子、11月6日、SCDC-00296)
    • Just a girl
    • さよならのまがりかど(ショートバージョン)(楠瀬緋菜〈桑谷夏子〉、桐屋里未〈笹島かほる〉、篠坂唯子〈松来未祐〉、神谷菜由〈松岡由貴〉、有森瞳美〈かかずゆみ〉、向井弥子〈折笠富美子〉)
  • 真月譚 月姫 オリジナルサウンドトラック 1 Moonlit archives(12月10日、PICA-1293)
    • 輪廻の果てに…(ON AIR Ver.)
2004年
  • 王立温泉ルリルラCD!(イズルハ、1月21日、KICA-1323)
    • nameless songs(フィルハモニカ〈榎本温子〉、クロム〈かかずゆみ〉、イズルハ〈折笠富美子〉)
    • 歌えないうた
  • カレイドスター キャラクターヴォーカルアルバム 〜みんなの すごい キャラソン〜(マリオン、2月4日、KICA-629)
    • M&J(マリオン〈折笠富美子〉&ジョナサン〈小桜エツ子〉)
  • True Love Story Special Song Box(向井弥子、2月18日、SCDC-00334)
    • Just a girl
  • 金色のガッシュベル!! Collection of Golden Songs(シェリー、3月24日、NECA-30103)
    • Destiny 〜あの日に帰ろう〜
  • OVA[True Love Story Summer Days,and yet…」サウンドトラック
    • さよならのまがりかど(楠瀬緋菜〈桑谷夏子〉、桐屋里未〈笹島かほる〉、篠坂唯子〈松来未祐〉、神谷菜由〈松岡由貴〉、有森瞳美〈かかずゆみ〉、向井弥子〈折笠富美子〉)
  • シンフォニックレインボーカルアルバムRAINBOW(リセ、5月26日、KICA-642)
  • 恋風 サウンドトラック(éf、7月23日、GNCA-1013)
    • 恋風
  • 犬夜叉 紅蓮の蓬莱島 音楽篇(浅葱、12月22日、AVCA-22160)
    • 魂送りの歌
  • 金色のガッシュベル!! キャラクターソングデュエットシリーズ LEVEL.2(シェリー、12月22日、NECA-13041)
    • Faith(シェリー〈折笠富美子〉&ココ〈西村ちなみ〉)
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2016年
2017年
  • ここたまハッピ〜パラダイス! / うたおう♪ここったまーち!(ミシル、4月26日、LACM-14598)
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脚注

外部リンク

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