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探偵 神宮寺三郎シリーズ

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探偵 神宮寺三郎シリーズ (たんてい・じんぐうじ さぶろうシリーズ)は、データイーストおよびワークジャムより制作されているゲームソフト、及びそのシリーズ作品。ジャンルはアドベンチャーゲーム(発売元はこの2社を含めた他に数社あり。詳しくは別項参照)。

概要 探偵 神宮寺三郎, ジャンル ...

シリーズは1987年にデータイーストからファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフトとして発売された、第1作『探偵 神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件』から始まった。休眠期間を挟みつつも継続的にシリーズ作品が制作され、2017年に30周年を迎えた。キャラクター原案担当の寺田克也1998年のインタビューで第1作目の頃から「当時キャラクターがこれだけ立ったアドベンチャーゲームは存在しなかったので、いわゆる名探偵の小説シリーズみたいなカタチで続くような気はしていた」と語っている[1]。シリーズ販売累計本数は222万本に及ぶ(2007年5月時点)[2]

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シリーズ変遷

要約
視点

以下、制作された家庭用テレビゲーム機と重ねて記述する。

ファミコン時代

ファミコン初期に発売されたアドベンチャーゲームの中でも、本作は第1作目から独特のハードボイルドな作風を表現しており、グラフィックやサウンドを含め同ジャンルのゲームとは一線を画していた。また、異なる視点で物語が進行する「ザッピングシステム」の採用(第4作『時の過ぎゆくままに…』)や、特定のコマンドを実行するたびに時間が経過し、定められた期日までに事件を解決できないとゲームオーバーとなる「時間」の概念(第1作『新宿中央公園殺人事件』)など、当時としては先進的なゲームシステムも取り入れていた。

第4作『時の過ぎゆくままに…』を最後に本シリーズは暫くリリースを休む事になる。

1990年代

1996年に6年ぶりに第5作『未完のルポ』で復活。ゲーム機のメディアがCD-ROMへと移行するのに伴い、グラフィック・サウンドの向上やムービー・キャラクターボイスの挿入などの演出面が強化された。以降、数年間隔で『夢の終わりに』『灯火が消えぬ間に』『アーリーコレクション』が制作された。

1998年6月16日、都内でデータイーストが『神宮寺三郎』シリーズの誕生10周年記念キャンペーンの閉会と、新作ゲームとなる『探偵神宮寺三郎7』、『慟哭2』の制作発表会をかねたイベントを開催した。同社のゲーム音楽バンド、ゲーマデリックも登場。中心的出し物は、ゲーム内で神宮寺三郎が使う車のミニクーパーが当たる抽選会となり、イベントには多くの記者やファンが参加しており、大いに盛り上がった[3]

また、第5作『未完のルポ』からショートシナリオ作品「謎の事件簿」、第6作『夢の終わりに』からキャラクターファイルや作品概要が閲覧できる「PASS WORD」が登場し、以降のシリーズでも採用されている。特に「謎の事件簿」は、独立したシリーズとして後述のワークジャムから携帯電話アプリゲームが制作された。

2000年代

第7作『灯火が消えぬ間に』が発売された翌年の2000年、神宮寺シリーズを制作していたデータイーストが事実上倒産。同社の他のゲームシリーズと共にその歴史にピリオドを打つかと思われたが、ワークジャム2002年に本作の権利を取得。以降の本シリーズはPlayStation 2で2作品制作され、2004年からは携帯電話用アプリゲーム作品が配信されている[4]

コンシューマー作品としては、第9作『KIND OF BLUE』(PlayStation 2)以降は据え置きハードから離れ、第10作『白い影の少女』(ゲームボーイアドバンス)以降の作品は全て携帯ゲーム機からのリリースとなっている。また、2007年ニンテンドーDSでリリースされた第11作『いにしえの記憶』より発売業をアークシステムワークスに委託[5]、ニンテンドーDS作品3作とPlayStation Portable作品1作の計4作をリリースした。

2010年代

2010年、第15作『赤い蝶』をニンテンドーDSでリリース。2011年にワークジャムがソーシャル事業部門を売却したため、携帯アプリシリーズが配信終了となったが、2012年6月28日にシリーズ25周年記念タイトルとして第16作『復讐の輪舞』をニンテンドー3DSにてリリースした。その後、ワークジャムは解散し、版権はエクスプライズが一時的に所持した。

