若林 健太(わかばやし けんた、1964年1月11日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(1期)。
元参議院議員(1期)。参議院農林水産委員長を務めた。
父は農林水産大臣や環境大臣、自由民主党両院議員総会長を歴任した若林正俊。
長野県長野市にて出生[2]。東京都立新宿高等学校卒業後、慶應義塾大学経済学部入学。1986年、大学在学中に公認会計士2次試験に合格。1987年3月、慶應義塾大学経済学部卒業。同年、中央会計事務所に就職。
1991年、長野市で若林けんた会計事務所(現長野税理士法人)を開設[3]。中央監査法人代表社員、社団法人長野青年会議所理事長、日本青年会議所長野ブロック協議会会長などを歴任[3]。2005年、早稲田大学大学院公共経営研究科専門職学位課程修了。
2007年、父親の若林正俊の政策担当秘書、農林水産大臣秘書官となる。
2009年、自由民主党の公募に応募し、長野県選挙区参議院議員候補者として擁立される。
2010年、第22回参議院議員通常選挙で長野県選挙区(改選数2)から自民党公認で立候補し、初当選[4]。
2011年、自民党憲法改正推進本部起草委員として日本国憲法改正法案作成に参加 [5]。2012年、第2次安倍内閣で外務大臣政務官に就任。2016年、参議院農林水産委員長に就任。
2016年、第24回参議院議員通常選挙で改選数が2から1に削減された長野県選挙区で杉尾秀哉に敗れ、落選した[6]。
2017年、第48回衆議院議員総選挙に自民党の比例北陸信越ブロック単独21位候補として出馬するが[7]、落選。2018年、次期総選挙の長野県第1区の党公認候補に内定。
2021年、第49回衆議院議員総選挙で長野県第1区から出馬し[8]、当選。
2024年1月20日、自民党5派閥の政治資金パーティーの裏金問題をめぐり、2018年 - 2022年の5年間でパーティー券の販売額のうち計368万円を「中抜き」するなどして安倍派に納めず、政治資金収支報告書に記載しなかったことが明らかとなった[9]。
- 2010年、参議院議員通常選挙に挑むにあたり、「家族のきずな、地域のつながりといった身の回りのことから政策議論をして、保守の原点をつくり上げたい」と意気込みを語っている[10]。またその選挙期間中の長野駅前での演説では「資源のない日本は、人や科学技術に引き続き投資していくべきだ」と語り、人への投資の重要性を説いた。また「地に足の着いた地場産業づくり」に注力する姿勢も見せた[11]。
- 2010年、初当選を果たし、臨時国会の臨むにあたって集会で「政権担当経験のある野党として与党に提言し、前へ進める新しい野党像をつくっていきたい」と語っていた[12]。同年10月には委員会での初質問に立ち、沖縄県の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐる政府対応をただした[13]。
- 2014年、4月に行った国政報告の場でエネルギー政策に関する考えを語り、「技術革新が起きて、自然エネルギーで代替できる時代が来るかもしれない」としつつ、「人類は(原発の)技術開発にチャレンジしなければならない」と主張したと報じられた[14]。
- 選択的夫婦別姓制度導入について2016年の朝日新聞の選択式アンケート調査では、「どちらかといえば賛成」としている[15]。「時代に合わせた法整備が必要。個々の生活を尊重する社会を実現したい。」としている[16]。
- 受動喫煙防止を目的に飲食店などの建物内を原則禁煙とする健康増進法改正に反対。2016年の参院選に先駆けて行われた受動喫煙防止についての公開アンケートにおいて、レストランやバーを含む一般市民が出入りする場所は、2020年までに「罰則付きの分煙とするべきである」と回答している[17]。
- 2013年3月、外務大臣政務官に就任した際、衆議院外務委員会において「北米、中南米諸国との関係強化を図るとともに、海外への情報発信や文化外交に積極的に取り組みます。また、軍縮・不拡散、科学技術の分野の課題にも尽力してまいります。」と意気込みを語っている[18]。
- 2013年、4月29日から30日までタイのバンコクを訪問し,国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)第69回総会に首席代表として出席した。閣僚セッションでは総会のテーマである「自然災害及び主要な経済危機に対する強靭性の構築」に基づいて防災についてステートメントを行った。またヘイザーESCAP事務局長、エリアソン国連副事務総長、小沼国連食糧農業機関アジア太平洋地域代表兼事務所長と会談を行った[19]。
