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ブギーポップは笑わない (アニメ)

2000年及び2019年に放送されたアニメシリーズ ウィキペディアから

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ブギーポップは笑わない』は、上遠野浩平による同名のライトノベルを原作とした日本のアニメ作品。

概要 ブギーポップシリーズ, ジャンル ...

本作では区別をつけるために2000年放送のアニメを「2000年版」、2019年放送のアニメを「2019年版」と便宜的に表記している。

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2000年版

要約
視点

2000年1月から3月まで『ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom』のタイトルで放送された。

登場人物

スタッフ

制作

原作の『ブギーポップは笑わない』および『夜明けのブギーポップ』の後日談を描いたオリジナルストーリー。同年公開の映画版とリンクするメディアミックス企画であり、原作の場面や台詞も登場するがその一部は映画版のそれに基づいている。また、オリジナルキャラクターとして、実体を持たないもう一人のブギーポップ(ブギーポップ・ファントム)が登場する。テレビアニメ版が外伝的なオリジナルストーリーとなった理由として、シリーズ構成の村井さだゆきは、原作がシリーズもののテレビアニメに向かない構成であることを挙げている[4]

原作と同様に各話の語り手が異なり、全ての話を見ることで事件の全体像が浮かび上がってくる構成となっているが、小説本編を読んでいないと内容をほとんど理解できない(『笑わない』の部分は映画版によって補われるはずだったが、公開が遅れたために構想が狂った)[4]。また、ほぼ全編を通して明度が抑えられた暗い色調の画面が続き、物語の通奏低音である登場人物の不安や憂鬱と相まって、サイコホラーを思わせる演出効果をもたらしている。後の製作者サイドのコメントによると、色調に関しては特に演出意図はなく、想定していた以上の暗さに製作者も意表を突かれたという[4]

主題歌

夕立ち
スガシカオによるオープニングテーマ。作詞・作曲・編曲はスガ自身による。実写映画版である『ブギーポップは笑わない Boogiepop and Others』の主題歌にも採用された。
未来世紀クラブ
杏子によるエンディングテーマ。作詞は杏子、作曲は杏子と馬場一嘉、編曲は未来世紀PROJECTによる。

評価

編集者・ゲームライターの石井ぜんじは2000年版について、原作小説が独特の作風となっていることから他のメディアへのアレンジが難しく、結果的にアニメ化は成功しなかったと評している[5]

各話リスト

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放送局

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DVD

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2019年版

要約
視点

2018年3月に開催されたイベント「電撃25周年記念 ゲームの電撃 感謝祭2018 featuring 電撃文庫」にて2度目のアニメ化となる新作『ブギーポップは笑わない』のテレビアニメ化が発表され[9]、2019年1月から3月までAT-XTOKYO MXほかにて放送された[10]。外伝的な前アニメ版の違いとして、代表的なエピソードを映像化する(下記の企画を参照)[11]。制作は同じくマッドハウスが担当するが、スタッフ・キャストは総じて異なる。

登場人物

スタッフ

制作

企画

本作のプロデューサーを務める田中翔は、高校生の時に作品に触れてから20年経つことに気づいたのが、本作を企画するきっかけになったとPASH!PLUSとのインタビューの中で述べている[13]。上遠野は、現状22巻ある中からどのエピソードを映像化するのかと、まず田中にたずねた[13]。その後、『笑わない』シリーズの1巻目からという話になり、最終的には代表的なエピソードを映像化するということに決まった[13]。なおレギュラー放送とは別にスペシャル枠を設け、そちらで第10~13話(約2時間分)を放送する(放送時間については後述)。

スタッフィング

2018年3月24日に、緒方剛志がスタッフ一覧に「原作イラスト」として名を連ねたことを初めて知り、一度も連絡がなかったことをTwitter上で告白[14]。KADOKAWAによる社内調査の結果、各設定はマッドハウスがKADOKAWAの正式な承認を受けて進めたものの、情報伝達のミスで緒方に対して設定素材の一部しか確認に回っていなかったことが発覚した[15]。同年5月、KADOKAWAはアニメ公式サイト上で情報伝達にミスがあったことを謝罪し、4月中に緒方とKADOKAWAの間で著作物使用に関する確認と承認のフロー見直しが行われたこと、緒方が原作イラストレーターとしてプロジェクトに携わることを発表した[15]

演出

アニメ化にあたり、自分の知らないところで起きるであろう、思いもよらない出来事をいかにして描くかということに重きが置かれた[13]

第1巻が発売されたのは1998年だが、シリーズでは当時の時代感などを元にしたエピソードがなく、古さを感じさせないことから、町並みなどが現代的にアレンジされた[13]。当初は視聴者が物語をわかりやすくするために特定の主人公を設ける話もあったが、それはもはや『ブギーポップ』ではないという指摘が上がったため、原作通り、複数の登場人物の視点から構成するスタイルがとられた[13]

第1話から第3話はシリーズ第1巻『ブギーポップは笑わない』を元にしているが、第1話は間のエピソードを飛ばしていきなり終盤の展開が出てくるという構成が取られた。また、監督の夏目真悟は恐怖感を演出するために、この一連の回における会話のテンポをあえて非常にゆっくりにした[16][17]。『VSイマジネーター』を元にした第4話から8話のうち、第4話から6話は登場人物や状況を描き、第7話以降からドラマとキャラクターの感情を一気に動かす手法がとられた。また、第7話で登場したライブハウスは新宿にあるライブハウス・ロフトをモデルとしている[11]

演技・キャスティング

夏目はキャストメンバーに対し、本作のイメージは誰が犯人なのか、何が悪いのかがわからないということであると説明した[17]。また、キャストと音響チームにしっかりと方向性を示して意図を共有してもらうために、第1話のアフレコまでに編集済みの映像が用意された[11]

