ホ長調(ホちょうちょう)は、西洋音楽における調のひとつで、ホ (E) 音を主音とする長調。調号はシャープ4箇所 (F, C, G, D)である。
音階と和音
赤マスは一般に臨時記号により表される。
コードネーム | E | F♯m | G♯m | A | B | C♯m | D♯m-5 | EM7 | F♯m7 | G♯m7 | AM7 | B7 | C♯m7 | D♯m7-5 | B9 |
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第9音 | C♯ | ||||||||||||||
第7音 | D♯ | E | F♯ | G♯ | A | B | C♯ | A | |||||||
第5音 | B | C♯ | D♯ | E | F♯ | G♯ | A | B | C♯ | D♯ | E | F♯ | G♯ | A | F♯ |
第3音 | G♯ | A | B | C♯ | D♯ | E | F♯ | G♯ | A | B | C♯ | D♯ | E | F♯ | D♯ |
根音 | E | F♯ | G♯ | A | B | C♯ | D♯ | E | F♯ | G♯ | A | B | C♯ | D♯ | B |
和音記号 | I | II | III | IV | V | VI | VII | I7 | II7 | III7 | IV7 | V7 | VI7 | VII7 | V9 |
和音は自然長音階で考えたもの。
その他のコードネームも実際の楽譜では異名同音的に変えられることがある。
特徴
ヴァイオリンでこの調は最高開放弦のE線を主音としており、響きが輝かしく同主調のホ短調同様、第1ポジションではF♯音を含むので他の弦からE弦に移る時、不自然に人差し指を動かす必要がなく演奏しやすい。そのためかヴァイオリン協奏曲の大家であるタルティーニやヴィオッティは好んでこの調で書いた。
C管トランペットの倍音列(第6倍音)に主音であるE音が含まれているためにフンメルのトランペット協奏曲などでもこの調が用いられる。
対位法が盛んだったバロック期に多い調性である。楽曲冒頭で主旋律に対して対旋律が属調の場合、ヴァイオリンでは響きが明るいホ長調と開放弦が少なく暗いロ長調となり、鍵盤楽器では当時主流であった中全音律系の調律の場合、主旋律のホ長調は主和音の響きが良く旋律は明瞭であるが対旋律のロ長調は主和音の響きが悪く旋律も不明瞭となり明暗の対比がはっきりと出るのでヘ短調同様この時代の楽曲の特徴を表しやすい調性といえる。
シャルパンティエはこの調について「騒々しく喧嘩のようである」と、マッテゾンは「絶望に満ちた、あるいは全く死ぬほどの悲しみを比類なくよく表現する。全く途方にくれ、希望のない恋愛上の事態に最も適している。」と述べている。
異名同音調はないが、臨時記号を使った変ヘ長調(調号を考えるならばダブルフラット1つ〈B〉とフラット6つ〈E, A, D, G, C, F〉)が、ショパンの幻想ポロネーズの途中で現れる。
ホ長調の曲の例
Category:ホ長調を参照。
関連項目
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