2017年2月6日、アークシステムワークスは、エクスプライズが所持していた本シリーズを含むワークジャムのタイトルの事業権利を2016年12月20日に譲受したこと、シリーズ30周年記念作品『GHOST OF THE DUSK』の発売、スマートフォンでの過去作品のリメイクを発表した[6]

2018年7月26日、神宮寺三郎新章と銘打って『ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ』の発売が決定したことを発表した。PS4、Nintendo Switch(12月13日)に加え、PC(Steam)でも販売(2019年7月5日)。

2019年7月18日、「探偵 神宮寺三郎 New Order」(iOS / Android)発表。価格はタイトルごとの買い切り型で960円(税込)。第一弾は「疑惑のエース」で7月31日に配信を開始(4章構成、1章無料)した。

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キャラクター

要約
視点

年齢は第9作『KIND OF BLUE』時のもの[7]。また内容は[8][9][10]も参考に記載。

神宮寺 三郎(じんぐうじ さぶろう)(32歳)
神宮寺探偵事務所所長。2月6日生まれ。血液型はAB。身長179cm、体重70kg。
好きなタバコマルボロ、好きなカミュ、好きなコーヒーカプチーノ、愛車はミニクーパー
国際企業神宮寺コンツェルン総帥である神宮寺晴彦の三男として生まれながら、跡を継ぐことを嫌い、大学卒業後に単身渡米しニューヨークで探偵の助手として、そのノウハウを学ぶ。
現在は御苑洋子とともに、新宿歌舞伎町で探偵事務所を開いている。
祖父の神宮寺京介は大正時代に活躍した、日本初の職業探偵だった。
かなりのヘビースモーカーで、マルボロを吸いながら考えをまとめるのが基本スタイル。
そのため全ての作品に「タバコを吸う」コマンドがあるのもシリーズの特徴だが、分煙化が進んだ近年では、作中においても吸えるシーンが減る傾向にある。
不器用で口数も少なめにして強面であり、初対面の者はとっつき難さを感じるが、徐々にその人間性に魅かれていく。
家族とは疎遠だが、企業を継いだ兄弟と電話で話す場面があり、仲は悪くない様子が見られる。
ボクシングの経験があり、作中でも格闘シーンが度々用意されている。そのためか体が異常にタフで、本編やセルフパロディ「謎の事件簿」では、タフさを茶化されることもある。
寺田克也は「顔が描きにくい」「つかみどころがない」「顔は難しい」とコメントしている[11]
御苑 洋子(みその ようこ)(26歳)
神宮寺探偵事務所ただ一人の助手。8月1日生まれ。血液型はA。身長167cm、体重不明
好きな紅茶フォートナム&メイソンのもの、好きな酒はシャンディ・ガフ、好きな化粧品ブランドはイプサ
大学在学中にアメリカに留学。神宮寺とは20歳の大学時代にニューヨークで起こった事件で知り合った。
英語フランス語スペイン語ドイツ語中国語など数ヶ国語[12]をマスターしている才媛であり、優れた事務能力や洞察力、直感力を持って神宮寺をサポートする。
作品毎に容姿が異なるが、その性格や人物像から設定年齢よりも上に見られやすい。
作中ではミステリアスな美人と評されることが多いが、神宮寺に負けず劣らずの頑固者と噂する者がいたり、第4作『時の過ぎ行くままに…』では一度激怒すると大の男も震え上がらせるなど、意外な側面も見せる。更に第7作『灯火が消えぬ間に』ではヤクザからも度胸と勘のよさを褒められている。
第7作『灯火が消えぬ間に』・第8作『Innocent Black』で、神宮寺の力になりたいあまり危険な任務・行動をしてしまい命の危機に晒されてしまう。
第8作『Innocent Black』のラストで事務所を解雇され[13]、第9作『KIND OF BLUE』の事件が解決した後で再び助手となる。
全シリーズに登場していながら各作品で顔や髪型が大きく異なっている。携帯ゲーム機や携帯アプリに移行しイラスト担当者が変わってからも、容姿は一定しない。
パロディである「謎の事件簿」では頭にアンテナを立てた暴走ロボとして事件をかき回す[14]。暴力的な性格も付け足され、推理を失敗すると神宮寺を投げ飛ばす。
寺田克也は「可もなく不可もなく、とりたてて好みじゃない女性。それだけに描くのがやっかい。」「もうひとつ感情を隠しているし。」とコメントしている[15]
熊野 参造(くまの さんぞう)(56歳)
新宿淀橋署警部で30年間捜査畑一筋のベテラン11月25日生まれ。血液型はO。身長170cm、体重87kg
好きな酒は電気ブラン、好きな食べ物はビフテキ、立ち食いソバ。
