岡野敬次郎

岡野 敬次郎（おかの けいじろう、旧字体: 岡野 敬次󠄁郞、1865年11月9日〈慶応元年9月21日〉- 1925年〈大正14年〉12月22日）は、日本の官僚・政治家・法学者。男爵。第11代、第13代、第15代法制局長官、第24代司法大臣、第31代農商務大臣、第32代文部大臣、第9代枢密院副議長、東京帝国大学法学部教授・中央大学学長を務めた。梅謙次郎、田部芳とともに商法を立案起草した。弟子に松本烝治、加藤正治など^[1][2]。

日本の政治家 岡野（おかの） 敬次郎（けいじろう） 岡野 敬次󠄁郞
生年月日	1865年11月9日 （慶応元年9月21日）
出生地	江戸幕府・上野国群馬郡岩鼻町（現：群馬県高崎市）
没年月日	(1925-12-22) 1925年12月22日（60歳没）
死没地	日本・神奈川県中郡大磯町
出身校	帝国大学法科大学
前職	司法官僚
称号	従二位 勲一等旭日桐花大綬章 法学博士
第9代 枢密院副議長
在任期間	1925年10月1日 - 1925年12月22日
枢密院議長	穂積陳重
第31代 農商務大臣
内閣	第2次山本内閣
在任期間	1923年12月24日 - 1924年1月7日
第32代 文部大臣
内閣	第2次山本内閣
在任期間	1923年9月6日 - 1924年1月7日
第24代 司法大臣
内閣	加藤友三郎内閣
在任期間	1922年6月12日 - 1923年9月2日
第11・13・15代 法制局長官
内閣	第1次西園寺内閣 第2次西園寺内閣 第1次山本内閣
在任期間	1906年1月13日 - 1908年7月14日 1911年8月31日 - 1912年5月15日 1913年2月20日 - 1913年9月20日
その他の職歴
貴族院勅選議員 （1908年12月28日 - 1925年10月9日）

来歴

上野国群馬郡岩鼻町（現：高崎市）で、幕臣岩鼻代官所手付・岡野親美の第二子として生まれた^[3]。共立学校、第一高等中学校等を経て、帝国大学法科大学（のちの東京帝国大学）を卒業した後、同大学大学院に進学。1887年（明治20年）7月助教授に就任、1891年（明治24年）から1895年（明治28年）までドイツに留学、帰国後1895年12月7日教授に就任、以後司法大臣就任まで教授として、終始商法の講座を担当した。1899年（明治32年）3月、法学博士となる。

同じ頃、政官界に入り、1898年（明治31年）3月に帝国大学教授のまま農商務省参事官を兼任したのを皮切りに^[4]、官房長、内閣恩給局長、高等捕獲審検所評定官を歴任。1906年（明治39年）、第1次西園寺内閣で法制局長官に就任。1908年（明治41年）4月21日、宮中顧問官を兼任^[5]。同年12月28日に貴族院勅選議員となる^[6]。

1911年（明治44年）、第2次西園寺内閣で再び内閣法制局長官に就任。1913年（大正2年）、第1次山本内閣で三度内閣法制局長官に就任。同年6月9日、宮中顧問官を辞任^[7]。1922年（大正11年）、加藤友三郎内閣で司法大臣に就任し初入閣。1923年（大正12年）、第2次山本内閣で文部大臣兼農商務大臣として二度目の入閣を果たした。

1925年（大正14年）10月1日に枢密院副議長に就任し^[8]、同月9日、貴族院議員を辞任^[9]。同年12月、男爵を叙爵した。12月22日に没した^[10]。

著述

• 『法学士 岡野敬次郎講義 英国保険法』東京専門学校（1896年）、NDLJP:792795。
• 『法学士 岡野敬次郎講義 会社法』中央大学（1906年）、NDLJP:792817。
• 『故 法学士 岡野敬次郎著 会社法』岡野奨学会（1929年）、NDLJP:1442407。
• 文部大臣・法学博士岡野敬次郎『国際教育の必要』国際連盟協会（1923年）『我国の震災に対する諸外国の同情と震災に関する諸名士の所感』、NDLJP:976936/6。

親族

• 岡野昇 - 弟^[11]。鉄道次官、（旧）西武鉄道社長。
• 小室信夫 - 義父、貴族院議員^[12]。
• 小室三吉 - 義兄、三井合名参事^[12]。
• 吉野俊彦 - 妹の孫^[4]。

栄典

位階

• 1891年（明治24年）7月6日 - 従七位^[13]
• 1896年（明治29年）1月20日 - 正七位^[13]
• 1898年（明治31年）
  • 3月7日 - 従六位^[13][14]
  • 4月30日 - 正五位^[13][15]
• 1906年（明治39年）1月31日 - 従四位^[13][16]
• 1911年（明治44年）2月10日 - 正四位^[13][17]
• 1914年（大正3年）4月20日 - 従三位^[13][18]
• 1919年（大正8年）5月10日 - 正三位^[13][19]
• 1925年（大正14年）12月23日 - 従二位^[13][20]

爵位

• 1925年（大正14年）12月18日 - 男爵^[13][21]

勲章等

受章年	略綬	勲章名	備考
1898年（明治31年）6月29日		勲四等旭日小綬章[13]
1898年（明治31年）6月29日		金杯一組[13]
1903年（明治36年）5月21日		金杯一組[13][22]
1905年（明治38年）6月24日		勲三等瑞宝章[13][23]
1906年（明治39年）4月1日		明治三十七八年従軍記章[13]
1907年（明治40年）2月11日		勲二等旭日重光章[13][24]
1912年（大正元年）8月1日		韓国併合記念章[13]
1913年（大正2年）12月27日		勲一等瑞宝章[13]
1914年（大正3年）3月24日		旭日大綬章[13][25]
1915年（大正4年）11月10日		大礼記念章[13][26]
1916年（大正5年）1月19日		金杯一個[13]
1919年（大正8年）2月11日		金杯一個[13]
1919年（大正8年）9月29日		金杯一組[13]
1920年（大正9年）11月15日		金杯一個[13]
1924年（大正13年）5月31日		金杯一組[13][27]
1925年（大正14年）12月23日		旭日桐花大綬章[13][20]	（没後叙勲）
1925年（大正14年）12月23日		帝都復興記念章[13][28]	（没後叙勲）