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マルチェン文字 (Unicodeのブロック)

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マルチェン文字(マルチェンもじ、英語: Marchen)は、Unicodeブロックの一つ。

概要 範囲, 面 ...

解説

チベットボン教において、一部のボン教文献で用いられている、現在は死語の、シナ・チベット語族に属するシャンシュン語英語版を表記するためのマルチェン文字を収録している。マルチェン文字は同地域でチベット語の表記にも用いられた。マルチェン文字は7世紀仏教がチベットに伝来する以前、チベット西部及び北部で栄えた古代シャンシュン王国に起源を持つとされているが、マルチェン文字で書かれた初期の文献は知られておらず、この文字ははるかに最近になって創製されたものであると考えられている[1]。現代のボン教文献や建築碑文では広く用いられており、最も古い例として知られているのは、中華人民共和国チベット自治区に位置するボン教寺院であるメンリ寺院英語版に所蔵されている青銅の印章に刻まれた碑文である[1]

シャンシュン語にはマルチェン文字の他に、マルチュン文字(Marchung)、プンチェン文字(Pungchen)、プンチュン文字(Pungchung)、ドルシャ文字[1](Drusha、或いはブルシャ文字(Brusha)[2])という4つの固有の文字体系が存在するが、これらは使用頻度が低いため現在Unicodeには未収録である。なお、2025年現在Roadmap上ではU+1E500~U+1E5CFの領域にこれらの文字体系が収録されることが検討されている[2]

マルチェン文字はブラーフミー文字(及びその派生文字体系であるチベット文字)から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字単独では暗黙の随伴母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。ラテン文字などと同様に左から右への横書き(左横書き)であり、単語毎に分かち書きをする。

加えて、アラビア文字タイ文字などと同様に独自の数字体系(マルチェン数字)を有している。

符号位置の順序はおおむね伝統的なマルチェン文字の順序に従っている。

Unicodeのバージョン9.0において初めて追加された。

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収録文字

要約
視点

ラテン文字転写」の列はブラーフミー系文字のラテン文字への翻字方式の一つであるISO 15919(及び一部はIAST)に従う。

さらに見る コード, 文字 ...
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小分類

このブロックの小分類は「約物」(Punctuation)、「字母」(Letters)、「下接文字」(Subjoined letters)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「各種記号」(Various signs)の5つとなっている[3]

約物(Punctuation

この小分類にはマルチェン文字で用いられる句読点などの約物類が収録されている。

字母(Letters

この小分類にはマルチェン文字のうち、基本的な字母が収録されている。

下接文字(Subjoined letters

この小分類にはマルチェン文字のうち、別の子音字の下に付く、子音クラスタにおいて別の子音字の後に発音される子音を表すための結合記号が収録されている。

従属母音記号(Dependent vowel signs

この小分類にはマルチェン文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。

各種記号(Various signs

この小分類にはマルチェン文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。

文字コード

マルチェン文字(Marchen)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
 0123456789ABCDEF
U+11C7x 𑱰 𑱱 𑱲 𑱳 𑱴 𑱵 𑱶 𑱷 𑱸 𑱹 𑱺 𑱻 𑱼 𑱽 𑱾 𑱿
U+11C8x 𑲀 𑲁 𑲂 𑲃 𑲄 𑲅 𑲆 𑲇 𑲈 𑲉 𑲊 𑲋 𑲌 𑲍 𑲎 𑲏
U+11C9x 𑲒 𑲓 𑲔 𑲕 𑲖 𑲗 𑲘 𑲙 𑲚 𑲛 𑲜 𑲝 𑲞 𑲟
U+11CAx 𑲠 𑲡 𑲢 𑲣 𑲤 𑲥 𑲦 𑲧 𑲩 𑲪 𑲫 𑲬 𑲭 𑲮 𑲯
U+11CBx 𑲰 𑲱 𑲲 𑲳 𑲴 𑲵 𑲶
注釈
1.^バージョン17.0時点

履歴

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

さらに見る バージョン, コードポイント ...

出典

関連項目

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