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ファイナル・デスティネーション
2000年のアメリカの超自然的ホラー映画 ウィキペディアから
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『ファイナル・デスティネーション』(Final Destination)は、2000年にアメリカで公開されたホラー・サスペンス映画。
凄惨な飛行機事故を予知して回避した若者たちが逃れられない死の運命に次々とさらされる恐怖を描く。
本作は『X-ファイル』や『ミレニアム』の脚本家として知られるジェームズ・ウォンの劇場映画監督デビュー作品である[2]。元々、ジェフリー・レディックが『X-ファイル』のエピソードとして考案したものを、グレン・モーガンとジェームズ・ウォンが劇場映画向けの脚本に仕上げた[3]。
襲いかかる敵が、これまでのホラー映画の定番であった連続殺人鬼ではなく、「死の運命」という目に見えない力である斬新な設定が話題を呼び、スマッシュヒットを記録、以後続編全5作品が作られる人気シリーズへと成長し、小説化もされている。ちなみに続編の冒頭で事故が起こる舞台は2作目が高速道路、3作目が遊園地のローラーコースター、4作目がサーキット、5作目が吊り橋となっている。
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概要
- タイトルは直訳すると「最終目的地」または「終点」で、つまり「死」を示唆している[4]。
- 製作時仮題「FLIGHT 180」、台湾での訳題は「絶命終結站」。
- アメリカ劇場公開2000年3月17日。日本劇場公開2001年1月20日。
- 2001年度サターン賞ホラー映画賞受賞。主演のデヴォン・サワが若手俳優賞受賞。
- 作中に挿入されている事故現場のシーンは、1996年に発生したTWA800便墜落事故の実際の報道映像である。また墜落時刻や目的地などの事故の概略はほぼ同じである。
ストーリー
要約
視点
ごく普通の高校生アレックス・ブラウニングは、10日間の修学旅行で搭乗したパリ行きの飛行機が出発する直前、飛び立った飛行機が爆発事故を起こして自身を含めた乗客や乗員が死ぬ悪夢を見た。目を覚ましたアレックスは、機内の状況が夢と一致したことで恐怖に駆られて騒ぎ出し、巻き添えを食らった他の同級生数人と教師ともども飛行機から降ろされる。しかし、直後に離陸したその飛行機はアレックスの夢の通り爆発し、乗っていた人々全員が死亡してしまう。これによりアレックスはFBIから「飛行機事故を起こした容疑者」としてマークされた上、飛行機を降ろされた他のメンバーの一部からも気味悪がられ孤立する羽目になった。
事故から39日後、アレックスは再び死の予感を感じ、同じく飛行機に乗らず自分に付き添ってくれた親友トッド・ワグナーの家に向かう。しかし、トッドは浴室で足を滑らせ、洗剤がこぼれていたバスタブの中に転げ落ちた拍子で首に巻きついた洗濯ロープによって縊死を遂げていた[5]。翌日、アレックスは自分と同じ胸騒ぎを覚えて飛行機を降りていたクレア・リバースと共に死体安置所に行き、そこで出会った葬儀屋のウィリアム・ブラッドワースからの助言で、本来は飛行機事故で死ぬ運命だった自分達が生き延びたことで、死神が新たな死の筋書きをもたらしていると考えるようになる。その矢先、偶然にもカフェに生存者の6人が集まり、その内の1人テリー・チェイニーが車道へ出た直後バスに轢かれるという最期を遂げてしまう。
アレックスはテレビで説明された飛行機事故の爆発経路を調べ、座席の順番通りトッドとテリーが死んだことから次のターゲットは教師のヴァレリー・ルートンだと気付く。アレックスはヴァレリーを救うために引っ越し直前の彼女の家へ向かうが、当のヴァレリーからは通報されFBIに連行されてしまう。そしてヴァレリーは引っ越しの作業を続けるが、コップから漏れたウォッカによってパソコンがショートして爆発し、その破片が彼女の首に刺さってしまう。さらに、爆発で飛び散った火花が床に垂れていたウォッカに引火し、屋内で火事が発生した。致命傷を負ったヴァレリーは倒れ込みながらも何とか止血のためタオルを取ろうとするが、今度は引っ掛かって落下した包丁が彼女の胸に突き刺さってしまう。そこにFBIの聴取から解放され再び駆けつけて助けに入ったアレックスの努力も虚しく、ヴァレリーも彼の目の前で死亡した上、火事が起きたその家もガス爆発で炎上する。一先ずその場を逃れたアレックスだったが、FBIからは完全に犯人として追われる立場となってしまう。
