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2009年公開の日本映画(ウルトラシリーズ) ウィキペディアから
『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(だいかいじゅうバトル ウルトラぎんがでんせつ ザ ムービー)は、2009年12月12日にワーナー・ブラザース映画の配給にて公開された、円谷プロダクション製作の特撮映画作品。渋谷東急、新宿ミラノ、新宿武蔵野館、シネリーブル池袋他全国にてロードショーされた。
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大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE | |
---|---|
監督 | 坂本浩一 |
脚本 | |
製作 | 岡部淳也 |
ナレーター | 矢島正明 |
出演者 | |
音楽 | マイケル・バータ |
主題歌 | MISIA「星のように…」 |
撮影 | 古谷巧 |
編集 | 今井大介 |
制作会社 | 円谷プロダクション |
製作会社 | 「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説」製作委員会 |
配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
公開 | |
上映時間 | 96分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 6億2000万円 |
前作 | 大決戦!超ウルトラ8兄弟 |
次作 | ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国 |
キャッチコピーは「とりもどせ!!銀河の光」。
ウルトラ兄弟たちの故郷であるM78星雲・光の国が主な舞台となり、ウルトラマンメビウスやウルトラ兄弟ら光の国のウルトラ戦士たちのほか、『大怪獣バトル』テレビシリーズのキャラクターであるレイモンと地球人のエキスパート集団「ZAP SPACY」、さらには光の国の新たな戦士であるウルトラマンゼロを加え、悪のウルトラ戦士であるウルトラマンベリアルが率いる100体以上もの怪獣軍団との大決戦を描く[1]。
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』の続編的な位置づけにもなっている[1]。『大怪獣バトル』シリーズの世界では「ギャラクシークライシス」という事件により、『ウルトラマンメビウス』までの全ウルトラシリーズの怪獣やウルトラ戦士が時空を超えて1つの世界(主に光の国シリーズ中心)に召喚されたという設定[注 1]になっており、パラレルワールド扱いだった世界観の怪獣やウルトラ戦士が同一世界に存在する理由づけがなされている。
『ウルトラマンG』、『ウルトラマンパワード』、『ウルトラマンUSA』、『ウルトラマンネオス』、『ウルトラマンマックス』など、M78星雲出身でありながら光の国シリーズとのつながりが明確にされていなかった作品のウルトラ戦士たちも総登場するが、そのうち原典ではアニメ作品だった『USA』のウルトラマンスコット、ウルトラマンチャック、ウルトラウーマンベスは、本作品が本格的な実写作品デビューとなる[注 2]。また、『ウルトラマンボーイのウルころ』のナビゲーター役であるウルトラマンボーイも登場する[注 3]。
光の国シリーズ以外からのウルトラ戦士としては、ウルトラマンダイナが登場する。本作品では、テレビシリーズ最終話で生死不明となったダイナの消息が変身者のアスカ・シン共々11年ぶりに明かされた。
過去の回想という扱いで、胸のスターマークと肩のウルトラブレスターがないゾフィーや、ウルトラホーンが短く顎鬚のないウルトラの父なども登場する。また、本作品で初めてウルトラの父とウルトラの母の本名が明かされた[注 4]。
過去にも複数のウルトラ戦士が共演する映画があったが、今回の映画で劇場作品に初登場となるウルトラ戦士もいる[注 5]。
