トップQs
タイムライン
チャット
視点

Lightning (インターフェイス)

Apple独自の充電・データ転送コネクタ ウィキペディアから

Lightning (インターフェイス)
Remove ads

Lightning(ライトニング)は、Appleが開発し、2012年9月から製品に使用された独自コンピュータバスおよび電源コネクタを使用したデータ伝送技術である。iPhoneiPadiPod touchのようなAppleの携帯機器端末とホストコンピュータや外部モニタ、カメラUSBバッテリー充電器、イヤホン、その他の周辺機器を接続するために使用される。30ピンでなく8ピンを用いているため、Lightningは30ピンDockコネクタよりもかなり小型であり、どちらの向きでも差すことができる。アダプタを使わない限り、以前のコネクタのために設計されたケーブルや周辺機器とは互換性がない。

概要 種別, 開発者 ...

Apple独自の端子であり特許であるため、他社が販売するには許可が必要である。また、認証用チップの組み込みが必要であり、ない場合は充電や通信ができなくなる(片面実装など特許を回避して、複製された認証用チップを搭載して販売は可能だが、OSの更新などで使えなくなる場合がある)。

Remove ads

歴史

要約
視点

Lightningコネクタは、2012年9月12日30ピンDockコネクタの後継規格として発表された[1]。互換性のある最初の機器はiPhone 5iPod touch(第5世代)iPod nano(第7世代)であった[2]iPad(第4世代)iPad mini(第1世代)が2012年10月にLightning機器として加わった[3][4]。以降はAppleの主要なiOSデバイスに搭載されていたが、2018年に発表された11インチ(第1世代)12.9インチ(第3世代)のiPad ProUSB-Cが採用されたのを始めとして、Lightning非搭載の製品も発表され[注 1]、2022年10月18日発表のiPad(第10世代)でもUSB-C採用となった[5]

2012年11月25日、Appleはハーレーダビッドソンから、ヨーロッパにおける「Lightning」の商標を取得した[6]

2015年9月9日、Appleは12.9インチiPad Pro(第1世代)Apple Pencil(第1世代)を発表した。このApple Pencilは充電及びiPadとのペアリングにLighitningコネクタを採用している。

2015年10月13日、AppleはMagic KeyboardMagic Mouse 2Magic Trackpad 2を発売した。これらの製品は充電及びMacとのペアリングにLightningコネクタを採用した。その後2024年10月末発表のモデル以降はUSB-Cを採用した。

2021年9月、欧州連合 (EU) の執行機関である欧州委員会 (EC) は、スマートフォンをはじめとする電子機器類の充電方法をUSB-Cの1種類に義務付ける指令案を提出し[7]、事実上のLightningの排除となった[8]。2022年6月7日には同法案を2024年秋までに施行すると発表した[9][10]。これに対しAppleは「1種類のコネクタのみを義務付ける厳格な規制はイノベーションを抑制し、欧州や世界中の消費者に害を及ぼすことを懸念している」と反発の意を表明していた[10]。この指令案は2022年10月に可決・承認され、「指令 (EU) 2022/2380」として同年12月に発効された。これについてAppleは「従うしかない。それ以外の選択肢はない」と譲歩する姿勢を示し[11]、翌2023年9月23日発売のiPhone 15 / 15 Proシリーズでは、従来のLightning端子に代わってUSB-C端子が搭載された[12]

2024年12月末、AppleはスイスそしてEU各国でのLightning搭載のiPhone 14 / 14 PlusSE(第3世代)やアクセサリの販売を全て終了した(正規販売店では在庫限りで終了)。北アイルランドサウジアラビアでも販売終了が予定されている。2025年2月にはiPhone 16eの発表に伴い、日本を含むその他の国でもiPhoneシリーズのUSB-Cへの移行が全て完了した。

現在は一部アクセサリのみが販売されており、今後Lightning搭載の新製品が登場することはないとされる。

Remove ads

技術

Thumb
Apple Lightning - USBケーブル (MD818)

