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土佐くろしお鉄道

高知県四万十市に本社を置く鉄道事業者 ウィキペディアから

土佐くろしお鉄道map
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土佐くろしお鉄道株式会社(とさくろしおてつどう、: Tosa Kuroshio Tetsudo Co.,Ltd.)は、高知県鉄道事業を行っている第三セクター方式の鉄道事業者である。本社は高知県四万十市中村駅に、登記上の本店は同県高知市高知県庁に構える。

概要 種類, 略称 ...
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概要

高知県と沿線自治体で株式の9割以上を保有する自治体主導の第三セクター鉄道会社である。国鉄再建法の施行により工事が凍結された日本鉄道建設公団建設線の宿毛線及び阿佐西線(阿佐線〈ごめん・なはり線〉として開業)を引き受けるために設立されたが、後に第3次特定地方交通線に指定された中村線の運営も引き受けることとなった。

沿革

  • 1986年昭和61年)
    • 2月8日:高知県が、阿佐・宿毛両線関係首長会議において、両線を一本化した第三セクターの設立について合意[3]
    • 5月8日:土佐くろしお鉄道株式会社設立(資本金4億4,000万円)[3]
    • 11月22日:第1回臨時株主総会を開催。日本国有鉄道(国鉄)中村線廃止転換後の運営引き受けを決定[3]
  • 1987年(昭和62年)
    • 2月5日:前年12月18日に申請していた宿毛線 宿毛 - 中村間の地方鉄道業免許が認可される[3][4]
    • 6月1日:資本金を5,900万円増資し、4億9,900万円とする[3]
    • 12月18日:同年12月3日に申請していた、中村線の第一種鉄道事業免許が認可される[3]
  • 1988年(昭和63年)
    • 1月28日:前年12月18日に申請していた、阿佐線 後免 - 奈半利間の第一種鉄道事業免許が認可される[3]
    • 4月1日:中村線 窪川 - 中村間開業[3][5]
  • 1989年平成元年)
    • 2月3日:中村駅旅行センターにて、旅行業事業開始[3]
    • 4月1日:消費税(税率3 %)導入に伴う運賃改定[3]
  • 1990年(平成2年)11月14日:自社発注による制御振子式特急形車両・2000系気動車が完成(4両)[3]
  • 1995年(平成7年)4月1日:運賃改定[3]
  • 1996年(平成8年)12月17日:列車集中制御所(中村駅制御所)運用開始[3]
  • 1997年(平成9年)
  • 1998年(平成10年)6月11日:中村線で立ち往生した列車に救援列車が追突する事故が発生。運輸省(現国土交通省)より警告書を出される。以後6月11日を「土佐くろしお鉄道 事故防止の日」に定め、毎年訓練を実施[7]
  • 2000年(平成12年)11月1日:運賃改定。通学定期旅客運賃および特別企画乗車券の割引率引き下げ[3]
  • 2002年(平成14年)7月1日:阿佐線(ごめん・なはり線)後免 - 奈半利間開業[3][8]
  • 2003年(平成15年)
    • 11月1日:nextstations、NPO砂浜美術館、大方町役場とのコラボ企画「ぶらぶら」実施[3]
    • 12月8日:中村線 荷稲駅 - 伊与喜駅間が土砂崩壊により不通に。
  • 2004年(平成16年)1月10日:中村線 荷稲駅 - 伊与喜駅間運転再開。
  • 2005年(平成17年)
  • 2006年(平成18年)
  • 2010年(平成22年)3月20日中村駅リノベーション工事完成(9月29日にグッドデザイン賞特別賞・中小企業庁長官賞、10月1日に国土交通省 日本鉄道賞 特別表彰 地方鉄道駅舎リノベーション賞を受賞)[3]
  • 2015年(平成27年)9月26日:この日中村駅で開催された中村駅まつりにて行われた投票により、中村線・宿毛線の愛称が「四万十くろしおライン」に決定[9]


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役員

社長

さらに見る 代数, 氏名 ...

路線

  • 四万十くろしおライン[9]
  • ごめん・なはり線
    • 阿佐線 : 後免 - 奈半利(42.7km・第一種鉄道事業)
      駅ナンバリングの頭文字は、愛称名の「ごめん・なはり線」(Gomen-Nahari)からGN

「四万十くろしおライン」(中村線・宿毛線)と「ごめん・なはり線」(阿佐線)は起点駅基準で約75 km 離れており、両線区を直通運転する定期列車は存在せず、車両の転属なども一切行われていない。両線で直通運転が行われた例は2002年のごめん・なはり線開業時に運行された団体専用列車と、2017年11月に宿毛線開業20周年とごめん・なはり線開業15周年を記念して運行された宿毛 - 奈半利間の直通列車の例がある[16][17][18]

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利用状況

年間の利用状況は以下の通り(全路線の合計)。

さらに見る 年度, 輸送人員(千人) ...
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車両

要約
視点

海岸沿いの区間が多いことから防錆対策として、全車両ともステンレス車体となっている。オールステンレス車両は車両価格が高価なため、第三セクター鉄道の気動車に採用される例は少なく、土佐くろしお鉄道以外では智頭急行HOT7000系)・伊勢鉄道井原鉄道阿佐海岸鉄道ASA-101・運用終了)・若桜鉄道WT3301)・えちごトキめき鉄道[23]のみとなっている。

車両は普通列車用も含めて全車がトイレつきである。

四万十くろしおライン(中村線・宿毛線)用

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土佐くろしお鉄道2700系2780(土讃線 襟野々-佐川間、2021年12月27日)
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土佐くろしお鉄道TKT-8000形8001 トンボ(中村駅、2010年5月27日)
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土佐くろしお鉄道TKT-8000形8021 宝くじ号(窪川駅、2007年9月2日)

現有車両

2700系

2020年に導入[24]。2両編成1本が在籍する。保守・管理は四国旅客鉄道(JR四国)に委託しており高知運転所に常駐する。

TKT-8000形

1988年(昭和63年)の中村線転換開業に際して5両、1997年(平成9年)宿毛線開業時に2両、その後1999年(平成11年)に1両が投入された気動車である[25][26][27]。開業時に投入された5両とそれ以外ではエンジンなどが異なり[28]、最初の5両では新潟鐵工所製6H13AS(DMF13HS) ディーゼルエンジンを183 kW(250 PS)に設定して、のちに製造された3両では新潟鐵工所製DMF13HZを242 kW(330 PS)に設定して採用した[29]。全車正面貫通式、両運転台、トイレあり[30]で、各車両に愛称がつけられている[25][26][27]。最後に製造された1両以外はセミクロスシート[30]、最後の1両はお座敷車としても使用できるイベント対応のロングシートである[31]2011年(平成23年)3月にイベント対応車を除く7両の外装が沿線自治体のラッピングに変更されている[32]

過去の車両

2000系

1990年にJR四国2000系が登場し、相互直通運転が開始されたことに伴い、車両使用料の調整のためにJR保有車とほぼ同一仕様で新製した車両である。JR四国車との差異は、車番の十位が3であることと、2030の運転台側に電気連結器が残存(JR保有車からは撤去)していることである。運用管理全般をJR四国に委託しており、高知運転所に所属していた。2000年にJR四国が土讃線に設定した「アンパンマン列車(ブルー)」が好評を博したため、翌2001年に土佐くろしお鉄道保有車4両にもラッピングを施し、「アンパンマン列車(ピンク)」とした。当初はJR四国車と共通で1両単位の運用を組んでいたが、「アンパンマン列車」となった後は全4両で1編成を組んだ編成単位の運用を行うようになった。なお、土讃線の「アンパンマン列車」は2009年9月頃にリニューアルされ、JR四国車が「グリーン」、土佐くろしお鉄道保有車が「オレンジ」になり、後述の通り引退するまでその姿で運用された。「アンパンマン列車」のラッピングがされる前は、全車の側窓下に土佐くろしお鉄道のロゴマークのステッカーが、先頭車側面(トイレ部分)に「国民休暇県高知」のマーク(高知県の地形に県鳥であるヤイロチョウのイラストが描かれたもの)が貼られていた。2700系によるアンパンマン列車の運行開始により、2020年7月18日の運転を最後にJR四国車の「グリーン」とともに引退した[33]

