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初鹿野裕樹

日本の政治家 (1977-) ウィキペディアから

初鹿野裕樹
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初鹿野 裕樹(はじかの ひろき、1977年昭和52年〉7月6日 - [1])は、日本政治家警視庁警察官(最終階級:警部補[2])を経て、参政党所属の参議院議員(1期)に。元警視庁柔道指導者[3]

概要 生年月日, 出生地 ...

経歴

要約
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生い立ち

神奈川県横須賀市出身。学生時代は横浜市で過ごした。小学2年の時、兄の友人の影響で、地域の柔道教室に通い始めた[4]東金沢高校時代に全日本ジュニア柔道体重別選手権大会に出場し初戦敗退[5][6][4]

その後、東海大学に柔道推薦で進学し、柔道部に所属し66kg級であった[4]東京新聞によれば、全国大会(団体)で優勝した経験もあるほどの腕前とされる[4]。一方で、在学中、東海大学が全日本学生柔道優勝大会で優勝したのは、1年生の時だけだがその大会で初鹿野は一試合も出場できなかった[7][8][9][10][11]。優勝した東海大学は全日本選抜柔道団体選手権大会に進んだが初鹿野は一試合も出場できなかった[12]東京新聞によれば、4年間レギュラーを務めた[4]。一方で初鹿野は在学中、全日本学生柔道優勝大会に一試合も出場していない[7][13][14][15]。在学中、講道館の月次試合や秋季紅白試合には出場している[注釈 1]

警視庁

東海大学卒業後、警察官として警視庁に採用され、各署で柔道指導にあたったと報じられている[4]。指導者として活動する傍ら、自身も競技を継続しており、2010年の第7回日本マスターズ柔道大会では、男子73kg級(M1クラス)に出場し、3位に入賞している[20]

初鹿野は、自身の柔道経験について「トップレベルの選手と一緒にいられたのは人生の宝」と語っている[21]

2023年、葉山町議会議員選に無所属で立候補したが、当選には至らなかった[22][4]

参政党時代

2024年、第50回衆議院議員総選挙神奈川11区から参政党公認で立候補したが、落選した[23]。参政党を選んだ理由については、少年時代から日本の歴史に強い関心があり、同党の伝統文化を重視する理念に共感したためだとしている[21]

2025年、第27回参議院議員通常選挙神奈川県選挙区から参政党公認で立候補し、党の急速な支持拡大を背景に初当選した[24]。4議席目をめぐり公明党現職の佐々木さやかと激しく競り合い、21日午前4時過ぎに当選確実と報じられた[25][4]。最終的な票差は約5千票だった[26]。立候補時は三浦市に在住している[27]

11月25日、参院総務委員会で就任後初めて質問に立ち、郵政再公営化や郵便事業の人手不足、交流サイト(SNS)の誤情報対策、政治資金収支報告書のオンライン提出義務化などを取り上げた[28]

12月2日には、参院総務委員会でNHKの番組編成について質問し、教養番組の比率が娯楽番組に比べて相対的に小さい点を課題として指摘したと報じられている[29]

12月16日の参議院総務委員会において、全国の自治体で働く公務員の非正規雇用問題を取り上げた。初鹿野は、国が想定する標準的自治体を基に職員数や人件費を見込んで算定される地方交付税の仕組みや、経常収支比率を重視する自治体の財政運営が、正規職員数や人件費の抑制につながってきたとの認識を示し、制度の見直しを提言した。これに対し林芳正総務大臣は、地方交付税の算定や経常収支比率は各地方公共団体の職員配置に対して中立的であると反論し、2016年度以降、地方公共団体の普通会計における職員数はおおむね増加傾向にあるとして、これらの制度が職員確保に影響していないとの見解を示した。初鹿野は再度、「現実に今の制度では正規職員を増やすことが財政的な負担として受け止められやすい」と指摘した[30]

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政策・主張

2025年時点で、選挙情報サイト「選挙ドットコム」に掲載されている自身の「政治家情報」ページにおいて、次のような主張を掲げている[PR 1]