Lightningは、デジタル信号を伝送する8ピンコネクタである。無方向性であり、上下どちらの向きでも機器に挿入することができる。AppleはLightningコネクタを30ピンUSBHDMIVGASDカードといった、その他のインターフェイスに使うことができるようにする様々なアダプタを提供している。「Lightning - 30ピンアダプタ」は、30ピンが利用できる信号の一部(USBデータ、USB充電、アナログオーディオ出力)しかサポートしていない。また、公式のLightningコネクタはMFi認証を必要とし、サードパーティー製造業者による互換アクセサリーの製造を認めている[13]100円ショップ等ではMFi認証を受けていない安価な製品が流通しており、USB Micro-B端子との互換性を有する製品も存在するが、通信機能を省いた充電専用品であったり、上下どちらか一方の接続でしか機能しないといった欠点がある[14]

またLightningは、USB 3.0以降で策定されているSuperSpeed(5Gbpsデータ通信)に対応している[15][16]。ただし対応は一部のiPad Proのみで、ファイルサイズの非常に大きいProResビデオの撮影に対応したiPhone 13 Pro14 Proでも採用されることはなかった[17]

Thumb
Thumb
安価な充電専用ケーブル。「UPSIDE」と記載のある面を上に向けて接続する(ダイソー)。
Thumb
Thumb
LightningおよびUSB Micro-B端子の両方に接続できるケーブル。Lightning機器には「i」と記載のある面を上に向けて接続する(ダイソー)。
Remove ads

搭載端末

iOS / iPadOSデバイス

デジタルオーディオプレイヤー

その他アクセサリ

この他、LightningからMicro USB、SDカード、HDMI等の他規格に変換するアダプタがAppleから販売されているほか、サードパーティーからAppleのMfi認証[注 2]を取得した充電ケーブルやUSBメモリ、イヤホンなどのアクセサリが多数販売されている。

MicroUSBとの比較

Appleは、公にはMicroUSBについて論じてはいないが、業界観測筋はLightningが、LightningケーブルのApple MFiチップのライセンス料や、どちらの向きでも機器に挿入できるユーザの利便性[19][20]、機器を充電できるだけでなく、機器からアクセサリーに電力を供給できるといった、いくつかの利点のために使われたと考えている。別売りのUSB On-The-Goの使用によりUSB機器でも同じことができる。

周辺機器

  • Lightning - SDカードカメラリーダー - iPadなどとSDカードを直接接続する際に使う。
  • Lightning - USB 3カメラアダプタ - iPadなどとUSB-A端子でカメラなどとデータ通信できる。もう1つの端子は給電用Lightning端子。
  • Lightning - USBカメラアダプタ - 上記2つと比べ、USB 3非対応。給電用Lightning端子は無い。
  • Lightning - USBケーブル - iPhone 5などに付属した通常のケーブル。
  • USB-C - Lightningケーブル - iPhone 12iPhone SE (第2世代)などに付属した通常のケーブル。
  • Apple Pencil充電アダプタ - iPadではなく、通常のLightningケーブルでApple Pencil (第1世代)を充電する際に使う。
  • USB-C - Apple Pencilアダプタ - Apple Pencil (第1世代)を第10世代以降のiPadと接続する際に必須。
  • Lightning - Micro USBアダプタ - Micro USBケーブルをLightning端子に変換して使用できる。当初はEUのみで発売。
  • Lightning - 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ - iPhone 7以降でヘッドホンジャックを使用する際に使う。
  • iPhone Lightning Dock - Lightning搭載のiPhoneやiPod用のスタンド(iPad非対応)。Lightningに加え、ヘッドホンジャックを搭載している。
  • Lightning - Digital AVアダプタ - iPhoneなどの映像をそのままHDMI出力する。もう1つの端子は給電用Lightning端子。内部に映像変換用のファームウェアが内蔵されており、仕様上直接HDMI出力している訳ではない。
  • Lightning - VGAアダプタ - iPhoneなどの映像をそのままVGA出力する。もう1つの端子は給電用Lightning端子。
  • Lightning - 30ピンアダプタ - iPhone 5以降で30ピン搭載の周辺機器を接続する場合に必須。映像出力は非対応。
  • USB-C - Lightningアダプタ - iPhone 15以降でLightning搭載の周辺機器を接続する場合に必須。
Remove ads

脚注

関連項目

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads