『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』(くろいわメダカにわたしのかわいいがつうじない)は、久世蘭による日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)にて連載中。
概要 黒岩メダカに私の可愛いが通じない, ジャンル ...
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2020年12月23日発売の『週刊少年マガジン』2021年4・5合併号にて読み切りを掲載[2][3]。この読み切りが好評を受け連載化となり、同年26号より連載開始[1]。連載開始時には、読み切り版の内容のボイスコミックが公開された[4]。なお、第1話は読み切り版と同内容だが、若干加筆されている。
略称は「メダかわ」[5]。作者の久世にとって、本作が初のラブコメ作品である[6]。
『週刊少年マガジン』2021年29号では「ラブコメ作品とコスプレイヤーのえなこがコラボしたグラビア」が掲載され、本作の川井モナが再現された[7]。単行本第1巻が発売された際には、久世の師匠である河下水希が応援コメントを寄せている[8]。
2024年7月時点で累計部数は累計150万部を突破している[9]。
声の項は特記のない限り、テレビアニメ版の声優。
主要人物
- 黒岩 メダカ(くろいわ メダカ)
- 声 - 岩崎諒太[10] / 服部想之介(ボイスコミック[11])
- 本作の主人公[12]。2週間前に毬藻高校に転入してきた2年の男子生徒。アパートで一人暮らしをしている。実家は田舎にある寺。実は猫好き。
- 三白眼と毛先の尖ったヘアスタイルが特徴。将来は実家の寺を継ぐため仏門に入って修行僧になるつもりでおり、欲に惑わされないよう『心の鍛錬のため』共学である今の学校に転校してきた。そのため一見すると感情表現に乏しい朴念仁だが、時に笑顔を見せたり、「異性と親睦を深めるな」という戒律を忠実に守ろうとしていながら内心はモナたちの色仕掛けに動揺するなど、実際は感情表現は豊かである。モナを始め旭や朋が何かとアプローチを仕掛けてきているが、自身に好意を持たれていることは気づいていない(薄々とは感じているが、自分がモテるとは思っていないため、信じられないでいる)。
- 川井 モナ(かわい モナ)
- 声 - 芹澤優[10] / 辻美優(ボイスコミック[11]) / 佐倉綾音(コミックスPV[13])
- 本作のヒロイン[12]。1年前、家族で東京都に引っ越してきた女子生徒。大阪府出身[14]。
- メダカのクラスメイト。一見すると非の打ち所がない美少女だが、実際は負けず嫌いで自意識過剰なコテコテの関西気質であり、朋によると、大阪にいた中学生の頃もそうだった。普段は意識高い系の都会女子で通しているが、モノローグや朋との会話、素が露呈した際は関西弁[注 1]になる。すぐに「オチる」他の男子たちと違って、不愛想な(というより、わざとそうしている)メダカを「オトそう」とアレコレしているうちに、自身がメダカに恋していることに気づく。結構嫉妬深い面もあり、メダカを連れ回す杏莉を前にして思わず「私が(メダカの)彼女ですぅ」と叫んでしまったほど。
- 湘南 旭(しょうなん あさひ)
- 声 - 雨宮天[15]
- 本作のサブヒロイン。[要出典]モナやメダカらの後輩で、1年生。体格は小柄だが、女子バスケットボール部のエース。学業成績も学年トップの秀才でもある。
- たまたま校内の廊下ですれ違ったメダカに一目惚れしてしまう。普段はクールビューティーを装っているが、メダカを前にすると顔を真っ赤にして借りてきた猫のようになる。モナには堂々と恋のライバル宣言をし、メダカに対して積極的にアプローチするようになる。
- 難波 朋(なんば とも)
- 声 - 矢野妃菜喜[16]
- 本作ヒロインの一人[16]。髪はショートカット。モナが大阪にいた時の幼馴染の親友で、同じ中学校に通っていた。著述業の父親の転勤についてきて東京に越してきたのだが、モナにはそのことは伝えておらず、東京に来てすぐ「東京に遊びに来た」とウソをついてモナをプライベートで呼び出した。そしてその翌日、モナ、メダカらのクラスにサプライズで転校してくる。モナとは違って、常に堂々とコテコテの関西弁で喋っている[注 1]。母親はおらず、父親と二人暮らしのため、家事も一通りこなせる。