外交・安全保障

  • 外資系企業による企業や国土の買収規制を強化する。
  • 警察・消防・海上保安庁・自衛隊の待遇を改善し、給与を引き上げる。

社会保障

税制

教育・文化

批判

要約
視点

選挙公約を当選後に撤回

初鹿野は、2025年の参議院議員通常選挙に向けて、Xなどで「自身が当選したら議員歳費(給与)を返納する」と繰り返し表明していた[注釈 2][32][33]

私は普段から政治と金の問題を非難しているので、当選の暁には議員歳費は返納予定です(2025年1月4日、Xにて)

【議員歳費(給与)を返納します】幼い頃、政治家は人間のクズだと思っていた。「政治と金の問題」いつになったら解決するのか? 私が国会議員になった暁には「国会議員歳費・旅費及び手当等に関する法律」を改正し、歳費(給与)を返納します。お金のために議員を目指すのではない証として(2025年1月30日、Xにて)

しかし、2025年7月の選挙で当選・就任した後は歳費返納への言及が見られず、X上で批判の声が高まった[32][33]

同年9月、雑誌『女性自身』の取材に対し、初鹿野は「歳費返納については『もし法改正がされた場合には返納する』という趣旨で発信した」「現行制度では歳費の返納はできない」「直ちに歳費返納をすると受け取られたのであればお詫びする」「所属政党の方針を確認せずに投稿したのは不適切であり、歳費返納の意向はいったん取り下げたい」などと説明し、公約を撤回した[32][33]

この問題をめぐって、党代表の神谷宗幣はXで「歳費返納は党全体で議論すべきで、一候補者が勝手に宣言できるものではない」と述べ、新人議員への指導不足を謝罪した[33][34][35]。さらに神谷は「勝手な解釈をしたことを猛省すべき」と苦言を呈したが[35][34]、一部記者からは「歳費返納を支持して投票した有権者もいる中、注意だけで済ませるのは不誠実」との指摘もあった[34]

南京事件の存在を否定

2025年6月18日、Xで「捏造された南京事件」「南京大虐殺が本当にあったと信じている人がまだいるのかと思うと残念でならない」「日本軍は『焼くな、犯すな、殺すな』の三戒を遵守した世界一紳士な軍隊」と投稿した[36][37]

その後、7月28日には「南京大虐殺は歴史的事実」と指摘する投稿に対し、「夢をみているのですか?」「当時の中国の警察庁長官は否定しました」と投稿した[37]

都留文科大学名誉教授の笠原十九司は、「推定される被害者数に幅はあるが、虐殺があったこと自体は学問的な定説であり[注釈 3]、日本政府も公式に認めている[注釈 4]」と述べ、初鹿野の発言を批判した[36][37]

また、2025年8月8日にYouTubeに公開された教育研究者・藤岡信勝との対談動画では、「南京事件は捏造」と発言し、南京市の人口推計や証拠写真の有無などを理由に南京事件を否定する主張を展開したと報じられている[39]。この動画では、隣にいた参政党代表の神谷宗幣も、初鹿野の発言にうなずきながら「もうすっかり日本軍の罪にされて」などと述べている[39]。これに対して現代史家の秦郁彦は、旧日本軍の戦闘詳報や日本側外交官の日記などの一次史料を挙げ、一定の規模の民間人虐殺があったことは否定できず、初鹿野らによる否定論は根拠に乏しいと批判している[39]

外国人への差別・捏造

第27回参議院議員通常選挙期間中、「日本人ファースト」をキャッチコピーに掲げ、街頭演説で「外国人は優遇されている」「生活保護は受給権がない外国人ばかり」など、事実に基づかない発言を繰り返した[40][41][42]。この発言については複数の報道機関がファクトチェックを行い、厚生労働省の公式データと異なり根拠が不明であると判定された[40][43][44]