神宮寺とは親子ほども年齢が離れていながら、信頼感と友情で結ばれた間柄で、事件の際には互いに協力しあう事が多い。協力し合うようになったのは小説『邂逅の街』から。
新宿から犯罪を消し去ることを目標に刑事生活を送っており、時々不可能に近いその望みに落ち込む場面も見られる。
口癖に「ふもっ!」がある。
第1作『新宿中央公園殺人事件』から登場し、ファミコン版では髪が黒く描かれていたが、『未完のルポ』からは白髪に描かれている。
寺田克也は「一番悩まないで生まれてきた。」「描いてて楽しい」とコメントしている[15]
風林 豪造(ふうりん ごうぞう)(70歳)
関東明治組組長12月29日生まれ。血液型はO。
義理人情を重んじる関東明治組の大親分。麻薬拳銃を嫌い、組でもご法度としている。
第1作『新宿中央公園殺人事件』から登場し、組長として堂々とした風格を備え、組織をまとめ上げている。シリーズ初期は神宮寺の脅しに屈してしまうなど弱気な描写がなされていたが、作品を重ねるに連れて堂々とした大物感が強まる。
今泉 直久(いまいずみ なおひさ)(34歳)
関東明治組若頭6月13日生まれ。血液型はA。
風林組長の懐刀で、義理人情に篤く、カタギには迷惑を掛けない信条の関東明治組を象徴する人物。神宮寺との関係は基本的に良好で、ヤクザ絡みの事件でサポートをする事が多い。
「謎の事件簿」シリーズでは、少々茶目っ気を加味されつつも、殆ど性格の変化が見られない原作通りのキャラクターで登場する。
ゲーム内では第5作『未完のルポ』より登場するが、神宮寺とは小説『邂逅の街』にて初めて出会っている一方『勿忘草の想い』での8年前の回想の中にも初対面と思われる描写が存在している。
天沼 かすみ(あまぬま かすみ)(25歳)
第5作『未完のルポ』より登場。
神宮寺の行きつけである「バーかすみ」のオーナー3月28日生まれ。血液型はA。
大学生の頃に両親を交通事故で失い、それ以来、父親が経営していたバーを引き継いだ。しかし、本人は酒に弱く、ビール一口でも酩酊してしまう。
美人で料理の腕も良く、奥ゆかしい性格の良妻賢母タイプであり、神宮寺には客以上の想いを匂わせる描写がある。
天沼 まなみ(あまぬま まなみ)(22歳)
第5作『未完のルポ』より登場。
かすみので「バーかすみ」の店員。10月11日生まれ。血液型はO。
物腰の柔らかい姉とは対照的に活発な性格で、酒にも強いが、料理の腕は素人以下。
神宮寺の事で姉をからかうものの、本人も神宮寺を只の客として扱っていない。
小林 勇介(こばやし ゆうすけ)(50歳)
第5作『未完のルポ』より登場。
新宿淀橋署警部補3月10日生まれ。血液型はA。
熊野と同期で、体育大学出の根っからの体育会系。
自身の事を「俺様」と呼び、乱暴者と評されることもあるが、責任感が強く面倒見もよいため人望は厚い。
少年課に配属されていた経歴があり、その際に補導した人物の情報が神宮寺の捜査を助けることがある。
三好 志保(みよし しほ)(24歳)
第5作『未完のルポ』より登場。
新宿淀橋署鑑識官。12月24日生まれ。血液型はA。
ややマイペース気味で、署内でも変わり者と評されるが、鑑識の腕は超一流で、時折神宮寺の捜査の手助けをする。
製薬会社勤務を経て淀橋署に勤務した。専門は化学だが、音響工学情報処理などの他分野への知識も持つ。
『揺らめくひととせ』では幸村虎から「ミヨちゃん」と呼ばれている。
「謎の事件簿」では常識的な発言をしながらも、マッドサイエンティストのようなキャラクターが加味されている。
モデルはシリーズのグラフィック担当者。
前田 明宏(まえだ あきひろ)(39歳)
第5作『未完のルポ』より登場。
新宿ホームレスリーダー5月7日生まれ。血液型はAB。
大学の助教授だったという経歴を持つが、派閥争いに巻き込まれて資格を剥奪され、世捨て人となる。
新宿の裏社会の情報にも精通しており、神宮寺が彼を頼りにする場面は多い。長身でバンダナと無精ヒゲがトレードマーク
長岡 孝弘(ながおか たかひろ)(61歳)
第6作『夢の終わりに』より登場。
新宿中央公園を根城とするホームレス。10月30日生まれ。血液型はA。
愛称は「長さん」。勤めていた会社が倒産したことから、酒に溺れ妻子にも見放されホームレスとなる。
物忘れが激しく、度々顔を合わせる神宮寺のことを毎回覚えていない。趣味はキーホルダー集め。
烏浜 晃一郎(からすはま こういちろう)(37歳)
第7作『灯火が消えぬ間に』より登場。
新宿アルタ前交番に勤務する警察官1月1日生まれ。血液型はA。
強い正義感と生真面目さが身上だが、苗字を「トリハマ」と間違えられるといちいちそれを訂正しなくては気がすまない等、少々面倒くさい一面がある。