ごめん・なはり線(阿佐線)用

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土佐くろしお鉄道阿佐線用9640形9(土佐大津駅、2010年5月27日)
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土佐くろしお鉄道阿佐線用9640形2S(後免町駅、2010年5月27日)

現有車両

9640形

ごめん・なはり線開業に先立ち、2002年(平成14年)3月から製造された気動車である[34][35][36]。形式名「9640」は「くろしお」にちなんだものである[37]。同年3月に特別仕様車2両(9640-1S、2S)、一般車8両(9640-3 - 10)が製造[34]され、予備車確保のため2005年(平成17年)に1両(9640-11)が追加されている[38]第三セクター鉄道では製造者が準備した標準仕様に近いものを採用する事例が多かった[39]が、9640形は車体寸法、材質などが製造者の標準仕様と異なり、2002年(平成14年)製造の10両は5両ずつ富士重工業新潟鐵工所に発注されている[36][40][41]路線バス乗用車などの既存交通機関との対抗上JR四国高知駅への乗り入れは必須と判断され、JR四国1000形と連結運転可能な性能をもっている[42]。全車エンジンなどの走行装置は共通で、小松製作所製SA6D140-H-1ディーゼルエンジンを331 kW(450 PS)に設定して採用した[42][43][44]。全車21 m級のステンレス製車体、正面貫通式、両運転台、トイレあり[40][41][45]だが、特別仕様車2両(1S、2S)はをイメージした流線型の先頭部をもち[37]、海側をオープンデッキ式の通路とした構造で、座席は転換クロスシート、一般車(3 - 10)は通常の平妻の車体で車内は後免寄りがロングシート、奈半利寄りが転換クロスシート[41]、2005年(平成17年)製の1両(11)はお座敷車として使用可能で、平妻車体、車内はロングシートとなっている[37]。開業時から高知駅乗入、JR四国1000形との併結運転が行われているほか、2019年3月改正まで土讃線土佐山田駅まで乗り入れる運用にも使用されていた[41]。特別仕様車のうち1両(9640-2S)とお座敷対応の1両(9640-11)は日本宝くじ協会の助成を受けた宝くじ号 [41][46]で、9640-11には「手のひらを太陽に号」の愛称がつけられている[46]

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運賃

大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2019年10月1日改定[47][48]

四万十くろしおライン(中村線・宿毛線)
さらに見る キロ程, 運賃(円) ...
ごめん・なはり線(阿佐線)
さらに見る キロ程, 運賃(円) ...

阿佐線内で、隣り合う駅までの運賃は、上の表にかかわらず210円である。

身体障害者手帳療育手帳および精神障害者保健福祉手帳の提示により運賃が割引になる。

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料金

大人特急料金(小児半額・10円未満切り上げ)。2019年10月1日改定[47]。特急列車の普通車を利用の場合は乗車券・特急券が必要。

四万十くろしおライン(中村線・宿毛線)のみ
さらに見る キロ程, 指定席(円) ...

大人グリーン料金(小児同額)。2019年10月1日改定[47]。特急列車のグリーン車を利用の場合は乗車券・指定席特急券(この場合の料金は自由席特急券と同額)・グリーン券が必要。

四万十くろしおライン(中村線・宿毛線)のみ
全線均一840円。小児同額。
なお、2021年3月時点では、グリーン車を連結する列車は「あしずり」15号・2号(窪川 - 中村間)のみとなっている。

また、ごめん・なはり線には定期特急列車の設定はされていないが、観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」の乗り入れに伴う特急料金は、中村線・宿毛線と同様の設定の料金が適用される。

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脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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