アレックスはまだ生存している他の3人と合流するが、いずれ全員が死ぬ運命だとアレックスから告げられ自棄を起こしたカーター・ホートンが他の3人を乗せたまま自家用車で爆走し、踏切内で停車して自殺を図ろうとする。先に車から脱出したアレックスとクレアの説得で思い直したカーターは、動作不能となった状態で車内に閉じ込められるが、列車と接触する寸前でアレックスに助けられる。しかしその直後、大破した車の鋭利な破片が列車に撥ね飛ばされ、側にいたビリー・ヒッチコックが破片で頭部を切断されて死亡する。アレックスたちは、カーターを助けたことで死の順番がカーターの次のビリーに回ったことを知る。
次に死ぬのが自分だと考えたアレックスは山小屋に籠って万全の対策を取るが、夢と違って現実では飛行機の離陸直前で席交換を行わなかったことを思い出し、次に死ぬのがクレアだと悟る。一方、クレアの自宅付近では高圧電線が切れたことで自宅の電気系統がショートして爆発を起こしていた。クレアは感電を防ぐために部屋から自動車に乗り込むが車は故障し、地面に零れたオイルに暴れる電線の火花が引火する。しかし、そこに駆けつけたアレックスは自らを犠牲にクレアを救い、感電により意識を失う。
それから半年後、回復したアレックスは生き残ったクレアとカーターの3人でパリへ旅行に来ていた。街で一連の事件のことを懐かしみながら思い返す中、アレックスは再び新たな死の筋書きが実行される予兆を目の当たりにする。直後、走ってきたバスが事故を起こし、跳ね飛ばされた標札の支柱によって町の大型看板がアレックス目掛けて落下してくる。アレックスは間一髪でカーターに助けられるが、彼を飛び越え死の順番が回ってきたカーターに宙吊りの看板が再び迫って直撃する場面で物語は幕を下ろす。
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登場人物
要約
視点
主要な登場人物の名前は、往年のホラー映画の監督やスターたちからとったものである。
飛行機事故から逃れた7人
- アレックス・ブラウニング
- 主人公。飛行機の爆発事故を予知し、自身の起こした騒動に巻き込む形でクレアを始めとする6人と共に事故から逃れる。洞察力と推理力に優れている。
- 本作では最後まで生き残るが、次作の『デッドコースター』にて家屋のレンガが頭部を直撃し死亡していたことが明らかになった。
- 誕生日は9月25日で、偶然にも180便の出発時刻の午後9時25分と数字が一致していた。
- 名前の由来はトッド・ブラウニング(魔人ドラキュラ(1931)監督)から[要出典]。
- クレア・リバース
- 飛行機に乗る際にアレックス同様に何らかの不安を感じ取ったことで唯一アレックスの話を信用し、自発的に飛行機を降りた女生徒。父親は既に他界しており、母親とは疎遠で、現在は犬と一緒に一軒家で一人暮らしをしている。物語終盤でアレックスに助けられた後、彼の恋人となる。
- カーター・ホートン
- 血の気が多い粗暴な性格で、アレックスとはあまり仲が良くなかったため、予知夢を見たと訴えるアレックスに喧嘩を売って取っ組み合いとなり、その騒動によって飛行機を降ろされた。その後もアレックスに喧嘩腰な態度をとることが多かった。しかし、飛行機事故のショックで精神的に不安定となり、荒れた生活を送るなど、実は繊細な一面もある。
- ビリー・ヒッチコック
- アレックスが起こした騒動のどさくさに紛れて飛行機から降りた生徒。空港へ引き返したその直後、飛行機の爆発の瞬間を目撃した。性格はお調子者の三枚目で、クラスメイトからも軽く扱われることが多い。
- 名前の由来はアルフレッド・ヒッチコック(サイコ(1960)監督)から[要出典]。
- ヴァレリー・ルートン
- アレックスたちが通う高校の教師。引率教師の1人として、飛行機を降ろされたアレックスたちに付き添うために飛行機を降りた。飛行機事故のショックからかなり精神的に不安定となり、その責任をアレックスに押し付け、彼を拒絶するような態度を見せるようになった。
- 名前の由来はヴァル・リュートン(キャット・ピープル(1942)製作)から[要出典]。
