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STUDIO 4℃

日本の東京都武蔵野市にあるアニメ制作会社 ウィキペディアから

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STUDIO4℃(正式名称:株式会社スタジオよんどしい: STUDIO4℃ Co.,Ltd.)は、日本アニメ制作会社[2]日本動画協会正会員。

概要 種類, 本社所在地 ...

社名の4℃は、水の密度が一番高いのは摂氏4度であることから、作品のクオリティーの高さを保証するという意味で名付けられた[2][3]

概要

要約
視点

1988年、スタジオジブリの草創期を支えた一人だった田中栄子マッドハウススタジオあんなぷるアニメーターとして頭角を現した森本晃司を中心に、映像制作集団としてのSTUDIO4℃が発足した[4][5]。ジブリ作品の制作に森本が参加したことで田中との交流が生まれたのがきっかけだった[4]。当時スタジオジブリで制作中の『となりのトトロ』のラインプロデューサーだった田中が大友克洋監督のアニメ映画『AKIRA』の制作の遅れを知ってトトロ作画スタッフを『AKIRA』スタジオに出向させたり[注 1]、その恩返しに森本らが『魔女の宅急便』に参加したりしたことで親交が深まっていった。そして「自分たちのパブリックスペースを作りたい」というという森本、佐藤好春の願いに田中が応じ、吉祥寺にスタジオを構えることになった[6]。最初はそれまで田中が住んでいた民家[注 2]を明け渡してもらい、そこを使って作品の制作も行っていた[6][7]

1993年頃、個人と集団の仕事の区別が曖昧で管理が難しくなってきたため、映像制作集団としてのSTUDIO4℃は終了する[8]。いったん解散して、とりあえず会社組織としてのSTUDIO4℃の機能を大友克洋オムニバス映画『MEMORIES』を制作する吉祥寺のスタジオ[注 3]に集約することになった[注 4][8]。それ以外のメンバーは、佐藤好春や井上鋭のように日本アニメーションに入る道を選んだり、金田伊功たちのように、元の民家を田中から借りて「スタジオのんまると」と名乗ったりと、それぞれの道を選んだ[8]。その後、「有限会社スタジオよんどしい」が設立され、2007年に株式会社に登記変更された。

制作会社としての立ち位置については、代表取締役である田中栄子プロデューサーが「王道はジブリがやる。私たちは側道を埋める」と説明している[4]。クリエイターたちの才気を尊重しようとする社風もあって、オーソドックスな作品よりも目利きをうならせる玄人好みの作品や初期の森本作品が醸し出していた先鋭的なイメージ通りの尖った雰囲気の作品を一貫して送り出しながら、次々と新しい人材を抜擢することで安定して国民的なヒット作を送り出すスタジオジブリの横を並走してきた[4]。ジブリで演出補を務めた経験のある片渕須直、天才アニメーターと評判だった湯浅政明などの新しい才能に劇場作品を初監督するチャンスを与えて後に数々の賞を受賞して日本を代表するアニメーション監督となった彼らのキャリアの端緒を開いたり、アニメ界の制作や受容の「多国籍化」の流れに乗って、北米出身のCGクリエイターのマイケル・アリアスの監督起用や海外との合作(『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』)や海外の有名映画やゲームの派生作品(『アニマトリックス』『Halo Legends』)への参加というワールドワイドな制作スタンスによって世界から求められるアニメスタジオの地位を確立したりと、独自のポジションを築いている[4][9]。しかし、ジブリの制作部門休止後の2010年代後半からは、その間隙を埋めるように親子で楽しめるような一般向けの劇場作品も公開するようになり、メインストリームに向かう一歩を踏み出し始めた[4]

特色

劇場作品を中心に、テレビアニメCMミュージック・ビデオゲーム内ムービーなど、様々なジャンルの作品を制作している[2]。劇場作品の制作の合間にCMやゲームの仕事を通じて新しい技術に挑戦し、次の劇場作品に生かしている[10]セガとシンクが立ち上げた3DCGスタジオのトリロジーで2D作画と3DCGの融合という手法に挑み、日本的な手描きの緻密さにCGならではの質感や量感、奥行きを取り入れるなどの試みに挑戦している[4]。テレビアニメ制作では、業界では一般的には各工程で担当を分ける分業制が採られることが多いのに対し、作品ごとに工程管理の方法を変えるなど、臨機応変に対応しているのが特徴[10]

Beyond C.

Beyond C.(正式名称:株式会社美よんどしい)は、アニメーションとその関連商品、マルチメディア関連情報サービスの企画・開発・製作・配給・著作権管理を主業務とした会社。1997年設立。代表は田中栄子。下記のビヨンドシティも運営している。また、2007年6月には美よんどしいとSBIホールディングスとその子会社のSBI Robo、企画会社のアーカイブゲートと業務提携を締結、金融分野における仮想空間「Cyber MEGACITY - 東京0区」を開始するためのジョイントベンチャーを設立することとなった。

ビヨンドシティ

Beyond City(ビヨンドシティ)は、STUDIO4℃が手がけ、Beyond C.が運営する実験的WEBプロジェクト。ネット上に存在するサイバー都市というコンセプトのもと、不思議な「部屋」から始まり、便所、落書きの壁、稲荷町商店街、思いで中町といったアンダーグラウンドな裏路地が設けられたWEBサイトとなっている。ビヨンドシティ内で起こる様々な怪現象、殺人事件は「幸せの虫」というユーザー体感型FLASHアニメーションとして森本が手がけている[注 5]

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沿革

主な作品

テレビアニメ

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劇場アニメ

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OVA

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Webアニメ

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ゲーム

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ミュージック・ビデオ

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テレビCM

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制作協力

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その他

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関連人物

制作

クリエイター

関連組織

  • スタジオのんまると - STUDIO4℃が会社組織になる際、金田伊功らが分かれて設立した制作スタジオ。
  • アスラフィルム - 出身の望月重孝が2013年に設立。
  • MAPPA - 制作を務めた大塚学が2016年より代表取締役社長を務めている。
  • 神風動画 - 代表の水崎淳平が一時期在籍していた。
  • studio maf - 出身の深江暢が設立。

労働問題

割増賃金未払いによる労働基準監督署からの是正勧告
2019年6月25日に、労働基準法37条(残業代の割増賃金の支払い)に違反しているとして、三鷹労働基準監督署から是正勧告を受けた[18][19]。なお、労基署に申告した社員は、是正勧告後も未払い残業代が支払われておらず、未払い残業代と付加金[注 7] を求めて2019年10月に同社を提訴した[18][19]。しかし、会社側が原告社員に連絡をしないまま2020年6月上旬に未払い残業代の全額と遅延損害金を振り込んだことで請求の原因が消滅し、原告社員の求めた「裁判の取り下げ」に会社側が応じなかった(棄却判決を求めた)ため、原告社員は「請求放棄」を理由に裁判を終了させることになった[20]。原告社員は、2020年6月現在も同社に勤めており、アニメーション制作の仕事ではなく雑用を与えられているという[21]

脚注

参考文献

外部リンク

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