- 2013年5月、総理大臣、外務大臣の代理としてコロンビアで開催された太平洋同盟首脳会合及び閣僚会合に出席した。閣僚会合では「日本政府は中南米の中でも特に開放的な通商政策をとる太平洋同盟諸国との関係強化を重視しており,太平洋同盟側にはアジア諸国の中で唯一オブザーバーとして参加している日本をアジアとの関係強化の頼りにして頂きたい」と語った。また特派大使としてエクアドルを訪問し、エクアドル大統領主任式に出席し、コレア大統領,グラス副大統領及びパティーニョ外相に対し,新政権発足への我が国政府からの祝意を伝達した[20]。
- 2013年7月、来日したマーク・マクゴワン西オーストラリア州野党党首による表敬を受け、基本的価値と戦略的利益を共有する重要な戦略的パートナーであるオーストラリアとの協力関係を一層推進していきたい、日豪経済連携協定(EPA)や環太平洋パートナーシップ(TPP)協定等の経済的なルール作りや,インフラ分野での協力を含め,オーストラリアと協力していきたいと述べた[21]。
- 2015年9月、参議院財務金融委員会で質疑に立ち、中国の為替制度について「今回改めて認識させられた中国の管理された為替制度で果たしてどうか」と疑問を呈し、「完全な変動相場制度に向けて中国政府に対してやっぱり促していくということも必要なのではないか」と語り、政府の認識を問いただした[22]。
- 2023年3月、財務金融委員会で質問に立ち、輸出入貨物が増えていくことは大変重要、インバウンドの推進は地方経済の活性化にとっても大変重要なテーマと指摘した上で、水際でのしっかりとした対応、不正薬物等の摘発などを行うための体制整備、スマート税関など、しっかり取り組むべきと訴えた[23]。
- 2023年4月、自民党の政務調査会で取りまとめられた「国家安全保障戦略を具現化するための外交力の抜本的強化を求める決議案」を当時の林芳正外相に手交した[24]。
- 2023年5月、災害対策特別委員会で質問に立ち、災害時、国土交通省のTEC-FORCEが被災自治体に対して強力な支援を行っていることを指摘し、各地方整備局に配置されているTEC-FORCEといった組織に、予算や人員配置の面で維持拡充していく必要があると訴えた[25]。
- 2023年5月、災害対策特別委員会で千曲川などの一級河川について一部県が管理する区間、いわゆる中抜け区間が存在していると指摘し、国による一元管理の要望があることについて国交省に見解を問いただし、また長期的な検討、改善を求めた[25]。
- 2024年2月、衆議院予算委員会が金沢市で地方公聴会を開いた。その地方好意超会で「再建に向かうまで、人材流出をどう食い止めるかが重要な課題」と指摘し、能登半島地震の被災地の復興に向けた経済対策の重要性を訴えた[26]。
- 派閥の政治資金問題について、自民党の政治刷新本部の会合でパーティーについては一切禁止、清和会も解散すべきと発言した[27]。また清和会の最後の議員総会に出席し、中堅若手が「組織としての責任の在り方」を幹部に問う発言をしたが、派閥幹部から明確な回答がなかったことについて「大変残念」と総会後の取材に答えた。
政治資金パーティー収入の不記載問題について、2024年1月20日、若林は記者会見し、2018年 - 2022年の5年間でパーティー券の販売額のうち計368万円を「中抜き」するなどして安倍派に納めず、政治資金収支報告書に記載しなかったことを明かした[9]。
出典
令和3年11月2日選告示第84号(衆議院小選挙区選出議員選挙における当選人の決定)
参院選’10信州:若林氏、激戦制し初 北沢氏、手堅く4選(その1) /長野 毎日新聞 2010年7月12日
「参院選=健全な保守勢力に 自民若林氏、事務所開きで」『信濃毎日新聞』2010年4月26日。
「参院選=地方の経済再生を 自民若林氏、長野駅前で演説」『信濃毎日新聞』2010年6月21日。
「まず一流の野党に 自民若林氏、長野で「語る会」」『信濃毎日新聞』2010年9月24日。
「国守る気概感じぬ 自民若林氏、参院委で初質問」『信濃毎日新聞』2010年10月27日。
「原発否定できない 自民若林氏、都内で国政報告」『信濃毎日新聞』2014年4月10日。
「スピーク」『信濃毎日新聞』2024年2月17日。