- テリー・チェイニー
- カーターの彼女。アレックスとの喧嘩で飛行機を摘み出されたカーターに付き添うために飛行機を降りた。気は強いが喧嘩は嫌い。
- 名前の由来はロン・チェイニー(オペラ座の怪人(1925)俳優)から[要出典]。
- トッド・ワグナー
- アレックスの親友。パニックを起こして飛行機から摘み出されたアレックスの様子を見に行くために飛行機から降りた。その時の事故で兄のジョージを失うが、飛行機事故を予知したアレックスを責めることはなく、周囲から孤立するアレックスを最後まで見捨てようとせず、変わらず親友として接する良き理解者。
- 名前の由来はジョージ・ワグナー(狼男の殺人(1941)監督)から[要出典]。
その他の人物
- ラリー・ムルナウ
- アレックスたちが通う高校の教師。アレックス達の起こした揉め事で一度は空港に戻るが、パリに詳しいために引率教師の1人として飛行機へ戻ってしまい、爆発事故で死亡。
- 名前の由来はF・W・ムルナウ(吸血鬼ノスフェラトゥ(1920)監督)から[要出典]。
- ジョージ・ワグナー
- トッドの兄。トッドと同じくアレックスと仲が良く、パニックを起こして飛行機から摘み出されたアレックスの様子を見に行くよう弟を空港へ行かせて自分は飛行機に残ってしまい、爆発事故で死亡。
- クリスタ、ブレイク
- トッドが密かに意識しているクラスのマドンナ的存在の二人の女生徒。爆発事故で死亡。
- ヴァイン捜査官、シュレック捜査官
- FBI捜査官。飛行機事故を予知したアレックスが事故を引き起こしたのではないかと疑う。
- シュレック捜査官の名前の由来はマックス・シュレック(吸血鬼ノスフェラトゥ(1920)俳優)から[要出典]。
- ウィリアム・ブラッドワース
- 葬儀屋。死の運命に詳しく、アレックスとクレアに謎の助言を与えるが、詳しい素性は謎に包まれている。
- ハワード・シーゲル
- 運輸安全委員会の人間。
キャスト
- テレビ朝日版:初回放送2002年10月27日『日曜洋画劇場』
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もうひとつのエンディング
製作当初は「アレックスはクレアを救うため高圧電線を握り締めて火だるまになり死亡。時は移りクレアが飛行機の離陸時刻だった9時25分に男児を出産、アレックスと命名。また、カーター・ホートンも生き残る。」というエンディングであったが、試写会で不評だったため、新たに200万ドル以上を投じてエンディングを撮り直した[6]。追加撮影が半年後だったため、主役のデヴォン・サワはかなり太ってしまっていたものの画面ではそれほど目立たず、また追加撮影部分がストーリー上も半年後の話となっていたため、違和感をもたせないものとなっている。なお、初期版のエンディングはBD/DVDに特典映像として収録されている。
特記
- アレックスが搭乗の時に見下ろした、貨物運搬車の番号は「666」である。
- 劇中に流れる歌を歌ったジョン・デンバーは飛行機事故で死亡している。
- キーワードとなるナンバー"180"だが、元々のタイトルは「Flight 180」だった。
- アレックスとクレアのキャスティングには元々トビー・マグワイアとキルスティン・ダンストが設定されていた。
スタッフ
- 監督 - ジェームズ・ウォン
- 製作総指揮 - リチャード・ブレナー、ブライアン・ウィッテン
- 脚本 - グレン・モーガン、ジェームズ・ウォン、ジェフリー・レディック
- 音楽 - シャーリー・ウォーカー
- 撮影 - ロバート・マクラクラン
- プロダクションデザイン - ジョン・ウィレット
- 衣装デザイン - ジョリ・ウッドマン
- 特殊メイク - ライアン・ニコルソン
- 特殊効果 - アリエル・ヴェラスコ=ショー、レイ・マッキンタイアJr.
シリーズ
- 第1作 本作
- 第2作 『デッドコースター』(2003年)
- 第3作 『ファイナル・デッドコースター』(2006年)
- 第4作 『ファイナル・デッドサーキット 3D』(2009年)
- 第5作 『ファイナル・デッドブリッジ』(2011年)
- 第6作 『ファイナル・デッドブラッド』(2025年)
脚注
外部リンク
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