宮下藤花 / ブギーポップ役には悠木碧が、霧間凪役には大西沙織がそれぞれオーディションで選ばれた[18]。悠木は、ブギーポップのキャラクターをよく読み込み、オーディションの時から際立っていたことが決め手となり、満場一致でブギーポップ役に選ばれた[13]。悠木は『キノの旅』のキノを演じたことがあり、一人称を同じくする点などからブギーポップに近いところがあると考え、オーディションではキノをもとにした演技を行ったところ、そこまで淡々としなくてよいという指示が出された[18]。さらに「ブギーポップは無表情だけど、もっと口上みたいに、朗々と歌い上げるような感じのほうが嘘っぽくて不気味な異世界感が出ていい。でもアンニュイな印象は残してほしい」という指示が出された[18]。悠木はその時の様子について「ただ、その指示をオーディション中に言われたときは、もはや何を言われているのかよくわからなくて超やぶれかぶれで「こんな感じだろう」と思ってやってみたんです。でも結果受かっていたので、「受かったんですか? 本当に?」と疑いました(笑)。」とナタリーとのインタビューの中で振り返っている[18]。アフレコの際、悠木がオーディションの時よりも抑えてブギーポップを演じたところ、歌い上げるよう指示が出された[18]。凪役の大西によると、音響監督から出された指示は「歌い上げる感じで、精神的には男の子っぽい感じもあっていいけど、あんまりそういう感じは出さないで」というものだったという[18]

悠木は第1話のセリフの文章量が最も多くて苦労したとナタリーとのインタビューの中で話しており、竹田役の小林千晃のフォローに助けられたと振り返っている[17]。のちに悠木はブギーポップの言い回しについて、「芝居がかったみたいな。ちょっと間合いが読めないというか、大衆に向けてしゃべっているかのように、個人に向けてしゃべるという特殊なことをしていて。そんなしゃべり方を想像して書いている人が世の中にいるんだと思うと、すごく面白いなと思いました。」とナタリーとのインタビューの中で振り返っている。また、悠木はアニメイトタイムズとのインタビューの中で、ブギーポップはテンプレート的な演技が通用しないキャラクターであると述べており、「伝え方が難しいんですが……色を混ぜるみたいなイメージなんです。(中略)どのくらいの濃度が良いのかな、みたいなことも考えながらお芝居をしました。」と振り返り、実態のつかみにくさがブギーポップの魅力であると話している[16]。一方で、悠木は藤花を演じる際なるべく普通の優等生を生身の人間のように演じるよう心掛けたと述べている[18]。悠木は宮下藤花 / ブギーポップ以外にも凪と末真(和子)のオーディションを受けており、その中で凪の演技は最後まで答えを見いだせなかったが、大西による凪の演技をみて答えが出たと複数のインタビューの中で述べている[17][16]。大西は最初、凪の口調につられる形でぶっきらぼうな少年を意識した演技をしていたが、「凪はそういう言葉遣いだけどちゃんとお姉さんっぽい、女の人らしさは出したい」という指示を受けた[17]。また、大西は一人の女子高生である凪は少し弱い面を見せるだろうと考えて演技することもあったが、もっと毅然とするようにという指示を受け、凪は自身が思い描いていたよりも芯の強い人物であることに気づかされたとナタリーとのインタビューの中で振り返っている[17]

竹田啓司役に起用された小林千晃は、まず高校3年生の自分を思い出しながら演技したところ子どもっぽくなりすぎてしまったため、今の自分のままで収録に臨んだと、先行上映会の中で振り返っている[19]

第1話~第3話に登場した百合原美奈子を演じた竹達彩奈について、悠木は狂気じみて笑う演技は見たことがなく新鮮だったと先行上映会の中で述べ[19]、竹達本人も後日自身のTwitterを通じて「百合原さんのように、欲に忠実で感情的な人を演じるのはとても楽しかったです。」と発言した[20]

広報

2018年8月の「電撃文庫 春の祭典2018」では、最初のプロモーションビデオが公開された[21]

2018年11月30日には第1話から第3話の映像をもとにした、2つめのプロモーションビデオが公開された[22]。また、2018年12月16日に角川シネマ新宿にて先行上映会が行われた。

主題歌

shadowgraph[23]

MYTH & ROIDによる第1話から第8話、第10話から第17話オープニングテーマ。作詞・作曲・編曲はMYTH & ROIDによる。
「Whiteout」[23]
安月名莉子による第1話から第8話、第10話から第17話エンディングテーマ。作詞・作曲はボンジュール鈴木、編曲は鈴木Daichi秀行による。
「Sayonara」
安月名莉子よる第9話エンディングテーマ。作詞・作曲はヒゲドライバー、編曲は篠崎あやとによる。
「See You, HeartBreakers」〈ENDING BGM〉
第18話エンディングテーマ。音楽は牛尾憲輔百石元による。

評価

あにぶ編集部のふきのとうは2019年版について、4つの章(「ブギーポップは笑わない」、「VSイマジネーター」、「夜明けのブギーポップ」、「オーバードライブ 歪曲王」)に分かれており、「ブギーポップは笑わない」が1番初めに放送されているが、作中時系列だと最も古いエピソードである「夜明けのブギーポップ」が放送の途中に組み込まれてるなど、シリーズ構成は凝ったものになっていると評している[24]

各話リスト

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放送局

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関連商品

BD / DVD

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書籍

  • 『TVシリーズシナリオ集 ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom I』2000年4月25日初版発行(4月10日発売[29])、ISBN 4-8402-1491-3
  • 『TVシリーズシナリオ集 ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom II』2000年6月25日初版発行(6月10日発売[30])、ISBN 4-8402-1536-7
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脚注

外部リンク

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