また、文部科学省の博士後期課程の学生向け支援制度「次世代研究者挑戦的研究プログラム」 (SPRING) に関して、SNSで「中国人留学生には返済義務なしで1000万円の奨学金が支給されている[注釈 5]」「外国人優遇だ」といった書き込みがなされたことに関連して、初鹿野は、「外国人の留学生には1人1000万円、お金がもらえる」「行き過ぎた移民政策に反対」「外国人優遇から日本人ファーストへ」と主張した[46]。これに対して文科省は、SPRING制度は国籍の区別なく運用しており、外国人優遇の実態はないと否定した[47][注釈 6]

これらの発言に対し、街頭演説では差別に抗議する市民の声が上がり[43][49]、当落線上で競る他候補に戦略的投票を行う動きも見られた[50][51]神奈川新聞は、初鹿野の発言について、デマであり、判例や統計に照らして「ヘイトスピーチ」に該当するとする記事を掲載した[52][53]

これに対し初鹿野は、SNSなどで「偏向報道」と反論し[53]、自身の発言は客観的事実に基づく政治的主張であるとして抗議文をブログに掲載した[PR 2]

自由法曹団神奈川支部は、初鹿野の演説および抗議ブログ中の生活保護優遇などの主張について、根拠のない誤りでありヘイトスピーチに該当するとして抗議声明を発表[54][55]し、発言の撤回と在留外国人への謝罪を求めたが、初鹿野側からの回答はなかった[56]

神谷宗幣参政党代表も、初鹿野の発言が事実に基づいていないことを認めた上で、次のように述べている。

外国人の生活保護受給率が高いわけではないし、外国人犯罪も比率で言えば日本人と変わらない。新聞や政府の発表にあるデータに基づいて話すのはいいんだけど、ネットで見ただけのことを勝手に言う人がいる〔…〕。初鹿野さんにはめちゃめちゃ注意しています。何回も何回も注意して、SNSも10回以上消させてます〔…〕。今回も言いました。「あなたは既にイエローカードだからね」と〔…〕。〔初鹿野には〕本当に教育が必要だと思っています。ネットに転がっているグラフを持ってきて「ほら見ろ」みたいなことを書いていたことも何度もあったので、「初鹿野さん、間違ってるよ」って。裏取りもできないのになんでやるのって言ったら、自分で「僕ポンコツなんで」って言うから、「ほんとにポンコツだよ。党の公認候補だけでも重たいし、まして国会議員になるんだから、ちゃんとデータに基づいてやらないと。あなたのせいでみんな迷惑するよ」という注意はしています。

神谷宗幣参政党代表[57][58]

表現の自由や公職選挙法に詳しい杉山大介弁護士は、初鹿野の発言は、人種差別撤廃条約が定める「国籍や人種などを理由に、差別的な区別・排除・制限・優先を行うこと」に該当し、属性を理由にしたデマによる攻撃は正当化できず、明確なヘイトスピーチにあたると指摘している[59]

批判者を「非国民」と発言

2025年7月18日、川崎駅前での街頭演説において、反差別を訴えて集まった市民に対し「ああいうのは非国民ですから」「後ろでぎゃーぎゃーやっている人がいますけど、ああいうのはほんとに、非国民ですから、非国民」などと発言した[60][61][62]

「非国民」という言葉は戦時中に軍や国策に非協力的な人を非難する目的で使われた言葉であり、差別や言論統制につながったことから、不適切であるとして批判の声が上がった[63][64]。神谷宗幣参政党代表も「非国民という言葉は私はよくないと思います〔…〕初鹿野さんにお会いしたらしっかりと注意をしたい」と述べ、初鹿野の発言に苦言を呈した[63][64]

初鹿野は、18日に神奈川新聞の記者から発言の理由を問われて「辞書で調べればわかる」と答え[64]、同月21日の取材では「殉職者をばかと言う人は非国民じゃないですか」と述べたが、「殉職者」が何を指すかは明らかにしなかった[65]。また、16日には、抗議活動を行う市民に対して「犯罪」であると述べ、支援者に110番通報を呼びかけた[65][66]。7月3日の公示第一声では「左翼思想は日本から出ていけばいい」と発言したことも報じられている[67]

