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悉曇文字 (Unicodeのブロック)

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悉曇文字(しったんもじ、英語: Siddham)は、Unicodeブロックの一つ。

概要 範囲, 面 ...

解説

6世紀7世紀ごろにインドカシミール地方[1]で用いられていたシャーラダー文字仏教と共に東アジアに伝搬した際に形状が変化し、中国朝鮮を経て日本に伝来し空海最澄によって広められ、現在は専ら日本の仏教界(特に密教系の真言宗及び天台宗[1])においてサンスクリット語を表記するために用いられている悉曇文字(シッダマートリカ文字[2])を収録している。日本の仏教においては主に梵字と呼ばれている。

悉曇文字はいくつかのバリエーションがあり、特に朝鮮半島で用いられたものや、毛筆で書かれた「非公式」な書体では字形が異なっているが、主に日本において木筆と呼ばれる筆記具で書かれた「公式」な字形を代表的な字形としてUnicodeでは統合されている[1]

悉曇文字はブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字単独では暗黙の随伴母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。

書字方向については、基本的には他のブラーフミー系文字同様左から右への横書き(左横書き)だが、特に卒塔婆に印字される場合は音節ごとに縦書きで書かれる[1]。そのため、縦書きで書かれることのある非常に珍しい特徴を持ったブラーフミー系文字の一つである。

符号位置の順序はおおむねブラーフミー文字の順序に従っている。

Unicodeのバージョン7.0において初めて追加された。

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収録文字

要約
視点

ラテン文字転写」の列はブラーフミー系文字のラテン文字への翻字方式の一つであるISO 15919(及び一部はIAST)に従う。

さらに見る コード, 文字 ...
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小分類

要約
視点

このブロックの小分類は「独立母音字」(Independent vowels)、「子音字」(Consonants)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「各種記号」(Various signs)、「冒頭記号」(Head mark)、「約物」(Punctuation)、「繰り返し記号」(Repetition marks)、「末尾記号」(Terminal mark)、「節記号」(Section marks)、「異体字」(Alternate letters)、「母音記号の異体字」(Alternate vowel signs)の11個となっている[2]

独立母音字(Independent vowels

この小分類には悉曇文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。

子音字(Consonants

この小分類には悉曇文字のうち、基本的な子音字が収録されている。

従属母音記号(Dependent vowel signs

この小分類には悉曇文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。

日本語ではこれらの記号を摩多(また;サンスクリットのमात्रा mātrāに由来)と呼ぶ[1]

各種記号(Various signs

この小分類には悉曇文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。

冒頭記号(Head mark

この小分類には悉曇文字のうち、テキストの冒頭で祈りの言葉を表すために用いられる記号1つのみが収録されている。

約物(Punctuation

この小分類には悉曇文字で用いられる句読点などの約物類が収録されている。

繰り返し記号(Repetition marks

この小分類には悉曇文字のうち、直前の単語を2回繰り返して読むことを表す繰り返し記号が収録されている。

末尾記号(Terminal mark

この小分類には悉曇文字のうち、テキストの末尾を表す記号1つのみが収録されている。

節記号(Section marks

この小分類には悉曇文字のうち、節またはテキストの最後に書かれ[2]、節の境界を表す記号が収録されている。

異体字(Alternate letters

この小分類には悉曇文字のうち、日本において菩薩の名前を表すために用いられ表語文字のようにふるまう[3]、いくつかの独立母音字の異体字形が収録されている。

母音記号の異体字(Alternate vowel signs

この小分類には悉曇文字のうち、日本において菩薩の名前を表すために用いられ表語文字のようにふるまう[3]、いくつかの従属母音記号の異体字形が収録されている。

これらの代替母音記号は「warbler(小鳥)」形式であり、通常の母音記号は「cloud(雲)」形式である[2]

文字コード

悉曇文字(Siddham)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
 0123456789ABCDEF
U+1158x 𑖀 𑖁 𑖂 𑖃 𑖄 𑖅 𑖆 𑖇 𑖈 𑖉 𑖊 𑖋 𑖌 𑖍 𑖎 𑖏
U+1159x 𑖐 𑖑 𑖒 𑖓 𑖔 𑖕 𑖖 𑖗 𑖘 𑖙 𑖚 𑖛 𑖜 𑖝 𑖞 𑖟
U+115Ax 𑖠 𑖡 𑖢 𑖣 𑖤 𑖥 𑖦 𑖧 𑖨 𑖩 𑖪 𑖫 𑖬 𑖭 𑖮 𑖯
U+115Bx 𑖰 𑖱 𑖲 𑖳 𑖴 𑖵 𑖸 𑖹 𑖺 𑖻 𑖼 𑖽 𑖾 𑖿
U+115Cx 𑗀 𑗁 𑗂 𑗃 𑗄 𑗅 𑗆 𑗇 𑗈 𑗉 𑗊 𑗋 𑗌 𑗍 𑗎 𑗏
U+115Dx 𑗐 𑗑 𑗒 𑗓 𑗔 𑗕 𑗖 𑗗 𑗘 𑗙 𑗚 𑗛 𑗜 𑗝
U+115Ex
U+115Fx
注釈
1.^バージョン17.0時点
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履歴

要約
視点

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

さらに見る バージョン, コードポイント ...
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出典

関連項目

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