キャストは南翔太ら『大怪獣バトル』のテレビシリーズのレギュラー陣に加え、五十嵐隼士、黒部進、森次晃嗣、つるの剛士が前作に引き続いて原典と同じ変身前の各ウルトラ戦士役で出演するほか、団時朗、高峰圭二、真夏竜も原典と同じ各ウルトラ戦士役に「声の出演」として参加している。また、撮影中に杉浦太陽が出演を希望してきたため[3]、『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』以来6年ぶりにムサシ役で出演するほか、バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』とのコラボとして岡村隆史(ナインティナイン)がプレッシャー星人役で出演している。
声優については、ウルトラマンゼロ役に声優の宮野真守が起用されている[1]が、ゼロ以外のキャラクターにはウルトラマンベリアル役に宮迫博之(雨上がり決死隊)、ウルトラの母役に長谷川理恵、レイブラッド星人役に蝶野正洋など、本業が声優ではない著名人が多く起用されている。ウルトラマンキング役の小泉純一郎は一度はオファーを断ったが、次男の小泉進次郎ら家族の後押しによって出演が実現した[注 6]。
本作品は円谷プロダクションがTYOグループ参画後に製作された初の映画作品でもあり[5]、配給元が長らくウルトラシリーズの映画を配給してきた松竹からワーナー・ブラザース映画へ変更されたほか、アメリカとニュージーランドを拠点に活躍してきた坂本浩一が日本で初めて監督を担当する[6]などスタッフを一新し、世界水準を目指して製作された。特撮シーンもプロデューサーの岡部淳也率いるビルドアップを中心に製作され、背景がフルCGによる制作や、「人間vs人間サイズの宇宙人の近接戦」がワイヤーアクションなどを活かして幅広く行われるなど、従来のシリーズ作品とは異なる画作りがなされている。特殊造形を担当した品田冬樹が後年に明かしたところによれば、これらの作風は当時の岡部が内山まもるの漫画『ザ・ウルトラマン』を強烈に標榜しており、岡部から同作のように作って欲しい旨の注文を受けたためであるという[6]。また、坂本は岡部から「新体制の円谷でウルトラマンの映画を作りたい」「今までに見たことの無いウルトラマンを見たい」との旨でオファーされ、自分も「ウルトラマンをアクション映画の観点から捉えて娯楽映画として描きたい」と思っていたためもあり、快諾したという[4]。光の国の本格的な映像化については、岡部によるコンセプトデザインのもと、脚本での設定を効果的に見せようと絵コンテを坂本がすべて担当し、構成を考えながらスタッフに絵コンテを見せて説明したという[1]。
なお、ダイナは別次元からやってきたという設定からタイプチェンジでその特徴を見せるという選択肢はあったが、ゼロとベリアルの描写に重点を置くことと、スーツがフラッシュタイプのものしか用意できず、1作品のためだけに作り直すことはできないため、フラッシュタイプのみの登場となった。[要出典]
本作品の企画は『超ウルトラ8兄弟』公開前の2008年8月から開始されており、その時点からゼロやベリアルの登場、光の国を舞台とするという基本的部分は決定していた[7]。
坂本が監督に起用されたのは、当時の円谷プロ副社長だった岡部の意思によるもので、2人は20代の時にアメリカで知り合ってからいつか一緒に仕事をしたいと話をしていた[7][8]。岡部は本作品をどんな年齢層でも楽しめる作品にしたいと同時に、ウルトラシリーズだからこそできる新たなアクションや演出を盛り込みたいと考えており、ハリウッドで多くのアクション作品を担当していた坂本なら喜んで引き受けるだろうと信じていた[7]。坂本が『パワーレンジャー』の撮影でニュージーランドに滞在していたため、岡部は現地へ会いに行って話を決めた[7]。
当初は『超ウルトラ8兄弟』のラストを踏まえ、ウルトラマンティガやウルトラマンガイアも登場させる案が存在していた[9][10]。また、当初の脚本ではウルトラ兄弟が入り乱れての大乱闘が描かれていたが、坂本が各ウルトラ戦士にファン向けの見せ場を作りつつベリアルの強さを見せようと要所要所で再構成した結果、ブルース・リーの映画『死亡遊戯』をイメージしたものとなり、各ウルトラ戦士ごとにアクションも変えてテンポを速くしたという[1]。
撮影は2009年5月終盤から7月半ばまでという尋常ではない撮影スピードで進み、ロケーションのない体制で比重をポストプロダクションに置いた作りとなっている[11]。
CGとグリーンバックがほとんどを占めており、セットを用いたのはスペースペンドラゴンの内部だけである[1]。