声優

第5作『未完のルポ』よりキャラクターボイスが挿入されるようになって以降、第9作『KIND OF BLUE』までは主要な登場人物に声が当てられている。GBA、DSの各作品にはボイスはないが、第14作『灰とダイヤモンド』と第16作『復讐の輪舞』にはムービーにボイスが当てられている。また、第6作『夢の終わりに』には、ドラマCDが特典として付属された。

※以下の表ではシリーズを通して登場する「御苑洋子」「熊野参造」の声優も記載した。

作中における年月の変化

第1作『新宿中央公園殺人事件』から第5作『未完のルポ』までは同年に起こった出来事であり、第6作『夢の終わりに』から第9作『KIND OF BLUE』までは作品ごとに数ヶ月 - 1年単位で経過しているが[16]、以降の作品での年月経過は不明であり、『いにしえの記憶』以降は説明書にキャラクターの年齢の表記がなくなった。

※以下の表は作品における登場キャラクター年齢の変化。(各作品の説明書より)

さらに見る 神宮寺三郎, 御苑洋子 ...

神宮寺と洋子の出会い

第6作『夢の終わりに』のオープニング場面で、神宮寺と洋子が初めて顔を合わせる事件。ニューヨークで神宮寺がダンのもとで探偵見習いをしていた時期のことである。麻薬中毒の犯人は恋人洋子を人質に取った。やむを得なく神宮寺は発砲するが、弾は外れ犯人は飛び降り自殺してしまう。その直後、神宮寺は洋子に「人殺し!!!」と罵られた。なお、神宮寺が犯人を射殺した訳ではなく、『夢の終わりに』本編でも「人を撃った」「それが原因で死んだ」以上のことは描写されていない。小説『邂逅の街』でも描かれている。大舞キリコによるコミカライズ版では「俺は男(洋子の恋人)を撃った。それが原因で男は死んだ」と神宮寺が独白しており、自殺という記述は見られない。

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シリーズ作品一覧

要約
視点

ゲームソフト

  • データは特記された場合を除き、全て初めて発売された版についての記載。移植版は除く
さらに見る タイトル, 発売日 ...

携帯アプリ版

  • 開発:ワークジャム
さらに見る タイトル, No.01 ...

備考

さらに見る 携帯アプリ版, 収録されているソフトゲーム ...

スマートフォンアプリ

さらに見る タイトル, 発売日 ...

小説

さらに見る タイトル, 発売年月日 ...

コミカライズ版

作画は大舞キリコ。全2巻。「究極の謎解きミステリー・サスペンス【神宮寺三郎の事件簿】」というタイトルで刊行され、『夢の終わりに』と『危険な二人』が収録されている。

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関連商品

書籍

  • ワークジャム公認 探偵 神宮寺三郎DETECTIVE FILE(2004年4月6日発売 アスペクト)

サウンドトラック

  • 探偵 神宮寺三郎 夢の終わりに(1998年8月19日発売、2枚組)
  • 探偵 神宮寺三郎 Innocent Black and〜for the memory of 15th.Anniversary(2002年11月20日発売)
  • 探偵 神宮寺三郎 KIND OF BLUE(2004年4月22日発売)
  • 探偵 神宮寺三郎 いにしえの記憶(2007年11月22日発売、4枚組)
  • 探偵 神宮寺三郎 灰とダイヤモンドオリジナルサウンドトラック+α(2009年9月17日発売:2012年6月22日iTune Music Store他で配信開始)
  • Jinguji Song Chronicle Vol.1(iTune Music Store他で配信)

脚注

関連項目

外部リンク

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