- 久しぶりに会ったモナの姿を見て、モナがメダカに恋心を抱いていることを見抜く。メダカのことは、当初は「モナの好きな人」という接し方で、初めはモナとメダカをくっつけようと色々お節介を焼いていたが、学園祭でのミスコンのあと、旭から指摘され自身もメダカに好意を持っていることに気づく。モナには申し訳ないとも思いつつ、モナには正直にその旨を話して理解を得た。そのあとは自分の気持ちに素直になり、(本人はデートのつもりで)ライブに誘って一緒に鑑賞するなど色々とメダカにアプローチを仕掛けている。
- 春野 つぼみ(はるの つぼみ)
- 声 - 花澤香菜
- 本作のサブヒロイン。[要出典]モナ、メダカらのクラスメイト。
- 癖毛のショートカットが特徴。美乳の持ち主。モナに憧れている追っかけで、こっそりモナを隠し撮りするほどの大ファン。当初はその行動から、モナからは同じくメダカを狙う恋敵と勘違され警戒されるも、その誤解が解けてからはモナは親友として接している。学園祭でミスコンに出場したことで、学内ではちょっと人気が出てきている。
- 白浜 美波(しらはま みなみ)
- 旭のクラスメイトであり、いつも一緒にいる親友。髪型は姫カット。ちょっと天然気味だが、あっさりとした性格。旭の恋を応援しており、バレンタインのチョコ作りに苦戦している旭のために、旭の恋のライバルであるモナに自ら協力を願い出たほど。そして街中のショッピングモールで偶然メダカに会った際には、ホワイトデーのお返しに悩むメダカにアドバイスをするなど、面倒見の良さもある。
毬藻高校関係者
- 小早川 翔(こばやかわ しょう)
- メダカ、モナらのクラスメイトの男子生徒で、メダカの友人。眼鏡をかけている。モナのファンでもあり、「戒律戒律…」ばかり口にするメダカに対して友人として(面白がりながら)色々アドバイスをしたり、学園祭でのミスコンの司会をするなどノリの良さが特徴。姉がいるが、買い物での荷物持ちに付き合わされるなど振り回されている。
- 木戸 譲(きど ゆずる)
- 翔、メダカと一緒につるんでいる、クラスメイトの男子生徒。自宅は大きめで、クラスメイトらでハロウィンパーティーを開いたほど。
その他の人物
- 品川 杏莉(しながわ あんり)
- モナ曰く「かなりのお嬢様学校」だという蓮水高校2年の女子生徒。家に関する描写はないが、各教科ごとに一人ずつ家庭教師が付けられているほどであり、実家は裕福なよう。だが、性格は自由奔放かつマイペースであり、強制や束縛されるのが嫌いなタイプ。強制される勉強に嫌気が差して逃げ出したところで偶然メダカと出会い、そこからは家からの束縛から逃れるための口実として「(勉強)ちゃんとやってます」感を出すためのアリバイ要員としてメダカをニセの家庭教師に仕立て上げ、ファミレスやらショッピングモールやら色々と連れ回す。メダカはマイペースな杏莉に散々振り回されているが、嫌々ながらも結局は杏莉の行動に合わせている。
- 将来の夢はプロの歌手であり、アコースティック・ギターを練習しているほか、近所のライブハウスで前座で歌わせてもらったりしている。
- 川井 マオ(かわい マオ)
- モナの弟で、中学3年生。両親と姉とで4人家族。モナがメダカを好きなのを見抜いており、色々と気を利かせる姉思いな面もある。毬藻高校を受験し合格したため、春から毬藻高校に通う予定。
コスプレイヤーのえなこによると、本作は「終始キュンキュンしっぱなし」な作品[17]。モナについては、「あざと可愛い」キャラクターとの評価[17]。
ラッパーの般若によると、「男子の心のど真ん中に突き刺さる」ような「男子の願望が詰まっている」作品である[14]。本作の魅力は久世の絵にあり、「胸の描き方一つとっても、ただ巨乳なだけじゃなくて、ちゃんと柔らかそうなところがいい」と話している[14]。モナについては、「一見男慣れしてそうで中身が一番ピュア」な性格と語る[14]。
TikTokが2022年12月に主催したハッシュタグチャレンジ「#ショートフィルム」の第1期で設けた「週刊少年マガジン賞」を受賞したごっこ倶楽部に『週刊少年マガジン』が「深く感銘を受け」たことにより、コラボレートの勧誘を行った[33]。そこで「マガジン史上最も尺短い&縦長い実写化企画」が実現となり、その第2弾として2023年4月28日に本作とごっこ倶楽部とコラボレートし、ごっこ倶楽部の完全監修・制作による連続ショートドラマが公開された[33]。
2025年1月よりテレビ東京系列にて放送予定[10][16]。
注釈
大阪出身だが、京滋でよく使われる方言である「しいひん」を用いている。
出典
久世蘭「黒岩メダカに私の可愛いが通じない 第140話 アイツとおめでとう」『週刊少年マガジン』2024年32号、講談社、2024年7月10日、100頁。