アニメファンでもある坂本の「どうすればウルトラ戦士がかっこよく見えるか」との意向により、ビルドアップによる合成のもとで背景や光線の描写がアニメ的な立体感を出すものとなっている[1]。また、「ウルトラ戦士の変身者は常人よりも強い」との坂本の意向により、変身前の姿でのアクションシーンが多く盛り込まれている[4]。黒部も森次も乗り気で協力してくれたうえ、南は撮影前からスタントマンたちとの練習に臨んでいた[4]。一方、五十嵐とつるのには現場にて直前に話して驚かれ、直接指導して撮影したという[4]。
この節の加筆が望まれています。 |
中国では、2011年5月13日に『宇宙英雄之超銀河伝説THE MOVIE』のタイトルで公開された。上映館は1,000館以上と、過去に公開された日本映画史上最大規模であり、公開初3日間の興行成績は1,420万人民元(約1億7,040万円)で興行ランキング4位に初登場し、中国における日本映画作品最大級のヒットとなった[12]。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
ウルトラ兄弟が地球を守っていた時代が、過去の出来事となった未来[注 7]。宇宙の各地でマイナスエネルギーが観測され、ウルトラの星を支える人工太陽・プラズマスパークの輝きの揺らぎにウルトラの父は凶兆を覚え、ウルトラ兄弟も警戒体制に入っていた。
まもなくその凶兆は現実となる。数万年前にウルトラの星に反旗を翻し、宇宙牢獄に幽閉されていた最凶最悪のウルトラ戦士・ウルトラマンベリアルが、ザラブ星人の手によって復活したのである。100体の怪獣を操ることができるギガバトルナイザーを手にウルトラの星に舞い戻ったベリアルはウルトラ戦士を倒し、プラズマスパークのエネルギーコアを強奪する。エネルギー源を失ったウルトラの星は、たちまち凍結してしまった。
ベリアルを倒す方法はただ一つ。同じレイブラッド星人の遺伝子を持つ地球のレイオニクス・レイの力である。凍結を逃れたウルトラマンとウルトラセブンからの指示を受けたウルトラマンメビウスは、ZAP SPACYの面々とともに惑星デントに赴いていたレイのもとを尋ね、協力を求める。一度は拒んだレイだったが、ウルトラ一族の真実を知ってベリアル打倒を決意する。
レイを連れてウルトラの星に戻ったミライ(メビウス)は、ハヤタ(ウルトラマン)やダン(セブン)と合流するが、彼らにベリアル配下のシャプレー星人と怪獣の脅威が襲ってきた。しかし、カプセル怪獣の活躍によって危機を脱した彼らは、ウルトラマンタロウが身体を張って護ったプラズマスパーク最後のエネルギーで変身し、ベリアルを追って怪獣墓場に向かう。
一方、レイの行方を捜していたZAPは、宇宙竜ナースを駆るゼットン星人の襲撃を受ける。彼らの窮地を救ったのは、別の宇宙からやってきたアスカ・シン=ウルトラマンダイナだった。ダイナの力を借り、ペンドラゴンも怪獣墓場に向かう。
そのころ、辺境の惑星K76星にて、無限の可能性を秘めた新たなウルトラ戦士が誕生しようとしていた。
光の国がベリアルにプラズマスパーク・エネルギーコアを奪われて凍結した際、難を逃れた3人がエネルギー節約のために人間体となっており、3人とも背中にウルトラサインを描かれているベストを着用してウルトラ念力を使用する。
上記の面々のほか、ウルトラ戦士の姿になる以前の光の国の住人が回想シーンで登場する。
本作品での詳細は「#ウルトラ戦士」の項目を参照。
◎は劇場版初登場のウルトラマン
怪獣墓場に漂う亡霊や魂をギガバトルナイザーとプラズマスパーク・エネルギーコアの力で実体化して蘇らせた、怪獣や宇宙人たち[注 9]。その中には本作品以前の作品でウルトラ戦士たちに倒された怪獣のほか、かつての「ベリアルの乱」で率いられて光の国を襲撃した怪獣たちも多く参加している。
ギガバトルナイザーから召喚する際、ベリアルは「100体モンスロード!」と叫ぶ。
また、岡部淳也のディレクションの下、後藤正行が手掛けたイメージボードには、ザンボラーやガンダー、オクスターの姿が描かれている[28]。
クレジットは「スタント」名義。ワイヤーアクションが多いことからアルファスタントのパワーレンジャーチームがメインのウルトラマンを担当し、キャスタッフはサポートを担当している[3]。