同月27日、初鹿野はXに「非国民とは国民意識が低いという意味」と投稿したが、児玉晃一弁護士は「参政党の国民選別思想を正直に語った発言」と指摘した[68]新潟国際情報大学の吉澤文寿教授は「思想信条で人間を選別する非常に危険な思想」と指摘した[69]。編集者の早川タダノリは、「自分に批判的な人を『非国民』と言って排除する最悪の発言」と述べ、参政党の参院選スローガン「日本人ファースト」と同様に、「都合の良い人だけを日本人と見なし、それ以外を排除する発想に基づく」と指摘した[69]

石橋学を記者会見から排除

2025年7月22日、参政党は国会内で記者会見を開いたが、初鹿野に関する批判的報道を続けていた神奈川新聞の石橋学記者の出席を認めず、会場から退出させた[70][71][72]

石橋記者は選挙期間中、初鹿野の「外国人優遇」発言の誤りの指摘や「非国民」発言への批判的な報道などを行っていた[73][74][75]。参政党側は、当初「記者会見には事前登録が必要」として石橋記者を排除したものの、案内文に事前登録の記載はなく他の記者は登録なしで参加していたことが判明した[63][70][76]。その後、7月24日になり参政党は公式サイトで、石橋記者が「取材に名を借りた妨害行為に加担した」と主張し[77]、記者排除の理由を「会見で混乱が生じるおそれがあったため」と説明内容を変更した[78][79][80]。これに対し神奈川新聞は「事実に誤りがある」と反論し[81][82]、報道各社も「国民の知る権利を損なう行為」と批判した[83][73][79]

「共産党員による殺害」発言

2025年7月7日、第27回参議院議員通常選挙期間中、Xで「たくさんの仲間が共産党員により殺害され、殺害方法も残虐であり、いまだに恐怖心が拭えません」と投稿した[84][PR 3]

この発言に対し、日本共産党神奈川県委員会は謝罪と撤回を求める抗議文を送付したが、初鹿野から回答がなかったため、県委員会は名誉毀損および公職選挙法違反(虚偽事項公表)で刑事告訴した[84][85]。神奈川県警は8月12日付で告訴を受理した[86]

初鹿野は、白鳥事件などを挙げて「歴史の事実に基づいている。別に何ら臆することはない。(謝罪や撤回は)必要ない」と述べている[87][88]

これに対して日本共産党神奈川県委員会は、白鳥事件など1950年代に起きた事件について「党が分裂して混乱していた時期の話」であり、その後の党の統一過程で「武装路線は否定されている」と説明したうえで、「共産党がたくさんの警察官を殺害したという事実はない」と初鹿野の見解を否定している[84]

第27回参院選投開票4日前の日刊ゲンダイによる横領疑惑報道(係争中)

2025年7月16日、第27回参議院議員通常選挙の投開票日の4日前、日刊ゲンダイは、警視庁事情通とされる匿名の人物の証言に基づき、初鹿野の警視庁在職中の横領疑惑や退職理由について報じた[53][89]。これに対し参政党は同日、報道内容は事実に反するとして、記事の削除と謝罪記事の掲載を求める声明を公式サイトで公表した[PR 4]。同月20日には、初鹿野がSNSやブログで、退官時に警視総監から表彰を受けていたことなどに触れつつ、日刊ゲンダイの記事内容を否定した[PR 5][PR 6]。この件について、参政党は2025年9月8日の定例記者会見で、日刊ゲンダイに対し損害賠償請求および謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地方裁判所に提起したと説明し、初回の裁判期日が同年10月2日に設定されていると述べた[PR 7]。本件は現在係争中である[PR 7]

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人物

  • 柔道7段を取得し、2025年7月現在、8段を目指している[4]

選挙歴

さらに見る 当落, 選挙 ...

脚注

外部リンク

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