本作品でも『大決戦!超ウルトラ8兄弟』に続いてオリジナルのマナーCMが製作されている。内容は、光の国のとある劇場にて映画を見ているウルトラマンやベリアルたちが、お互いのマナー違反を光線を放って注意をうながすというもの。CM内では注意文のほか、「光線もおやめください!」というメッセージも表示されている。DVD・ブルーレイの映像特典として収録されているほか[36]、ニコニコ動画やYouTubeに開設されている円谷プロの公式チャンネルでも配信されている。
『今週の俺様』(こんしゅうのおれさま)は、映画特設ページ『ベリアルの最強ルーム』[注 11]でニコニコ動画にベリアル自身が配信している(という設定の)ショートムービー。ベリアル自身が登場して、ニコニコ動画をチェックしたり携帯電話をかけたりしている。4話ではマスコットキャラ「ニワンゴ」と共演。5話は「プロデューサー岡部の逆鱗に触れ」1日で削除されている(その後、番外編にて岡部Pはベリアルにより消されている)。
ニワンゴは映画本編にも登場しており、正解者先着10名にプレゼントが贈られるクイズが実施された。しかし、かなり解り辛いシーン[注 12]に登場しているため、正解者が10人に達したのは公開11日目だった。クイズの賞品は岡部Pが番外編でもらってきた(という設定の)ベリアルのソフビフィギュア(ベリアルサイン入り)。
話数 | サブタイトル | 再生時間 | 配信日 |
---|---|---|---|
vol.1 | ニコニコ鑑賞中 | 54秒 | 2009年10月20日配信 |
vol.2 | 俺様のサイト更新中 | 44秒 | 10月27日配信 |
vol.3 | 携帯電話 | 32秒 | 11月4日配信 |
vol.4 | ニワンゴぼん | 20秒 | 11月10日配信 |
vol.5 | ベリアル式 悪の笑い方講座 | 1分10秒 | 11月17日配信 11月18日削除 |
番外 | クイズニワンゴを探せ! | 1分23秒 | 12月9日配信 |
上記のほかにローカル番組への宣伝出演もあり、『ちちんぷいぷい』(毎日放送、2009年11月27日放送分)にゼロが、『かんさい情報ネットten!』(読売テレビ、2009年11月27日放送分)・『水野真紀の魔法のレストラン』(毎日放送、2009年12月2日放送分)に南とウルトラマンが、『花咲かタイムズ』(中部日本放送、2009年11月28日放送分)に南とセブンが出演している。
2010年4月23日発売。発売・販売元はバンダイビジュアル。
2012年8月1日から8月29日まで、TXNの『ウルトラマン列伝』で「反逆のベリアル」「レイとメビウス」「怪獣墓場の決戦」「ウルトラマンゼロ参上」「よみがえれ 銀河の光」というサブタイトルで分割され、5話構成の連続ドラマ版として再編集・テレビ放送された(詳細はウルトラマン列伝#放送日程を参照)。冒頭にはレイやゼロによる「前回までのあらすじ」のナレーションが追加されている。また、クライマックスに次回作から数カットが挿入され、本作品との繋がりをより強調する編集版となった。
2012年11月24日に『ウルトラマン列伝』のネット局であるテレビ北海道で、「ファミリーシネマスペシャル」枠(19:00の「土曜スペシャル」枠からの差し替え)において本作品が放送された。
2015年3月31日からは『新ウルトラマン列伝』で「光の国 壊滅!?」「レイオニクスの宿命」「ベリアルの脅威」「最後の希望」「その名はウルトラマンゼロ」というサブタイトルで分割され、5話構成の連続ドラマ版として再編集・テレビ放送された。今回は『ウルトラマンギンガS』の松本ゴウキと杉田アリサがナビゲーターとしてウルトラマンと怪獣について勉強するという形で、本編の前後に『ウルトラファイトビクトリー』への案内を兼ねた新撮パートが追加されている。また、「新列伝ならではのちょっとしたニューバージョン」と称し、BGMの一部が旧作品で使用されたものに差し替えられている。これは、『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』同様に坂本監督のこだわりに準じたものとのこと。
2017年2月18日より『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE』内にて『ウルトラマン列伝』版に若干の変更を加えて放送された。
2021年6月19日には『ウルトラマン クロニクルZ ヒーローズオデッセイ』内にてダイジェスト形式で放送されたが、ベリアルの台詞は唸り声以外はすべてカットされている。
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